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ワンチャンス生かした西田優香が復活優勝、終始優勢の中村美里は新ルールの洗礼浴びる・全日本選抜柔道体重別選手権52kg級レポート

(2014年5月6日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版5月6日掲載記事より転載・編集しています。
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全日本選抜柔道体重別選手権52kg級レポート
ワンチャンス生かした西田優香が復活優勝、終始攻勢の中村美里は新ルールの洗礼浴びる
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準決勝、西田優香が第1シードの橋本優貴に一本勝ち

決勝に進んだのはロンドン五輪代表を激しく争った西田優香(了徳寺学園職)と中村美里(三井住友海上)のライバル2人。ともに世界選手権金メダリスト、そして中村は一昨年に膝を、西田は昨年肘を手術してともに復帰の途上にある中での決勝進出。

西田は1回戦で五味奈津美(JR東日本)を相手に2分22秒に獲得した「指導」1つによる優勢で復帰戦を飾る。そして大一番の準決勝は昨年の世界選手権銅メダリスト橋本優貴(コマツ)から2分50秒に得意の左小内刈で鮮やかな「一本」獲得。昨年一本負けした相手にリベンジを果たして決勝進出を決めてきた。

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1回戦、中村美里が角田夏実から出足払「技有」を奪う

中村は昨年11月に1年3ヶ月ぶりの試合となった講道館杯に優勝。以後再び左膝を痛めて離脱、再復帰戦となったグランドスラムパリでは3回戦敗退に終わっており、今大会での勝利に逆転での世界選手権代表選出を掛ける。第2シードで迎えたこの日の1回戦は角田夏実(東京学芸大4年)を相手に開始30秒で奪った出足払「技有」で優勢勝ち。準決勝では谷本和(ALSOK)から大外刈「有効」、腕挫十字固「一本」(1:54)と連取して快勝、しっかり決勝まで勝ち上がってきた。

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決勝、組み手は一貫して中村が主導権を握る

決勝は西田、中村ともに左組みの相四つ。

開始と同時に両者前へ。中村が組み勝って左小内刈、西田はつまずき伏せて「待て」。経過時間は20秒。

再開後、中村が奥襟を狙って食いつくと西田は左大外刈の形でカウンター、双方崩れて寝技の展開となり、西田が伏せた中村の背から絞めを狙う形のまま動きが止まって「待て」。経過時間は47秒。

続く展開は中村が先んじて引き手で袖を確保、西田が応じて両袖の絞り合いに収束するが、いち早く西田の引き手を切り離して引き手一本で袖を一方的に得た中村に対し、西田は切ろうとする動き数度も中村にガッチリ握られて果せず。苦しくなった西田はいったん巴投で展開を切り、中村が股中に入って潰し落とし「待て」。経過時間は1分16秒。

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中村が左大外刈、釣り手不十分ながらも投げ切ろうと粘るが西田が巻き込んで返し「有効」

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中村組み勝って左大内刈から脚を伸ばして左大外刈。釣り手を伏せた形のまま刈り脚を西田の膝裏に絡めて一瞬拮抗、釣り手不十分ながらあくまで投げ切ろうと一歩前に出るがこの粘りが裏目に出る。西田は後ろ回り捌きの大外返に連絡、ゆったりと巻き込むと膝裏の支点を外せない中村は畳に転がる。手を離して伏せたかとも思われたが、この技は西田の「有効」となる。経過時間は1分35秒、残り時間は2分25秒。

再開後、追いかける立場となった中村は釣り手を激しく振って左小内刈。打ち合いに応じた西田が左小内刈を放つと中村透かす動きで巴投。展開切れて「待て」、経過時間は1分29秒、残り時間は2分29秒。

中村は左奥襟を確保すると、左小内刈を連発。さらに脚を先に差し入れての左内股と左小内刈の往復行動を二度見せると、頭を下げて耐え続けた西田に対して主審は「指導」を宣告する。経過時間は2分33秒。

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中村が左内股から左小内刈に連携

直後、「始め」の声を聞いた両者は激しい手先の組み手争い。主審は一合見守ったのちに、組み合おうとしているのは中村と判断、西田に「取り組まない」判断の「指導2」を宣告する。経過時間は2分43秒、残り時間は1分17秒。

立て続けに反則を貰った西田奮起して組み付くが、中村引き出しの左小内刈で崩すと足をスイッチさせての右小外刈。いかにも中村らしい巧みな足技に西田は転び伏せる。さらに続く中村の猛攻を持て余した西田は片手の左背負投に座り込んで潰れてしまい、主審即座に偽装攻撃の「指導3」を宣告する。経過時間は3分21秒、残り時間は39秒。

