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充実陣容の国士舘が優勝候補筆頭、金鷲旗で躍進の天理に加え白鴎大足利、三冠狙う修徳らが後を追う・インターハイ柔道競技男子団体戦展望

(2014年8月1日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月1日掲載記事より転載・編集しています。
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充実陣容の国士舘が優勝候補筆頭、金鷲旗で躍進の天理に加え白鴎大足利、三冠狙う修徳らが後を追う
インターハイ柔道競技男子団体戦展望
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優勝候補筆頭は国士舘。総合力で群を抜く

■有力校

優勝候補筆頭は国士舘高(東京)。1週間前の金鷲旗大会では2位に終わったが、安定感とどこからでも繰り出す飛び道具的な一発が魅力の吉良儀城を筆頭に、技の切れ味と威力は既に高校トップレベルの飯田健太郎と安定感では飯田の上を行く磯村亮太の攻撃型1年生コンビ、金鷲旗では登場機会少なかったがおそらくは超級選手の中でも出色の取り味を計算して良い全日本カデ王者山田伊織、さらに強気が売りの竹村晃大にどんな相手でも泥試合に巻き込めるだけの戦闘力がある山田稔喜、インターハイ90kg級東京代表で安定感抜群の釘丸将太とバックアッパーまで入れた7人の陣容の充実ぶりは群を抜く。金鷲旗では飯田が得意の投げを打つために「自分も相手も良い状態」でガップリ勝負してしまったところから勝機を逸したが、この経験値はしっかり生かしてくるはず。相手のエースを殺して自身が得点するだけの絶対のポイントゲッターの不在、個の力の最高到達点では他に譲るという弱点はあるが、総合力では他から頭一つ抜け出すだけのものがある。

追いかけるグループは天理高(奈良)、白鴎大足利高(栃木)、修徳高(東京)、崇徳高(広島)。

天理高は金鷲旗では出色の強さを見せた。高校選手権で大活躍した古田伸悟は技術と地力が着実に上積みされ、周囲を固めるメンバーも強力。並里樹、山崎壱盛らのレベルアップはもちろんだが、金鷲旗で正木聖悟がMVP級の柔道を見せたことは何より買える材料だ。オーダーの対戦相性で試合の様相が全く変わってしまう今年の上位グループの戦力の中で、対戦順に関係なく総合力で国士舘に対抗し得るのは天理のみかもしれない。金鷲旗では国士舘に敗れたばかりだが、今大会はその敗退をどう捉え、どう上回ろうとしてくるか。非常に楽しみ。

白鴎大足利は2年生の世界カデ超級王者太田彪雅を中心とした個性派集団だが、太田以外の4人が相手を殴りに行った結果ギリギリ拮抗の最終盤で太田のハイパフォーマンスを引き出した高校選手権とは打って変わり、金鷲旗大会ではおとなしい試合振りが目立った。上位入賞チームの選手たち、それもことごとくポイントゲッター以外が「自分が勝負する」という気概に溢れていた金鷲旗の場で、そのタイプのチームの典型であったはずの白鴎大足利の大人しさは意外の感があった。果たしてこの、太田に勝負を流すかのような金鷲旗大会の戦いぶりは、チームとして既に定着してしまった個性なのか、それとも冬の招待試合シリーズの時のような責任感を個々が再び持てるのか。点取り試合というレギュレーション、そして太田が金鷲旗で古田に一本負けを喫した「もはや太田だけには頼れない」という状況をプラスに変えて、柳原尚弥、太田竜聖、浅野大輔、山中勇希らが一転プライドを取り戻せるか、挑戦者と自らを規定して戦った高校選手権のようなメンタルを獲得できるか、そして自らを高く買った試合が出来るかどうか、これが勝ち上がりの最大の焦点。

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三冠を狙う修徳。坂口真人の復活が勝負のカギを握る

修徳高は春以来の「低迷」と言って良い状態から金鷲旗の優勝で完全に抜け出した感あり。小川雄勢の大駒っぷりは勿論最大の武器と規定して良いが、金鷲旗では原沢脩司や伊藤佑介らの脇役たちが、「そこまで自分に課すか」と呆れてしまうほどの責任感溢れる戦いを披露。さすがチャンピオンチームは違うと周囲を唸らせるだけのものがあった。点取りレギュレーションのメンバーとしてはいささか線が細い陣容だが、修徳伝統の武器であるチームワークの高さがここに来て復活してきているのは買える。
課題はやはり坂口真人の復活。金鷲旗では「一本」を連発したが、相手の組み手や力関係、投げに行くプロセスや技を受けたときのボディバランスなど仔細に検証すると、まだまだ全開には至っていない印象であった。一試合ごとの燃料消費の激しい佐藤竜に、柔道がわかりやすい超級選手の原沢、本来バイプレイヤーである伊藤とチームメイトのタイプを考えるに、修徳にもう1枚「狙って取れる」ポイントゲッターが必要であることは自明。大森敦司監督が、金鷲旗のいわば「条件つき」の好調をテコに、どこまで、どのような手段で本来の坂口に近づけてくるのか。まことに楽しみである。最強チーム国士舘には東京予選で1-4で敗れているが、勝利した金鷲旗とは「当たり」が全く違う。このチームは国士舘を絶対値ではなく「相性」でひっくり返し得るチーム。オーダー順にも注目だ。

