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埼玉栄と敬愛軸に優勝候補は五校、二回戦での両雄激突がトーナメントの行方を規定・インターハイ柔道競技女子団体戦展望

(2014年8月4日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月4日掲載記事より転載・編集しています。
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埼玉栄と敬愛軸に優勝候補は五校、二回戦での両雄激突がトーナメントの行方を規定
インターハイ柔道競技女子団体戦展望
春の全国高校選手権、7月の金鷲旗高校柔道大会といずれも埼玉栄高(埼玉)が制した二大会を経て、いよいよ今季の「三冠」最終戦インターハイ柔道競技が行われる。

三人制無差別、ポジション別の体重制限なしというレギュレーションのこの大会はチームの大型戦力の枚数、そしてオーダー順という条件が抵抗器なくダイレクトに試合結果に通電してしまう、これも非常に過酷な大会。

金鷲旗で決勝を争った埼玉栄高と敬愛高(福岡)を軸に、簡単に大会を展望してみたい。

■有力校

前述の埼玉栄、敬愛に加えて大成高(愛知)、東大阪大敬愛高(大阪)、淑徳高(東京)の計五校がトップグループ。

埼玉栄は金鷲旗で大活躍したエース冨田若春と桒原佑佳の重量二枚が軸で、中堅に入った冨田とライバルチームのオーダー順が噛みあうかどうかと、三枚目に誰を起用するかがカギ。一次登録は泉雅子と工藤七海だが、インターハイ予選と金鷲旗大会の出来を見る限り、ギリギリで柴田理帆の投入があるのではないだろうか。現在の登録順は先鋒から順に泉、冨田、工藤で補欠が桒原。

敬愛は先鋒が105kgの児玉ひかる、中堅が88kgの山口凌歌、大将が78kgの梅津志悠で補欠に金鷲旗で大活躍した70kg級の強者新森涼が控えるという、他校がうらやむ充実大型布陣。カギは昨年のインターハイ、今年の金鷲旗と勝負どころでゲームを壊してしまってきた山口の使い方と、昨年圧勝が予想されながら敗れたこのインターハイのトラウマを払拭できているかどうかが勝ち上がりのカギ。

東大阪大敬愛は全国を席巻した「香長中トリオ」で臨む最後の夏、そしてこれが最後の大会。70kg級高校選手権王者の池絵梨菜の強さはもちろん、「和製オルティス」と呼ぶべき"一発もある戦術派"斉藤芽衣が安定感を獲得して重量級同士の上位対戦でも計算が立つようになってきたことが大きい。今大会補欠登録ながら「トリオ」の一角を為す米沢夏帆も金鷲旗後半の動きを見る限り一時の不調からは抜け出しているようであり、今大会はいよいよ頂点取りのラストチャンス。池を先鋒に突っ込むという意欲的なオーダーを組み、中堅が斉藤、大将が78kg級の中村優里で補欠が米沢。面白い並びだ。

大成は63kg級高校選手権王者鍋倉那美を補欠に下げ、先鋒中江美裕、中堅に全中超級王者粂田晴乃、大将に鈴木伊織を入れるという愛知県予選と同様の布陣。こちらは粂田が東大阪大敬愛の斉藤同様、安易な掛け潰れを峻拒して畳に立ち続ける剛性を獲得しつつあること、鈴木のサイズアップが今季の上積み要素。新ルール下初の全国大会となった金鷲旗では、投げることかなわずばそのまま潰れて寝技で取という中江と鈴木の戦術に「指導」連続宣告という厳しい評価を突き付けられたばかりだが、「スイッチを反転させる」だけでこの戦術を積極的な攻撃として変換できるもののか、それともスタイルを変えねばならないところまで戦い方が骨身に染みてしまっているのか。上位対戦になった時に見えるであろう、両者の「勝ち方の志向性」に注目。

淑徳は大駒評価の井上舞子に井上智賀を加えた重量級2枚、そして78kg級講道館杯準優勝者の浜未悠を置くというこれも充実の布陣。登録順は先鋒西願寺里保、中堅井上智賀、大将井上舞子、補欠が浜。おそらくは先鋒に浜を突っ込んでくるが、前述の通りオーダー順はこのレギュレーションの生命線。勝負どころがハッキリしている場合には井上智を潰してでも浜の投入を厭わないはずで、浜の予想ポジションは判然としない。楽しみなチーム。

