PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

金鷲旗高校柔道大会男子マッチレポート②準々決勝

(2014年8月14日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月14日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード
②準々決勝
金鷲旗高校柔道大会男子マッチレポート
eJudo Photo
作陽高・鎌田魁翔が修徳高・坂口真人から小外刈「有効」

修徳高 - 作陽高
(先)佐藤竜 - 岩崎恒紀(先)
(次)坂口真人 - 鎌田魁翔(次)
(中)伊藤佑介 - 高橋恭平(中)
(副)原澤脩司 - 野地優太(副)
(大)小川雄勢 - 安達健太(大)

ここまでほぼダメージゼロと言って良い勝ち上がりの高校選手権王者・修徳高に、五回戦の東海大浦安高戦、六回戦の桐蔭学園高戦と2つの山場を制して勝ち残った作陽高が挑戦する。
修徳の大将に座る絶対のエース小川雄勢が盤面に睨みを利かす中、作陽としては1人でも多く小川に当て、しぶとさと攻撃力を兼ね備えた試合巧者・安達健太の先手攻撃で勝利のチャンスを見出したいところ。

先鋒戦は佐藤竜と中国地区100kg級王者の岩崎恒紀が対戦。双方「指導2」を失った直後、佐藤が右相四つの岩崎の支釣込足を右背負投で切り返し「有効」奪取。これを持ったまま試合を終えて勝ち抜け。
しかし作陽は続いて登場した鎌田魁翔が右相四つの佐藤に上から目線の組み手を展開、腰を切る前技のフェイントと圧殺を繰り返し、佐藤に「極端な防御姿勢」と掛け潰れの偽装攻撃の反則が次々宣告され、結果「指導」4つの累積を以て試合終了。第2試合は鎌田が勝利して試合をタイスコアに戻す。
続く第3試合はどうやら復調基調に乗った修徳のポイントゲッター、次鋒・坂口真人が畳に上がる前半戦の山場と言うべき試合。坂口は片手の左内股で展開を作ろうとするが、これが偽装攻撃と判断されて「指導1」失陥。直後、坂口が片手で放った左出足払を鎌田が右小外刈に引っ掛け返して「有効」を獲得し試合が大きく動く。坂口は両襟の左内股に左大外刈と激しく追いかけるが鎌田はその追撃を「取り組まない」判断による「指導」1つに抑えてフィニッシュし2人抜き達成。作陽、ここに至り1人差のリードを得る。

eJudo Photo
修徳高中堅の伊藤祐介が鎌田魁翔を抱き止めて小外刈「一本」

ところが続く第4試合は本来バイプレイヤー役の伊藤佑介が、相四つの強者鎌田に対して開始するなり超強気の組み手を展開。釣り手で奥襟を叩くと鎌田潰れて「指導1」。これで鎌田のスタミナ切れを悟った伊藤間髪入れず全く同じ展開から支釣込足で相手を蹴り崩し潰し、あっという間に鎌田に2つ目の「指導」が宣告される。

直後、我慢できなくなった鎌田は釣り手を上から叩き入れて抱きつきの一発勝負を試みる。しかし十分この選択を予期していた伊藤、逆に自分が前に出て迎え撃ち、鎌田のインパクトがやってくる前に抱き抱えて右小外刈。鎌田中空で死に体となり、この技は見事に決まって「一本」。防御カードのはずの伊藤でポイントゲッター鎌田を抜き返し、修徳が試合をタイに戻す。

伊藤は続くケンカ四つの高橋恭平戦も得意の腰を抱いての出し投げ崩しで優位に進め、一時は横四方固に抑え込むなど隙を見せずにしっかり引き分け。スコアをタイのままキープして後半戦に襷を繋ぐ。

eJudo Photo
修徳高副将の原澤脩司が野地優太から大外刈「一本」

副将同士の第6試合は修徳・原澤脩司が引き手で野地優太の左袖を掴むと、叩き、開き、落とし、と切り離しに掛かる野地に対しあくまでこの手を離さず前に押し込み続ける。場外際まで野地を下げたところで呼吸を整えて思い切った左大外刈一撃。掛け潰れという自身の退路をも断って真裏を狙って刈り落とす、取る気満々の一撃は見事な「一本」。