昨年王者の崇徳高は全日本選手権出場者である香川大吾を中心とした攻撃型チーム。しかし金鷲旗では香川が大成・川田修平に「有効」で敗れ、負傷明けの山本健太と増本大輝の中盤コンビも安定感がいま一つ、貫目純矢は歩留まりの良い戦い方が良くも悪くも周囲に知れ渡ってと、現在崇徳をめぐる状況には逆風が吹きつつある印象。昨年は香川のブレイクが金鷲旗-インターハイ期のギリギリにやって来て他校の見積もりを上回る戦力を獲得したことと、インターハイ奪取に向けて2試合目の東海大相模戦に全力を尽くす、と勝負どころのハッキリしていた組み合わせによるチームの一丸ぶりなど「上がり目」の要素が多かった。加美富章監督が現状の材料からどうこの「上がり目」を作り出してくるか。前代は金鷲旗で失点した香川がその原因を見つめなおせたことが、チームにプラスに働いたとのこと。一試合目、崇徳がどのような雰囲気で試合が出来ているかに注目。

続くグループが、金鷲旗3位の大成高(愛知)、作陽高(岡山)、東海大相模高(神奈川)。

大成高は金鷲旗で3位入賞。高い総合力に加え、川田修平が大物感を取り戻して「個」の強さでも他を凌ぎ得る段階に成長してきていることが強み。川田が得意のはずの相四つで小川雄勢に一本負けを喫してばかりで「一点確実」と言い切れないところはあるが、十分上位をうかがう力がある。

作陽高は安達健太に鎌田魁翔、野地優太と前代に比べて名の通った強者を揃えたが、金鷲旗では「挑む」位置からの戦いらしからぬおとなしい勝負に終始した。強くしぶといだけでなく必要あらば相手との合意なく唐突に試合を壊しに来る大胆さが前代チームの恐ろしさでもあったのだが、今代は良くも悪くも実力通りの試合を志向してしまっている印象。川野一道監督も、そして生徒自身もレギュレーションが噛みあっていると自覚しているこのインターハイに、気持ちとコンディションをどこまで揃えてこれるか。率直に言って金鷲旗大会のパフォーマンスは、スイッチの反転のみでは上位対戦での勝利は厳しいと思わせるものであった。この評価を裏切るような、作陽らしい強気と執念、そして意外性溢れる試合に期待。

東海大相模高は高校選手権の出場権を逃し、チームの意識を一から作り直してのインターハイ。戦力の凹凸のある今季、会場を驚かせるには相模らしい上から目線の柔道、意地のある柔道を繰り広げることが必須だが、金鷲旗ではこのチームも意外なまでにおとなしい、順行運転の試合を志向してしまっていた。もっとも意地のある戦いを繰り広げているのが一年生の辻湧斗という現状では上位の強豪に斬り込むことは難しい。得点役は長谷川優と規定すべきだろうが、今代度々切所でミスを犯して来た主将・飯島俊佑が周囲を奮い立たせるような試合を出来るかどうか、自分たちが「相模」であるプライドを思い起こさせるような戦いが出来るかどうかがカギになるのではないだろうか。


これらのチームに迫り得る強豪もいるが、総合力勝負の点取りレギュレーションでは、以上のチームが有力候補と規定されて良いだろう。

■組み合わせ

組み合わせを4つのブロックに切って予想を試みたい。

【Aブロック】

上側の山に白鴎大足利、大成、作陽、天理が集められた考え難いほどに厳しいブロック。
白鴎大足利-大成の勝者が、3回戦で作陽-天理の勝者と対戦する。

オーダー順が開示されていない段階の展望なので精度に欠けるが、戦力の厚みで考えるならナンバーワンは天理。たとえば個人戦に向けてメンバーを温存とでもいうようなありえない事態でもない限り、この評価は大前提として考えておいてもいいだろう。

