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グランドスラムパリ第1日概況×詳細

(2014年2月18日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版2月11日掲載記事より転載・編集しています。
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グランドスラムパリ第1日 概況×詳細
男子各階級(60kg級、66kg級、73kg級)
■60kg級

-ガンバット・ボルドバータルが優勝、木戸慎二とパピナシビリの強豪2人を下す-

【入賞者】 エントリー42名

1.GANBAT, Boldbaatar(MGL)
2.PAPINASHVILI, Amiran(GEO)
3.KIDO, Shinji(JPN)
3.TSAI, Ming Yen(TPE)
5.GANBOLD, Kherlen(MGL)
5.MUSHKIYEV, Ilgar(AZE)
7.LUTFILLAEV, Sharafuddin(UZB)
7.MOOREN, Jeroen(NED)

リオ世界選手権王者高藤直寿、ロンドン五輪王者ガルスチャンというこの階級を牽引するタイトルホルダー2人は1月末の「ヨーロッパvsアジア」団体戦をこなしたばかりで今大会は出場せず。

第1シードのアミラン・パピナシビリ(グルジア)と第2シードのガンバット・ボルドバータル(モンゴル)の2名が順当に勝ち上がり、決勝はガンバット・ボルドバータルが「有効」2つに「技有」「一本」と連取して優勝。強さを見せ付けた。

ガンバット・ボルドバータルの勝ち上がりは2回戦でネウソ・スガウクエ(モザンポーク)に「指導4」(1:59)、3回戦はダビド・ブルクラベク(チェコ)が膝をついたところをに足を差し入れて回しこみ内股「一本」(2:26)、準々決勝はシャラブディン・ルトフイラエフ(ウズベキスタン)を相手に「指導3」対「指導1」の優勢、準決勝は木戸慎二から3つの「指導」を奪っての優勢というものだった。

木戸は第3シードのキム・ウォンジン(韓国)と対戦する2回戦が大きな山場。「指導2」を先行されたが逆の大内刈で「一本」を奪って逆転勝ち。準々決勝もガンボルド・ケーレン(モンゴル)に内股を返されて「有効」2つをリードされながら逆転勝ちを収めるなど勝負強さを見せて勝ち残り、残ったメンバーから考えても十分優勝が狙える状況だったが、前述の通り準決勝で惜しくもガンバットに屈した。コンスタントに攻めたものの相手への「指導」はなく、木戸にのみ3つの「指導」が累積、少々気の毒な試合だった。木戸は3位決定戦を一本勝ちして表彰台は確保。

第4シードのフェリペ・キタダイ(ブラジル)は1回戦で無名のヴィンセント・リマール(フランス)の隅返一発に沈み、初戦敗退だった。

【日本人選手勝ちあがり】

木戸慎二(パーク24)
成績:3位

[1回戦]
木戸慎二○優勢[有効・内股]△ヤニスラフ・ガーチェフ(ブルガリア)
[2回戦]
木戸慎二○大内刈(3:06)△キム・ウェンジン(韓国)
[準々決勝]
木戸慎二○優勢[技有・内股]△ガンボルド・ケーレン(モンゴル)
[準決勝]
木戸慎二△優勢[指導3]○ガンバット・ボルドバータル(モンゴル)
[3位決定戦]
木戸慎二○縦四方固(1:40)△イルガー・ムシュキエフ(アゼルバイジャン)

■66kg級

-好調のプルヤエフが圧勝V、決勝はザンタライアを捻じ伏せる-

【入賞者】 エントリー42名
1.PULYAEV, Mikhail(RUS)
2.ZANTARAIA, Georgii(UKR)
3.FUKUOKA, Masaaki(JPN)
3.KORVAL, Loic(FRA)
5.LAROSE, David(FRA)
5.SHIKHALIZADA, Nijat(AZE)
7.DAVAADORJ, Tumurkhuleg(MGL)
7.TAKAJO, Tomofumi(JPN)

第1シードがダバドルジ・ツムレフレグ(モンゴル)、第2シードが高上智史、第3シードが連覇を狙うダビド・ラローズ(フランス)、これに世界選手権3位の福岡政章、リオ世界選手権3位のゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)、もと60kg級世界王者リショド・ソビロフ(ウズベキスタン)、ロイック・コーバル(フランス)、チョ・ジュンホ(韓国)、セルゲイ・リム(カザフスタン)らメダルレベルの強豪がずらりと顔を揃えたなかなかに豪華なトーナメント。