得点「一」、作り出された差もわずか一人だが、修徳のエース小川の存在を考えるとここで勝負はほぼ決した感あり。作陽の大将安達健太は原澤を抜き返したものの、第8試合で今大会初めて畳に上がった修徳の大将小川はスタミナ十分、安達を横四方固「一本」で降してこの試合は終戦。修徳高がベスト4への勝ち上がりを決めた。

eJudo Photo
小川雄勢が安達健太を攻める

修徳高○大将同士△作陽高
(先)佐藤竜○優勢[有効・背負投]△岩崎恒紀(先)
(先)佐藤竜△反則[指導4]○鎌田魁翔(次)
(次)坂口真人△優勢[有効・小外刈]○鎌田魁翔(次)
(中)伊藤佑介○小外刈△鎌田魁翔(次)
(中)伊藤佑介×引分×高橋恭平(中)
(副)原澤脩司○大外刈△野地優太(副)
(副)原澤脩司△優勢[技有・大外刈]○安達健太(大)
(大)小川雄勢○横四方固○安達健太(大)

試合のポイントは伊藤が鎌田に一本勝ちした第4試合と、そして何より原澤が一本勝ちで野地を退けた第7試合。大会最大の大駒・小川が最後衛に控える自軍の布陣を考えれば伊藤は引き分けで妥協しても、また原澤も引き分けで小川に勝負を預けてもおかしくないところであったが、両者はともにあくまで自分で勝負を決しに出、結果生まれた鮮やかな「一本」は単なる一点というスコア以上に試合の流れを決定づけるものとなった。さすがは高校選手権チャンピオンチームと唸らざるを得ない、各人の勝負に対する意識の高さであった。

一方の作陽は善戦したが、大将安達の出動前にここぞという試合の分岐点をことごとく修徳に持っていかれてしまった形で、スコア以上に敗北感の強い試合となってしまった。ベスト8入賞にふさわしい地力の高さは見せたが、その反面前代が見せたような規格外の勝負度胸、力関係を無理やりひっくり返す良い意味での「壊す力」を発揮することは出来ず。各校が作陽を警戒するポイントは既に明らかなその地力の高さとともに、このチームに頂点に届くようなもう一段の爆発力を見積っておくべきか、超強豪校を食うような不確定要素が今代チームにも存在するか、つまりは必要とあらば試合者同士のコンセンサスを超えてありえないタイミングであっさり試合を壊しにくるあの図太さが今代にも備わっているかどうか、という観点であったはずだが、順行運転で試合を終えた今大会の出来にこれを見出すことは出来なかった。インターハイまでの一週間で何をどう上積みするのか、川野一道監督の手腕に期待。

eJudo Photo
分水嶺の第5試合、大成・神鳥剛が山田琢也を内股透「一本」に仕留める

大成高○不戦一人△大牟田高
(先)古賀颯人△優勢[技有]○奥大成(先)
(次)前濱忠大○小内刈△奥大成(先)
(次)前濱忠大×引分×西山瑠星(次)
(中)神鳥剛○優勢△浜野大生(中)
(中)神鳥剛○内股透△山田琢也(副)
(中)神鳥剛△反則[指導4]○山口智大(大)
(副)並木泰雅×引分×山口智大(大)
(大)川田修平

