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優勝は絶好調のガンバット、高藤直寿は地元ムドラノフに敗れ3位に留まる・チェリャビンスク世界柔道選手権60kg級レポート

(2014年8月26日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月26日掲載記事より転載・編集しています。
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優勝は絶好調のガンバット、高藤直寿は地元ムドラノフに敗れ3位に留まる
チェリャビンスク世界柔道選手権60kg級レポート
【成績上位者】 エントリー61名
1.GANBAT, Boldbaatar(MGL)
2.MUDRANOV, Beslan(RUS)
3.PAPINASHVILI, Amiran(GEO)
3.TAKATO, Naohisa(JPN)
5.ARSHANSKI, Artiom(ISR)
5.IMASHEV, Aibek(KAZ)
7.CHOI, In Hyuk(KOR)
7.MILOUS, Sofiane(FRA)

2連覇を狙う高藤直寿と地元ロシアのベスラン・ムドラノフが戦った準決勝がトーナメント最大の山場だった。ムドラノフは左、右と組み手をスイッチしながら斜めから高藤に近づき42秒肩車で高藤を深く体に載せ「有効」奪取。「技有」が宣告されてもおかしくない勢いだった。
ビハインドの高藤は直後の1分5秒、ムドラノフが左組みに戻して釣り手で上から背中を持って来た瞬間に左大腰で投げ付け「技有」奪取で逆転。「一本」級と思われたこの投げだったが、しかしここから30秒以上が経過したところでこの「技有」は「有効」に訂正される。

3分9秒、ムドラノフが釣り手を左クロスに入れて来た瞬間、高藤左手で右脇を差して押し込み、引きずり落として被り「有効」。しかしこれも取り消しとなり、直後ムドラノフが両袖で高藤を場外際に押し込むと高藤動きが止まり場外の「指導」。これが決勝点となり反則累積「1」で高藤の敗退が決まった。高藤は終了ブザーが鳴ると、「負けていない」とばかりに両手を広げて主審に一歩近寄り、悔しそうな表情。

3位決定戦に回った高藤はアイベク・イマシェフ(カザフスタン)と対戦、腰の差し合いから小外掛「技有」を失う大ピンチに陥る。しかし再開直後に再びの腰の差し合いを今度は裏投で制して「一本」、銅メダルを確保した。高藤は前戦の反省からか勝ち名乗りを待たされた開始線上でも「取り消すならまだやるぞ」とばかりに前のめりに相手を睨んで集中を崩さず。

試合後高藤は「こんなひどい判定ってあるんだなと思いました。でもこれが世界選手権。基礎体力を作るところから、一からやり直します」と殊勝にコメント。「(3位決定戦で)投げられた時は、ここを取ると取らないでは全然違うし、同じ技で投げ返して勝てばいいと思った」と高藤らしいコメントで悔しい大会を総括した。

戦後、IJFの公式facebookページのこの一戦のニュース欄には海外のユーザーから「shame」「審判の助けで勝った」などのコメントが複数書き込まれ、露骨な地元判定への疑義が提示される形となっていた。

優勝したのは第3シードのガンバット・ボルドバータル(モンゴル)。2回戦はアーメット・サヒン・カバ(トルコ)を浮落と縦四方固の合技「一本」(3:14)、3回戦は右相四つのツァイ・ミン・イェン(台湾)との技の応酬を制して左出足払「一本」(2:34)、準々決勝はケンカ四つのアイベック・イマシェフ(カザフスタン)に残り1分で右大内刈を引っ掛けての「有効」優勢で勝利。勝負どころの準決勝は第2シードのアミラン・パピナシビリ(グルジア)との組み手の絞り合いから後半脱げ出し「指導2」対「指導1」で勝利して決勝進出。

決勝は地元の大声援を受けるムドラノフと対戦。開始早々にムドラノフを場外に弾きだして「指導1」奪取。その後、両袖、釣り手で脇下と双方形を変えながらの絞り合い、攻め合いとなり2分12秒双方に「指導」。

3分にはムドラノフが左釣り手で背中を深く抱えて左小外掛。ガンバット透かして浮落でムドラノフを転がし、これは明らかなポイントと思われたが主審はスルー。準決勝の高藤戦に続いてまたもや地元贔屓の判定かとガンバットの気持ちが切れてもおかしくないところだったが以後も試合は変わらぬ様相で推移。結果「指導2」対「指導1」の反則累積差でガンバットの初優勝が決まった。この階級で長年トップグループに迫る表彰台レベルの選手を複数輩出し続けてきたモンゴル勢はついに金メダル獲得。五輪王者アルセン・ガルスチャンを押さえて地元ロシアからの代表権を獲得したムドラノフは悔しい2位に終わった。

結果優勝はガンバット、2位がムドラノフで3位が高藤とパピナシビリ。

パピナシビリは初戦から動きが悪く、2回戦の開始早々に膝に手をついて疲労感を露わにするなど少なくともベストコンディションではなかった模様。高藤も「一本」こそ積んだもののハイコンディション時に比べるとスピードや遮二無二懐に入る強引さ、決めの確かさは一段落ちる印象だった。