そんな中優勝を飾ったのは昨年欧州選手権2位のミカエル・プルヤエフ(ロシア)。1回戦はアメドユセフ・エルカウィッシュを「指導4」(2:07)、2回戦はシード選手のリムをダイレクト反則(足取り)で下し(1:35)、3回戦はラルラズロ・ショーク(ルーマニア)を大内刈「一本」(3:15)、準々決勝は第4シードのニジャット・シカリサダ(アゼルバイジャン)の下がり際を捉えてまたも大内刈「一本」(1:15)、準決勝は福岡を相手に左一本背負投「有効」でビハインドを背負ったものの2分17秒に小外掛「一本」で逆転勝利して決勝進出。

ザンタライアとの決勝は1分10秒、片襟の左体落で思い切り投げつけて「技有」奪取、そのまま袈裟固で抑え込んで合技「一本」(1:28)、全試合一本勝ち(反則を含む)で優勝を決めた。

世界選手権は13年リオ大会の5位、IJF主催ワールドツアーは昨年11月のグランプリ・アブダビ1位が最高成績のプルヤエフだが、26歳にして現在間違いなくキャリア一番の絶好調期が訪れた感。急成長するロシアの第一人者でもあり今後も要警戒だ。

福岡政章は初戦でジェレブ・アンドラッツ(スロベニア)を横三角からの崩上四方固(2:05)、3回戦はコリン・オーツ(イギリス)を背負投(4:34)、準々決勝は第1シードのダバドルジ・ツムレフルグ(モンゴル)を横四方固(0:35)といずれも強豪に一本勝ち、優勝濃厚と思われたが前述の通り準決勝で逆転負け。3位に留まった。

グランドスラム東京に続く優勝を狙った高上智史は4回戦でコーバル、敗者復活戦でラローズと地元フランス勢に連敗して7位。コーバル戦は守勢の相手にあくまで「指導」宣告を行わない主審の判断にも泣かされ、失意の結果に終わった。

60kg級への出戻りが噂されたソビロフは2回戦でコリン・オーツ(イギリス)に3つの「指導」を奪われ早々に敗退。66kg級に順応しはじめているライバル・ザンタライアとは好対照の結果で今大会も表彰台にあがることが出来なかった。

【日本人選手勝ちあがり】

福岡政章(ALSOK)
成績:3位

[2回戦]
福岡政章○崩上四方固(2:05)△ジェレブ・アンドラッツ(スロベニア)
[3回戦]
福岡政章○背負投(4:34)△コリン・オーツ(イングランド)
[準々決勝]
福岡政章○横四方固)(0:35)△ダバドルジ・ツムレフルグ(モンゴル)
[準決勝]
福岡政章△小外掛(2:17)○ミカエル・プルヤエフ(ロシア)
[3位決定戦]
福岡政章○縦四方固(5:00)△ダビド・ラローズ(フランス)


高上智史(日体大4年)

[2回戦]
高上智史○谷落(2:16)△アディヤ・バツーリ(モンゴル)
[3回戦]
高上智史○優勢[技有・背負投]△セバスティアン・ザイドル(ドイツ)
[準々決勝]
高上智史△優勢[指導1]○ロイック・コーバル(フランス)

[[敗者復活戦]
高上智史△合技[引込返・引込返)(1:48)○ダヴィド・ラローズ(フランス)

■73kg級

-バンギーマン完全復活、中矢とイサエフ参加のハイレベル大会を全試合一本勝ちで制す-

【入賞者】 エントリー47名
1.BANG, Gui-Man(KOR)
2.DRAKSIC, Rok(SLO)
3.LEGRAND, Ugo(FRA)
3.SCVORTOV, Victor(UAE)
5.ALLARDON, Jonathan(FRA)
5.ISAEV, Mansur(RUS)
7.CHAINE, Guillaume(FRA)
7.DANCULEA, Costel(ROU)

注目を集めたのは11年パリ世界選手権王者中矢力とロンドン五輪王者マンスール・イサエフ(ロシア)が激突した3回戦。ロンドン五輪決勝のあの大激戦以来、1年半ぶりの再戦だ。