先鋒戦は大牟田の九州地区73kg級王者奥大成が古賀颯人から「技有」「有効」と連取し、古賀の反撃を「有効」1つに抑えて勝利。しかし大成は続いて登場した前浜忠大が小内刈「一本」で奥を退け、西山瑠星と引き分けて試合をリセット。
中堅対決は大成・神鳥剛がもと90kg級全日本カデ準優勝者の浜野大生を破り、そして試合の分水嶺が訪れたのは続く第5試合。大牟田の副将山田琢也が相手の圧を我慢しきれず内股に出たところを神鳥が内股透に捉えて鮮やかな「一本」。

大牟田の大将山口智大は上位対戦でも十分複数枚を相手に出来る力があるが、さすがに神鳥に並木泰雅、川田修平の3枚が残る状況での登場は酷。畳に上がる時点でやや意気阻喪した感があり、神鳥1人を抜いた時点で力尽き、並木と引き分けて試合終了。結果ベスト4進出の栄誉は大成が勝ち得ることとなった。我慢して山口、というシナリオを抱えていたはずの大牟田にとってはまことに悔やまれる第五試合、そして際立った大成・神鳥の試合を見る目の確かさであった。

eJudo Photo
正木聖悟と山中勇希の次鋒対決

天理高 - 白鴎大足利高
(先)村上陣亮 - 浅野大輔(先)
(次)正木聖悟 - 山中勇希(次)
(中)山崎壱盛 - 柳原尚弥(中)
(副)並里樹 - 太田竜聖(副)
(大)古田伸悟 - 太田彪雅(大)

全国高校選手権準優勝の白鴎大足利高と、同ベスト8の天理高の今季初対決。
ここまで天理は次鋒正木聖悟が絶好調で充実の勝ち上がり、一方の白鴎大足利はバタバタの序盤戦から引き継いだ流れを払拭しきれず慎重な試合運びを続けてのベスト8入り。

天理は古田伸悟、白鴎大足利は太田彪雅という絶対のエースを大将に置いており、試合の勝敗は言うまでもなく何枚を残して相手のエースを畳に引きずり出せるかに掛かる。天理のキーマンは次鋒の正木、一方の白鴎大足利は前戦までの大人しい戦いを振り払って持ち前の猛った試合が出来るかどうか、前衛4枚全員が勝敗のカギを握る。

先鋒戦は浅野大輔が村上陣亮にマッチアップ。浅野はこの試合から入った村上がペースを掴む前に小外刈一閃「一本」で勝利、拳を握り締めてチームを盛り上げるが、天理は続いて畳に上がった正木聖悟が2つの「有効」で浅野を畳から退けてあっさりこの勢いを消火、さらに巨漢・山中勇希を完封して引き分け。中堅対決では山崎壱盛が柳原尚弥から「指導」2つを奪っての優勢勝ちで、ここに至ってついに天理が一人差のリードを得る。

eJudo Photo
太田彪雅が並里樹を攻める

白鴎大足利は副将太田竜聖が山崎を払巻込「一本」で退けて再びタイスコアに試合を巻き戻すが、続く並里樹との副将対決では並里の強烈な内股で頭から畳に突き落とされて「有効」失陥。この際に首を痛めたか、長い中断が解けて以後は明らかに気力減退、並里の猛攻を止められず4つの「指導」を失って敗戦。天理は副将並里を畳に残したまま、白鴎大足利の大将太田彪雅を引きずり出すことに成功した。

登場した太田は右小外刈に右払腰と連続して仕掛けて並里を追い詰めるが、自身の役割を心得た並里は図太く畳に居残り続ける。しかし太田表情を変えずに内股と小外刈で相手を転がし伏せさせ続け、ついに4つ目の「指導」を獲得して勝利決定。大将同士の対決に試合を持ち込む。

eJudo Photo
満場息を呑む大将対決、古田伸悟が太田彪雅を左体落「一本」に沈める

eJudo Photo

会場息を飲む大将対決は天理・古田伸悟が左組み、白鴎大足利・太田彪雅は右組みのケンカ四つ。
古田が左小外刈を放つと太田大きくバランスを崩して畳に伏せ、太田に「指導」、さらに古田が太田を場外際に追い詰める。太田脱出出来ず、古田は支釣込足で蹴り続けて太田を伏せさせて「待て」。ここで太田に場外の「指導2」。

