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グランプリ・ブダベスト第1日各階級ひとこと展望

(2014年6月21日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版6月21日掲載記事より転載・編集しています。
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第1日各階級ひとこと展望
グランプリ・ブダペスト大会
■ 60kg級
-高藤唯一の山場は決勝、モデルチェンジの萌芽見られるか内容に注目-

参加選手:32名
日本人選手:高藤直寿(東海大3年)

第1シード(プールA):高藤直寿(日本) WR1位
第2シード(プールC):PAPINASHVILI, Amiran (GEO) WR2位
第3シード(プールD):DASHDAVAA, Amartuvshin (MGL) WR5位
第4シード(プールB):MILOUS, Sofiane (FRA) WR13位

第1シードの高藤直寿が絶対の優勝候補。準決勝での対戦予定は第4シードで昨年世界選手権に代表を送らなかったフランスのソフィアン・ミルスと近年早期敗退が定着しつつあるジョロエン・ムーレン(オランダ)、売り出し中のイルガー・ムシュキエフ(アゼルバイジャン)のいずれかで、力的に高藤を脅かすには至らない。唯一の山場は第2シードのアミラン・パピナシビリ(グルジア)とダシュダバ・アマーツブシン(モンゴル)という世界選手権でメダルを争うライバル2人いずれかとの対戦が不可避な決勝。

勝敗はもちろん、今大会における高藤の注目ポイントは2つ。1つは「世界選手権を100%として、(ブダペストは)80%くらいを目指している」と本人が語ったその仕上がり具合。もう1つは「組み合って投げる方向にモデルチェンジ中」というそのスタイルの萌芽が見られるかどうか、特にパピナシビリにダシュダバというパワーファイター相手にそれを試し、どのような内容が得られるかだ。今後のスタイルを探るという文脈でも勿論意味深いトライではあるが、高藤自身「しっかり組み合うことがベースになれば、これまでの技もさらに効いてくる」旨語っている通り、今大会で高藤の新スタイルを他選手に印象づけることができれば、それは世界選手権に向けてこの上ない「餌撒き」、勝利への伏線となるはずだ。力はライバルたちより一段上と考えられる高藤、結果以上に内容に注目したい大会。

■ 66kg級
-第1シードはザンタライア、高市は初のハイレベル大会で出来問われる-

参加選手:32名
日本人選手:高市賢悟(東海大3年)
第1シード(プールA):ZANTARAIA, Georgii (UKR) WR7位
第2シード(プールC):SHIKHALIZADA, Nijat (AZE) WR8位
第3シード(プールD):SHERSHAN, Dzmitry (BLR) WR17位
第4シード(プールB):URIARTE, Sugoi (ESP) WR18位

世界レベルで刮目すべき実績があるのは、もと60kg級世界王者で昨年の世界選手権3位、大会ごとに66kg級への適応を高めている第1シードのザンタライア(ウクライナ)と、同じく2005年カイロ世界選手権60kg級で16歳にして銅メダルを獲得しているニジャット・シカリザダ(アゼルバイジャン)、2009年ロッテルダム世界選手権2位の大ベテラン、スゴイ・ウリアルテ(スペイン)、60kg級からの転向以来苦戦が続き今大会もノーシードのエリオ・ヴェルデ(イタリア)というところ。「誰が出ても強い」日本の軽中量級が送り出す新兵器高市賢悟がこれらの選手に対してどこまでやれるかを世界が注視しているはずだ。

高市は昨年12月のグランプリ・チェジュで2位、今年2月のヨーロッパオープン・オーバーヴァルトで優勝しているが、この間世界選手権でメダルを争うレベルの国際大会上位常連との対戦はチェジュ準々決勝のザンタライア(指導4で勝利)、オーバーヴァルト初戦のガンバット・ボルドバータル(モンゴル、背負投で一本勝ち)のみ。チェジュの敗戦は日本人の六郷雄平が相手であり、現在の高市のステータスは「日本人以外には負けておらず海外選手には全勝、しかしハイレベル選手との対戦は2人のみ」というもの。この中で、海外選手に全勝という高市の快進撃が続くのか、その実力の底が値踏みされる機会となりそうだ。

高市はプールBに配され、1回戦がベンス・ザンボリ(ハンガリー)、2回戦がロシア選手で準々決勝がウリアルテ。いずれもしぶとい選手と対戦するこの序盤戦を取りこぼさずに準決勝でのザンタライア戦に臨むことがまず第1のハードルになるはずだ。勝敗はもちろん内容を注視したい、具体的には担ぎ技主体から体幹を生かす高藤スタイルにシフトして国内大会を勝った現在の高市の柔道の手札の中で、世界で戦うべき武器は何かが見える面白い一日となるはずだ。世界選手権、そして以後の日本の66kg級を考える意味で非常に興味深い大会。

