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第36回全国高等学校柔道選手権大会・男子団体マッチレポート④準々決勝

(2014年3月29日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版3月28日掲載記事より転載・編集しています。
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第36回全国高等学校柔道選手権大会・男子団体マッチレポート
④準々決勝
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準々決勝が開始される

■準々決勝

国士舘高○一人残△神戸国際大附高
(先)釘丸将太×引分×鳥居天凱(先)
(次)竹村昂大×引分×秋定礼(次)
(中)山田稔喜×引分×高木育純(中)
(副)山田伊織○腕挫手固(2:43)△光明駿(副)
(副)山田伊織△優勢[有効]○石山潤平(大)
(大)吉良儀城○優勢[指導2]△石山潤平(大)

国士舘は吉良儀城、神戸国際大附は石山潤平とそれぞれエースを大将に据えた。その上で国士舘は先鋒にもっとも安定感のある釘丸将太を置き、中3枚を竹村昂大・山田稔喜・山田伊織で構成する前戦と同様のバランス重視の布陣、一方の神戸国際大附は高木育純・光明駿・石山潤平と得点役を中堅以降に並べた後ろ重心の配置を採った。

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秋定礼(右)と竹村昂大の次鋒戦

先鋒戦は釘丸と鳥居の中量級同士がかちあい引き分け。
次鋒同士の対決は神戸国際大附高の軽量選手、普段は60kg級で戦う秋定礼がこの大一番での起用に応えて国士舘高の抜き役を担ってきた竹村昂大を攻め、あるいはいなして双方「指導2」獲得の末に引き分け。神戸国際大附としては後衛のポイントゲッター3枚を送り出す前に無失点、かつ軽量の秋定が流れを作り出して前半戦を終え、勝負の舞台を整えることに成功した感あり。

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石山潤平が大内刈を押し込み、山田伊織から2つ目の「有効」

山田稔喜に高木育純がマッチアップした中堅同士の対決は引き分け。試合の主導権を双方が争い続け、そしていずれも譲らぬまま試合は副将同士の対決に引き継がれることとなった。
ここで登場した国士舘の山田伊織が光明駿を腕挫手固「一本」で破り拮抗を続けた試合の流れはついにブレイク。国士舘が先制、神戸国際大附は一人差を追いかける形で大将石山が登場することとなる。

この試合は石山が序盤に山田の浮技に大内刈を合わせて「有効」奪取。以後もジックリ試合を進め、残り4秒で再度の右大内刈。山田が返そうと踏ん張ったところを押し込んで倒し二つ目の「有効」奪取。「有効」による優勢で勝利して、大将同士の対決の畳に吉良儀城を引っ張り出す。

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吉良儀城が石山潤平を攻める

大将同士、エース同士がマッチアップした第6試合は吉良が左、石山が左のケンカ四つ。この試合は片手で、あるいは脇を差して、あるいは上から背中を叩いてとあらゆる形から技を繰り出す吉良が先行し、石山の体の強さ封じたまま残り36秒までに2つの「指導」を獲得。
ここでようやく形を崩して攻めることに舵を切った石山の執念の前進の前に、吉良は残り1秒で自ら技を掛けつぶれてしまい偽装攻撃の「指導」1つを失う。しかし大枠危ない場面なくクロージング、「指導2」の優勢で吉良が勝利し、国士舘が一人残しで準決勝への勝ち上がりを決めた。

全6戦、どこで試合が壊れてもおかしくない、いずれのチームが流れを掴んでもおかしくない僅差の試合だったが、ここぞという分岐点はことごとく国士舘が押さえたという一番。国士舘、持ち前の試合力の高さを見せ付けてベスト4進出。

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鎌田魁翔が浅野大輔から小外刈で「技有」

白鴎大足利高○一人残△作陽高
(先)浅野大輔△優勢[有効]○鎌田魁翔(先)
(次)山中勇希×引分×鎌田魁翔(先)
(中)柳原尚弥○内股(2:36)△高橋恭平(次)
(中)柳原尚弥×引分×田村淑真(中)
(副)太田竜聖×引分×野地優太(副)
(大)太田彪雅○出足払(0:14)△安達健太(大)

先鋒戦は作陽・鎌田魁翔が白鴎大足利・浅野大輔を相手に右内股を中心に攻めてペースを掴む。浅野なんとか凌いで拮抗を保ったまま試合を進めるが、残り3秒で鎌田の小外刈に引っかかり「有効」失陥。ほとんど同時に終了ブザーが鳴り、作陽にとっては会心の、白鴎大足利にとっては痛恨の決着。鎌田の「有効」による優勢で作陽が先制。

