PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

グランドスラムパリ最終日概況×詳細

(2014年2月19日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版2月16日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード
グランドスラムパリ最終日 概況×詳細
男子各階級(81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級)
■81kg級

世界王者2人抑えてチリキシビリが優勝、永瀬貴規は3位入賞

【入賞者】 エントリー55名
1.TCHRIKISHVILI, Avtandili(GEO)
2.PIETRI, Loic(FRA)
3.KIM, Jae-Bum(KOR)
3.NAGASE, Takanori(JPN)
5.IMAMOV, Yakhyo(UZB)
5.VALOIS-FORTIER, Antoine(CAN)
7.MARESCH, Sven(GER)
7.NAGASHIMA, Keita(JPN)

ロンドン五輪王者キム・ジェブン(韓国)、リオ世界選手権王者のロイック・ピエトリ(フランス)を抑えて現在最強選手の呼び声高い、リオ世界選手権2位のアブダンディル・チリキシビリ(グルジア)が優勝。
2回戦でニール・ファンデカメール(オランダ)を小内巻込「一本」(4:00)、3回戦はギヨーム・リウ(フランス)を払巻込「一本」(2:01)で下してベスト8入り。
ここからはグランドスラム東京王者永瀬貴規、キム、ピエトリと優勝候補3人と立て続けに対戦、永瀬を「指導3」優勢で退け、キムとの準決勝は大外刈を返して裏投「技有」、さらに小外刈を裏投で切り返して「技有」と立て続けに奪って合技「一本」(3:47)の圧勝。世界選手権決勝の再戦となったピエトリとの決勝はまずピエトリが抱分「有効」を奪ってリードするが、直後ピエトリの裏投を捌いたチリキシビリが胸を合わせて落とし「技有」奪取。この時点で経過時間はまだ1分17秒、いずれの技も主審がまず「待て」を宣告し場外の審判団の指示を聞いてポイントを宣告するという微妙なものであったが、序盤から両者とも闘志むき出しで激しく攻めあう攻撃的な試合。以後も双方攻めあい続けたが攻撃ポイントの追加はなく、チリキシビリが「技有」優勢で優勝を決めた。

日本の永瀬はチリキシビリに攻撃機会をことごとくいなされ、「指導3」で敗退。しかし他5試合は大過なく勝ち抜き。3位入賞を果たしてチリキシビリ、ピエトリ、キムジェブンという大物3人と並んで表彰台に上った。

長島啓太は準々決勝でピエトリ、敗者復活戦でヤキョー・イマモフ(ウズベキスタン)という強豪2人に敗れ7位に終わった。

【日本人選手勝ちあがり】

[1回戦]
永瀬貴規○内股(3:13)△ディオゴ・リマ(ポルトガル)
 「指導2」を先行、内股で「有効」奪取。両者に「指導」のあと、ケンカ四つから足を廻し込んで右内股「一本」。

[2回戦]
永瀬貴規○内股(2:31)△ステファン・クシアラ(オーストリア)
 「指導2」を先行、内股を三発連続で仕掛け、ケンケン内股で回して「一本」。

[3回戦]
永瀬貴規○反則[指導4](3:25)△ヨアキム・ボットー(ベルギー)
 お互いに「指導」累積。最後は奥襟を持って相手の頭を下げさせた永瀬が抜け出し「指導4」で反則勝ち。

[準々決勝]
永瀬貴規△優勢[指導3]○アヴダンディ・チリキシヴィリ(グルジア)
 ケンカ四つのチリキシヴィリを果敢に攻めるも、勝負どころでことごとくいなされ「指導3」累積。敗退。

[敗者復活戦]
永瀬貴規○優勢[指導3]△スヴェン・マレシュ(ドイツ)
 終始組み勝ち「指導3」を奪い勝利。3位決定戦へ。

[3位決定戦]
永瀬貴規○優勢[有効・大内刈]△ヴァロア・フォルティエ(カナダ)


長島啓太(日本中央競馬会)
成績:7位

[2回戦]
長島啓太○内股](0:14)△アッティラ・ウングバリ(ハンガリー)
 開始わずか14秒、相手を高く跳ね上げて左内股「一本」。
[3回戦]
長島啓太○反則[指導4](4:49)△ウサンジ・マーギアニ(グルジア)
 ケンカ四つ。相手の背中を抱えて小外刈「技有」。組み手も終始優位に立ち「指導4」反則で勝利。
[準々決勝]
長島啓太△優勢[技有・背負投]○ロイック・ピエトリ(フランス)
 釣手の取り合いの最中、韓国背負投で「技有」を奪われる。その後も組み手で自分の形を作らせてもらえず、逃げ切りを許す。