ファン垂涎のこの対戦はしかし意外な形で決着。2分14秒、中矢がイサエフの支釣込足を振り返して崩した際に足を掬ったと判断され、ダイレクト反則負け。主審はその時点では断を下さずいったん試合を続行、おそらく試合場外からの指示を受けてから試合を止めた微妙なケースで、後味の悪い試合だった。

第1シードのハッシュバータル・ツァガンバータルが初戦で欧州U-23王者ジョナタン・アランドン(フランス)に大内刈と隅返の合技で一本負け(1:33)、イサエフも準決勝で第2シードのロク・ドラクシック(スロベニア)に内股透「有効」から後袈裟固で一本負けを喫すなどトーナメントは荒れ気味。

そんな中、決勝を争ったのはノーシードのベテラン、バン・ギーマン(韓国)と第2シードのドラクシックの2人。決勝はドラクシックが右内股のフェイントから隅返を仕掛けた刹那、内股に対応すべくジャンプして体を浴びせていたバンの技がその隅返とかちあい、ドラクシックが背中から落ちて「一本」。わずか16秒での決着となった。バンは「一本」4つ、「指導4」勝ちが2つと圧倒的な内容での優勝。

2010年、第1回のワールドマスターズで優勝しているバンは30歳。実力十分ながらイ・ウォンヒにワン・キチュンと続いた世界王者2人の影に隠れてなかなかブレイク出来なかったが、昨年は9月にグランプリ・リエカ優勝、10月に東アジア大会優勝、11月にグランドスラム東京2位、そしてこのグランドスラム・パリで優勝と充実の時を迎えている。

ツァガンバータルを下したアランドンは全試合一本勝ちで準決勝に進んだがバンに払腰で一本負け、3位決定戦も試合後者のヴィクター・スクボトフに「技有」優勢で敗れて5位だった。

イサエフはウーゴ・ルグラン(フランス)との3位決定戦も落として5位に終わった。

【日本人選手勝ちあがり】

中矢力(ALSOK)
成績:3回戦敗退

[2回戦]
中谷力○横四方固(2:56)△ジョルジ・フェルナンデス(ポルトガル)
[3回戦]
中谷力△反則(2:14)○マンスール・イサエフ(ロシア)
※足取りによる

女子各階級(48kg級、52kg級、57kg級、63kg級)
■48kg級

-山岸絵美が3度目のパリ制覇、決勝は世界王者ムンクバットを破る-

【入賞者】 エントリー24名
1.YAMAGISHI, Emi(JPN)
2.MUNKHBAT, Urantsetseg(MGL)
3.BUCHARD, Amandine(FRA)
3.PARETO, Paula(ARG)
5.KRASNIQI, Distria(KOS)
5.LABORDE, Maria Celia(CUB)
7.CLEMENT, Melanie(FRA)
7.MESTRE ALVAREZ, Dayaris(CUB)

第1シードにロンドン五輪王者サラ・メネゼス(ブラジル)、第2シードにリオ世界選手権王者ムンクバット・ウラントツェトセグ(モンゴル)が顔を揃えたハイレベルトーナメント。しかし優勝候補のメネゼスは初戦で地元フランスの18歳アマンディーヌ・ブシャーに払腰で2つの「有効」を奪われ敗戦、入賞すら果たせず早々に畳を後にすることとなった。

優勝は日本の山岸絵美。2回戦はモニカ・ウングレアヌ(ルーマニア)の下がり際にタイミング良く大外刈を合わせて「有効」奪取、そのまま横四方固で抑え込んで一本勝ち(3:59)、3回戦はブシャーに「指導1」で競り勝ち、準決勝では2回戦でクセルノビスキ(ハンガリー)、3回戦でメストレアルバレス(キューバ)と強豪を連続撃破して勝ち上がってきたディストリア・クラニスキ(コソボ)を相手に巴投から腕挫十字固に繋いであっという間の「一本」で下すと、ムンクバットとの決勝は隅落で「技有」を奪って危なげなく勝利。強豪揃うトーナメントで見事優勝を果たすこととなった。

