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世界王者3人の競演制したのは大野将平、決勝は中矢力を「一本」で下す・全日本選抜柔道体重別選手権73kg級レポート

(2014年5月6日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版5月6日掲載記事より転載・編集しています。
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全日本選抜柔道体重別選手権73kg級レポート
世界王者3人の競演制したのは大野将平、決勝は中矢力を「一本」で下す
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決勝進出の大野将平

10年東京世界選手権王者秋本啓之(了徳寺学園職)、11年パリ世界選手権王者中矢力(ALSOK)、13年リオ世界選手権王者大野将平(旭化成)と世界王者3人が揃って参加、レベルの高い戦いが繰り広げられた。

決勝に進出したのは第1シードの大野と第2シードの中矢。昨年の世界選手権で代表を務めた2人の顔あわせとなった。

大野は1回戦でかつてのライバル西山雄希(了徳寺学園職)に1分0秒、3分56秒と奪った「指導」2つの優勢で勝利。準決勝は中村剛教(大阪府警)を終盤に奪った右内股「技有」で下しての決勝進出。

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1回戦、中矢力は送襟絞から腕挫十字固に繋いで齋藤涼に一本勝ち

一方の中矢は1回戦で齋藤涼(旭化成)から57秒小内巻込「技有」、1分49秒腕挫十字固「一本」で下して上々の立ち上がり。準決勝では秋本啓之(了徳寺学園職)の大一番を迎えた。

この試合は中矢、秋本ともに右組みの相四つ。
中矢が釣り手を振って右大外刈、寝技で勝負をつけたい中矢はパワーをベースに前に出ながら巴投に隅返と捨身技を繰り返して攻勢に出、1分0秒秋本に「指導1」。
じっくり勝負し過ぎては投げる機を失うとみた秋元は組み際の左袖釣込腰で楔を入れ、組み際の担ぎを受けるリスクを中矢がやや嫌って2分22秒中矢に「取り組まない」判断での「指導1」。
しかし直後、組み際の大外刈を秋本が掛け損ない、主審は秋本に対し即座に偽装攻撃の「指導2」を宣告する。経過時間は2分28秒、タイスコア状態は僅か6秒で終了し再び中矢が反則累積差でリード。

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秋本が右大外刈、捌くと同時に襟を首下に入れた中矢が送襟絞を決めて一本勝ち

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以後は秋本が釣り手で右奥襟、あるいは両襟で優位を確保、中矢は左小内刈を入れながら巴投で寝技に展開を繋ぐという攻防の連続。中矢、3分30秒には巴投から腕挫十字固、さらに「国士舘返し」、横三角と寝技の攻撃を繋げてひとつ山場を作る。

しかしこれを受けた秋本が続く3分43秒からの展開で猛攻。釣り手を振りたてて右小内刈、さらに右背負投を2連発。中矢が伏せると俵返の形でめくり返して「待て」。直後の3分59秒中矢に「指導2」が与えられる。残り1分を残してスコアはタイ。

直後の展開で秋本が一本背負投の形に腕を抱え右た大外刈。十分ポイント奪取が想起される技だったが、秋本が中矢の手首を抱える形で潰れると中矢は背後から食いつき、脚を抱えて自ら回る回転式の送襟絞。中矢の初動の早さに秋本の対処は手遅れ、観念して「参った」。

試合時間は4分19秒。あくまで得意の寝技決着を狙い、チャンスを逃さなかった中矢が「一本」で勝利して決勝進出を決めた。機を逃さない寝技自体の巧みさも見事であったが、あくまで地力の高さで相手を追い込むことで得意の寝技を有利に運ぶ、選手としての中矢の完成度の高さが伺われる一番でもあった。

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決勝、開始早々に中矢が巴投から腕挫十字固を狙う

決勝は大野、中矢ともに右組みの相四つ。

探りあい一合を経て、大野は引き手から、中矢は釣り手から組み手を開始。
大野両襟で前へ。中矢は「巴十字」で体を捨てながらその左腕を極めに掛かるが、大野背筋を伸ばして崩れず「待て」。経過時間は16秒。

続いての攻防も中矢が巴投で寝技への移行を狙う。大野立ったまま離れようとするが中矢片襟に握り替えて、尻を進めて食いついて引き込む。大野自ら中矢の右後隅に飛び込んで一回転、着地して「待て」。経過時間は40秒。

大野引き手で襟を確保すると釣り手を首に回し、ガップリ組んでにじり出る。中矢は巴投で展開を崩し、双方そのまま立ち上がって攻防継続。大野今度は一方的に引き手で袖を確保するが、嫌った中矢はその袖一本を流して片手の右袖釣込腰で攻防を切ろうとする。しかし大野が崩れることはなく、大野が中矢を突き飛ばして「待て」。主審は中矢に対し即座に偽装攻撃の「指導」を宣告、経過時間は53秒。一貫して大野が上から目線で組み手を進め、中矢が対応するという図式。

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大野が支釣込足、右足を蹴り、左足を狙って決めに掛かる二段攻撃