■ 73kg級
-注目は第2シードのツァガンバータル、第1シードのスクボトフは実力問われる組み合わせ-

参加選手:32名
日本人選手:出場なし
第1シード(プールA):SCVORTOV, Victor (UAE) WR8位
第2シード(プールC):KHASHBAATAR, Tsagaanbaatar (MGL) WR10位
第3シード(プールD):ORUJOV, Rustam (AZE) WR13位
第4シード(プールB):DREBOT, Serhiy (UKR) WR18位

もと世界選手権王者の中矢力が直前で出場を回避。第1シードがヴィクター・スクボトフ(UAE)、第2シードがモンゴルのスター選手ハッシュバータル・ツァガンバータル(モンゴル)という中堅選手による争いとなった。

第1シードは13年にモルドバから移籍、昨年のグランプリアブダビでは史上初の地元優勝を飾ってジワジワ実力を挙げているスクボトフだが、優勝候補はツァガンバータルと考えて良いだろう。
73kg級に階級を上げるなり昨年月一回を超えるペースで国際大会に出場し、いずれの大会も疲労困憊といった様子で勝ちきれなかったツァガンバータル。今年は2月にパリ、デュッセルドルフと連戦(いずれも入賞なし)した後は5月のグランプリ・バクー(5位)に出場したのみでさすがにペースを落としている。7月に予定されている地元ウランバートル大会、そして8月の世界選手権に向けて復調があるのか、ここに注目したいところ。

■ 48kg級
-上位番付の再構築なるか、近藤亜美の出来に世界が注目-

参加選手:20名
日本人選手:近藤亜美(三井住友海上)
第1シード(プールA):ROSSENEU, Amelie (ISR) WR5位
第2シード(プールC):CSERNOVICZKI, Eva (HUN) WR6位
第3シード(プールD):CHERNIAK, Maryna (UKR) WR8位
第4シード(プールB):GALBADRAKH, Otgontsetseg (MGL) WR10位

ワールドランキング19位の近藤亜美はプールCの配置。対戦の可能性が高いハイランキング選手は3回戦のエヴァ・クセルノビスキ(ハンガリー)、準決勝のマリナ・チェルニアク(ウクライナ)、そして決勝のアメリー・ロッセネウ(イスラエル)で、実現すればいずれも近藤にとっては初対戦となる。今大会は、グランドスラム東京優勝、グランプリデュッセルドルフ3位で国際柔道界に突然出現した形の日本の新星近藤が再度その「番付」を測られる大会と位置づけるべきだろう。浅見八瑠奈が離脱した中で上位陣の顔ぶれが少々硬直化しているこの階級は世界選手権に向けての不確定要素は近藤くらい(前回ハバナ大会でメネゼスを下してワンツーフィシュを達成したメストレアルバレスとラボルデのキューバ選手2人の出来は、初の地元開催ということに鑑み評価を保留すべきと考える)で、おそらく各国ともに最も注目すべき選手は近藤と位置づけてこの大会を注視するのではないだろうか。

前2大会の結果からおそらく研究に晒されているはずの近藤がその重囲を突破する地力を有しているのか、持ち前の思い切りの良さで跳ね返すのか。この階級は結果、内容ともに近藤の出来に注目。

■ 52kg級
-世界王者ケルメンディとキトゥ、パワーファイター2人の一騎打ちの様相-

参加選手:30名
日本人選手:出場なし

第1シード(プールA):KELMENDI, Majlinda (KOS) WR1位
第2シード(プールC):SUNDBERG, Jaana (FIN) WR6位
第3シード(プールD):CHITU, Andreea (ROU) WR7位
第4シード(プールB):COHEN, Gili (ISR) WR8位

世界選手権王者のマリンダ・ケルメンディ(コソボ)とライバルのアンドレア・キトゥ(ルーマニア)のパワーファイター2人がエントリー。キトゥは第3シードだが、この2人と第2シードのヤーナ・スンドベルグ(フィンランド)、第4シードのギリ・コーヘン(イスラエル)ら三番手以降の選手とではランキング以上の実力差があると考えられる。不確定要素は、あまりの試合出場の多さからか昨年後半からポカ負けが多くなっているキトゥのコンディションだが、事前予想としては、この階級は優勝候補2名の一騎打ちと考えて良いのではないだろうか。