[敗者復活戦]
長島啓太△小外掛(0:41)○ヤキョー・イマモフ(ウズベキスタン)
終始イマモフに押され気味。組み際に側面から抱きつかれ小外掛で「一本」。

■90kg級

豪華トーナメントを制したのはイギュウオン、ベイカー茉秋は消耗戦連続も3位に入賞

【入賞者】 エントリー45名
1.LEE, Kyu-Won(KOR)
2.LIPARTELIANI, Varlam(GEO)
3.BEIKER, Masyu(JPN)
3.ODENTHAL, Marc(GER)
5.GWAK, Dong Han(KOR)
5.KHALMURZAEV, Khusen(RUS)
7.BUFFET, Romain(FRA)
7.KATO, Hirotaka(JPN)

第1シードの世界王者アスレイ・ゴンザレス(キューバ)は3回戦で地元フランスのロマン・ブフェを相手に「有効」を奪って順調な出だしに思われたが直後このポイントは取り消し、かつ3つの「指導」を失いトーナメントから脱落。

優勝は第4シード、09年ロッテルダム世界選手権王者イ・ギュウオン(韓国)。こちらも初戦で地元選手との試合が組まれたがルドヴィク・ゴベル(フランス)を4つの「指導」奪取で一蹴し、2回戦はコムロンショフ・ウストビリオン(タジキスタン)を内股透「一本」(1:18)、準々決勝はクーシェン・カルモルゼフ(ロシア)を背負投から身を翻しての小内刈で「有効」を奪って勝利、準決勝はベイカー茉秋を「指導3」対「指導2」で下して決勝進出。決勝は優勝候補のヴァーラム・リパルテリアニ(グルジア)が棄権し、戦うことなく優勝を決めた。

ベイカー茉秋は消耗戦の連続も3位入賞。2回戦はクータグ・ツォグトゲレル(モンゴル)にあっという間の「指導3」を奪われるが大内刈一発で逆転の一本勝ち、2回戦はケンカ四つのベガ・グヴィナシビリ(グルジア)との腰の差し合いで双方に「指導3」が累積するが残り14秒で右小外刈を決めて一本勝ち、準々決勝は長身のロマン・ブフェ(フランス)にてこずり、「指導3」対「指導1」とリードされたが、残り30秒からのラッシュで「指導」2つを一気にもぎ取って追いつき延長戦に試合を持ち込む。そこからさらに2分以上の大消耗戦、「待て」の度に相手が立ち上がれず、自身もひざに手を当てるこの厳しい試合を「指導」追加の「指導4」反則で勝利して準決勝進出。
準決勝はあまりの疲労とイの巧さに屈したが、3位決定戦は韓国期待の若手ガク・ドンファンをあっという間の横四方固「一本」(0:43)で一蹴。3位入賞を果たした。

ベイカーは国際大会に参加するなりグランドスラム東京1位、グランドスラムパリ3位とホーム、アウェイそれぞれのハイレベル大会でいずれも表彰台を確保。ベイカーはしっかり実力を示した形で、今後に向けて非常に大きい大会だった。

加藤博剛は序盤の2試合を素晴らしい内容で勝ち上がったが、準々決勝でリパルテリアニの内股巻込に抱きついたところをそのまま縦回転に近い形で巻き込まれ、一本負け。敗者復活戦もガク・ドンファンに袖釣込腰と"韓国背負い"で2つの「有効」を失って7位に留まった。

加藤、またしても国際大会で勝てないという評価を払拭できず。今回は加藤が敗れたガクを次戦でベイカーが一蹴するというおまけまでついてしまい、非常に悔しい大会となった。

【日本人選手勝ちあがり】

ベイカー茉秋(東海大1年)
成績:3位

[2回戦]
ベイカー茉秋○大内刈(1:43)△クータグ・ツォグトゲレル(モンゴル)
 組み勝ち掛かる都度、支釣込足で崩されてしまう展開が続き「指導3」を失う。しかし大内刈「一本」で逆転勝ち。
[3回戦]
ベイカー茉秋○小外刈(4:46)△ベガ・グヴィナシビリ(グルジア)
 腰を差し合う展開で両者「指導3」まで積み重ねる。残り14秒、勝負に出た右小外刈で「一本」。両者あまりの消耗に天を仰いで立てず。