白鴎大足利-大成。具体的に誰が誰を取る、という得点能力を考えたときに勝負がつけられるのは太田彪雅と川田修平以外にはいない。この2人以外に得点者が生まれた場合、そのチームがそのまま勝利する可能性は高い。代表戦、もしくは太田と川田との直接対決となった場合だが、川田は相四つを得意としているがガップリ組んでくる正統派タイプを好む傾向があるように見受けられる。決めの形が豪快だが実は難剣タイプ、という太田には対応を誤る可能性が大きいのではないか。川田の速い大外刈を太田が見切ってタイの勝負の時間が長くなれば、という前提つきだが、ここは太田を推しておきたい。

作陽-天理。得点力溢れる天理を、それも古田が出馬してくる代表戦ではなく本戦で破らねばならないというのが作陽に課されたミッション。粘りが健在の作陽は、天理相手でもロースコアゲームをやるところまでの計算は立つ。具体的にどこで取りに行くのか、アップセットには全員が「取る」意識が必要。順行運転ならば、ということで事前予想の段階では天理を推す。

白鴎大足利-天理。これは金鷲旗におけるエース対決の圧倒的な内容と結果に鑑み、天理を推すしかないところ。足利は、上から目線の殴り合いを思い出せるかどうか、カギは点取りレギュレーションで行われた冬季サーキットを牽引し、前回対戦でも先鋒戦で鮮やかな一本勝ちを記録している浅野大輔の戦いぶり。

どのチームが勝ち上がってもおかしくないブロックだが、事前予想では天理を推しておきたい。対抗馬は今回「地方のチーム」属性のもっとも濃い白鴎大足利。その噛みつきぶりに期待。

【Bブロック】

ベスト8のカードは東海大浦安高(千葉)-修徳と考えるべきだろう。昨年の準々決勝と同一カードである。

東海大浦安は地元開催に向けて猛稽古を積んでいるとの情報があり、金鷲旗でもエース村田大祐以外の周辺戦力のベースアップは如実に感じられた。昨年のリベンジを果たすべく「修徳殺し」に時間と労力を相当に掛けているであろうことは想像に難くないが、客観的にはどこで取るか、というと結局村田以外には見えてこないのが現状だ。勝つには村田が直殺対決で小川を叩き落とすというシナリオしかないと思われる。そのシナリオの困難さに鑑み、勝ち上がり予想は修徳。

【Cブロック】

上側の山は国士舘と大牟田高(福岡)が争い、国士舘が勝ち抜けると思われる。
下側の山は混戦だが、東海大相模が東海大仰星高(大阪)を破ってベスト8入りを果たす可能性が濃厚。

準々決勝は国士舘有利。今年の国士舘は冬季までとは一転して攻撃型のチームとして仕上がっており、これは本来東海大相模にとっては得手のフィールドに相手が入り込んでくるということになるはずだが、ここ3代の東海大相模は攻撃の面白さの一方受けに脆いところがあり、かつ今代チームは攻撃面でも上位対戦で力関係をひっくり返すような「役者」が少ない。ロースコアゲームでも、乱戦でも、国士舘の勝ち上がりの可能性が高い。

【Dブロック】

強豪の影薄いブロック。
勝ち上がり候補は崇徳。ただし前述の通り崇徳の金鷲旗での出来は決して良くなく、香川と貫目の2枚以外は前大会での不安定な戦いとベスト8敗退という成績を受けて、どちらの目に出るか現時点ではわからないところがある。
大山場は3回戦の神戸国際大附戦。どちらかというと点取りレギュレーションに強い選手構成の神戸国際附は、隙を見せればどこからでも点を取りに来る骨の太さがある。香川、貫目の2枚よりも残る3枚に誰がどう当たるか。この段階では崇徳優位を予想するが勝負は正直、読み難い。カギは崇徳の「2点目」、神戸の骨太さを考えると意外性男の山本よりも貫目がキーマンになってくるではと思われる。

【準決勝-決勝】

天理(白鴎大足利、大成) - 修徳
国士舘 - 崇徳

の対戦を予想しておく。

冒頭に書いた通り、順行運転で進めば国士舘が勝利する可能性が高い。

天理が、古田の得点で勝負が決まるところまでお膳立てが出来ること。
修徳の、オーダー順が「嵌る」こと。攻めのカードがカチ合い、小川の1点が2点として利くポジションにあることがその1つ目の条件。
白鴎大足利が、泥臭い消耗戦に引きずり込んで太田で勝負をつけられるような状況をつくりだすこと。

これらが国士舘を凌ぎ得る条件節になるのではと思われる。大混戦の今年度、最高権威大会のインターハイを制するのはどこか。明日の開幕を楽しみに待ちたい。

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