大野引き手を確保して前へ、中矢は釣り手を大野の首下に当てて押し止めようと試みるが、大野は右手で叩き除けると一呼吸で釣り手で肩越しに後襟を確保する。支釣込足でまず相手の右足を蹴って体勢を崩すと、間合いを一歩詰めて今度は左足を狙う支釣込足と二段攻撃で投げに掛かり、中矢は転び伏せて「待て」。大野、攻勢。経過時間は1分29秒。

大野は引き手を確保、袖を抱き込む体捌きで相手を引き寄せると、釣り手を肩越しに触るフェイントからあっという間に奥襟確保。体重を引き手に掛けながら前進して場外際まで中矢を追い詰める。奥襟を持ち返した中矢、大野の時計回りの崩しに潰れて、主審は中矢に場外の「指導2」を宣告。経過時間は1分56秒。

大野の上から目線は変わらず。互いに奥襟を持ち合ってやや横変形に牽制しつつ、前に出るのはやはり大野。中矢内股を見せるが下がりながらのため効かず、大野は中矢がリアククションを起こす都度一歩、また一歩と前進。場外に詰まった中矢は巴投を狙うが、織り込み済みの大野ガッチリ止めて「待て」。経過時間は2分37秒。

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中矢が左小内刈、予期した大野が体を捌いてこの技は空振りに終わる

大野釣り手で首を確保、前に出て右大外刈、さらに身を翻して右内股のフェイント。中矢は内股へのリアクションが早すぎ自ら左にバランスを崩して手をつき、立ち上がってなんとか攻防継続。
大野は引き手で襟を確保して釣り手を奥襟に回すと、再び前進。中矢が首を抜くと慌てず片襟に持ち替えて相手を引き寄せ、奥襟に持ち直す。中矢下がりながら巴投で展開を切るが、ここまで攻防を見極めた主審は改めて中矢の首抜きによる「指導3」を宣告。経過時間は3分40秒、残り時間は1分20秒。中矢はもはや崖っぷち。

奮起した中矢は一本背負投の形に腕を抱えた左小内刈に飛び込むが空振り。再び中矢は釣り手から、大野は引き手から組み手を開始。

お互い奥襟を確保して大野が前へ。中矢を場外に詰めると、踏み込みながら足を出さない支釣込足の形で体を捌いて相手を時計回りに捻り崩す。中矢が踏みとどまって位置が入れ替わり、大野は右内股に触ると、続いて思い切った右大外刈。

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大野が中矢の大内刈の足の戻しに合わせて捻り落とし、浮落「一本」

十分ポイントが想起される大技。中矢体を前傾させて必死に踏みとどまり、大野いったん矛を収める。この一撃の余波収まらないうちに、中矢は吸い寄せられるように右大内刈に触り、続いて足を戻す。

この戻しの動作にあわせて、大野がこの試合再三見せている時計回りの捻りを入れる。垂直方向への引きが強いこの一撃を重心移動の際に食った中矢耐え切れず一回転、主審は手を高々と上げて「一本」を宣告。

試合時間4分31秒。決まり技は浮落「一本」。展開、結果とも大野が抜群の強さを見せ付けての圧勝劇だった。

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大野と中矢は揃って世界選手権への連続参戦が決定

世界選手権代表には第一代表として大野、第二代表として中矢が選出された。

映像の流出と各国の徹底研究により続けて勝つことが非常に難しくなっている現在の国際大会だが、大野は特異な技術やアイデアで勝ち抜くタイプではなく、組み立ても技もそれ自体はオーソドックス。地力の高さとこの上ない一撃の威力という「真似の出来ない」部分の強さで頂点に君臨する型の選手だ。技種の組み合わせ的にも隙が少なく、攻めることで相手の戦術を崩していけるという強みもある。

「組み合う」新ルールへのフィット感も他有力選手を引き離しており、普通に考えれば研究だけで大野を攻略することは困難なはず。他国の有力選手がどう大野攻略の作戦を立てるか、逆に地力と一撃の強さで他を圧しなければならない大野がいかほどの強さを見せるか、世界選手権は見どころ満載だ。

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優勝の大野将平

【成績上位者】
優勝:大野将平(旭化成)
準優勝:中矢力(ALSOK)
第三位:中村剛教(大阪府警)
第三位:秋本啓之(了徳寺学園職)

大野将平選手のコメント
「久々の試合で技術も体力もなく、ただ意地で勝ちました。国内で勝って、誰にも文句を言われることなく代表になりたかったので、うれしいです。もう一度ゼロから作り直して、頑張っていきたい」

【1回戦】

大野将平(旭化成)○優勢[指導2]△西山雄希(了徳寺学園職)
中村剛教(大阪府警)○優勢[技有・内股]△太田慶一(了徳寺学園職)
中矢力(ALSOK)○腕挫十字固(1:49)△齋藤涼(旭化成)
秋本啓之(了徳寺学園職)○合技[腰車・背負投]△西岡和志

【準決勝】

中矢力○送襟絞(4:19)△秋本啓之
大野将平○反則[指導4](4:14)△中村剛教

【決勝】

大野将平○浮落(4:31)△中矢力

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