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吉田優也が悲願の初優勝、決勝は戦術眼の確かさ見せつけ後輩ベイカー茉秋を破る・全日本選抜柔道体重別選手権90kg級レポート

(2014年5月10日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版5月10日掲載記事より転載・編集しています。
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全日本選抜柔道体重別選手権90kg級レポート
吉田優也が悲願の初優勝、決勝は戦術眼の確かさ見せつけ後輩ベイカー茉秋を破る
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1回戦、菅原健志が加藤博剛を相手に「指導」を積み重ねて勝利

もと全日本選手権王者にして昨年度優勝者加藤博剛(千葉県警)とロンドン五輪銅メダリストの西山将士(新日鐵住金)のベテラン2人がともに初戦で敗退。

加藤は菅原健志(パーク24)を相手に「指導2」を取り合った末に臨んだGS延長戦1分35秒に3つ目の「指導」を失って敗退。一貫して元気なく、延長戦に入ってからは頭を下げられたまま技を受け続け、良いところなく試合を終えた。菅原は強気の組み手と思い切りの良い技と集中を切らさずに戦い切り金星獲得。

西山も下和田翔平(京葉ガス)を相手に攻めあぐね、38秒「場外」、1分22秒「取り組まない」、そして2分43秒には消極的との判断で3つの「指導」を立て続けに失って敗戦。今大会での復活はならなかった。

決勝に進出したのはベイカー茉秋(東海大2年)と吉田優也(旭化成)の2人。

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準決勝、ベイカー茉秋が下和田翔平をあっという間の右大内刈「一本」に仕留める

決勝に進出したのはベイカー茉秋(東海大2年)と吉田優也(旭化成)の2人。

グランドスラム東京王者でグランドスラムパリ3位のベイカーはこの日の第1シード、初の世界選手権代表選出がほぼ確実な状況下、この日の結果と内容を選出への最終課題として大会に臨む。1回戦は釘丸太一(センコー)を相手に「場外」「片襟」と立て続けに「指導」を失うが、抱きつきの右大内刈、首を抱えての右内股に隅返と放って体勢を立て直すし「指導」2つを取り返して迎えたGS延長戦の開始早々に隅返でめくり崩し、崩袈裟固に繋いで一本勝ち(GS0:55)。
準決勝は僅か27秒、下和田翔平を右大内刈「一本」に仕留める鮮やかな勝利で見事決勝進出決定。

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1回戦、吉田優也はライバル西山大希の内股をめくり返して一本勝ち

一方の吉田は1回戦で西山大希(新日鐵住金)と対戦。右小内刈、右背負投、右大内刈に右体落と奔放に攻めて「指導」2つをリードした末に、3分30秒には内股をめくり返して内股返「一本」。世界選手権銀メダリストを相手に展開、結果ともに完璧に支配する圧勝劇。

続く準決勝は菅原健志を相手に袖口を握りこむ行為で2つの「指導」を失ったが、3つの「指導」を取り返した末の残り49秒に「韓国背負い」で「技有」を奪って快勝。あの、加藤博剛の背負投に思わず反応して痛恨の「足取り」反則負けを喫した前年度大会から1年、悲願の初優勝を目指しての決勝の畳。

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吉田が右大内刈で先制攻撃

決勝はベイカー、吉田ともに右組みの相四つ。

吉田先んじて引き手を確保、ベイカー切り離すと釣り手から先に組み手を開始して奥襟を得る。吉田がこれを切り離して右小内刈、ベイカーは前進して吉田を場外まで下がらせ「待て」。経過時間は36秒。

一貫して組み手を引き手からスタートさせる吉田、組み付きながら右大内刈、ついで右内股。ベイカーは足を高く上げてこらえる。明らかに「投げに行っている」吉田の技は迫力十分。経過時間は48秒。

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吉田が引き手から先に組み、ベイカーは受け入れて釣り手から組み手を開始

吉田またしても先に引き手で袖を確保。嫌ったベイカーは左への「韓国背負い」から右一本背負投につなぎ、吉田は乗りかかるが逆側面に降りて防ぎ「待て」。

先に引き手を求める吉田に対してベイカーは奥襟の確保を最優先に釣り手から一手目を開始。幾度か組み手のやり直しを経た1分25秒にベイカーが引き手で襟、釣り手で奥襟を叩く良い形を作る。思い切り放った右大内刈は吉田が一歩下がって捌き空振りに終わったが、この技をきっかけに前進に次ぐ前進、ついに吉田を場外付近まで追い込む。吉田が柔道衣をずらしつつ回り込みを試みたところで「待て」。主審は吉田に消極的との判断で「指導」を宣告する。経過時間は1分49秒。

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吉田、ベイカーが伸ばした右腕を抱え込んで右外巻込「有効」

