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第36回全国高等学校柔道選手権大会・女子団体マッチレポート②準々決勝~準決勝

(2014年4月11日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版4月11日掲載記事より転載・編集しています。
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第36回全国高等学校柔道選手権大会・女子団体マッチレポート
②準々決勝~準決勝
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エース対決は大成・鍋倉那美が帝京・西尾直子を開始11秒の内股「一本」に仕留める

■準々決勝

大成高 2-1 帝京高
(先)黒木七都美○合技(1:47)△今井美歩
(中)鍋倉那美○払腰(0:11)△西尾直子
(大)鈴木伊織△合技(2:57)○荒谷莉佳子

先鋒戦は黒木七都美が今井美歩に合技で一本勝ちを果たし、大成が1点を先制。
事前予測の段階では大将戦の勝敗の行方は不透明で、個人戦63kg級王者の1年生鍋倉那美と57kg級王者西尾直子が激突する中堅戦がこの試合の天王山。

鍋倉、西尾ともに右組みの相四つ。西尾は釣り手で相手の右片襟を確保、鍋倉は引き手でその西尾の右袖を得る。鍋倉が釣り手で襟を探ると西尾嫌ってその右腕を軌道上でカットしようとするが、その刹那鍋倉逆に西尾の袖を上から捕まえて両袖の右内股。西尾に片襟を持たせたまま左引き手を腹に抱きこみ、釣り手の手首を伏せて肘を畳んだこの内股は距離のないところからいきなりインパクトがやってくる鋭い一撃。引き手は下、釣り手はその上でクロスさせて狭い空間で西尾を固定、体の外側で回しこまれた西尾はほとんど逆らう間なく宙を舞い「一本」。

僅か11秒、エース対決で生まれたこの見事な「一本」で勝負あり。大将戦は帝京高の個人無差別3位入賞者荒谷莉佳子が合技「一本」で意地を見せたものの時すでに遅く、2-1で大成高が準決勝進出を決めた。

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埼玉栄・冨田若春が奈良育英・児島有紀を払腰「一本」に仕留める

埼玉栄高 2-0 奈良育英高
(先)常見海琴○大腰(0:12)△田中芽衣
(中)柴田理帆×引分×村井惟衣
(大)冨田若春○払腰(2:38)△児島有紀

埼玉栄高は中堅に保有する57kg級強者2枚のうち、これまで起用した泉雅子に代えて柴田理帆を投入。
試合はこの日絶好調の先鋒常見海琴が開始早々の大腰「一本」で田中芽衣を破る。
中堅戦は柴田が奈良育英のポイントゲッター村井惟衣と引き分け、この時点でほぼ勝負あり。大将戦は埼玉栄の1年生エース冨田若春が払腰で「一本」を奪って試合は決着。埼玉栄、3試合連続無失点のまま準決勝進出決定。
埼玉栄がしっかり力を出して順当に勝利したという一番、健闘の奈良育英はベスト8で力尽きることとなった。

桐蔭学園高 2-0 沖学園高
(先)馬場彩子×引分×山本玲奈
(中)嶺井美穂○優勢[指導2]△多田隈玲菜
(大)鈴木双葉○背負投(1:51)△山本絵玲奈

総合力に勝ると思われたAシード校沖学園を桐蔭学園が見事撃破。
桐蔭学園のワントップエース嶺井の存在を考えると沖学園は先鋒戦での得点必須だが、ここで桐蔭学園の先鋒馬場彩子が踏ん張りきって引き分けを獲得。この瞬間盤面は事前予測とひっくり返り、桐蔭学園高がいきなり優位に立つ。

しかし中堅嶺井は多田隈玲菜の抵抗にあって勝利はしたもののその内容は「指導2」という最小ポイントに留まる。多田隅の健闘により再び盤面は沖学園優位、「引き分け」「指導2」とスコアこそ地味だが激しく展開揺れ動く息詰まる試合。

