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インターハイ柔道競技女子団体戦マッチレポート①1回戦~2回戦

(2014年8月22日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月22日掲載記事より転載・編集しています。
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①1回戦~2回戦
インターハイ柔道競技女子団体戦マッチレポート
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選手宣誓は木更津総合高・鳥潟みちる選手

平成26年度インターハイ柔道競技は8月2日に成田市中台運動公園体育館(成田市)で開幕。日程3日目の4日には女子団体戦が開始された。

展望記事の通り、優勝候補筆頭の埼玉栄高(埼玉)と敬愛高(福岡)の二校を軸に頂点に絡むと目されるチームは大成高(愛知)、東大阪大敬愛高(大阪)、淑徳高(東京)までを入れた5校。優勝候補「5」は綺麗に4ブロックに分かれて配置されたが、早い段階でぶつかる一組としてチョイスされたのは敬愛と埼玉栄。金鷲旗大会の決勝を争ったばかりの優勝候補筆頭2校がなんと2回戦で激突するという非情の組み合わせとなった。

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高校三冠獲得に挑む埼玉栄高

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金鷲旗決勝の雪辱に燃える敬愛高

■1回戦~2回戦

Cブロックの2回戦、埼玉栄-敬愛戦が唯一最大の見せ場。

【Cブロック】

ここまで高校選手権と金鷲旗を制し、今大会に高校三冠獲得と2年連続のインターハイ制覇を掛ける埼玉栄は1回戦をシードされてこれが初試合。一方の敬愛は初戦で強豪鶯谷高(岐阜)を相手に児玉ひかる、山口凌歌、梅津志悠という3名で戦い、児玉の僅差優勢、山口の大内刈「一本」(3:38)、梅津の内股「一本」(1:24)のより3-0で圧勝。勢いに乗ってこの対決に臨む。

オーダー順は下記。

埼玉栄高 - 敬愛高
(先)柴田理帆 - 児玉ひかる
(中)冨田若春 - 山口凌歌
(大)桒原佑佳 - 梅津志悠

埼玉栄は泉雅子と工藤七海を前衛2枚に入れた一時登録オーダーから選手2人を入れ替え、こちらも初戦からベストオーダーで布陣。

中堅戦と大将戦のカードは一週間前の金鷲旗で対戦歴アリ。冨田は山口と2戦(大将戦、延長戦)し、引き分けと「指導3」による優勢勝ち。桒原は梅津に対し「指導4」による優勢勝ち。

冨田と山口は最初の1試合を引き分けているが、この試合の後半と延長戦の「最初から凌ぎを志向した山口が耐えきれず、時間が経つほどに冨田が相手を突き放した」という様相による実力差と精神的優位を考えると今回対戦は冨田の勝利が濃厚。

しかし桒原と梅津に関してはやや事情が異なる。金鷲旗での対戦が梅津の3試合目、それもフルタイム2試合を戦った後でのものであったことを考えると、その勝敗と内容はさほど参考にはならないのではないか。より今回の対戦に影響するのは、桒原がその後に今大会の先鋒・児玉ひかる相手に喫した内股「一本」の方であろう。大駒級である桒原を児玉が小細工なしに捻じ伏せたこの一番により新戦力児玉の破壊力と負傷明けの桒原の受けの脆さがチーム内外に示され、今回対戦は明らかにこの時作り出された流れの中にある。埼玉栄としては先鋒戦を児玉の破壊力を警戒しながらの防衛戦を強いられることとなり、敬愛としては前回敗れている大将戦カードを、桒原の受けにその攻撃力と相反する隙ありとチャンスを伺いながら、希望を持って試合を進めることが出来るはずだ。

事前予測としては先鋒戦は敬愛・児玉、中堅戦は埼玉栄・冨田が勝利濃厚で、前回対戦での桒原勝利という事実はあるが様相読み難く引き分け濃厚なのが大将戦。

ということは先鋒戦、中堅戦においてそれぞれがどれだけのポイントを得て勝利出来るか、はたまた損耗をどれだけに抑えて試合を終えられるかに、この試合は掛かる。

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児玉ひかるが柴田理帆を左内股で攻める

先鋒戦は埼玉栄・柴田理帆、敬愛・児玉ひかるともに左組みの相四つ。序盤は体格に大きく勝る児玉が両襟を握り、先に脚を差し入れておいての左内股で攻勢。柴田必死に耐え続けるが1分1秒柴田に消極の「指導1」。