[準々決勝]
ベイカー茉秋○反則[指導4](GS2:09)△ロマン・ブフェ(フランス)
 長身の相手に「指導2」差ビハインドも、残り時間30秒の間に追いつきGS延長戦へ。攻め続け「指導4」で反則勝ち。

[準決勝]
ベイカー茉秋△優勢[指導3]○イ・ギュウオン(韓国)
 序盤に「指導3」を失う。組み際に背負投を連発する相手をとらえきれず「指導1」差で敗退。3位決定戦へ。

[3位決定戦]
ベイカー茉秋○横四方固(0:43)△グァク・ドンファン(韓国)


加藤博剛(千葉県警)
成績:7位

[1回戦]
加藤博剛○合技[後袈裟固・巴投](1:09)△トーマス・ブリセノ(チリ)
 組み際に大外巻込で「有効」。そのまま後袈裟固に移行し、逃すも「技有」獲得。さらに両袖を掴んでの巴投「技有」で合技「一本」。

[2回戦]
加藤博剛○大外刈(0:53)△バティル・ホーヤムハメドフ(トルクメニスタン)
お互い絞り合い、一瞬双方がひざをつく寝姿勢に近い状態に。相手の立ち上がり際を追いかけて両袖の左大外刈で「一本」。

[3回戦]
加藤博剛○後袈裟固(2:59)△カロリス・バウザ(リトアニア)
 場外際、巴投でうつ伏せになった相手を"加藤返"でめくり回して後袈裟固「一本」。

[準々決勝]
加藤博剛△内股巻込(2:09)○ヴァーラム・リパルテリアニ(グルジア)
 相手の巻き込みを返そうと腰を抱くが、縦回転で体を捨てられ、もろとも回って「一本」

[敗者復活戦]
加藤博剛△優勢[有効・袖釣込腰]○グァク・ドン・ハン(韓国)
 袖釣込腰で「有効」を先制され、後半激しく追うが届かず敗退。

■100kg級

マレが大物食いを連発、決勝はクルパレクに勝利の大殊勲で地元を沸かす

【入賞者】 エントリー36名
1.MARET, Cyrille(FRA)
2.KRPALEK, Lukas(CZE)
3.BISULTANOV, Adlan(RUS)
3.GROL, Henk(NED)
5.CLEMENT, Maxime(FRA)
5.PETERS, Dimitri(GER)
7.MSKHALADZE, Aleksandre(GEO)
7.SAYIDOV, Ramziddin(UZB)

決勝は優勝候補筆頭のルーカス・クルパレク(チェコ)と、地元フランスのシリル・マレが対戦。

マレはこの日の台風の目。初戦でもと世界王者ツブシンバヤル・ナイダン(モンゴル)を横落「技有」で破り、3回戦はユニバーシアード王者チョ・グハン(韓国)を僅か34秒の大外刈「一本」で一蹴、準々決勝はアドラン・ビスタルノフ(ロシア)に「技有」を先行されながらも猛攻で相手を守勢一方に追い込み「指導4」(4:32)で逆転勝ち、準決勝は世界選手権で3度の銀メダルを獲得しているヘンク・グロル(オランダ)を「指導2」対「指導3」で下して決勝進出。

決勝は残り1分1秒の時点でクルパレクに「指導3」、マレに「指導1」が累積したが、残り46秒でクルパレクが裏投で「有効」を獲得して逆転。もともと地力はクルパレクが上で、このまま試合は終戦かと思われた。
しかしあきらめないマレは攻撃を止めず、互いが疲労して動きが雑になった残り0秒、場外際で放ったマレの内股巻込にクルパレクの体が崩れ、横倒しに落ちる。これは「有効」とジャッジされ、マレの逆転勝利が確定。81kg級のピエトリ敗退で元気のなかった観客席は大歓声、この日一番の盛り上がりを見せていた。

日本選手は振るわず。熊代佑輔は初戦でマキシム・ラコフ(カザフスタン)に「指導4」で勝利の金星を挙げ上位進出が期待されたが、次戦でビスタノフに一本負け。小野卓志も初戦を勝ち抜いたが、ディミトリ・ピータースの一本負けを喫し入賞には手が届かず。

