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負傷中の佐藤瑠香が「指導」累計8つ奪って優勝、みどころ少ない決勝は低空飛行の階級全体を象徴・全日本選抜柔道体重別選手権78kg級レポート

(2014年5月12日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版5月12日掲載記事より転載・編集しています。
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全日本選抜柔道体重別選手権78kg級レポート
負傷中の佐藤瑠香が「指導」累計8つ奪って優勝、みどころ少ない決勝は低空飛行の階級全体を象徴
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1回戦、梅木真美が浜未悠から払巻込で「有効」

この階級はロンドン五輪代表で昨年の皇后盃覇者・緒方亜香里(了徳寺学園職)が長期休養中。地元開催のグランドスラム東京では女子7階級中唯一優勝を逃し、世界の中での立ち位置が問われる冬季ハイレベル国際大会もグランドスラムパリで岡村智美(コマツ)が1回戦敗退、グランプリ・デュッセルフドルフでは出場予定の佐藤瑠香(コマツ)が出発直前にまたも負傷して出場者なしと、78kg級は世界選手権に向けて展望が開けない状態。今大会も主役なきトーナメントといった様相だ。

そんな中、1回戦で組まれた、講道館杯2位の浜未悠(淑徳高2年)ともと世界ジュニア王者梅木真美(環太平洋大3年)による若手大物対決に注目が集まった。この試合は梅木が1分51秒の左大外刈「有効」、2分50秒の左払巻込「有効」、さらに2つの「指導」を加えて圧勝。組み手とパワーで不利の浜は持ち前の際の強さを生かす突破口が見つからず、結果以上に苦しい試合。梅木の貫録勝ちという一番だった。

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1回戦、佐藤が片襟の大内刈に触って髙松彩香を攻める

決勝に進んだのは第1シードの佐藤と第2シードの岡村。

佐藤は1回戦の髙松彩香(山梨学院大3年)戦を組み手の優位確保と右一本背負投、片手の右大外刈での崩しを駆使して「指導2」対「指導1」で勝利。準決勝の日髙美沙希(大阪体育大4年)戦も前に出続ける圧力で32秒「極端な防御姿勢」、1分37秒「偽装攻撃」、3分18秒「取り組まない」、3分30秒「場外」と一方的に4つの「指導」を奪って勝利。2戦で6つの反則を奪っての決勝進出。

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準決勝、岡村智美が梅木真美を攻める

一方の岡村の1回戦は2分13秒、西田香穂(山梨学院大3年)を内股透「一本」に仕留める快勝。準決勝は梅木真美を相手に58秒の左大外刈「有効」、さらに3つの「指導」を連取する文句なしの内容で優勢勝ち、こちらも順当に決勝進出を決めた。

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決勝、岡村が佐藤をいなして大きく崩す

決勝は佐藤が右、岡村が左組みのケンカ四つ。

序盤から互いに釣り手一本を持ってのいなし合いと引き手争い。20秒過ぎに佐藤が釣り手で上から帯を持つと、岡村は脇を差して左大腰の形で腰を切って場外に逃れて展開を切る。

佐藤、岡村が突っ張る釣り手を横に叩き除けて前進。岡村いったん止めて見せ技の左払腰で展開を切って「待て」。

以後も腰の差し合い、釣り手のずらし合いが続くが、1分過ぎに佐藤が右釣り手の肘を高い位置で畳んで引き手を腹に抱き込んだ右背負投に入り込む。仕掛けやすいとの感触を得た佐藤は片手の大内刈で前進して、再びこの変則の右背負投。主審は展開に差がついたと判断して1分44秒岡村に「指導」を宣告。

