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阿部一二三が才能発揮、技と力見せつけ階級差感じさせない圧勝V・第36回全国高等学校柔道選手権73kg級レポート

(2014年4月20日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版4月20日掲載記事より転載・編集しています。
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第36回全国高等学校柔道選手権73kg級レポート
阿部一二三が才能発揮、技と力見せつけ階級差感じさせない圧勝V
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準々決勝、ビハインドの込山が巴投、阿部はかわして寝技で時間を消費

66kg級、73kg級というハイレベル階級2つの統合階級であるこの階級は多士済々。各ブロックに名だたる有力選手が2人、3人と詰め込まれ、トーナメントの早い段階から激戦が繰り広げられることとなった。

序盤戦で特に注目を集めたのは阿部一二三(神港学園高1年)と込山龍哉(相洋高2年)がぶつかったBブロック準々決勝と、古賀颯人(大成高1年)と浅野大輔(白鴎大足利高2年)が戦ったCブロックの準々決勝。

阿部-込山戦は昨年の全日本カデ決勝の再戦。ここまで双方調子があがらない中の対戦は互いに距離を詰めきれずに「指導」累積差で阿部が一歩リード。終盤、そのまま「指導2」優勢で勝ち抜けることとなった。

込山はコンディション不良か初戦から持ち前の連続攻撃が鳴りを潜め、この試合も低調。前回対戦は込山が強気の接近戦を挑むことで阿部も大技を連発、両者が互いの長所を引き出し合うエキサイティングな試合だったが、この試合の込山は打って変わって慎重。遠い間合いからの攻防が増えた結果、技の引き出しが多くかつ地力に勝る阿部の側に試合の流れが傾き、結果ポイントに繋げたと総括される試合だが、攻撃型の両者の対戦らしからぬ様相の試合だった。

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準々決勝、古賀颯人が浅野大輔を攻める

古賀-浅野戦は古賀、浅野ともに右組みの相四つ。序盤は浅野が背負投で股中に潜り込んであわやポイントという場面を作るなど有効打という観点から浅野が優位に思われたが、着地ギリギリで凌ぎ続けた古賀が中盤から右内股で反撃開始。浅野が高く足を上げて股中で捌くディフェンスを続ける間に自信を得たか、後半、そしてGS延長戦は手数、有効打ともに浅野を圧倒。フルタイム戦った末に旗3本を獲得し、GS僅差3-0で勝利を決めた。

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準決勝、阿部一二三が第1シードの吉田優平を豪快な掬投に捕らえる

決勝に進んだのはその阿部と古賀、山場の対決を制した2名。

66kg級全日本カデ王者の阿部は2回戦で中川将嗣(東海大甲府高2年)にGS延長戦の末大内刈で一本勝ち(GS1:10)、3回戦で佐藤拓哉(盛岡中央高2年)に内股で一本勝ち(1:00)。ここまでは動きが重かったが、前述の通り準々決勝で込山龍哉に「有効」優勢勝ちを果たして波に乗る。準決勝の第1シードの73kg級インターハイ2位吉田優平(大垣日大高2年)と戦う大一番は、頭の上まで持ち上げる豪快な掬投「一本」(GS1:03)で勝ち抜け、持ち前の大技の魅力を見せ付けての決勝進出。

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決勝に挑む古賀颯人

一方の古賀は昨年度の全国中学大会73kg級覇者。2回戦は田川兼三(長崎日大高2年)にGS延長戦体落「一本」(GS0:11)、3回戦は牧野壮一郎(王寺工高2年)に「有効」優勢、準々決勝は前述の通り浅野大輔をGS僅差3-0で下し、準決勝では昨年の全日本カデ73kg級王者立川新(新田高1年)をGS僅差2-1で下して決勝へと駒を進めてきた。

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古賀が左大腰から右小外掛に繋ぐ好連繋で「有効」先制

決勝は阿部、古賀ともに右組みの相四つ。

阿部が引き手を確保すると古賀が切り離して組み手をやりなおし、双方出だしは慎重。
30秒過ぎ、阿部が釣り手で奥襟を叩くと古賀も応じて奥襟を叩き返し、引き手で脇を差す強気の組み手。間を置かずに阿部は右腰車を一撃、反時計回りにかわした古賀は動作を止めずに引き手で脇、釣り手で首を高く抱えたまま腹を突き出して左大腰の大技。

乗りかかった阿部が体を反らして受け止め、腰に乗せ返して逆襲の一撃を探った刹那、古賀は乗りかけた体勢のまま右小外掛に連絡して体を降ろす。お互いが抱えあったままのこの好連繋にさすがの阿部も大きく崩れ「有効」。経過時間は34秒。