続くシークエンスを思い切った右一本背負投で開始した柴田、この技は走り出す前に児玉に早々に潰されたものの以後は左小内刈、釣り手を持ちながらの左大内刈、左小外刈と積極的に技を出し、1分46秒の「待て」の時点までに拮抗気運の醸成に成功。この時間帯、試合の行く末が揺れ始める。

しかし児玉は小外刈、内股、払腰と続けざまに放って瞬く間に主導権を取り返す。打開を狙った柴田は2分20秒に右一本背負投に打って出るが児玉は鋭い出足払で迎え撃ち、相手が崩れた瞬間引き手で襟を引っ掴んで左大外刈、さらに左内股と取り味十分の連続攻撃。大きな体格に似あわぬ鋭い連続技と攻撃意欲、そして足技と連動しての素早い組み手と、思わず「良い選手!」と唸ってしまいたくなる素晴らしいシークエンス。これを受けて2分59秒、ついに柴田に2つ目の「指導」が宣告される。

あとは得点を積み上げる仕上げの段。児玉は左内股と左小外刈で激しく相手を追い詰めるが、柴田は都度右一本背負投を仕掛けて攻防をいったん切り、なかなか山場を作らせない。

残り10秒を過ぎたところで児玉が二本を得ての左内股。これは深く入ったかに思われたが、柴田足を高く上げて凌ぎ切りタイムアップ。この試合は「指導」2つの差による児玉の僅差優勢勝ちに終着。

出来得れば「一本」が欲しかった敬愛、なんとか引き分けたかった埼玉栄いずれにとっても痛い試合であったが、その実力差と体格差に鑑み、損耗を最小限に抑えた埼玉栄の側に盤面の優位傾く一番であった。

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冨田若春が払巻込「一本」で山口凌歌を畳に沈める

中堅戦は埼玉栄・冨田若春が右、敬愛・山口凌歌ともに右組みの相四つ。
前述の通り金鷲旗の大将戦では引き分けている試合だが、冨田はいきなり両襟を引っ掴んでやる気十分。釣り手を上げての左大外刈、さらに右袖釣込腰と放つと山口抵抗出来ずにあっさり畳を割り、一方的展開のまま33秒山口に場外の「指導」。山口続く展開では肩越しに釣り手を入れたところから左大外刈を掛け潰れるミスを犯し、45秒には早くも2つ目の「指導」。

山口は引き手を掴むと、釣り手を高く上げて、敢えて組まずに状況の先送りを試みる。しかし冨田お構いなしに右大内刈、右大外刈と激しく攻めてあくまで攻防の進行を止めず。山口右一本背負投に潰れてなんとか展開を切るが、もはや為す術なしといった印象。

冨田が右大内刈、右大外刈と放つと山口は冨田の釣り手を嫌って絞り、流そうと試みる。冨田ここも動きを止めずに、流された釣り手をいったん離し、戻す動作に重ねて右払巻込。これが豪快に決まって「一本」、1分36秒。

負けたら終わりの大将戦を1日5試合こなした金鷲旗の激戦から一週間、どうやら冨田のコンディションは良し。同大会で接戦を演じた山口を一方的に攻め、山口としてはもはや投げられる以外に畳から降りる手段がないという体の試合であった。

1-1、埼玉栄が内容差でリードして勝負は大将戦へと持ち込まれる。

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桒原佑佳は果敢に右大外刈で攻撃

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梅津志悠が払巻込「有効」でついに得点

大将戦は埼玉栄・桒原佑佳、敬愛・梅津志悠ともに右組みの相四つ。
桒原試合が始まるなりいきなりの右払腰で梅津を場外に弾きだす。以後も冨田が作り出した勢いをそのままに肩越しの右大外刈で梅津を伏せさせて気合十分。
1分15秒には釣り手を振っての右大外刈、この戻り際を梅津に出足払で返されて危うく伏せるというインシデント。この攻防には梅津の地力の高さがクッキリ、桒原としては以後攻撃意欲が減退しかねない危ない返され方であったが、桒原再開の声とともに奥襟を叩き、再度の右大外刈で梅津を伏せさせる。

まるで何かに憑かれたかのような桒原の激しい攻め。梅津は2分過ぎに右大内刈であわやポイントという場面を作るが、これも桒原は倒れながら右払巻込に潰れて防ぎ、直後は出し投げ風の右大腰を仕掛けて攻撃姿勢を崩さない。

一方の梅津もあくまで攻め合いから降りず、引き分ければ勝ちとなる桒原が守勢に回る隙を見逃すまいと機を伺い続ける。冷静着実に、それも具体的なポイントを狙って技を打ち返す梅津の図太い試合ぶりにより、攻めるのは桒原だが試合の流れは梅津が握るという状況が現出。しかし桒原の攻めは止まず、残り40秒を切ったところでは思い切った右大外刈に打って出る。まだ行くのか、と桒原の緩まぬ攻撃姿勢に観客席からは驚嘆の声。