大将戦は、沖学園が70kg級の強者永瀬貴子に代えて投入された山本絵玲奈、桐蔭学園は70kg級の鈴木双葉という顔合わせ。
山本優位が予想されたこのカードだが、リードをバックに畳にあがった鈴木は1分51秒に背負投「一本」で勝利。

桐蔭学園ベンチは大騒ぎ。シーソーゲームを劇的決着で制した桐蔭学園高がついにベスト4進出を決めた。
桐蔭はワントップと規定された嶺井以外の2枚が活躍するという最高の勝ち上がり。
沖学園としては相手の鈴木が70kg級の選手ということもあり、ベンチに下げた永瀬で戦う選択もありえた試合。3枚揃った総合戦力の高さで高評価を勝ち得た沖学園、痛恨の2失点だった。

紀央館高 2-1 東大阪大敬愛高
(先)阪部りり子○優勢[有効]△三島千賀子
(中)山本七海○優勢[技有]△米澤夏帆
(大)松田なみき△崩袈裟固(1:50)○池絵梨菜

混戦ブロックから準々決勝まで勝ち上がった紀央館の勢いは止まらず。先鋒戦で阪部りり子が優勢勝ちを収めると、以後の2連勝を焦った東大阪大敬愛高の米澤夏帆から山本七海が「技有」優勢で勝利する殊勲を挙げ、ついに準決勝進出確定。紀央館は和歌山県勢大会初のベスト4入り。

東大阪大敬愛は池絵梨菜が悔しさを噛み殺して崩袈裟固「一本」で一点を返したもののもはや勝負は決した後。この時点での敗退が決まり、優勝候補の一角に挙げられていたインターハイに続きまたしても頂点には手が届かなかった。

結果決まった準決勝のカードは、

大成高 - 埼玉栄高
桐蔭学園高 - 紀央館高

の2試合となった。

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大一番に臨む大成高

■準決勝

大成高 - 埼玉栄高
(先)黒木七都美 - 常見海琴
(中)鍋倉那美 - 柴田理帆
(大)鈴木伊織 - 冨田若春

予想通りのカード。今大会の事実上の決勝と衆目の一致する大一番。

対戦順は上記のとおり。

盤面を睨んで穏当に事前予測を行うならば、中堅に63kg級個人王者の鍋倉という大駒を持ち、かつ先鋒にも52kg級2位の黒木七都美を置く大成が有利と言わざるを得ない。埼玉栄は今大会最強カードである冨田若春を無差別枠に配するが、大成はここに消耗戦術による防衛戦も得手の鈴木伊織を手当てしていおり、「一本」奪取は至難の技。エース同士の対戦相手を比べると勝利のハードルが高いのは冨田のほうであり、同じ一点でも鍋倉がより良い内容で勝利する可能性が高いと考えておくべき。かつ、先鋒戦の黒木優位を考えると星勘定的にも大成優位の感は否めない。

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埼玉栄・柴田理帆が先鋒常見海琴を送り出す

大成としては先鋒戦で細かいポイントを挙げ、中堅戦の鍋倉の一発で勝負を決めてしまうというのが理想のシナリオで、これは十分手に届く位置にあると見てよい。埼玉栄としては先鋒戦と中堅戦を引き分けて大将の冨田に繋いでの1-0勝利が目指すべきシナリオだが、現実的には前段二戦をなんとか一点以内、それも「一本」を与えずに終えて大将戦に勝負を持ち込み、冨田一枚に勝利を賭けるというのが採るべき戦術か。

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常見が黒木七都美の奥襟を叩いて頭を下げさせる

ところが先鋒戦は常見海琴が右相四つの黒木に対して両袖の絞り合いの膠着に大技一発の打開、とうまく戦って両者得点の気配は僅少。むしろ大枠常見が優位なままこの試合は引き分けに終着する。