続く勢力は嶺井美穂がワントップを張る桐蔭学園高(神奈川)、井上あかりら骨太の3人を揃えて上位進出に足るメンバーを揃えた創志学園高(岡山)、超級対戦を賄い得る奥本華月に加えて今代のしぶとさナンバーワン選手佐藤史織を手札に持つ新田高(愛媛)、吶喊長身タイプの武居沙知に、サイズがあって担ぎ技が効くという団体戦向け属性選手の小野華菜恵、我慢も利くエース格原琳々子と個性違う3人の足し算で上位進出を狙う松商学園高(長野)、チーム全員が骨太い戦い方をする紀央館高(和歌山)など。
面白いのは鹿児島情報高(鹿児島)。男子と見紛う硬質な柔道を展開する九州70kg級王者青柳麗美に、金鷲旗で全国タイトルホルダー畠石香花(土浦日大高)を捕まえ投げた体重128kgの鬼塚葉瑠奈を揃えて上位進出の資格は十分。

■組み合わせ

C、Dブロックに強豪が密集する、インターハイらしい理不尽な組み合わせ。

【Aブロック】

大成が配された。2回戦で新添左季を擁する天理高(奈良)との対戦、3回戦は全中57kg王者舟久保遥香に70kg級の渡辺聖未と二枚そろえて良く鍛えられた富士学苑高(山梨)との戦いが待ち受ける。

下側の山では松商学園と、金鷲旗でベスト16入賞の長崎明誠高(長崎)が1回戦で激突。双方今年度インターハイ初戦、個々の名前では劣るが猛稽古で鍛え上げて戦闘力抜群の長崎明誠がいきなり殴りに行くだけの準備が出来ていることが同校勝利の条件、松商学園は慌てず自分のペースである「立ち勝負」志向で戦いたい。

ブロック勝ち上がり候補は大成。好チームとの対戦が続くが、上位候補が早い段階で潰し合う他ブロックとは勝利の難易度はやはり大きく異なり、実力をしっかり出せばまずまず階段を踏み外すことはないのではと思われる。

【Bブロック】

淑徳の山。3回戦の紀央館戦が山場で、ここを乗り越えればベスト4進出は確実。
下側の山は夙川学院高(兵庫)と木更津総合高(千葉)がベスト8入りを争う。

【Cブロック】

埼玉栄が初戦(2回戦)で敬愛と激突。大会全体の行方を規定する大一番だ。
埼玉栄の一次登録時点でのオーダー順は前述の通り泉-冨田-工藤。手元に残した桒原と柴田は先鋒と大将のいずれのポジションにも突っ込むことが可能。一方の敬愛は児玉-山口-梅津、補欠登録が新森。
中堅戦で山口と冨田の両エースがカチ合うが、金鷲旗の2戦から考える限りここで得点を挙げることを事前に織り込むことは難しい。同大会では延長戦で冨田が「指導」差で勝利したが、勝負どころでもろさを見せがちな山口もこの競った力関係の中で行われる一戦注力の点取り試合を凌げないとは思えない。ここは引き分けと考えるのが妥当。

桒原は金鷲旗大会決勝で、敬愛の先鋒児玉に上から目線の内股を一撃食って敗れている。桒原が一戦こなした後に起こったインシデントではあったが、これをどう考えるか。次戦に見せた児玉の異常な疲労を考えてもう一回勝負させる策もあるが、ここは柴田の持ち技である担ぎ技が108kgの児玉に対しても効くという相性的な見立てを採って先鋒戦は柴田(もしくは泉)と児玉、大将戦は桒原-梅津と予想してみる。