鎌田は次戦の山中勇希戦もケンカ四つの優位を利して、大きい相手をしっかり捌いて引き分け。1人差リードを保ったまま中盤へと試合を繋ぐ。

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柳原尚弥が高橋恭平から内股「一本」

白鴎大足利はここで柳原尚弥が登場。ケンカ四つの高橋恭平に対して決定打を打てないまま終盤を迎えたが、残り30秒を過ぎたところで思い切った右内股。深い位置で技を受けてしまった高橋は足を高く挙げて股中で捌き、力の外側に逃れようと試みるが、柳原はほとんど腰全体が股中に入るところまで歩を進め、釣り手で高橋の左頬を殴るように突いて下側に押し込む。最後は体を預けて投げ切り「一本」、白鴎大足利がスコアをタイに戻す。

作陽はここから副将野地優太、大将に安達健太とチームの柱を2本畳に残す。一方の白鴎大足利は太田竜聖、そしてエース太田彪雅が控えておりこちらの布陣もまことに強力。

太田竜聖と野地優太の副将対決はともに譲らず引き分け。勝負の行方は大将同士の対決に委ねられることとなった。

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太田彪雅が安達健太を相手に鮮やかな出足払で一本勝ち

前日の個人戦無差別で3位に入賞した太田はこの日好調、しかし太田がこれまでのキャリアを通じて投げ一発の威力の一方展開力に不安定さを見せ続けてきたこと、安達が前日90kg級で2位入賞を果たした実力者であること、作陽がチームの伝統として強者を狩る具体的な方法論と精神的なしぶとさを併せ持っていることでこの試合は拮抗必至と思われた。

ところが開始僅か14秒でこの試合は決着。ゆったりした組み手のやりとりから突如太田の右足だけがスピードアップ、相手の体重移動にピタリと合わせたこの技に安達逆らえずに宙を舞い出足払「一本」。安達が気づいたときには既に自身の体が空中にあるという体のすばらしい一撃だった。

鮮やかな一撃に会場は大歓声。白鴎大足利は初戦から3戦連続の大将決着、それも全て太田彪雅の一本勝ちで勝負を決するという劇的試合の連続でベスト4進出決定。

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崇徳高・一面護が倍の体重差を跳ね返し、大牟田・山田琢也から大内刈で「有効」を奪う

崇徳高○一人残△大牟田高
(先)村上隆貴×引分×奥大成(先)
(次)一面護○優勢[有効]△山田琢也(次)
(次)一面護×引分×浜野大生(中)
(中)増本大輝△優勢[指導2]○山口智弘(副)
(副)貫目純矢○優勢[指導2]△山口智弘(副)
(副)貫目純矢×引分×西山瑠星(大)
(大)香川大吾

前戦で山本健太を失った崇徳高は先鋒に村上隆貴を起用して布陣。
急遽出場の村上が初戦を引き分けると、次鋒に入った軽量選手の一面護が体重138kgの山田琢也を相手に本領発揮。背負投に巴投と攻めに攻めまくり、相手の腰を抱いた大内刈で見事「有効」奪取で優勢勝ちを果たす大仕事。さらに大牟田のポイントゲッターの一角浜野大生と引き分けて、一人差リードを保ったまま畳を降りる大活躍を見せる。

第4試合は大牟田のエース山口智弘が増本大輝を「指導2」優勢で抜くが、崇徳は副将の貫目純矢が山口を「指導2」で抜き返し、そのまま大将西山瑠星と引き分ける手堅い試合を披露。大将香川大吾を温存したまま一人残しで準決勝進出を決めた。

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修徳高・坂口真人が山崎壱盛から内股で「有効」を奪う

修徳高○一人残△天理高
(先)佐藤竜×引分×正木聖悟(先)
(次)坂口真人×引分×山崎壱盛(次)
(中)伊藤祐介×引分×西岡丈(中)
(副)原澤脩司○大外刈(1:51)△並里樹(副)
(副)原澤脩司△優勢[指導3]○古田伸悟(大)
(大)小川雄勢○総合勝(2:46)△古田伸悟(大)

準々決勝最後の試合は修徳高と天理高の対戦。修徳は原澤脩司と小川雄勢の重量2枚、天理も並里樹と古田伸悟のポイントゲッター2枚をともに後衛に置く布陣。

先鋒戦は修徳の斬り込み隊長佐藤竜と2回戦で東海大浦安を相手に3人抜きの大活躍を見せた正木聖悟がぶつかり合って、双方ポイントなく引き分け。
次鋒同士の対決は、修徳の抜き役坂口真人が内股巻込一発で掴んだ「有効」と山崎壱盛が持つ「指導」ポイント累積がカチ合い、この試合も引き分けに終わる。

伊藤祐介と西岡丈という試合のまとめ役同士が相対した第3試合は伊藤が右、西岡が左組みのケンカ四つ。序盤に伊藤に「指導」が与えられるが、伊藤は125kgの西岡に釣り手で脇を差し、前進に前進を重ねて相手の間合いを狂わせる得意の柔道を披露。大枠体格に勝る西岡が主導権を握っていつ伊藤に「指導」が与えられてもおかしくない展開ではあったがこの突進が功を奏して終盤西岡に場外の「指導」が与えられ、この試合も引き分けに終着する。勝敗の行方はエース格2枚同士がぶつかる後半戦に委ねられることとなった。