一方初戦から得意の鋭い足技を連発して攻撃に切れ目がなかったガンバット、初戦でハビエル・ゲデス(ベネズエラ)を「指導4」、2回戦でパヴェル・ピエトリコフ(チェコ)を腕挫十字固「一本」、3回戦でエリック・タカバタケ(ブラジル)を小内巻込「一本」、準々決勝でチョ・インヒュイ(韓国)を腕挫十字固「一本」と圧倒的な内容で勝ち上がったムドラノフの2人は序盤戦から明らかに他を上回る良い動きを見せていた。ムドラノフは準決勝での不可解な判定により悪役にされてしまったが、左、右と組み方を変えながら高藤の本丸に迫る柔道の骨の太さは圧巻であった。つまりはマクロに見れば、キッチリコンディションを調整して出来の良かった二人が決勝を争ったという、筋の通った結果であった。

敢闘賞はソフィアン・ミルス(フランス)とアルティオム・アーシャンスキー(イスラエル)。展望記事でも書いた通り、昨年国内ナンバーワンながら国際大会での成績の悪さゆえ階級自体の世界選手権選手派遣を見送られたミルスは初戦でシード選手ダシュダバー・アマーツブシン(モンゴル)と対戦。圧倒的不利が予測されたが「有効」ビハインドを追いつき「指導4」対「指導3」で逆転勝ち。準々決勝でパピナシビリには逆転負けを喫したが、7位入賞で意地を見せた。

アーシャンスキーは初戦でパリ世界選手権3位のイルガー・ムシュキエフ(アゼルバイジャン)を背負投「一本」で降してベスト8進出。準々決勝で高藤、3位決定戦ではパピナシビリに敗れて表彰台には手が届かなかったがパピナシビリからは試合終了直前までリードを保つなど今大会は存在感抜群。見事5位入賞を果たした。

シード選手フェリペ・キタダイ(ブラジル)は初戦敗退。明らかにコンディション不良で動き悪く、ディヨロベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)に右釣り手からの一手目に拘る手順を徹底利用されて右背負投「有効」、釣り手を抱かれての左小外掛「一本」と連続失陥で敗退。コンディション、戦術と良いところがなかった。

準決勝、3位決定戦、決勝の結果と高藤の勝ち上がり詳細は下記。

【準決勝】

ベスラン・ムドラノフ(ロシア)○優勢[指導1]△高藤直寿
ガンバット・ボルドバータル(モンゴル)○優勢[指導3]△アミラン・パピナシビリ

【3位決定戦】

アミラン・パピナシビリ○優勢[技有・抱分]△アルティオム・アーシャンスキー(イスラエル)
高藤直寿○裏投(2:04)△アイベク・イマシェフ(カザフスタン)

【決勝】

ガンバット・ボルドバータル○優勢[指導2]△ベスラン・ムドラノフ

■日本選手勝ち上がり

高藤直寿(東海大3年)
成績:3位

[2回戦]

高藤直寿○優勢[技有・隅返]△ヤニスラフ・ガーチェフ(ブルガリア)

高藤左、ガーチェフ右組みのケンカ四つ。ガーチェフは長い腕で釣り手で前襟を確保、距離を取る。高藤は外側から肩裏を握って対峙。
引き手を嫌うガーチェフに対し高藤は30秒隅返で「有効」、3分17秒にも隅返で「技有」を獲得。巴投、隅返に潰れるガーチェフには1分8秒偽装攻撃の「指導」、1分58秒「指導」(高藤と同時)、2分18秒偽装攻撃の「指導」と次々反則が宣告される。そのままタイムアップ。

[3回戦]

高藤直寿○大内刈(4:31)△ホヴァネス・ダフチャン(アルメニア)

両者左組みの相四つ。組みたがらないダフチャン、高藤の左腕を抱え込んでほとんど巻き込みの形で組み、肩越しの「指導」が2つ累積。
1分50秒、高藤が右大腰。十分警戒している相手が耐えた、と思いきやこれはフェイント。大腰で接近しておいての左大内刈で「有効」。
3分31秒、ダフチャン鋭い右小外掛。掛かった、と体を預けたその瞬間空中で高藤の左大内刈が決まり「一本」。高藤、好調ダフチャンを一蹴。

[準々決勝]

高藤直寿○内股透(1:46)△アルティオム・アーシャンスキー(イスラエル)

高藤が左、アーシャンスキー右組みのケンカ四つ。接近戦を嫌気したアーシャンスキーが遠間から右内股。高藤膝を内側に曲げながら両腕をハンドル操作、鮮やかに透かして「一本」。

[準決勝]

高藤直寿△優勢[指導1]○ベスラン・ムドラノフ(ロシア)

ムドラノフが右、左と構えを変えながら高藤に迫り肩車「有効」。
高藤、ムドラノフの組み換えを狙って左大腰で「技有」。しかし「有効」に訂正となる。
高藤、ムドラノフが肩越しに釣り手を入れた瞬間押し込んで引きずり落とし「有効」奪取も、主審は事後「取り消し」を宣告。
直後、高藤に場外の「指導1」。この反則によりムドラノフが優勢勝ち。

[3位決定戦]

高藤直寿○裏投(2:04)△アイベク・イマシェフ(カザフスタン)

ケンカ四つ。腰の差し合いから小外掛「技有」失陥も、直後同様の展開から裏投「一本」

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