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強すぎる大野将平の2連覇なるか、山場は2回戦のサインジャルガル戦・チェリャビンスク世界柔道選手権73kg級展望

(2014年8月26日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月26日掲載記事より転載・編集しています。
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強すぎる大野将平の2連覇なるか、山場は2回戦のサインジャルガル戦
チェリャビンスク世界柔道選手権73kg級展望
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2連覇を狙う大野将平

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寝技ファイターの中矢力は世界王座返り咲きを狙う

■日本代表選手
大野将平(旭化成)
22歳 ワールドランキング9位
おもな戦績:2013年リオ世界選手権1位
最近の成績:2014年4月全日本選抜体重別選手権1位

中矢力(ALSOK)
25歳 ワールドランキング16位
おもな戦績:2011年パリ世界選手権1位、2012年ロンドン五輪2位
最近の成績:2013年リオ世界選手権7位、11月グランドスラム東京1位、2014年全日本選抜体重別選手権2位

■有力選手×階級概況

優勝候補の筆頭は昨年のリオ世界選手権金メダリスト大野将平。昨年は豪快な右内股と右大外刈で「一本」を量産、他を全く寄せ付けない圧勝であった。組み手や先手攻撃、場外際に寝際立ち際の攻防に拘ってなんとか相手を凌ごうという戦術派が増える中、大野のストロングポイントは組み力の強さと投げ一撃の規格外の破壊力。突飛な技や特殊な組み立て、奇襲技などの凸凹なしに、「組んで」、「投げる」というもっとも本質的なところの強さだけで勝ってしまう、それも相手に合わせるのではなく無理やりにでも自分の形に持ち込んで投げつけるという王道で頂点に立ってしまう大野は、周囲にとってはまことに対策の困難な選手。組む力の強さと投げ一発の威力というこの競技のもっとも本質的なところの高さでここまで勝たれてしまうと、実は「強くなる」こと以外では対策の施しようがないのでないか。そう思わせるほど今の大野は強い。右膝を痛めた2月以降国際大会の出場は控えているが、4月の選抜体重別での圧勝を考えれば、この負傷とて最終的には相手の研究を封じるという文脈で良い目に転がる可能性が高い。今大会は圧倒的な大野に対して他選手がどう立ち向かうのか、これが階級を貫く第一トピックと規定して良いのではないだろうか。対抗馬が2011年パリ世界選手権王者でロンドン五輪銀メダリストの中矢力であることを考えると、73kg級の主役は日本勢である。

対抗勢力の中で注目すべきはこれぞモンゴル柔道というパワーファイター、サインジャルガル・ニュムオチイ(モンゴル)。昨年は片襟の右大外刈からの左小外掛という異常な組み立てで中矢を投げつけ、失神退場に追い込んだ猛者である。大外刈、背負投と技種は多彩だが、なんといってもその体幹を生かすべく正面から腹をつけて相手を持ち上げての「やぐら投げ」がその代名詞。高藤直寿や高市賢悟も連なる移腰ブーム、2013年以降の世界的な「やぐら」の流行はこの人が発信源だ。今春は突如81kg級に参戦、2大会を戦ったがいずれも入賞出来ず早期敗退。世界選手権直前の地元大会グランプリ・ウランバートルは出場自体をとりやめて本人もどちらの階級で戦うかを迷っているとの情報だが、少なくとも今大会までは73kg級に居残る可能性が高いと思われる。

他勢力では同じくモンゴルの英雄ハッシュバータル・ツァガンバータルが有力。もと66kg級世界王者で日本勢とも激しい戦いを繰り広げてきたが、昨年階級を上げて年間10の国際大会に出場。さすがに疲労困憊で後半のパフォーマンスはボロボロだったが、今年は出場試合を絞って調整中。まだツアーの優勝はないがツァガンバータルらしい内容を見せ始めるようになっており、今大会は躍進が期待できる。

ほか、激しい動きと際の技といういわゆる「ガチャガチャ柔道」の中で勝ちを拾い続けるロク・ドラクシック(スロベニア)、北京-ロンドン期から上位に居座り続けるディルク・ファンティシェル(ベルギー)、ウーゴ・ルグラン(フランス)、デックス・エルモント(オランダ)などの欧州勢がいるがこれはいずれも5分トータルでなんとか相手を上回ろうというタイプで勢い、柔道の内容ともインパクト不足。大野、中矢、サインジャルガル、ツァガンバータルらを上回るものが現れるとしたら、例えばロンドン五輪王者マンスール・イサエフ(ロシア)の復帰がある場合であろう。