日本大のレイズカヨル(カナダ)は3回戦で第1シードのクルパレクと、グランドスラム東京決勝に続く再戦。レイズが「指導3」対「指導2」でリードしていたが、残り1分を過ぎたところからクルパレクが戦術を切り替えて、巴投と隅返を連発、「指導」を獲得して追いつくと、GS延長戦は体力が落ちたレイズを振り回してGS1分2秒「指導」を獲得。レイズは「指導4」で無念の敗戦となった。

2013年シーズン後半にグランプリ大会で連勝、旋風を巻き起こした22歳のカールリヒャード・フレイ(ドイツ)は3回戦でアレクサンドル・ムシュカラドゼ(グルジア)に敗戦。「有効」2つをリードされて気持ちが切れたか、相手の顔面にパンチを入れ、下がる相手を2度、3度と「ジャブ」で追うという信じられない行為。一発目は微妙であったが以降は明らかに意図的に「追って」おり、主審は即座に反則負けを宣告。若さを露呈したという評では到底カバーできない、稚拙な行為だった。


【日本人選手勝ちあがり】

熊代佑輔(ALSOK)
成績:3回戦敗退

[2回戦]
熊代佑輔◯反則[指導4](3:49)△マキシム・ラコフ(カザフスタン)
 片手内股の戻り際に隅返を合わせられ「有効」を失うも、相手に「指導」を積み重ね「指導4」で逆転勝ち。

[3回戦]
熊代佑輔△背負投(3:47)○アドラン・ビスルタノフ(ロシア)
 「指導3」を奪われ、前に出たところに背負投を合わせられ「一本」。

小野卓志(了徳寺学園職員)
成績:2回戦敗退

[1回戦]
小野卓志○反則[指導4](2:56)△アーセン・オマロフ(ロシア)
 開始早々「指導1」奪取。その後も果敢に攻め続け「指導4」で反則勝ち。

[2回戦]
小野卓志△大外刈(0:51)○ディミトリ・ピータース(ドイツ)
 組み際、ピータースが小野の手を内側に折り込みながらの大外刈。「一本」。

■100kg超級

七戸龍快勝、「一本」連発でグランドスラムパリ初制覇 

【入賞者】 エントリー名
1.SHICHINOHE, Ryu(JPN)
2.MOURA, David(BRA)
3.JABALLAH, Faicel(TUN)
3.SAIDOV, Renat(RUS)
5.BRAYSON, Oscar(CUB)
5.BREITBARTH, Andre(GER)
7.MATIASHVILI, Levani(GEO)
7.MEYER, Roy(NED)

七戸龍が快勝。最大の山場は2試合目のワールドマスターズ王者アダム・オクルアシビリ(グルジア)戦だったが、相四つで裏投が得意な相手に対して敢えて釣り手から持ち、突く、いなす、あおると崩し続けて背中への接近を許さず。僅か2分13秒で4つの「指導」を奪って勝利。隣の山では難敵キム・ソーワン(韓国)が初戦で破れており、この時点で優勝への夢が大きくふくらむ。

準々決勝もロイ・メイヤーを「指導4」で下すと準決勝はオスカー・ブライソン(キューバ)を完璧な内股透「一本」で下して決勝へ。決勝はブラジルの二番手ダビド・モウラ(ブラジル)に開始するなりの右内股を鮮やかに決めて僅か16秒の「一本」で優勝決定。

テディ・リネールが2009年以来5連勝中だったパリ大会に新王者が誕生した瞬間だった。リネールとシウバ(ブラジル)が出場していない大会ではあるが、その鮮やかな勝ちぶりは超級の勢力図にインパクトを与えるに十分。内容、結果ともに文句なしの出来であった。

百瀬優は2回戦敗退。ケンカ四つのレヴァニ・マティアシビリ(グルジア)と組み手の主導権をめぐって駆け引きをするうちに次々に指導が累積。最後まで組み手にこだわり続けてほとんどまったく攻めることのないまま4つの「指導」で敗戦決定。自身の典型的な負けパターンを今回も踏んでしまった形で、この点自らの長所を存分に発揮した七戸とは好対照の大会だった。百瀬に勝ったマティアシビリは次戦で第2シードのファイセル・ヤバラー(チュニジア)に敗戦、敗者復活戦でもレナト・サイドフ(ロシア)に「有効」「一本」と立て続けに失って7位に終わっている。

