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グランプリ・ブダペスト最終日女子各階級レポート

(2014年6月24日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版6月24日掲載記事より転載・編集しています。
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女子各階級レポート
グランプリ・ブダペスト最終日
■ 70kg級
-ヌンイラ華蓮、世界王者アルベールから「一本」もマルツォクに完敗で3位-

【入賞者】 エントリー25名
1.MARZOK, Iljana(GER)
2.MATIC, Barbara(CRO)
3.NUN IRA, Karen(JPN)
3.POSVITE, Fanny Estelle(FRA)
5.CHEN, Fei(CHN)
5.DIEDRICH, Szaundra(GER)
7.BERNABEU, Maria(ESP)
7.PINOT, Margaux(FRA)

世界選手権代表のヌンイラ華蓮(了徳寺学園職)が快進撃。2回戦で組まれた世界選手権王者ユリ・アルベール(コロンビア)戦が山場だったが、右相四つの相手が肩越しに入れた釣り手を奥襟に持ち替えようとした瞬間に、得意の右大内刈に飛び込んで一本勝ち。わずか16秒、逃れようとするアルベールを高く足を上げてケンケンで追い込み有無を言わさず投げてしまう、いかにもヌンイラらしい一撃で会場の喝采を浴びた。

ヌンイラは以後も順調に勝ち上がりベスト4進出。いよいよそのパワーが世界で通用するところまで到達したかとファンが色めきたつ展開だが、準決勝は第4シードのイリアナ・マルツォク(ドイツ)に完敗を喫してしまった。

この試合はヌンイラが右、マルツォク左組みのケンカ四つ。開始するなりマルツォクに奥襟をガッチリ握られてしまい、頭を下げられて為す術ないまま19秒「指導1」を受ける。このシークエンスは一方的展開。

ヌンイラ、次の展開は釣り手を下から持ち、巻き返して自身も高い位置で奥襟を確保。不利となったマルツォクが裏投に打って出た結果両者もつれて潰れ「待て」。

このシークエンスで希望が見えたかに思われたが、ヌンイラは下から巻き返して作ったこの形を続けることなく、釣り手を上から入れて奥襟を持ち合う。これで再びマルツォクの圧をまともに受けることとなって形勢は不利。打開を狙うヌンイラは右脚を差し入れるサリハニ状態を作り出し、次いで右大内刈に飛び込む。低くケンケンで追いかけたものの中途であきらめ、払巻込に切り替えて畳に潰れたこの判断が命取り、マルツォクすかさず横三角でヌンイラの頭をロックすると、脚を抱えて崩上四方固。掛かりは浅く見えたがヌンイラは最後まで脚を剥がせず、このまま一本負けが決まった。

下から釣り手を入れて巻き返せば優位を作れる力関係であることが示された2シークエンス目の形を以後に生かさなかったこと、大内刈で追いきらずに払巻込に逃げる選択をしたこと、潰れた後に起こるはずの寝技の攻防に出遅れたこと、と判断の分岐点がいくつかあり、選択の結果辿り着いたシナリオの終着点は厳しいものであった。地力で負けていたことは否めないが、第2シークエンスを見る限りここまで一方的な試合になるほどの差があったかというと微妙。十分戦える力関係ではあったかと思われる。場当たり的な戦いが敗因であったと評されても仕方のないところであろう。

頭を下げられた悪い展開からの自滅、さらに寝技で鳴らす環太平洋大出身のヌンイラが力づくの三角を剥がせなかったという形のこの負け方では、首脳陣に「ヌンイラのパワーはまだ世界に通用しない」と判断されてしまっても仕方がないところ。アルベールを一発投げるという快挙を演じた後だけに、雑に戦って敗れたこの準決勝はまことに勿体無い一番であった。

一発の強さと、相反する試合運びの雑さ。ヌンイラらしさが二つながら出てしまった大会と評する他はないわけだが、ヌンイラが今後積み上げるべきはパワーなのか、戦い方なのか。つまりはパワーで圧倒するところまで到達するしかないのか、現状に戦術性を盛って柔道頭を磨くべきなのか。3位決定戦も含めあっさり勝利した他試合を見る限りヌンイラの力は国際大会でも計算が立つところまで来ているのではとも思われるが、まことに課題も多い大会であった。


【日本人選手勝ちあがり】

ヌンイラ華蓮(了徳寺学園職)
成績:3位

[1回戦]
ヌンイラ華蓮○優勢[技有・大内刈]△エヴェリン・シャランキ (ハンガリー)

右相四つ。掛け潰れて逃げる相手を寝技で攻め続け主導権確保。「指導1」リードの、残り4秒に組み際の右大内刈で「技有」を奪って勝利。

[2回戦]
ヌンイラ華蓮○大内刈(0:16)△ユリ・アルベール(コロンビア)

右相四つ。開始早々、相手がクロスグリップから持ち替えたタイミングで右大内刈を入れて「一本」。昨年の世界選手権王者アルベールを破る。

[準々決勝]
ヌンイラ華蓮○大外刈(3:08)△マルゴ・ピノ(フランス)

右相四つ。相手の右背負投を隅落でめくって「技有」。右横変形で構える相手を正対に戻して右大外刈「一本」。

[準決勝]
ヌンイラ華蓮△崩上四方固(1:39)○イリヤナ・マルツォク(ドイツ)