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残り時間僅か、中村の右技に西田落ち着いて左小外刈を当てる

あと1つの「指導」で逆転というところまで辿り着いた中村、引き手を確保すると左小内刈で西田の左足を蹴って崩し、体勢を立て直そうとした西田の動きに合わせて奥襟を確保。しかしやや焦ったか遠い間合いから左大内刈に触って自ら体勢を崩し、軸足の膝を着いてしまう痛恨のミス。相手の押し返しに合わせて腹ばいに反転するが、ここで時間を使ってしまいたい西田は迷わず寝技に食いつく。トライ数回、西田のめくり返しが効かずと主審が判断して「待て」を宣告した時点で残り時間は僅か19秒。中村先んじて立ち上がって開始線に戻り、寝たまましばし息を整えた西田は主審に促されてゆっくりと立ち上がる。

中村猛然と前へ。手先で押し返した西田は釣り手から持って右構えの中村に対処。中村が右の前技の形の奇襲に身を翻すと落ち着いて左小外刈を当て、中村大きく崩れて腹ばいに伏せる。

西田はその背中に食いついてもはや中村を立たせず。そのままタイムアップとなり、序盤に挙げた大外返の「有効」による優勢を以って西田の勝利が決まった。

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決勝を戦ったライバル2人。内容は中村だったが、勝利をもぎ取ったのは西田だった

決勝の展開は終始中村優位。勝敗を分けた西田のポイントも中村が先に仕掛けたものであり、西田はまさしくワンチャンスを生かしての勝利だった。中村はマクロにもミクロにも展開の優位を粛々と積み上げながら足技と寝技で試合をモノにしていくのが持ち味だが、一度のミスの怖さと4分という短い試合時間、そして攻撃ポイントが常に反則累積ポイントの上位に置かれるという新ルールの洗礼を浴びた形となった。

5年ぶり3度目の優勝を果した西田は一時一線を退くことも噂されていたが、今大会の優勝インタビューで「リオ五輪を目指します」と今後の目標を高らかに宣言。威力抜群の背負投は海外勢からはもっとも怖れられているという観測もあり、今後が非常に楽しみになってきた。

世界選手権代表争いは第一候補の橋本が準決勝で、第二候補の中村が決勝でともに今期国際大会の出場がない西田に破れるという結果となりやや混沌。中村はグランドスラムパリで、橋本はグランプリデュッセルドルフでともにクズティナ(ロシア)に敗れているが残っている成績は中村が2回戦敗退、橋本は2位。つまり両者ともに同じ相手2人に敗れており、国際大会での成績は橋本が上、選抜の成績は中村が上ということになる。

結果、現時点での序列は覆らず。昨年の世界選手権銅メダリストで今期の国際大会で唯一ビッグゲームの表彰台に上がっている橋本が選出されることとなった。2枠目の行使はなく、中村、西田の世界王者コンビは温存される形となった。

ケルメンディ、キトゥらのパワーファイターらが幅をきかせるこの階級は、かつて日本が絶対的な強さを誇り「西田、中村のどちらが出ても優勝確実」と言われていた北京-ロンドン期とは大きく様変わりしている。その中で橋本が現役日本選手3人目の世界チャンピオンとなれるか。その健闘に大いに期待したい。

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優勝の西田優香

【成績上位者】

優 勝:西田優香(了徳寺学園職)
準優勝:中村美里(三井住友海上)
第三位:橋本優貴(コマツ)
第三位:谷本和(ALSOK)

西田優香選手のコメント
「去年大きな手術をしてからずっとこの畳に戻ってくるのが目標だった。結果が出てうれしい。組み合わせを見て、去年と一昨年のリベンジが出来るとうれしく、身が引き締まりました。なんでこんな柔道しかできないの?というくらい情けない内容でしたけど、リオに向けて内容よりも意味のある結果だと思っています。リオ五輪に、出ます」

【1回戦】

中村美里(三井住友海上)○優勢[技有・出足払]△角田夏実(東京学芸大4年)
橋本優貴(コマツ)○横四方固(2:38)△垣田恵利(兵庫県警)
谷本和(ALSOK)○優勢[指導2]△志々目愛(帝京大3年)
西田優香(了徳寺学園職)○優勢[指導1]△五味奈津実(JR東日本)

【準決勝】

西田優香○小内刈(1:56)△橋本優貴
中村美里○腕挫十字固(1:54)△谷本和

【決勝】

西田優香○優勢[有効・大外返]△中村美里

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