第2シードのアフリカ王者ファイセル・ヤバラー(チュニジア)は準決勝でモウラに敗れたが3位を確保。今大会も地力の高さを見せ付けた。

【日本人選手勝ちあがり】

七戸龍(九州電力)
成績:優勝

[1回戦]
七戸龍○合技[大外刈・大内返](1:13)△フセイン・ミスリ(クウェート)
 開始19秒、大外刈で「一本」宣告も「技有」に訂正。徹底守勢の相手を追い詰め、最後は大内返「技有」。

[2回戦]
七戸龍○反則[指導4](2:13)△アダム・オクルアシヴィリ(グルジア)
 裏投が得意なクルアシヴィリに対し、あおる、いなす、突く、と組み手巧みに間合いに入れず崩し続ける。「指導4」奪取で試合終了。

[準々決勝]
七戸龍○反則[指導4](3:10)△ロイ・メイヤー(オランダ)
 開始1分、前に引きずりだすような右内股「技有」。その後は相手に「指導」を積み重なり「指導4」反則で終了。

[準決勝]

七戸龍○内股透(3:10)△オスカー・ブライソン(キューバ)
 場外際、相手に背中を持たせて内股を誘い、内股透「一本」。完璧な一撃。

[決勝]

七戸龍○内股(0:16)△ダビド・モウラ(ブラジル)
 開始早々豪快に内股を決めて「一本」。

百瀬優(旭化成)
成績:2回戦敗退

[1回戦]
百瀬優○大外刈(2:44)△ズィルヴィナス・ザバルスカス(リトアニア)
相四つ。終始相手の釣手を落として優位に試合を進め、相手に一度も釣手を持たせないまま大外刈「一本」。

[2回戦]
百瀬優△反則[指導4](4:25)○レヴァニ・マティアシビリ(グルジア)
 ケンカ四つ。お互いに攻め手を欠き「指導」を累積。百瀬は最後まで攻勢に出れず「指導4」で反則負け。

女子各階級(70kg級、78kg級、78kg超級)
■70kg級

-優勝はボルダー、田知本遥は第1シードズパンシック破るも3位-

【入賞者】 エントリー26名
1.BOLDER, Linda(NED)
2.POSVITE, Fanny Estelle(FRA)
3.TACHIMOTO, Haruka(JPN)
3.ZUPANCIC, Kelita(CAN)
5.CHEN, Fei(CHN)
5.PERROT, Lucie(FRA)
7.NIANG, Assmaa(MAR)
7.THONGSRI, Surattana(THA)

優勝は第3シードのリンダ・ボルダー(オランダ)。2回戦でヴァルリアン・フィショ(フランス)を片手絞「一本」(3:10)、準々決勝でアッセマ・ニアン(モロッコ)を大外返「一本」(1:11)、準決勝は田知本遥の背中を握って振り回し続けて「指導3」奪取の圧勝、決勝は地元のファニーエステル・ポスヴィト(フランス)を相手に小内刈で崩されながら、倒れこんだその流れのまま下から腕挫十字固を決めて一本勝ち。わずか1分16秒で試合を決め、2012年グランドスラム東京以来のIJF国際大会優勝を決めた。

田知本遥は準々決勝で第1シードのズパンシック(スロベニア)のしつこい組み手に「指導2」まで失ったが組み際の左大外刈で「技有」を奪って逆転勝ち。しかし前述の通り準決勝ではボルダーに「指導3」で破れてしまい、3位決定戦でリューシー・ペロ(フランス)に袖釣込腰「一本」で勝利してなんとか3位を確保するに留まった。
その試合ぶりに例えばデコスに勝利して優勝した2012年大会時に見せたあのキリリと巻き上がった使命感や切迫感は薄く、率直に言って順行運転の末に現実的な立ち位置である表彰台に収まったという印象。少なくとも、敗退濃厚の状況で試合を壊しにいけなかったグランプリマイアミ、リオ世界選手権、グランドスラム東京と続いた3大会の評価と流れを覆すような試合ではなく、評価は現時点のまま留保されることになるはずだ。

第2シードのローラ・ファルカスコッホ(ドイツ)は初戦で強豪チェン・フェイ(中国)を相手に「有効」をリードしていたが横四方固で逆転負け。入賞に絡むことは出来なかった。