山岸は2009年、2010年に続く3度目のグランドスラムパリ制覇。講道館杯とグランドスラム東京はともに3位で今大会への派遣は微妙な情勢だったが、パリとの相性の良さを買った首脳陣の期待に見事応える形となった。世界最強を謳われながら谷亮子、福見友子と3人の世界王者に阻まれ一度も世界の舞台に立てていない山岸だが、浅見が不在の今年、27歳にしていよいよ輝く可能性が出てきた。

ムンクバットは山岸に敗れたものの初戦はわずか43秒の片手絞、準々決勝はパレト(アルゼンチン)に開始1分で腕挫脚固を決めるなど相変わらずの強さ。

そしてこの日目立っていたのは前述のブシャー、そしてクラニスキといずれも18歳のジュニアカテゴリ2人。地元でメネゼスを食い山岸とも激戦を演じたブシャーはもちろん、クラニスキはクセルノビスキから大内刈で「技有」、メストレアルバレスも大内刈「一本」で下すなど爆発力を見せた。いずれも世界選手権のダークホース候補としてしっかり記憶しておくべきだろう。

【日本人選手勝ちあがり】

山岸絵美(三井住友海上)
成績:優勝

[2回戦]
山岸絵美○横四方固(3:59)△モニカ・ウングレアヌ(ルーマニア)
[準々決勝]
山岸絵美○優勢[指導1]△アマンディーヌ・ブシャー(フランス)
[準決勝]
山岸絵美○腕挫十字固(0:17)△ディストリア・クラニスキ(コソボ)

■52kg級

-ケルメンディ全試合一本で悠々優勝、対抗馬のキトゥはスンドベルグとクズティナに連敗-

【入賞者】 エントリー29名
1.KELMENDI, Majlinda(KOS)
2.SUNDBERG, Jaana(FIN)
3.KRAEH, Mareen(GER)
3.KUZIUTINA, Natalia(RUS)
5.CHITU, Andreea(ROU)
5.COHEN, Gili(ISR)
7.MUNKHBAATAR, Bundmaa(MGL)
7.RAMOS, Joana(POR)

第1シードに座ったリオ世界選手権王者のマイリンダ・ケルメンディ(コソボ)が悠々優勝。2回戦はエカテリーナ・グイカ(カナダ)を肩固「一本」(3:41)、準々決勝はムンクフバータル・ブンドマー(モンゴル)を大内返「一本」(3:34)、準決勝は前戦で絶好調のナタリア・クズティナ(ロシア)を破ったマリーン・ケラー(ドイツ)が出てくるところを払腰に捕らえて一本勝ち(1:00)。決勝も第2シードのヤーナ・スンドベルグ(フィンランド)を「一本」で下し、全試合一本勝ちの圧勝で優勝を決めた。

いよいよ本格復帰の中村美里はノーシードからのスタート。1回戦はグルダダム・ババヌラトワ(トルクメニスタン)を小内刈で崩して片手絞で一本勝ち(2:16)を果たしたが、最初の勝負どころのクズティナ戦で2つの「指導」を奪われて敗退。入賞には手が届かなかった。

クズティナは次戦の準決勝でケリーに大内刈を仕掛けたところに小内刈を合わされて一本負け。3位決定戦は、準決勝でスンドベルグに内股「一本」で敗退した第3シードのアンドレア・キトゥ(ルーマニア)に「一本」で勝利して3位を確保した。敗れたキトゥは2つの一本勝ち、2つの一本負けとこのところの大味な試合振りそのままの内容、失意の5位に終わった。

【日本人選手勝ちあがり】

中村美里(三井住友海上)
成績:2回戦敗退

[1回戦]
中村美里○片手絞(2:16)△グルダダム・ババムラトワ(トルクメニスタン)
[2回戦]
中村美里△優勢[指導2]○ナタリア・クズティナ(ロシア)

■57kg級

-日本人対決は「指導1」差で山本杏が勝利-

【入賞者】 エントリー30名
1.YAMAMOTO, Anzu(JPN)
2.UDAKA, Nae(JPN)
3.PAVIA, Automne(FRA)
3.SILVA, Rafaela(BRA)
5.BLOT, Laetitia(FRA)
5.FILZMOSER, Sabrina(AUT)
7.MONTEIRO, Telma(POR)
7.ROGIC, Jovana(SRB)

