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2連覇狙う高藤直寿が絶対の優勝候補、ムドラノフらライバルは綺麗に組み合わせ分かれる・チェリャビンスク世界柔道選手権60kg級展望

(2014年8月25日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月25日掲載記事より転載・編集しています。
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2連覇狙う高藤直寿が絶対の優勝候補、ムドラノフらライバルは綺麗に組み合わせ分かれる
チェリャビンスク世界柔道選手権60kg級展望
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優勝候補筆頭は日本の高藤

■日本代表選手

高藤直寿(東海大3年)
21歳 ワールドランキング1位
おもな戦績:2013年リオ世界選手権1位
最近の成績:2013年11月グランドスラム東京1位、2014年4月全日本選抜体重別選手権1位、6月グランプリ・ブダペスト1位

■有力選手×階級概況

リオ世界選手権で見事金メダル獲得、以後も国際大会で全勝中の高藤直寿の力が他を圧している。スピード、身体能力、全方向に「一本」取れる技種の多彩さに加え、あっという間に映像が流出しトップファイターが次々潰されていく現の国際柔道界にあって常に新しい技を生み出し相手の研究の上を行くクリエイティビティが現在なによりの武器。2013年に投下した相手の支釣込足を振り返す「ナオスペ」は今やトップファイターの標準技術として普及、単に強さのみでなく国際柔道のトレンドをリードする発信源として目の離せない選手になっている。中量級、重量級の日本のトップファイター達がグルジア系のパワー柔道に苦戦する中、もっか最大のライバルであるはずのアミラン・パピナシビリ(グルジア)を逆(右)の大腰一発で屠りさり「グルジアスタイルですか?」とIJFのインタビュアーに問われたグランプリ・ブダペスト大会の出来を見る限り、今大会も死角は少ない。好戦的ゆえに生まれる返し合い、投げ合いの「際」に生まれる縺れでのアクシデントのみが不安要素。勝ち負け以外の見どころとしては、徹底マークを受ける高藤がどんな戦術、そして技術でその上をいくかというのが第一。そしてもう一つは、リオ五輪に向け高藤が新技開発の有無に左右されない「二本持っての投げる」スタイルへの移行を明言していること、この萌芽がその試合ぶりに見られるかどうかだ。6月のGPブダペストを見る限りこのスタイルチェンジはロングスパンでの努力目標として捉えられるべきものと思われるが、これに関しては特に上位対戦ではなく序盤の戦いを見守りたいところ。

対抗勢力は前述のアミラン・パピナシビリ(グルジア)と、ダシュダバー・アマーツブシン、ガンバット・ボルドバータルのモンゴル勢2人、加えてベスラン・ムドラノフ(ロシア)とキム・ウォンジン(韓国)

パピナシビリは昨年の欧州王者。前襟を持てば担ぎ技に小内刈、奥襟とクロスグリップの場合には釣腰に払巻込と系の異なる大技を駆使する、いかにもグルジアらしい柔道を軽量級で実現している強者。前述のブダペスト大会決勝では高藤の攻めに対して我慢が出来なくなり、パワーで押し切ろうと釣り手をクロスグリップに入れた瞬間に逆の大腰を食って畳に沈んだ。どう修正してくるかが見もの。左右への肩車、抱き付きの小外掛と奇襲技も持っているが、王者高藤とは相四つということもありここまでは実力差がしっかり出てしまっている印象。

ダシュダバーは昨年の世界選手権2位。足技で試合を組み立て、大内刈、引込返で取りに来る。モンゴル選手には珍しく無謀な一発技は使わず、場外際や組み際、潰れ際に立ち際という「際」を狙って返されにくい技を仕掛けてくる戦術派。一方のガンバットはパワーをベースに担ぎ、小内巻込、肩車で投げに来る軽量級らしく動きの良い選手だ。

ムドラノフは今季の欧州王者で爆発力という点ではパピナシビリを凌ぐところがあるかもしれない。担ぎ技と足車が組み立ての中心だが、大外刈に巴投と技が多彩。クロスグリップ、逆(右)組み手も見せるが左両襟からの担ぎが柔道の軸。

もう1人、ここまで爆発的な成績は残していないが、イェルドス・スメトフ(カザフスタン)を挙げておきたい。右内股、左右の体落に巧みな組み際の技と、グランプリを主戦場とする現代軽量級選手の典型のような選手だが、ジュニア時代に対戦歴のある高藤がその潜在能力を高く買っているという情報。ダークホース候補として言及しておきたい。

というようにこの階級は北京-ロンドン期に階級を牽引したリショド・ソビロフ(ウズベキスタン)、ゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)、平岡拓晃のスター3人がいずれも66kg級に去りすっかり面子が入れ替わったが、未だ居残るロンドン五輪王者アルセン・ガルスチャン(ロシア)の存在は不気味。長期休養を経て昨年11月のグランプリ・アブダビから畳に戻り、12月の「ヨーロッパvsアジア団体戦」も含めて以降5戦を戦っているがいずれも優勝はなく、どころか派手に投げられる一本負けでの敗退が多い。まだコンディションが戻っていない印象で、かつ同国のベスラン・ムドラノフが欧州選手権を制して充実しているだけに出場自体が微妙な状況であるが、出てくるとすればコンディション次第ではここ2年で出来上がった勢力地図を一気に塗り替える爆発力を発揮する可能性もある。