デコスが抜け、現時点で自他共に認める最強選手であるポリング(オランダ)が出場しなかったこともあり、例年よりも一段レベルが下がった感のある階級だった。

【日本人選手勝ちあがり】

田知本遥(ALSOK)
成績:3位

[1回戦]
田知本遥○横四方固(2:25)△ファビオラ・ナタッチャ・ンダンガ・ナナ(カメルーン)
 相手に「指導1」を先行されるも大内刈「有効」で逆転。最後は相手の背負投を潰してからの横四方固で「一本」。

[2回戦]
田知本遥○優勢[技有・後袈裟固]△ジュリアン・ロブラ(スイス)
「指導1」を先制。払巻込「有効」から後袈裟固に入るが逃がし「技有」優勢勝ち。

[準々決勝]
田知本遥○優勢[技有・大外刈]△ケリタ・ズパンシック(カナダ)
 左相四つ。両袖、片襟で攻撃してくるズパンシックに「指導2」を奪われるも、組み際の大外刈で「技有」を奪い勝利。

[準決勝]
田知本遥△優勢[指導3]○リンダ・ボルダー(オランダ)
 終始相手に背中を持たれ圧を掛けられる。「指導3」累積で敗北。

[3位決定戦]
田知本遥○袖釣込腰(3:04)△リューシー・ペロ(フランス)

■78kg級

-チュメオとフェルケルク失意の3位、優勝は新鋭マロンガ破ったヴェレンチェク-

【入賞者】 エントリー22名
1.VELENSEK, Anamari(SLO)
2.MALONGA, Madeleine(FRA)
3.TCHEUMEO, Audrey(FRA)
3.VERKERK, Marhinde(NED)
5.LI, Xin(CHN)
5.STEENHUIS, Guusje(NED)
7.HEISE, Annika(GER)
7.MALZAHN, Luise(GER)

第1シードのオドレイ・チュメオ(フランス)が優勝候補筆頭、対抗馬はグランドスラム東京で優勝したばかりのマリンダ・フェルケルク(オランダ)でこの2人の力が抜けているかと思われたが、両者はともに決勝にたどり着けず。

チュメオは準々決勝で無名のブッシェ・ステインハウス(オランダ)と双方「指導3」を取り合って迎えたGS延長戦42秒、内股で「有効」を失い本戦トーナメントから脱落。敗者復活戦でルイーズ・マルザン(ドイツ)、3位決定戦でリー・シン(中国)を下して表彰台を確保するに留まった・

フェルケルクはリー・シンを相手に戦った準々決勝で「指導1」ビハインドを取り戻せず敗退。敗者復活戦でアニカ・ハイゼ(ドイツ)、3位決定戦でステインハウスを下してこちらも3位は確保。

優勝は昨年の欧州選手権銀メダリストのアナ・ヴェレンセク(スロベニア)。2回戦でアルビナ・アマンゲルディエワ(カザフスタン)を上四方固(2:14)、準々決勝でマルザンを払腰「一本」で破り、準決勝はステインハウスを「指導1」対「指導2」で破って決勝進出。決勝はマデリーン・マロンガ(フランス)を払巻込「一本」で下した。

試合歴が長いヴェレンセクだが、実はまだ22歳。2012年12月のグランプリ青島、昨年9月のグランプリ・リエカとグランプリ大会での優勝歴はあるが、今大会で初のグランドスラム制覇を成し遂げることとなった。

注目を集めたのは地元フランスの20歳、マデリーン・マロンガ。フランスのジュニア王者で昨年のユニバーシアード2位、世界ジュニア3位のこの選手は1回戦で岡村智美をわずか1分34秒の間に内股で2度投げつけて2つの「技有」を奪い一本勝ち。以後も3試合連続、計4試合連続の一本勝ちで決勝まで進んだ。昨年は吉村静織、稲森奈見と日本勢に2敗を喫しており、柔道自体も巻き込みに大内刈とオーソドックスな選手ではあるが、これがハイレベルシニア国際大会のデビュー戦であることを考えると今後の実力積み上げの可能性は十分、成長を警戒しておくべき存在であろう。

【日本人選手勝ちあがり】

岡村智美(コマツ)
成績:1回戦敗退

[1回戦]
岡村智美△合技[内股巻込・内股巻込](1:34)○マドレーヌ・マロンガ(フランス)
 密着された状態から内股巻込で「技有」を失う。同じ形で「技有」2つを奪われ初戦敗退。