しかしいかに得意技とはいえ幾度も返されかけた、そしてそもそも返されやすい技である右大外刈をこの場面でも仕掛け続けるという桒原の選択には、目を瞑って刀を振り回すような危うさもまた感じられた。攻めずば負けると肚を括ったがゆえの精神的な腰の高さ、自らの受けの脆さを理解し、己に高揚を強いるゆえの浮つきと危うさ。会場全体がこの試合を「どうやら引き分けだ」と冷めた目で眺めるのではなく、地鳴りのような歓声を以て眺めつづけたのはこれまでの展開で明らかな梅津の攻撃力だけでなく、無意識にこの危うさを感じるからこそであったはずだ。

残り20秒で試合は一転。桒原の前進に合わせて梅津が右払腰、さらに浅く腕をロックして払巻込を仕掛けると前がかりの桒原残せず転がって「有効」。悲鳴、歓声、どよめき交錯する中梅津はガッチリ袈裟固。抑えた瞬間逆転の可能性がないことがわかってしまう完璧な形と「有効」リードという絶対的状況。そのままブザーがなり「一本」宣告に至る。

梅津、殊勲の一本勝ち。
最終スコア2-1、敬愛が埼玉栄の高校三冠獲得の夢を打ち砕いて3回戦進出を決めた。

敬愛高 2-1 埼玉栄高
(先)児玉ひかる○優勢[僅差]△柴田理帆
(中)山口凌歌△払巻込(1:36)○冨田若春
(大)梅津志悠○袈裟固(4:02)△桒原佑佳

誤解を怖れずに言えば、勝つべき筋は埼玉栄の側にあった。先鋒戦での圧倒的体格差を埋めた柴田理帆の善戦、前回対戦での拮抗をさらに一段引き離した冨田若春の圧勝、そして攻める以外には引き分けること叶わずと肚を括った桒原の覚悟。あと20秒でシナリオ完成というところであったが、梅津の地力の高さと最後まであきらめないメンタルの強さが敬愛を救うこととなった。敬愛としては「一本」を取るべき先鋒戦、なんとか「一本」を取られずに畳から降りたかった中堅戦とことごとくシナリオの分岐点を落としたが、最後の最後の勝負どころ一つを押さえたことで勝ちを拾ったという体の試合であった。布石となったのは凌がれながらそれでも「指導」差での勝ちを果たした1年生児玉の仕事ぶり。勝つために為すべきことを尽くした埼玉栄に対し、敬愛の戦力と地力がこれを上回ったという一番と総括出来る。

埼玉栄・本松好正監督は試合後、「大きい子は守ったら弱いので、行かせました。やりたいことは出来たので悔いはありません」とキッパリ。悔しそうな中にも、目論み通りに肚を括って戦った選手を称え、納得の表情で今季のインターハイを終えた。敬愛は難敵を倒し、初のインターハイ制覇に向けて見事3回戦進出決定。

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1回戦、山口凌歌が鶯谷高・岩井育美から大内刈で一本勝ち

[Cブロック1回戦結果]

西京高(山口) ①代-1 京都文教高(京都)
敬愛高(福岡) 3-0 鶯谷高(岐阜)
八千代高(千葉) 2-0 盛岡南高(岩手)
東海大熊本星翔高(熊本) 2-1 水戸啓明高(茨城)

[Cブロック2回戦結果]

西京高(山口) 2-1 金沢学院東高(石川)
敬愛高(福岡) 2-1 埼玉栄高(埼玉)
八千代高(千葉) 2-0 高知高(高知)
東海大熊本星翔高(熊本) 1-0 近江高(滋賀)

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2回戦、大成高・中江美裕が天理高・新添左季の払巻込を半ばで止めて、抑え込みへと移行する

【Aブロック】

大成高は先鋒中江美裕、中堅粂田晴乃、大将鈴木伊織という布陣で大会をスタート。1回戦は出雲西高(島根)を相手に中江が上四方固(3:06)、粂田が足車「有効」からの袈裟固(3:01)、鈴木が上四方固(0:44)と全て寝技による「一本」で点を重ねて3-0で勝利。

2回戦の天理高(奈良)戦は、中江が天理のエース新添左季とマッチアップした先鋒戦に注目が集まったが、この試合は中江が僅か1分22秒の上四方固「一本」で勝利。以後も粂田が久原夏樹から横四方固「一本」(1:40)、鈴木が名田ひかるから合技「一本」(2:36)と連取。この試合も3-0で終えて順調に3回戦進出決定。