シード順はミリアム・ローパー(ドイツ)、オトーヌ・パヴィア(フランス)、ラファエラ・シウバ(ブラジル)、ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)。8シードにコリナ・カプリオリウ(ルーマニア)、テルマ・モンテイロ(ポルトガル)、サブリナ・フィルツモザー(オーストリア)らが入るというもの。強豪が揃った。

しかし決勝で対決したのはノーシードから勝ち上がった宇高菜絵と山本杏の日本人2人。

宇高は初戦でイリーナ・ザブルディナ(ロシア)に何もさせないまま「指導4」を奪って勝利(2:38)、2回戦は前戦でドルジスレン・スミヤを破ったエレン・ルスヴオ(フランス)から場外際の右大外刈で「技有」を奪って勝利、準々決勝はヨハナ・ロジェ(セルビア)から4つの「指導」を奪って圧勝。準決勝はローパーを相手に攻め続けるもなぜか宇高のみに3つの「指導」が累積、しかし大外刈で2つの「有効」を奪って決勝進出。

山本はモルガヌ・ブルネ(フランス)に「指導1」で勝利、2回戦は連珍羚(台湾)を袖釣込腰「一本」(2:18)、3回戦はリオ世界選手権王者のシウバを、オモプラッタ風のめくり返しから崩上四方固に抑え込んで一本勝ち、準決勝は地元のスター・パヴィアに「指導1」の小差で粘り勝っての決勝進出。

決勝は宇高が右、山本が左組みのケンカ四つ。宇高が圧力を掛けて前へ、山本は膝をついての低い左大内刈、高い左背負投を見せて試合展開を保とうとするが背負投は回転するのみですぐに戻るというフェイントの域に留まり攻撃とは認められず。54秒双方に「指導1」。

宇高は引き手を求めて前に。山本はまたもや回転してすぐに戻る右一本背負投のフェイントに巴投と攻めるが、主審は主導権と攻撃意欲は宇高にあると判断して1分30秒山本にのみ「指導2」を宣告。

宇高さらに前に出るが山本は嫌いながらも膝をついた左背負投、右一本背負投、片襟を取っての片膝を着いた左背負投と攻撃継続。2分55秒宇高に「指導2」が宣告されてスコアはタイとなる。

勢いづいた山本は再び低い大内刈に背負投を繰り出すが宇高は組みとめて攻撃を阻止、残り44秒から右大外刈、右小外刈、右小外刈と繰り出して山場を作る。最終盤には小外刈を膝裏に入れて膝車よろしく回して崩し、この試合もっとも会場が沸く場面を作る。

試合はそのままGS延長戦へ。この延長戦も小外刈に出足払を繰り出す宇高が主導権を握ったが、48秒から山本が片手の左背負投、右一本背負投と組み手不十分な状態ながらも技をまとめる。直後、引き手争いを打開しようと山本が座り込みながら左小内刈、掛け潰れて「待て」。

主導権を獲得して投げを狙っているのは宇高、山本は座り込みの技で攻撃姿勢を保つという本戦と同じ様相に思われたが、主審は最初の「指導」とは逆の判断で山本の攻勢を採り宇高に「指導」を宣告。GS1分7秒、「指導3」で山本の勝利が決まった。

宇高は本戦中盤で組み勝ちながら攻撃を停滞させてしまうという悪い癖が出てしまい、これが敗戦の直接の因。しかしパワーと技を備えた「上から目線」の試合は十分世界に通用する力があると感じさせる内容だった。地力の高さを改めて証明した大会であったと評して差し支えないだろう。

一方の山本はまだまだ次の攻撃に繋がらない膝をついての潰れ技が多く、かつて代名詞的な技だった立っての担ぎ技はフェイントのみ。足技も少なく、かつての独創的な組み立てと輝きを取り戻すには至っていない。復調にはまだまだという印象だが、それでも試合を勝ちきったことは一つの成果。上昇のきっかけになりうる大会であった。