古賀が阿部が得意なはずの近接戦闘でその上をいった一撃。古賀も見事だが、むしろ良くぞ阿部が「有効」で止めたという攻防であった。

続いて古賀は引き手で袖、釣り手で奥を叩く良い形。阿部の頭が下がると右出足払で前に出る。阿部は右一本背負投を見せるが反転したのみで古賀に止められ、すぐに戻って攻防継続。経過時間は1分12秒。

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阿部が右腰車から右大外刈に繋ぐ素晴らしい連繋、古賀はのけぞって大きく崩れる

続く展開、阿部が引き手で袖、釣り手で奥の完璧な組み手を作り上げると、古賀は避けずに釣り手で奥襟を叩き、引き手で脇を差し返して近距離戦闘に応じる。先ほど古賀がポイントを獲得した際と同じ形。

密着したまま双方反時計回りに1回運動、止まったところに阿部が思い切った右腰車。「一本」が想起される強烈な一撃だが、古賀は体捌き良く腰のインパクトの到来より一瞬早く反時計回りの運動でこれをかわす。先ほどまったく同じ展開の攻防だが、阿部、今度は古賀が次の技を狙うより先に右大外刈を引っ掛ける。頭を上げようとしたところにこの技を合わされた古賀はそれでも裏投に切り返そうと抵抗するが踏ん張った右足を刈られ、後ろに大きくのけぞったままあっという間に死に体。

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阿部の右大外刈が「一本」

腰を入れたまま瞬時に行われた異次元の組み立て。斜めに古賀を追った阿部は釣り手で相手をコントロール、古賀が崩れつつある真裏に運動方向を変えてフィニッシュ。投げられた古賀がその瞬間負けを悟って畳に突っ伏す豪快な一撃はもちろん「一本」。

阿部が持ち前の投げ技の威力を見せ付けて逆転勝ち、見事1年生にして高校選手権初優勝を達成した。

一階級上の73kg級にあってもその強さを存分に発揮した阿部の柔道は見事の一言。東京五輪代表一番手との声も高い逸材が、その才能の高さを改めて関係者に知らしめた見事な優勝劇であった。

古賀は阿部の得意な近接戦闘に持ち込んで捨て身の一撃を放ち、そして「有効」という成果を得たものの、リード以後もガップリ体を着け合う密着勝負を挑み続けて阿部に逆転を許した。リスクを採ったがゆえのポイント奪取、そして逆転負けであったわけだが、ここはリスク管理の失敗よりも1年生らしい攻撃精神、あくまで「一本」を狙った攻めの柔道に拍手を送りたい。敗れはしたが、阿部の技を紙一重でかわし、さらに先ほどと同じ展開から技を変えて崩されながらも裏投を狙ったという段重ねの攻防は素晴らしいものであった。
小学、中学と全国優勝を果たしながら投げの威力よりもその戦術性や際のカンの良さが際立つタイプだった古賀だが、昨年後半から「投げる」選手としての魅力が開花しつつあり明らかに一皮剥けた感。そのステップアップを改めて感じさせる決勝の内容であった。

【入賞者】
優勝:阿部一二三(神港学園高1年)
準優勝:古賀颯人(大成高1年)
第三位:吉田優平(大垣日大高2年)、立川新(新田高1年)
第五位:込山龍哉(相洋高2年)、浅野大輔(白鴎大足利高2年)
    田島優人(東海大浦安高2年)、渡辺大地(旭川龍谷高1年)

阿部一二三選手のコメント
「優勝は狙っていましたが、一階級上の強い先輩方がいますし、挑戦者のつもりでがんばりました。1試合目、2試合目は体が動いていませんでしたが、それでも準々決勝で前に出る柔道が出来て、これなら優勝できると思いました。決勝はリードされましたが時間もありましたし、自分の柔道をやれば取り切れると思っていました。力でいったら負けるので技で勝負しようと考えていました。東京五輪は必ず出たいですし、先輩に食らいついてリオ五輪も狙っていきたい。いつも立ち上がりが悪いので、最初から自分の柔道が出来るようになるというのが課題です」


【準々決勝】

吉田優平(大垣日大高2年)○優勢[技有]△田島優人(東海大浦安高2年)
阿部一二三(神港学園高1年)○優勢[指導2]△込山龍哉(相洋高2年)
古賀颯人(大成高1年)○GS僅差△浅野大輔(白鴎大足利高2年)
立川新(新田高1年)○GS有効(GS0:17)△渡辺大地(旭川龍谷高1年)

【準決勝】

阿部一二三○掬投(1:03)△吉田優平
古賀颯人○GS僅差△立川新

【決勝】

阿部一二三○大外刈(1:19)△古賀颯人

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