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高藤、スタッフがもっとも警戒すると伝えられるネスラン・ムドラノフ(ロシア)

■組み合わせ

ガルスチャンは出場せず、ロシア代表はムドラノフ1人。
一昨年、昨年と充実していたキム・ウォンジン(韓国)も同国のアジア大会重視政策の噂を裏付けるかのように出場なく、チョ・インヒョクが代表として送り込まれた。モンゴル勢は予想通り2人枠を行使してガンバットとダシュダバーを投入。スメトフは出場せず、カザフからはランキングに劣るコサエフとイマシェフがエントリー。この2人はアウトサイダーと見積もっておいて良いかと思われる。

というわけで有力候補が比較的コンスタントにワールドツアーに参加して実力相応のランキングを得ているこの階級は比較的キレイに山が分かれた。高藤の勝負は準決勝以降だ。

【Aブロック】
Aシード選手:高藤直寿
Bシード選手:イルガー・ムシュキエフ(アゼルバイジャン)

高藤の山。
対戦予想は2回戦でヤニスラフ・ガーチェフ(ブルガリア)、3回戦でホバネス・ダフチャン(アルメニア)。逆側の山にはワールドツアーの常連が詰め込まれているが準々決勝まで勝ち上がるのは90%以上の確率でムシュキエフだろう。ムシュキエフは2011年パリ世界選手権3位、今年の欧州選手権3位の強豪だが6月のグランプリ・ブダペストでは高藤がムシュキエフの掛け潰れすら許さず送襟絞で締め上げて快勝したばかり。高藤の勝ち上がりは動かない。

【Bブロック】
Aシード選手:ベスラン・ムドラノフ(ロシア)
Bシード選手:オルカン・サファロフ(アゼルバイジャン)

ムドラノフの山。2回戦でパベル・ペトリコフ(チェコ)との対戦があるが、エリック・タカバタケ(ブラジル)、ルドウィック・シャンマルタン(スイス)も含めて対戦予定者は比較的柔道の線が細いタイプでムドラノフにとってはやりにくい相手ではない。サファロフの山には力の見積もりが難しいチョ・インヒュクがいるが、どちらが勝ち上がってもムドラノフの準決勝進出はまずまず堅いと見積っておくべき。

【Cブロック】
Aシード選手:アミラン・パピナシビリ(グルジア)
Bシード選手:ダシュダバー・アマーツブシン(モンゴル)

ダシュダバーが1回戦でソフィアン・ミルス(フランス)と対戦する。普通に考えればダシュダバが鈍器で殴りつけるように「際」の技を出しながら突き放していく、というところだが、昨年60kg級は代表を送り込むに値せずと世界選手権代表を外され、一時は提訴との噂まであったところから這い上がってきたミルスにとって初戦敗退は到底飲めない結果。意地を見せることができるか。

パピナシビリの山は直下にジョロエン・ムーレン(オランダ)、3回戦にルドウィグ・ペイシャー(オーストリア)の戦術派2人が顔を並べるが、ムーレンは一世代、ペイシャーは二世代前が全盛であり戦闘スタイルも現在のルールに噛んでいない。
準々決勝のパピナシビリvsダシュダバー戦は非常に面白いカード。予選ラウンド最大の好カードだろう。パピナシビリが強気で固定に掛かれば、慎重なダシュダバーは後手を踏むのではないだろうか。接近戦に踏み切ればパピナシビリ、アウトサイドから互いが手数を積むような展開であればダシュダバーと読んでおきたい。

【Dブロック】
Aシード選手:ガンバット・ボルドバータル(モンゴル)
Bシード選手:フェリペ・キタダイ(ブラジル)

人材密集度が低い。両シード選手が準々決勝を争い、ガンバットが勝ち上がるという事前評でほぼ間違いかと思われる。
敢えて言えば、ガンバットの山には18歳のツァイ・ミンイェン(台湾)がおり、この選手は面白い。かつて55kg級で世界カデ2位に入賞、昨年からはワールドツアーでも活躍し今年2月のグランドスラム・パリではなんと3位入賞の快挙を成し遂げている。身が軽く、小内刈が切れるという古風な日本の軽量級スタイル。ガンバットとの3回戦は前半戦屈指の好カードだ。

【準決勝-決勝】

高藤 - ムドラノフ
パピナシビリ - ガンバット・ボルドバータル

と予想しておく。高藤の山場は相四つのムドラノフと戦う準決勝。この先の見どころは、前述の通り高藤の「逆の大腰」、「ナオスペ」、「腹をつけての移腰」等の技を相手がどう封じ、どう誘ってくるか、そして高藤がどのような手立てでその上を行くか。

ベスト4予想の3名はいずれもパワーファイターであり、高藤が本来の持ち味である小内刈などでアウトサイドから組み立ててくるよりもむしろワンチャンスありと近接戦闘に誘ってくる可能性もある。
いずれ「一本」決着の可能性が高い。まことに楽しみな階級。昨年同様、軽量級で勝ちまくる日本勢のスタートダッシュに期待したい。

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