【日本人選手勝ちあがり】

山本杏(国士舘大1年)
成績:優勝

[1回戦]
山本杏○優勢[指導1]△モルガヌ・ブルレ(フランス)
[2回戦]
山本杏○袖釣込腰](1:18)△レン・チェンリン(台湾)
[準々決勝]
山本杏○崩上四方固](5:00)△ラファエラ・シウバ(ブラジル)
[準決勝]
山本杏○優勢[指導1]△オトーヌ・パヴィア(フランス)
[決勝]
山本杏○GS指導3(GS1:07)△宇高菜絵

宇高菜絵(コマツ)
成績:2位

[1回戦]
宇高菜絵○反則[指導4](2:38)△イリーナ・ザブルディナ(ロシア)
[2回戦]
宇高菜絵○優勢[技有・大外刈]△エレン・ルスヴォ(フランス)
[準々決勝]
宇高菜絵○反則[指導4](1:47)△ヨハナ・ロジェ(セルビア)
[準決勝]
宇高菜絵○優勢[有効・大外刈]△レティシア・ブロ(フランス)
[決勝]
宇高菜絵△GS指導3(GS1:07)○山本杏

■63kg級

-アグベニューがフランス対決制して優勝、田代未来が3位に食い込む-

【入賞者】 エントリー31名

1.AGBEGNENOU, Clarisse(FRA)
2.BELLARD, Anne-Laure(FRA)
3.TASHIRO, Miku(JPN)
3.VAN EMDEN, Anicka(NED)
5.TANAKA, Miki(JPN)
5.TRSTENJAK, Tina(SLO)
7.SILVA, Mariana(BRA)
7.YANG, Junxia(CHN)

第1シードはリオ世界選手権王者のヤーデン・ゲルビ(イスラエル)。代名詞となりつつあった「ゲルビチョーク」が禁止され、リオ後最初の試合となる今大会でどのようなパフォーマンスを見せるかが注目されていたが初戦で地元のベテラン、アンロール・ベラル(フランス)に払巻込「一本」(2:16)であまりにもあっさり敗退。単純に仕上がっていないという印象であった。

決勝に進んだのはそのベラルと、第2シードに座った地元のヒーロー、クラリス・アグベニュー(フランス)。決勝は右組みの長身ベラルと左組みのアグベニューの腰の差し合いで試合が進み、「指導2」を奪ったアグベニューが順当に勝利。

アグベニューは観客席の大盛り上がりに、試合場を降りるなり曲に合わせてダンスを披露。地元ファンの喝采を浴びていた。

ベラルはこれまでデコス、エマヌ、アグベニューと続いたスター選手の前になかなかIJF主催大会に出場することが出来なかったが、31歳にしてグランドスラムパリ2位というキャリア最高成績を掴んだ。

日本勢では田代未来が3位入賞。準々決勝でアグベニューに大外返「技有」を失って敗れたが敗者復活戦を勝ちあがり、3位決定戦でトゥルステニャク(スロベニア)を隅落「技有」で破って表彰台に食い込んだ。

田中美衣はそのトゥルステニャクに準々決勝で「指導3」を奪われて本戦から脱落。3位決定戦はファンエムデンに袖釣込腰「有効」で敗れ、5位に終わっている。

【日本人選手勝ちあがり】

田代未来(コマツ)
成績:3位

[1回戦]
田代未来○横四方固(2:54)△ラウラ・サレースロペス(アンドラ)
[2回戦]
田代未来○袈裟固(2:55)△バルドルジ・ムングチメグ(モンゴル)
[準々決勝]
田代未来△優勢[技有・大外返]○クラリス・アグベニュー(フランス)
[敗者復活戦]
田代未来○出足払(0:09)△ヤン・ジュインシア(中国)
[3位決定戦]
田代未来○優勢[技有・隅落]△ティナ・トゥルステニャク(スロベニア)

田中美衣(了徳寺学園職)
成績:5位

[1回戦]
田中美衣○横四方固(2:00)△ピエール・クレール(フランス)
[2回戦]
田中美衣○大外刈(2:01)△ヘレン・ウェゼウ・ドムベウ(カメルーン)
[準々決勝]
田中美衣△優勢[指導3]○ティナ・トゥルステニャク(スロベニア)
[敗者復活戦]
田中美衣○不戦勝(棄権)△マリアナ・シウバ(ブラジル)
[3位決定戦]
田中美衣△優勢[有効・袖釣込腰]○アニカ・ファンエムデン(フランス)


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