そしてもう1つ。これらのダンゴレースを走り抜けて日本勢を凌ぐだけの爆発力があるのでは、という不気味な存在がグルジア勢。ロンドン五輪66kg級金メダリストで以後低迷、グランプリ・ブダペストでついにブレイクしたラシャ・シャフダトゥアシビリは同大会決勝で負傷して出場の可能性は低いが、7月のグランプリ・ウランバートル大会で優勝を飾ったヌグザリ・タタラシヴィリ、81kg級と73kg級を行き来するゼバダ・レクビアリビリの潜在能力の高さはランキングだけでは測れないものがある。レクビアシビリは突如81kg級で出場した2月のヨーロッパオープン・オーバーヴァルトではあっさり優勝を飾っており、まことにあなどれない隠れた強者。

最後にさらに1人。グランプリ・ウランバートルで力自慢のモンゴル勢を立て続けに投げつけたホン・カクヒョン(北朝鮮)も不気味な存在。大会に出続けて手の内を知られているハイランカーよりもよほど手ごわいと考えておいて良いかと思われる。

■組み合わせ

【Aブロック】
Aシード選手:ロク・ドラクシック(スロベニア)
Bシード選手:大野将平

第1シードのドラクシックの山だが、この人の存在が霞んでしまうくらいに下側の山が面白い。シード選手大野将平に対して、なんと2回戦でサインジャルガルがマッチアップするのだ。序盤戦の山場どころか、トーナメント全体、金メダルの行方を左右する大一番だ。サインジャルガルには減量苦の噂もあるが、であればこそ、そして大野が絶対の強者であるからこそ、クロス組み手、あるいは正面から腹をつけての一発勝負を採って早い段階で片をつけにくるであろうことは間違いない。大野が上から目線で組み止めて何もさせずに投げ勝ってしまうのか、それともサインジャルガルとの肉体的対話に応じて接近戦を受けてたつのか。要注目。

【Bブロック】
Aシード選手:アレックス・ウイリアム・ポンポ ダシウバ(ブラジル)
Bシード選手:ウーゴ・ルグラン(フランス)

右組みオーソドックスファイターで、かつ今退会絶不調のブラジルチーム所属のポンポダシウバに破綻のないトータルファイタールグランとシード選手には面白みなし。ポンポダシウバの2回戦はディルク・ファンティシエルがマッチアップするが、結果以上の興味を抱きにくいというのが大方の意見ではないだろうか。

面白いのはルグランの山のノーシード選手。ホン・カクヒョンとヌグザリ・タタラシビリのダークホース2人が詰め込まれたのだ。名前とランキングはあるが柔道に面白みがないシード選手同士の優等生対決よりも、骨が太くて連続攻撃が効く無名(とは言い過ぎだが)の2人の殴り合いのほうがよほどファンにとっては面白いカードだ。ホンがルグランに勝てば、4回戦でこの2人の対決が実現する。期待して見守りたい。

【Cブロック】
Aシード選手:セージ・ムキ(イスラエル)
Bシード選手:デックス・エルモント(オランダ)

ワールドランキング2位ながら評価の低いセージ・ムキ(イスラエル)の山。直下にキヨシ・ウエマツ(スペイン)、そして中矢が配された。
中矢は世界ジュニアで活躍したジョルジオス・アゾイディス(グルジア)との初戦を突破するとムキと対戦。準々決勝の勝ち上がり候補は手立ての読みやすいエルモントで、ハッキリ組み合わせに恵まれたといって良い。
ただし、エルモントの山には欠場濃厚と思われたシャフダトゥアシビリがエントリーする衝撃。ロンドン五輪では隅返のみで頂点に立った(66kg級)この人、再ブレイクした6月のブダペスト大会では隅返をさらしておいて、あるいは抱かせておいての大内刈で「一本」を量産していた。要注意である。

【Dブロック】
Aシード選手:ヴィクター・スクボトフ(UAE)
Bシード選手:ハッシュバータル・ツァガンバータル(モンゴル)

モルドバからの移籍を機に昨年ブレイクしたスクボトフの山。
そしてこのブロックも主役はBシード選手側。ツァガンバータルの山にムサ・モグシコフ(ロシア)が配されて2戦目(3回戦)で早くも対戦が実現する。序盤屈指の好カードだ。どちらが勝ってもおかしくないが、今季のツァガンバータルの尻上がりに良くなる試合内容に鑑み、ツァガンバータルの勝ち上がりを推す。スクボトフは複数のタイトルを得ているが、一線級に勝利した試合はほとんどないはず。ブロック勝ち上がりはツァガンバータルと読むべき。


【準決勝-決勝】

大野 - タタラシビリ
中矢 - ツァガンバータル

というカードを予想する。強すぎる大野を他がどう凌ぐか、そして投げの大野vs寝技の中矢のどちらに軍配があがるのか、という今大会における2つの観戦軸はここに至っても変わらず。熱戦に期待。

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