幾度も対戦しているこの2人だが、記録を探る限り直近の対戦はケルメンディの3連勝。いずれも技術はオーソドックス、どちらかというと地力の高さで戦うタイプで対戦は力比べの様相が不可避、となれば今大会もケルメンディの優位は動かないと見る。日本選手にとっては世界選手権に向けて両者の上積み、そして弱点を検証する良い機会となりそうだ。

■ 57kg級
-優勝候補の松本は主役級と連戦、最大注目は準々決勝のドルジスレン・スミヤ戦-

参加選手:27名
日本人選手:松本薫(フォーリーフジャパン)

第1シード(プールA):ROPER, Miryam (GER) WR1位
第2シード(プールC):DORJSUREN, Sumiya (MGL) WR7位
第3シード(プールD):CAPRIORIU, Corina (ROU) WR8位
第4シード(プールB):BEDETI, Vlora (SLO) WR12位

優勝したパヴィア(フランス)らヨーロッパ勢の強豪が大挙出場したハバナ大会からミリアム・ローパー(ドイツ)とコリナ・カプリオリウ(ルーマニア)が残ってそれぞれ第1シードと第3シード。他強豪選手はほぼ入れ替わってドルジスレン・スミヤ(モンゴル)とヴィオラ・ベディティ(スロベニア)がシード位置に入った。

そんな中、ロンドン五輪王者の松本はプールCに配された。初戦はヤドニス・アマリス(コロンビア)、2回戦はノーラ・グジャコヴァ(コソボ)としぶとい選手2人と連戦の後は昨年のワールドマスターズ王者ドルジスレン・スミヤと準々決勝を戦い、準決勝はロンドン五輪で決勝を争ったベテランのカプリオリウ、決勝は組み合わせに恵まれたローパーかハバナ大会で3位に入って復活気配のヘドウィグ・カラカス(ハンガリー)ということになり、つまりは主役級の選手とほぼ全員対戦するという厳しい組み合わせだ。世界選手権に向けた松本の復調具合を測るにはこれ以上ない配置とも言える。

もっとも面倒な相手は階級きってのパワーファイターであるドルジスレン・スミヤと思われる。上位の強豪に比較的受けが軽い選手が揃うこの階級の中で腰の強さをベースに両足をつけたまま前進するこの選手のスタイルは少々毛色が異なる。前回の対戦は2月のグランプリ・デュッセルドルフ決勝で結果は松本の勝利であったが、そこまで圧勝続きの松本が「指導2」の反則累積差勝利という唯一の接戦を演じた試合でもあった。この試合は松本が前に出続けることでドルジスレンの圧力を完封したが、松本が今回この相手をどう料理するのか。さらに試合内容には差が出るのか、それとも前回の敗戦をベースにドルジスレンが追いすがるのか。どちらも地力で戦うタイプである以上力関係は容易に覆らないはずであるが、世界選手権を占う意味でもしっかり見ておきたい試合。

■ 63kg級
-第1シードはファンエムデン、田代未来は表彰台が至上命題-

参加選手:34名
日本人選手:田代未来(コマツ)

第1シード(プールA):VAN EMDEN, Anicka (NED) 3位
第2シード(プールC):TRAJDOS, Martyna (GER) WR7位
第3シード(プールD):TRSTENJAK, Tina (SLO) WR8位
第4シード(プールB):GWEND, Edwige (ITA) WR10位

第1シードはアニカ・ファンエムデン(オランダ)。このところなかなか決勝に進めておらず体力負けする場面も増えてはいるが勝負どころの集中力の高さは相変わらずで、第2シードのマルティナ・トラジドス(ドイツ)以下、他シード選手よりは一段格上と見積もっておくべき。

日本の田代未来はプールB配置で、2戦目のミア・ヘルマンソン(スウェーデン)、準々決勝のエドウィッジ・グウェン(イタリア)はともに勝利濃厚な相手。最大の山場は準決勝のファンエムデン戦だ。うるさい組み手の中に袖釣込腰、一本背負投で試合を作ってくるファンエムデンのペースに嵌らず、まず相手が出てこざるを得ない状況をしっかり作れるかどうかが勝利のカギ。

田代はグランドスラム東京でファンエムデン、グランドスラム・パリでは今回第3シードのティナ・トゥレステニャク(スロベニア)に勝利しており、シード順こそ低いが他選手の顔ぶれを見る限り今大会は少なくとも表彰台が至上命題。かつて日本が最強を誇ったこの階級の世界選手権代表として、なんとしても結果を残しておきたい大会だ。田代の現在のランキングは19位で世界選手権までにシード権を得るのは難しい状況だが、だからこそ、勝つこと自体で自信を掴みたい大会のはず。期待して見守りたい。

文責:古田英毅
(writer:Hideki Furuta)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版6月21日掲載記事より転載・編集しています。
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