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原澤脩司が並里樹から大外刈「一本」

副将同士の対決は修徳・原澤脩司、天理・並里樹ともに左組みの相四つ。
開始早々並里思い切りの良い左内股を放ちやる気十分。
原澤が左大外刈を放つと並里は巻き込んで返しを試み、歓声と悲鳴が交錯する中で原澤は危うく腹ばいで畳に伏せる。若干並里が試合の流れを掴みかけた印象。

以後も並里が釣り手を動かしながら支釣込足、大内刈、内股と仕掛け続けるが原澤はあくまで引かず、逆に釣り手を上げて思い切った左大外刈。一瞬相手と返しあいになるが、原澤前進して大外落へと連絡し、首を制して並里を後方に崩す。並里尻餅をつくが主審はポイントを宣告せず「待て」。

返さり掛かり、さらに攻め込まれた中でも勇気を持って仕掛けたこの大外落が試合の分水嶺。この攻防で手ごたえを掴んだ原澤は続く展開で意を決し、一段ギアを上げて思い切りの良い左大外刈。
掴んでいた感触のゆえか、踏み込みからして一段深いこの一撃に並里大きく崩れ、原澤が巻き込むように決め切ると主審迷わず「一本」を宣告。ついに均衡破れ、修徳が一人差のリードを得る。

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原澤脩司は「指導3」失陥も必至で畳に残り続けて古田伸悟と対峙

続いて畳上には天理のエース古田伸悟が登場。
原澤、古田ともに左組みの相四つ。古田は開始から大内刈を中心に攻め、序盤原澤に「指導1」。さらに両襟で圧を掛ける原澤を意図的に誘い、応じた原澤が左大外刈を試みると大外返で大きく崩して試合を優位に運ぶ。
古田は支釣込足で原澤を崩して2つ目の「指導」を獲得。しかし原澤は両襟でジックリ圧を掛けて試合を捨てずに粘り続ける。
終盤、原澤が左大外刈から前に潰れたところで偽装攻撃の判断で3つめの「指導」が与えられ、結局この試合は「指導3」による古田の優勢勝ちに終着。勝敗の行方は小川雄勢と古田伸悟、前日の個人戦無差別決勝で激戦を繰り広げた2人の対決に委ねられることとなった。

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小川雄勢が古田伸悟から開始早々の大外巻込「技有」

小川、古田ともに左組みの相四つ。
前日の個人戦は小川が「指導2」で勝利しているが、古田が小川を大きく崩す場面も多々あり、そこから延長線を引く限りはどちらが勝つかわからない、僅差のせめぎ合いが予想される好カードだ。

しかし前日の対戦を経、双方が互いの柔道に対する経験値を積み上げた結果優位に立ったのは小川。開始早々、双方が場外に流れる動きを利用し、その先にノーステップの左大外巻込の罠を仕掛ける。見事古田の動き出しを捕らえたこの一撃は「技有」となる。

なんとか取り返したい古田は直後に左払巻込で反撃。しかし小川はタイミングを合わせて体を被せ、首を制してめくり返して縦四方固に捕らえる。主審は「抑え込み」を宣告、古田はなんとか逃れてポイントに至る前に「解けた」の声を聞く。

この寝技の攻防を経て小川完全にペースを握る。小川が奥襟を掴んで圧を掛け、上下にあおると古田は膝を屈して伏せ「待て」。小川が再び釣り手で奥襟を得ると古田は釣り手で腰を突いて耐え、小川優位の流れは止まらない。

最後は試合時間14秒を残して審判団が協議、古田に3つ目の「指導」が与えられて試合は決着。小川の総合勝ちが決まり、修徳が1人残しで準決勝進出を決めた。

勝負を決めた小川の強さはもちろんだが、この試合の殊勲者はなんといっても原澤。具体的に挙げた一点の価値はもちろんだが、古田と対峙した第6試合の粘り強さも特筆ものであった。

一人を抜いて古田と組み合った原澤は早々に「指導」を失い、かつ取るべき技である左大外刈も返されかけた序盤戦の段階で体力的にも力関係的にも、逆転はおろか引き分けも難しい状況であることを自覚したはずだ。しかし、接戦であった前日の小川-古田戦の様相を考える限り、後に続く小川のためには少しでも古田の体力を減殺することが必要であった。一動作ごとの体力消耗の激しい重量選手の原澤が図太く畳に居残り続け、最後まで労を厭わず古田に両襟で圧を掛け続けた背景にはこの事情への十分な理解があったものと思われる。前日大接戦を演じた古田に対して小川が得た意外とも言える試合開始早々の得点はこの原澤のお膳立てあってのもの、と考えるべきだろう。原澤が並里戦で発揮した勇気と、古田戦で見せたチームとしての一体感。修徳は個の強さと団結力の強さを2つながらに見せて、最高の形でのベスト4入り決定。

結果決まった準決勝のカードは、

国士舘高 - 白鴎大足利高

崇徳高 - 修徳高

の2試合となった。

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