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佐藤は変則の右背負投を連発

以後も佐藤は両手、あるいは片手で変則の右背負投を連発。2分過ぎにこの技がスッポ抜けたところに岡村が左小外掛、佐藤がたたらを踏む場面があったが、大枠佐藤の手数が上回ったまま試合が推移する。佐藤、2分20秒には引き出しの右大内刈で岡村を捕まえかけ、さらに右小内刈、再度の右肘を畳んだ右背負投と技を繋ぐ。技自体はいずれも軽く、投げるというよりは手数を志向した技であったが岡村は対抗できず。2分56秒岡村に2つ目の「指導」が宣告される。

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最終盤、岡村が釣り手一本で回旋を呉れると佐藤あっさり畳に伏せる

以後の佐藤は守りの意識が出たか変則の右背負投をあっさり掛け潰れ、残り10秒で岡村が釣り手一本で時計回りに佐藤を振り回すと、ほとんど自ら畳に伏せて展開を切るに至る。主審さすがに佐藤に「指導」を宣告するがもはや残り時間なく、そのまま「指導2」対「指導1」の優勢で佐藤の勝利が決まった。

同門対決であることを勘案したとはしても、見どころ少なく双方のこだわりがの見えない決勝は率直に言って凡戦の謗りを免れないものであった。投げに行くのではなく手数志向で「指導」2つリード、リード確定の後は守りに入って「指導」を受ける。ゲームプランの志の低さ、締まらないクロージングに見える完遂力の乏しさ、ともに今期のこの階級全体の低空飛行を象徴するような内容の貧しさであった。

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決勝を争った2人

佐藤は膝の負傷を押しての出場で、ベストパフォーマンスなど到底期待できない状態であったに違いない。その中での優勝は間違いなく賞賛に値する。しかし、パワーと猪突、大内刈の一撃の強さが売りの佐藤が、1回戦の最初の一合から袖を流して組み手にこだわる「指導」狙いのリスク管理柔道を繰り広げ続けて、反則以外のポイントがゼロ、深い技に踏み込んで勝負に行く場面自体がほとんどなし。この柔道を選択するしかない状態にありながらさしたるピンチもなく順行運転、「指導」累計8つで逃げ切って優勝出来てしまう78kg級の状況はまことに憂うべきものがある。

果たしてどうしても代表を出す必要があるのかとの声すら報道席から上がる中、世界選手権代表1名は佐藤瑠香に決定した。
世界選手権では佐藤らしい、戦術志向の戦いを一撃で粉砕するようなパワフルな柔道を期待したい。2010年東京世界選手権無差別での大ケガ直前、国際大会に出場を始めるなり連戦連勝を重ねていた佐藤の柔道はまさしく光り輝いており、世界王者の座は単に時間の問題のみとすら思われた。結果以上に、佐藤が放っていたあの輝きを、なんとか世界の舞台で見せてもらいたい。

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優勝の佐藤瑠香

【成績上位者】
優勝:佐藤瑠香(コマツ)
準優勝:岡村智美(コマツ)
第三位:日髙美沙希(大阪体育大4年)
第三位:梅木真美(環太平洋大2年)

佐藤瑠香選手のコメント
「(膝の手術で完全ではなかった?)ええ、まあ。柔道の練習を詰めて出来ないという不安はありましたが、トレーニングなど今出来る準備は万全でした。初戦から思うようにいきませんでしたが、絶対勝つぞという気持ちで戦いました。今年は絶対に金メダルという気持ちでやってきましたので、世界選手権では金を取ります。」

【1回戦】

佐藤瑠香(コマツ)○優勢[指導2]△髙松彩香(山梨学院大3年)
日髙美沙希(大阪体育大4年)○優勢[有効・出足払]△吉村静織(三井住友海上)
岡村智美(コマツ)○内股透(2:13)△西田香穂(山梨学院大3年)
梅木真美(環太平洋大2年)○優勢[有効・大外刈]△浜未悠(淑徳高2年)

【準決勝】

佐藤瑠香○反則[指導4](3:30)△日髙美沙希
岡村智美○優勢[有効・大外刈]△梅木真美

【決勝】

佐藤瑠香○優勢[指導2]△岡村智美

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