戦力配備の戦線が長く切れ目なくその力の平均値が高い敬愛に対し、埼玉栄が大駒冨田の代表戦出馬の可能性をささりつつ対戦相性をうまく使って戦っていくという構図になりそうだ。大将戦、埼玉栄としては取りに行くリスクを冒して隙を作るよりも、圧殺で動きの少ない試合を演出して、梅津にきっかけを与えない試合をすればいい、というバックグランドを先に作っておきたいはず。となると勝負のポイントは先鋒戦ということになる。埼玉栄としてはここで取って残り2戦で逃げ切るのが最良のシナリオ、もしこれがならずともロースコアゲームで代表戦に持ち込めば金鷲旗同様冨田一枚の力で勝ち抜くことが可能。一方の敬愛としては先鋒戦を取り、取り返しにくる相手の隙に乗じて追加点、というシナリオが最良。代表戦に持ち込まれると厳しいという立場を考えれば、先鋒児玉の出来に勝負の行方が掛かる。敬愛はこれが二試合目、埼玉栄はインターハイ初試合。相手の固さに乗じ、そして児玉のスタミナ上の不安も考え、先鋒戦開始数十秒の児玉のラッシュがあるかどうかが、この2回戦、ひいてはトーナメント全体を決める。見逃せない一番であることは間違いないが、わけても先鋒戦、「始め」が掛かってからの30秒に注目。

【Dブロック】

上側の山に鹿児島情報と創志学園という主役レベルの二校が近接配置、直接対決の2回戦を勝ち抜いたほうが準々決勝で新田と戦うというなかなかに厳しいブロック。どこが勝ち残ってもおかしくないが、もっとも陥りやすいロースコアゲームというシナリオで試合が進むと仮定すれば、勝ち上がりの最右翼は新田。乱戦なら鹿児島情報、創志学園にもチャンスがある。

下側の山では東大阪大敬愛と桐蔭学園が3回戦で激突。東大阪大敬愛は池-斉藤-中村がスターティングオーダーで、桐蔭学園の大駒嶺井は中堅配置。これは東大阪大敬愛にとっては得点役の池と相手のポイントゲッター嶺井の位置がずれ、大型で止めることも凌ぐこともうまい斉藤が嶺井に対峙するという願ってもない組み合わせ。万が一にも嶺井を代表戦に引っ張り出してしまうことがないよう、先鋒と大将は使命感を持って戦いたい。桐蔭学園にとっては2人が我慢、嶺井が取るというはっきりしたシナリオのある試合。東大阪大敬愛優位も、選手の覚悟次第ではいかようにも揺れる力関係の試合。

準々決勝。東大阪大敬愛と新田がぶつかる場合は、先鋒で池と佐藤という金鷲旗大会で延長二戦(池が勝利)を戦った2人が対峙し、中堅戦は斉藤と奥本がマッチアップ。先鋒戦は引き分けの可能性がもっとも高く、勝負は中堅対決の様相に掛かる。斉藤が取らねばならない力関係のはずだが奥本も柔道の骨が太くなっていて様相は予想しがたい。大将の新田・内藤かりんに対して東大阪大敬愛が体格で劣るも担ぎ技に一撃が期待できる米沢、体格のある中村のいずれを当てるかも非常に重要な要素。攻撃を考えるなら米沢、歩留まりなら中村。もともと接戦の指揮が得手の、平田勝美監督の采配振りに注目。

【準決勝-決勝】

大成 - 淑徳
敬愛(埼玉栄) - 東大阪大敬愛

と仮定したい。

大成 - 淑徳は先鋒戦が中江と浜の70kg級対決、中堅戦は粂田と井上智賀、大将戦は井上舞子と鈴木伊織という対戦が濃厚。
大将戦は本格派の井上に対し鈴木が消耗戦を挑むことが確実で、もっとも可能性の高い終着点は引き分け。先鋒戦も中江が浜を止めに掛かるであろうことを考えると、勝負の行方は中堅戦に掛かる。井上智賀が粂田晴乃の圧力と連続攻撃をかいくぐり、襷を井上舞子に渡せるかどうか、粂田としてはここでしっかり取りきることが出来るかどうか。

C-Dブロック準決勝は敬愛(埼玉栄)が優位。東大阪大敬愛は先鋒戦を取ったあとに、中堅戦で斉藤がエースを相手にきちんと試合をまとめられるかどうかがカギとなる。

決勝はそもそもの対戦カードのシナリオ分岐が多すぎ、今大会に関しては予測は困難。敬愛-埼玉栄の勝者がもっとも優勝に近いというトーナメント全体の俯瞰図がそのまま通用するということは言えそうだ。いよいよ開幕の女子団体、繰り返しになるが、初日Cブロックの2回戦敬愛-埼玉栄戦を見逃してはならない。

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