ケンカ四つ。頭を下げられて苦しい体勢から、奥襟を叩いて右大内刈に飛び込む。ケンケンで追うが、あきらめて払巻込に潰れたところを横三角に捕まえられてしまう。頭をロックされた脚を剥がせず、そのまま崩上四方固で一本負け。

[3位決定戦]
ヌンイラ華蓮○優勢[有効・大外刈]△スザンドラ・ディードリッヒ(ドイツ)

右相四つ。大内刈を触っておいての右大外刈という得意の形で度々攻め、1分17秒に右大外刈で「有効」。そのまま危なげなく試合を終える。

■ 78kg級

-フェルケルク順当に優勝、マロンガとルエットのフランス勢は振るわず-

【入賞者】 エントリー27名
1.VERKERK, Marhinde(NED)
2.VELENSEK, Anamari(SLO)
3.JOO, Abigel(HUN)
3.POWELL, Natalie(GBR)
5.LOUETTE KANNING, Lucie(FRA)
5.MARANIC, Ivana(CRO)
7.TORT MERINO, Marta(ESP)
7.TURKS, Victoriia(UKR)


第1シードのマリンダ・フェルケルク(オランダ)が順当に優勝。初戦はダリア・ボゴジャレツ(ポーランド)を袖釣込腰「一本」、最初の勝負どころとなったリューシー・ルエット(フランス)との準々決勝は左相四つの相手から得意の右袖釣込腰で「技有」を奪って勝利し、第4シードのナタリー・ポウエル(イギリス)との準々決勝は袖釣込腰で崩した相手を崩袈裟固に抑え込んで「技有」を奪って優勢勝ち、第2シードのアナマリ・ヴェレンチェク(スロベニア)との決勝はケンカ四つの相手を上下にあおりたてて袖釣込腰を仕掛けて一方的展開。1分47秒、2分21秒(両者)、3分39秒と3つの「指導」を奪って危なげなく優勝を決めた。

決勝を争ったのが第1シードのフェルケルクと第2シードのヴェレンチェク、3位は第3シードのヨー・アビゲイルと第4シードのナタリー・ポウエル(イギリス)と全体としてはまことに順当なトーナメント。

不確定要素と見られたフランスの新鋭マデリーン・マロンガは足を高い位置まで振り刈る独特の大内刈で初戦を突破したが、2回戦でヴィクトリア・タークス(トルコ)を相手に3つの「指導」を失いあっさり敗退。同国のルエットも5位に沈み、翌日に世界選手権2枠目代表決定を控える中で、ともに成績振るわず。78kg級はチュメオ1人のみの派遣が現実的な状況となってきた。

■ 78kg超級
-田知本愛が余裕の優勝、ライバル候補クルブスは振るわず-

【入賞者】 エントリー18名
1.TACHIMOTO, Megumi(JPN)
2.IAROMKA, Svitlana(UKR)
3.CERIC, Larisa(BIH)
3.KUELBS, Jasmin(GER)
5.KINDZERSKA, Iryna(UKR)
5.SLUTSKAYA, Maryna(BLR)
7.LI, Yang(CHN)
7.PAKENYTE, Santa(LTU)

強敵見当たらぬ中、田知本愛(ALSOK)が余裕を持って優勝。決勝はダークホースのスヴィタナ・イアロムカ(ウクライナ)を相手にお手本のような左大外刈を決めて「一本」。全試合一本勝ち(1つの「指導4」勝ちを含む)で当然のように優勝を決めた。

両襟を持つためにファーストインパクトで決め切れず、アフターで押し込んでのポイントを奪う場面が多いというのは相変わらずだが、このレベルのトーナメントでは全く問題なし。今大会唯一のライバル候補で業界きっての巨大選手であるヤスミン・クルブス(ドイツ)が準々決勝で敗退(イアロムカに大腰と横四方固の合技で一本負け)したために世界選手権における大型選手戦のシミュレーションは出来なかったが、「肩慣らし」という意味では全くもって順調な大会であった。

【日本人選手勝ちあがり】

田知本愛(ALSOK)
成績:優勝

[1回戦]
田知本愛○合技[内股・上四方固](1:10)△ベルナデット・ボド(ハンガリー)

田知本が左、ボドが右組みのケンカ四つ。左内股で相手を押し倒し「技有」。そのまま上四方固に固めて合技「一本」。

[2回戦]
田知本愛○反則[指導4](2:34)△リー・ヤーン(中国)

左相四つ。支釣込足で相手をうつぶせにさせるが取り切れないという展開が続く。警戒した相手が組み合うことを嫌い「指導」累積。「指導4」で勝利。

[準決勝]
田知本愛○合技[大外刈・上四方固](1:10)△イリーナ・キンザルスカ(ウクライナ)

左相四つ。両襟の左大外刈から押し込んで「技有」。そのまま上四方固に入り合技「一本」。

[決勝]
田知本愛○大外刈(2:10)△スヴィタナ・イアロムカ(ウクライナ)

ケンカ四つ。両襟の内股、膝車、大外刈と良く攻める。なんとか逃れ続けたイアオロムカに精神的疲労積み重なった中盤、組み際に釣り手側に呼び込みながら両襟の左大外刈。爪先返ったまま刈り足が高く上がる鋭く美しい一撃で「一本」。


文責:古田英毅
(writer:Hideki Furuta)

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