2分47秒、ベイカーが再び釣り手から組み手を開始、奥襟を得ようと手を伸ばしたところに吉田が罠を張る。吉田瞬時に一段スピードアップ、伸ばしたベイカーの右腕を捕まえながら右外巻込。体を伸ばされたベイカーに耐える材料はなくあっという間に転がり「有効」。経過時間は2分9秒。

吉田あくまで引き手にこだわり、続く展開も先んじて引き手で右袖を確保。ベイカー左右に体を捻ってようやく切り離し、離れたところから今度は釣り手で脇を差して抱きつきに飛び込む。

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同様の展開から吉田が再び右外巻込、2つ目の「有効」

しかしまたも迎え撃った吉田は一段スピードを上げて伸びてきたベイカーの右腕を抱え込み、そしてまたもや右外巻込で転がし「有効」、2分53秒。

以降ベイカーが大内刈、片襟の背負投で攻め続けて吉田はジックリ対応するという展開。4分、ベイカーが釣り手を伸ばしたところに吉田3度目の外巻込を試みるが、さすがに浅く、手首付近を捕まえたところでベイカーが突き飛ばして「待て」。

ここに至ってベイカー組み手の手順を変え、引き手から持って片襟の左韓国背負投、投げの中途で手を持ち替えて右一本背負投と技を繋ぐ。直後の4分18秒、吉田に「指導2」。

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ベイカー猛攻も叶わず、追撃の「指導」は3つに留まり終戦

以降ベイカーは猛攻。吉田は組み手の管理と、4分35秒に見せた右大内刈からの右内股などの思い切った技で凌ぎつつ時計の針を進める。

残り10秒を切り、ベイカーが釣り手で肩越しに帯を握ると吉田は右を向いて体を逃がし、さらに右払巻込の形で場外に我が身を送り出して展開を切る。これを受けて吉田に偽装攻撃の「指導3」が宣告されるが残り時間は僅か7秒。そのままポイント動かずタイムアップとなり、吉田の初優勝が決まった。

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試合直後。「後輩に負けられない」という吉田が戦術眼の確かさを見せた一番だった

決勝の吉田、ベイカーがまず釣り手を求めて出てくるという組み立てを受け入れたと見て取るや、そこに罠を仕掛けて外巻込一閃。試合の中で戦い方を見つける老練さと、相手の組み立てを利用できるだけの手札の多彩さはまさしくベテランの、そして業師の吉田ならではであった。

組んで勝負する気風の良い柔道スタイルに、技の多彩さとその切れ味。選手間で高い尊敬を集める一方、ここ一番で不運な負けに見舞われなかなかビッグタイトルに恵まれなかった吉田だが、この日ついに悲願達成。この優勝がキャリアの分岐点になるか、それともまた最高到達点は高いが成績は不安定というもとの吉田に戻ってしまうのか。以後の戦いが非常に楽しみになってきた。「組んで勝負する」ルール下、パワーファイター打ち揃う国際大会で成績を残せるかどうかが次の課題だが、間違いなく来年度の代表争いに繋がる勝利であった。

世界選手権代表にはベイカーが順当に選出。「初モノ」の利点を生かして力を発揮したグランドスラム東京(優勝)、周囲の研究にさらされて消耗戦の連続となりながら、試合中に相手の弱点を探り当てる勘と、「待て」の度に立てなくなるほどの疲労にもあくまで退かずに前に出たド根性ファイトで上位を確保したグランドスラムパリ(3位)を経て、世界選手権はどのような戦いをするか。戦いぶりが周囲に知れ渡った中で臨む初の世界大会、野生児・ベイカーの健闘に期待したい。

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優勝の吉田優也

【入賞者】

優 勝:吉田優也(旭化成)
準優勝:ベイカー茉秋(東海大2年)
第三位:下和田翔平(京葉ガス)
第三位:菅原健志(パーク24)

吉田優也選手のコメント
「決勝は大学の後輩が相手で。怪我で休んでいる間に成績で先を行かれてしまったのですが、今日は先輩としての意地を出しました。両親に東海大、旭化成の関係者とたくさん応援に来てくれていますので、期待に応えたかった。内容は決して良くありませんでしたが、結果が出せてよかったです。」

【1回戦】

ベイカー茉秋(東海大2年)○崩袈裟固(3:55)△釘丸太一(センコー)
下和田翔平(京葉ガス)○優勢[指導3]△西山将士(新日鐵住金)
菅原健志(パーク24)○GS指導3(GS1:35)△加藤博剛(千葉県警)
吉田優也(旭化成)○内股返(3:30)△西山大希(新日鐵住金)


【準決勝】

ベイカー茉秋○大内刈(0:27)△下和田翔平
吉田優也○優勢[技有・背負投]△菅原健志

【決勝】

吉田優也○優勢[有効・外巻込]△ベイカー茉秋

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