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鍋倉那美の右内股、柴田理帆は崩れず

中堅戦も柴田理帆が強気に前に出、不利な攻防を予期するとその一手前に展開をやりなおすという巧みな試合を披露。組み手の一手目にこだわる展開に誘導された鍋倉は中盤以降流れを変えようと得意の内股に巴投で攻めるが取り味のある形と距離に持ち込むことが出来ず、柴田にとっては殊勲の、鍋倉にとっては痛恨の引き分け決定。

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鈴木伊織が袖釣込腰で先手攻撃

シナリオは完全に埼玉栄寄り。勝利を決めるべく埼玉栄は冨田若春、大成は鈴木伊織が畳に登場。
両者右組みの相四つ。自身の使命を良く踏まえた冨田開始から激しく前に出続けるが、鈴木は釣り手で片襟を握った右背負投、右体落にこの前進を吸収して対抗、戦前の予想通り泥臭い試合に冨田を引きずり込んで両者ポイントの積み上げないまま刻々時間が過ぎ去ってゆく。
なかなか得意の右大外刈を放てない冨田、残り1分を過ぎてケンケンの右小外刈で激しく鈴木を追い、続いて上下に激しく鈴木をあおりたてる。これを受けて残り29秒で鈴木に「指導1」。しかし以後ポイントの積み上げはなくこの試合も引き分け。大一番は3試合連続の引き分けに終わり、勝負の行方は代表者一名による決定戦に委ねられることとなった。

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鍋倉が片袖の右大外刈

代表はもちろん鍋倉と冨田。
ともに右組みの相四つ。ともに引き手から欲しがる激しい組み手争い、その中で鍋倉は右内股、右大外刈を散発で見せるが冨田の前進傾向が勝り、1分29秒鍋倉に「指導1」。
以後試合はやや膠着、次のシークエンスを経た残り51秒で両者に「指導」が宣告される。

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冨田が支釣込足をきっかけに突進

直後鍋倉は釣り手で奥襟を叩く強気の組み手を見せるが冨田は前に突進、体格差のある相手に距離を詰められた鍋倉やむなく片足反転で展開を切り「待て」。
再開直後の冨田は前に体を捨てる勢いで思い切った右大内刈。これは追いきれずにみずから膝を着いてしまったが、攻撃傾向の衰えない冨田がいきなり打ったこの楔に以後の展開を規定された鍋倉は最後まで反撃のきっかけを掴めず。この試合は「指導」2回による優勢で冨田の勝利に終わり、大一番は埼玉栄の勝利に終わった。

埼玉栄高○代0-0△大成高
(先)常見海琴×引分×黒木七都美
(中)柴田理帆×引分×鍋倉那美
(大)冨田若春×引分×鈴木伊織
(代)冨田若春○優勢[指導2]△鍋倉那美

対戦順とポジション別の戦力差、そして個々が為すべき仕事とあるべき試合のシナリオを全員がしっかり踏まえて実現した埼玉栄の試合力の高さ、そして勢いが大成高を凌いだという一番。机上の単純戦力比較だけでは測れない団体戦の旨味、勝負の流れを心得切った、「本松マジック」の真骨頂とでもいうべき一番だった。

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嶺井美穂が山本七海から「有効」獲得

桐蔭学園高 2-1 紀央館高
(先)馬場彩子○優勢[有効]△阪部りり子
(中)嶺井美穂○優勢[技有]△山本七海
(大)鈴木双葉△優勢[指導2]○松田なみき

桐蔭学園がダークホース紀央館を相手に先鋒馬場彩子、中堅嶺井美穂の前衛2枚で連続得点、一気に勝負を決めた。中堅に大駒嶺井を置くという事情から試合の山場は先鋒戦であり、ここで得点を挙げた馬場が最大の殊勲者という試合だった。大会の台風の目、紀央館は3位入賞の大健闘。

結果決まった決勝のカードは、

埼玉栄高 - 桐蔭学園高

という関東勢同士の顔合わせとなった。

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