■78kg超級

-世界選手権並みの豪華メンバー揃ったハイレベル大会、山部佳苗が見事優勝-

【入賞者】
1.YAMABE, Kanae(JPN)
2.ANDEOL, Emilie(FRA)
3.ORTIZ, Idalys(CUB)
3.POLAVDER, Lucija(SLO)
5.ADLINGTON, Sarah(GBR)
5.ALTHEMAN, Maria Suelen(BRA)
7.KONITZ, Franziska(GER)
7.ODKHUU, Javzmaa(MGL)

第1シードにロンドン五輪とリオ世界選手権の王者イダリス・オルティス(キューバ)、第2シードがリオ世界選手権2位のマリアスエレン・アルセマン(ブラジル)、第3シードには欧州最強選手のポラウデル(スロベニア)、フランジスカ・コニッツと「欧州のカベ」ヤスミン・クルブスというドイツの2トップに成長株のエミリー・アンドル(フランス)と世界大会並みに役者が揃ったトーナメント。

この豪華メンバー揃う中、日本の山部佳苗が堂々優勝を飾った。2回戦はセシール・デルワイル(フランス)の左小外刈に合わせて右大内刈を入れて「有効」を奪って勝利、準々決勝は動きの早いポラウデルの攻めを組みとめて自分のテンポに引き込み3つの「指導」を奪って優勢勝ち、アルセマムとの準決勝も「指導3」対「指導2」で勝ち抜き、決勝では地元の大声援を受けたアンドルと激突。

アンドルはまず左組みに構えてから相手の左袖を掴んだ右手を自ら切り、右組みにスイッチしながら右釣り手で背中を肩越しに叩く相変わらずの厄介な柔道。しかし山部は全く引かず、1分32秒に右大外刈を捻じ入れて叩き伏せ見事な「一本」。うれしいグランドスラム大会初制覇を決めた。

山部は昨年のグランプリ・デュッセルフドルフ準決勝でアンドルと戦い、肩越しに釣り手を入れられた際に対応に迷って大内刈で一本負けを喫している。一度負けた相手に勝利したこと、アルセマムなど一線選手に勝利して優勝したことは勿論だが、とかく気持ちがなかなか前面に出ず、素晴らしい投技の反面もどかしい試合の多かった山部が全戦通して見せた気合いの入った試合内容は今後に向けて非常に大きい。

決勝前に自らを鼓舞して一声上げた際の集中した表情、そして優勝決定後薪谷コーチに頭を叩いて祝福された際に見せた手ごたえ十分の笑顔は、山部のベストパフォーマンスであった2012年皇后盃決勝を想起させるものであった。

オルティス、アルセマンの2人はご存知の通り大会ごとの出来に相当な波があり、今大会は確かにベストパフォーマンスであったとは言い難い。よってグランドスラムパリというビッグタイトル獲得という結果をどう見積もるかも評価者によって異なる部分があるだろうが、はじめて国際大会で山部が見せた好パフォーマンス、それも弱点のメンタル面の揺れを克服したかのような好内容で得たこの成果は単なる「グランドスラム制覇」に留まらない、今後の活躍の大きなきっかけになり得るものであった。

オルティスは準々決勝でサラ・アドリントン(イギリス)と「指導3」を取り合った末にGS延長戦42秒に内股「有効」を失ってトーナメント脱落。3位決定戦でアルセマンに一本勝ちしてなんとか表彰台には残った。もう片方の3位決定戦はポラウデルがアドリントンに一本勝ちし、力を見せ付けた。

【日本人選手勝ちあがり】

山部佳苗(ミキハウス)
成績:優勝

[2回戦]
山部佳苗◯優勢[有効・大内刈]△セシール・デルワイル(フランス)
 相手の小外刈に大内刈を合せて「有効」。その後も相手に技を出させず「指導3」を奪い勝利。

[準々決勝]
山部佳苗◯優勢[指導3]△ルチア・ポラウデル(スロベニア)
 果敢に攻める相手を最後まで制し続け「指導3」優勢で勝利。

[準決勝]
山部佳苗◯優勢[指導3]△マリア スエレン・アルセマン(ブラジル)
 お互いに決め手に欠けるも、積極的に前に出続け「指導1」差で勝利。

[決勝]
山部佳苗◯大外刈(2:32)△アンドル・エミリー(ブラジル)


※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版2月16日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る



supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.