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1回戦、富士学苑高・舟久保遥香が大分西高・岡邊まゆと対峙

ほか、1回戦での好チーム対決、富士学苑高(山梨)と大分西高(大分)の一戦は渡辺聖未の縦四方固と巣山栞里の腰車「一本」をテコに全中57kg級王者王者舟久保遥香が78kg超級の岡邊まゆと引き分けて、2-0で富士学苑が勝利。

松商学園高(長野)は1回戦の金鷲旗ベスト16校長崎明誠高(長崎)戦を2-1で勝利したが、2回戦は東北高(宮城)に1-1の内容差で競り負け終戦。混戦ブロックである下側の山の様相はさらに混沌。

[Aブロック1回戦結果]

大成高(愛知) 3-0 出雲西高(島根)
富士学苑高(山梨) 2-0 大分西高(大分)
広陵高(広島) 1-0 徳島北高(徳島)
松商学園高(長野) 2-1 長崎明誠高(長崎)

[Aブロック2回戦結果]

大成高(愛知) 3-0 天理高(奈良)
富士学苑高(山梨) 2-0 日本文理高(新潟)
広陵高(広島) 3-0 前橋育英高(群馬)
東北高(宮城) ①-1 松商学園高(長野)

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1回戦、淑徳高・井上舞子が北海高・帯川蘭から内股「一本」

【Bブロック】

淑徳高(東京)が順調に勝ち進む。1回戦の北海高(北海道)戦は中堅井上智賀が秋葉麻優に「技有」優勢の負けを喫したが、先鋒浜未悠の袈裟固「一本」、大将井上舞子の内股「一本」を以て2-1で勝利。2回戦は倉吉北高(鳥取)を3-0で一蹴し3回戦進出。

高校選手権3位、金鷲旗大会ベスト8の紀央館高(和歌山)は2回戦で宮崎日大高(宮崎)に粘られたが1-1の内容差で辛勝、3回戦勝ち抜けを決めている。

[Bブロック1回戦結果]

淑徳高(東京) 2-1 北海高(北海道)
紀央館高(和歌山) 2-0 磐城高(福島)
木更津総合高(千葉) 3-0 秋田商高(秋田)
小城高(佐賀) 2-1 高松商高(香川)

[Bブロック2回戦結果]

淑徳高(東京) 3-0 倉吉北高(鳥取)
紀央館高(和歌山) ①代-1 宮崎日大高(宮崎))
木更津総合高(千葉) 2-1 名張高(三重)
夙川学院高 2-0 小城高(佐賀)

【Dブロック】

東大阪大敬愛高(大阪)が順調な滑り出し。1回戦から先鋒池絵梨菜、中堅斉藤芽衣、大将米澤夏帆とベストメンバーを組んで臨んだ沖縄尚学高(沖縄)戦は池と斉藤の合技「一本」(1:36)(0:57)を受けた大将米澤が78kg級の強者新垣さつきを腕挫十字固「一本」(2:58)に仕留めるというこれ以上ない立ち上がりで3-0、オール一本という完璧なスコアで強豪沖縄尚学を一蹴。2回戦の藤枝順心高(静岡)戦も3-0で勝利し、順当に3回戦へと駒を進めている。

序盤の好カードとして注目された2回戦の鹿児島情報高(鹿児島)-創志学園高(岡山)戦は63kg級全日本カデ2位の三浦裕香理が体重128kgの鬼塚葉瑠奈を袈裟固「一本」で破った先鋒戦で勝負あり。中堅戦は井上あかりが崩上四方固「一本」で勝利し、鹿児島情報のエース青柳麗美の登場を待たずにチームの勝利を確定。2-1でこの試合を制している。

高校選手権2位の桐蔭学園高(神奈川) も山形中央高(山形)を2-0で降して順当に3回戦進出決定。

[Dブロック1回戦結果]

創志学園高(岡山) 3-0 福井工大福井高(福井)
新田高(愛媛) 2-1 國學院大栃木高(栃木)
東大阪大敬愛高(大阪) 3-0 沖縄尚学高(沖縄)
山形中央高(山形) 1-0 高岡龍谷高(富山)

[Dブロック2回戦結果]

創志学園高(岡山) 2-1 鹿児島情報高(鹿児島)
新田高(愛媛) 3-0 青森北高(青森)
東大阪大敬愛高(大阪) 3-0 藤枝順心高(静岡)
桐蔭学園高(神奈川) 2-0 山形中央高(山形)

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