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投技のケルメンディと寝技の橋本優貴が頂点競う。対抗馬はクズティナ、ダークホースはベルモイとマー・チェリャビンスク世界柔道選手権52kg級展望

(2014年8月25日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月25日掲載記事より転載・編集しています。
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投技のケルメンディと寝技の橋本優貴が頂点競う。対抗馬はクズティナ、ダークホースはベルモイとマー
チェリャビンスク世界柔道選手権52kg級展望
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2年連続の世界選手権出場となる橋本優貴

■日本代表選手
橋本優貴 (コマツ)
25歳 ワールドランキング4位
主な成績:2013年リオ世界選手権3位、2013年グランドスラム・パリ1位、2013年全日本選抜体重別選手権1位
最近の成績:2013年11月グランドスラム東京1位、2014年2月グランプリ・デュッセルドルフ2位、4月全日本選抜体重別選手権3位


■有力選手×階級概況

昨年のリオ世界選手権王者、現在23歳のマイリンダ・ケルメンディ(コソボ)の力が抜きんでている。数年スパンで試合に出まくって力を練ってきたこの選手、昨年の金メダル奪取以後はさすがに休養期間を設けたようだが、2月のヨーロッパシリーズから大会に復帰。そして復帰するなり調整期などないかのように力を全開、2月のグランドスラム・パリで優勝、続いて3月のグランプリ・サムスンでも優勝すると、4月は強豪集う欧州選手権もあっさり制して3連勝。ダンゴ状態で続けて勝つ選手がなかなか出てこないBグループを後目に、爆発力、安定感とも一歩他を引き離している。世界選手権の前哨戦として出場してきた6月のグランプリ・ブダペストでも全試合一本勝ちで優勝を果たしており、2014年度はもっか全勝。現在まさしく充実の時を迎えている。
特徴はなんといってもそのパワー。内股に大外刈、大内刈に払腰と持ち技はオーソドックスそのものだが、奥襟を掴んで相手を止め、思い切って大技を仕掛けるというベーシックな組み立てだけで周囲の強豪を沈黙させるだけの圧倒的なパワーがその強さと安定感の源泉だ。

対抗馬の一番手は日本の橋本優貴。こちらの武器は寝技であり、優位な形で寝技をスタートすることさえできれば全員抑え切ってしまうだけの技術の高さがある。つまりこの階級、「立ち技のケルメンディ、寝技の橋本」という二強の構図で捉えていて良いかと思われる。直接対決となった場合、ケルメンディは橋本の寝技を警戒し、場外際に誘導しておいて試合場の外側に向かっての左内股という作戦を採ってくる可能性が高い。

この2人を追うグループは2013年以降急激に寝技の技術を伸ばし、かつトレーニング方法を変えて弱点であった線の細さを克服したナタリア・クズティナ(ロシア)。昨年は腕挫手固と腕挫十字固で「一本」を量産しており、そろそろ大ブレイクの気配も漂う。ワールドツアー常連のパワーファイター、もと欧州王者のアンドレア・キトゥ(ルーマニア)は大会出場の多さゆえか最近は元気がないが、コンディション調整次第では本来のパワーを発揮する可能性があり要注目。ダークホースとしてはヤネット・ベルモイ(キューバ)とマー・インナン(中国)の2人を挙げておきたい。

ランキング上位に名を連ねるのはマリーン・ケリー(ドイツ)、エリカ・ミランダ(ブラジル)、ギリ・コーヘン(イスラエル)らのワールドツアー皆勤者たちだが、世界選手権という大舞台で頂点に届くだけの爆発力があるかというと難しい。むしろ警戒すべきはヤネット・ベルモイ・アコスタ(キューバ)。世界選手権などのビッグゲームしか出場しないが、相手を消耗戦に引きずり込み、スローペースに慣れさせたところで強い一撃を呉れる「勝負」に強いタイプで力関係に関係なく勝ち抜く力がある。

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橋本が迎える最初の山場、準々決勝の相手はナタリア・クズティナ(ロシア)

■組み合わせ

【Aブロック】

ケルメンディの山。直下にムンクフバータル・ブンドマー(モンゴル)。下側の山のシード選手には大ベテランで昨年今年と突如成績を残し始めているイルゼ・ヘイレン(ベルギー)が配された。パワーはあるがブレイクし切るところまで届かないブンドマー、技巧派のヘイレンはともにケルメンディにとってはやりにくい相手ではない。このブロックの主役は、ヘイレンの山にノーシード扱いで配された爆弾ヤネット・ベルモイ(キューバ)。泥臭い先手攻撃の中に本気の一撃を混ぜ込み、返し技も利くベルモイは泥試合製造機。どんなに強い相手も自分の目線に引きずり降ろして戦う相手にとってはまことにやりにくい選手だ。審判がベルモイの柔道に対して偽装攻撃をジャッジしなければ、ケルメンディや橋本を凌ぎ得るのはこの人かもしれない。ベルモイは昨年の世界選手権以降、地元で行われたグランプリ・ハバナ(14年6月・優勝)にしか出場しておらず現在のスタイルやルールとの相性は蓋を開けてみるまでわからない。初戦から要注目である。

【Bブロック】

橋本の山。3回戦のプリシラ・ネト(フランス)戦までは問題なく(ただし初日のフランス勢のコンディションの良さを見る限りでは気を抜いてはならないが)勝ち上がると思われ、決勝ラウンド進出までの唯一最大の山場はナタリア・クズティナと対戦濃厚な準々決勝。寝技対決、ということになるがクズティナの得意は寝際、立ち際。まず優位な体勢で寝技を始めるべく、立っての戦い方をしっかり組み立てたい。

【Cブロック】

エリカ・ミランダの山。3回戦でローラ・ゴメスとの対戦があるが、ここはミランダ勝ち抜けの可能性が大。逆側にはシード選手ギリ・コーヘン(イスラエル)を中心にアディヤサンプ・ツォルモン(モンゴル)、ユリア・リゾヴァ(ロシア)などまさに中堅という選手が集められたが、このブロックで注目すべきはノーシード選手のマー・インナン(中国)。30歳でこれまで国際大会出場経験はほとんどなかったが今年に入って突如頭角を現し、2月のヨーロッパオープン・ローマを制すると7月のグランプリ・ウランバートルではアディヤサンプやマリーン・ケリーを相手にせず圧勝優勝。機関車のような体の強さと連続攻撃はこの世界選手権での活躍を十分想起させるものであった。要注目。

【Dブロック】
マリーン・ケリーの山。ただしこの選手が勝ち上がったとしても爆発力を期待するのは難しく、最近慢性的な疲労ゆえか受けが脆くなったアンドレア・キトゥ(ルーマニア)のコンディションが復活して逆側の山から勝ち上がった場合のみが、以降の上位対戦を揺らす可能性があると思われる。

【準決勝-決勝】

ケルメンディと橋本がぶつかる上側の準決勝が大会最大の山場。
ケルメンディはおそらく橋本の寝技を警戒し、場外際に誘導して外に向かって内股を掛けるという展開を志向するものと思われる。
ここで橋本がどうするかが見もの。前日、世界王者ムンクバットを相手に開始早々迷いのない戦術選択で「有効」をもぎ取るところまで走り抜けた近藤亜美の戦いぶりを見る限り、今大会日本勢の強化スタッフの研究と対策は相当のレベルにあると見積っても良いのではないだろうか。勝ち負けのみならず、橋本がどう戦うか、どう自身のフィールドにケルメンディを連れて行くのか、日本チームの頭脳と橋本もパフォーマンスが非常に楽しみな一番だ。

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