再開後、古田前に出て再び太田を場外際に追い詰める。釣り手の手首をはためかせて一旦太田のガードを開くと、大外刈をちらつかせながら方向を変えて左体落。太田あっという間に低い軌道で鋭角に畳に落ち、背中から畳に落ちて文句なしの「一本」。

古田、これぞ天理という完璧な柔道で大物太田を一蹴。見事チームのベスト4入りを決めて見せた。

天理高○大将同士△白鴎大足利
(先)村上陣亮△小外刈○浅野大輔(先)
(次)正木聖悟○優勢[有効]△浅野大輔(先)
(次)正木聖悟×引分×山中勇希(次)
(中)山崎壱盛○優勢[指導2]△柳原尚弥(中)
(中)山崎壱盛△払巻込○太田竜聖(副)
(副)並里樹○反則[指導4]△太田竜聖(副)
(副)並里樹△反則[指導4]○太田彪雅(大)
(大)古田伸悟○体落△太田彪雅(大)

天理は一人差リードで襷を繋ぎ、エース同士の対決を「一本」で締める会心の試合。先鋒戦を失っても、勝利という結果を信じて疑わないかのような図太い試合ぶりが印象的な、まさしく強者の試合であった。

一方の白鴎大足利は前戦までの悪い流れを拭い去れずベスト8で終戦。
決して吶喊タイプではない1年生長島を初戦で起用し、そして敗れたところから始まった今大会だったが、ナイーブな長島先鋒起用の是非というよりはチーム全体に「太田頼み」がいつの間にか染みてしまっていたことが今大会低調の最大の原因であったように思われる。
初戦以降も、太田以外の前衛4枚の慎重な試合振りは高校選手権のそれを考える限りまことに意外であった。ただ一敗を喫することであたかもこれまで積み上げてきたものを全て崩されてしまうかのような、まるで、敗戦そのものよりよりも現時点での強弱の評価を突き付けられること自体を怖れるかのようなおっかなびっくりの試合ぶり。引き分けで良しと言わんばかりのリスクのない試合を続けた山中、相手の勢いを止められず、殴り返すどころか失点を最小限にして畳を降りようという判断を早々に下したかのような試合で最終戦を終えた柳原と、高校選手権前に蓬田正郎監督が必死に説き、植えつけることに成功したかに思われた「上から目線」の強気や使命感が感じられる試合では決してなかった。

果たしてこの大人しい試合振りや、チームに流れる「太田に回せば勝てる」という足利らしからぬ空気は、今大会、スタートダッシュに失敗した悪い流れの中でたまたま通電する回路が誤って出来上がってしまった一回こっきりのものなのか、それとも4月以降チームに醸成され、骨身に染みてしまったものなのか。頼みの大駒・太田が敗れるという事態を受けてチームがどう変わるのか、インターハイで再びその答えが問われることとなる。

国士舘高○不戦二人△東海大五高
(先)釘丸将太×引分×森田貴文(先)
(次)磯村亮太○大内刈△河部光仁(次)
(次)磯村亮太○払腰△田英二朗中(中)
(次)磯村亮太△優勢[指導3]○大柿祐真(副)
(中)竹村昂大○大内刈△大柿祐真(副)
(中)竹村昂大×引分×川野義文(大)
(副)山田伊織
(大)吉良儀城

この試合は国士舘高が圧勝。1年生次鋒磯村亮太が2人を抜き、東海大五高の大将に座るエース、90kg級九州王者の川野義文は中堅竹村昂大が完封。不戦二人、三人残しで余裕の準決勝進出となった。

結果決まった準決勝カードは、

修徳高 - 大成高

天理高 - 国士舘高

の2試合となった。

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月14日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.