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若手の優勝候補は全滅、31歳の増渕樹がV飾る・講道館杯100kg級レポート

(2013年12月20日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月13日掲載記事より転載・編集しています。
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若手の優勝候補は全滅、31歳の増渕樹がV飾る
講道館杯100kg級レポート
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(写真:飯田健伍がウルフアロンから大内刈で一本勝ち)

1回戦で今期インターハイ100kg超級王者ウルフアロン(東海大浦安高3年)と12年全日本ジュニア100kg超級王者飯田健伍(山梨学院大2年)の注目対決が実現。勝利したほうが3回戦で高木海帆(日本中央競馬会)に挑み得るという「若手挑戦枠」を掛けての一番だったが、これは飯田の「一本」で決着。1分6秒に仕掛けた大内刈でウルフの体を捕まえ、真裏に浴びせ落として見事な勝利を収めた。

その高木は2回戦を七戸虎(九州電力)に「指導1」、3回戦の飯田健伍戦は内股「有効」で切り抜けたが準々決勝で高橋良介(明治大4年)に「指導2」の優勢で敗退。敗者復活戦は勝ち抜けたが3位決定戦では齋藤俊(新日鐵住金)に「指導4」対「指導3」で屈し、表彰台に上がることは叶わなかった。

10年世界選手権代表で負傷からの復帰の途上にある高木だが、当然ながらグランドスラム東京、およびその次点選手が派遣されるグランプリ・チュジュへの代表選出も為されず。
この日の高木はとにかく技が出なかった。かつても決して投技の切れ味を前面に押し出すタイプではなかったが、そのパワーを得意の寝技を生かすために利用するという大戦略の延長線上には投技が確実にあり、かつその投技も一定以上の破壊力を持っていた。しかしこの日は組み勝った場面でも思い切った技を仕掛けられず、結果寝技への繋ぎという崩しの役割を担わせることも叶わず。負傷明け、そして不調という切所に至った時に信頼できるだけの技を獲得していないと評されても文句の言えない内容だった。グランプリ・タシケントでの「指導4」による初戦敗退と合わせて、少なくとも現状の高木からは上がり目を探すことが難しい。来年以降の復活に期待したい。

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(写真:2回戦、羽賀龍之介が古田秀州を攻める)

高木の後輩で同じく手術から復帰したスター候補・羽賀龍之介(東海大4年)も持ち味をまったく発揮できず。2回戦は古田秀州(神奈川県警)に「指導2」対「指導1」で勝ち抜けたが、齋藤俊に今度は「指導2」対「指導1」で敗退。肩に残る違和感ゆえか、前週の全日本学生体重別団体での優勝旗奪取失敗のショックゆえか高木同様組み勝っても思い切った技がまったく出ず、タイミングよく入った際も決めへの執着を欠きことごとく取り逃す煮え切らない内容。敗者復活戦への進出権も確保できぬまま早々に会場を後にすることとなった。

第1シードの熊代佑輔(ALSOK)も早期敗退。2回戦は金井宏樹(神奈川県警)に「指導2」で勝利したものの、3回戦で寺島克興(京葉ガス)に裏投を思い切り食って一本負け(3:05)。熊代は穴井、高木という世界選手権出場経験者不在の日本の100kg級を引っ張ってきた存在の1人だが、冬季の国際大会派遣は非常に厳しい情勢となった。

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(写真:準々決勝、乙津瑞希が斎藤俊から「技有」を奪い一時ポイントは同点となる)

前半戦の台風の目はノーシード選手の23歳、乙津瑞希(東芝プラントシステム)。2回戦で浅沼拓海(国士舘大3年)を場外際の壮絶な「ド突き合い」の乱戦の末に「指導2」対「指導1」で下し、3回戦では前戦で優勝候補の一角穴井亮平(了徳寺学園職)に一本勝ちしている武本晃季(山梨学院大4年)を支釣込足「一本」(0:46)に仕留める快勝。準々決勝は斉藤俊と互いに支釣込足「技有」を奪いあう激戦を演じ「指導3」まで獲得したが、残り20秒で斉藤の右腰車で「有効」を奪われて、送襟絞で一本負け(4:55)。しかし敗者復活戦、3位決定戦を勝利して見事ノーシードから表彰台に上がることとなった。

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(写真:準々決勝、増渕樹が制野孝二郎から内股「一本」)

決勝に進んだのは増渕樹(旭化成)と高橋良介の2人。

実業個人王者の増渕は今大会優勝候補の1人。2回戦でシード選手小林大輔(ALSOK)との注目対決を「指導2」対「指導1」で制すると以降は快進撃。3回戦は小比類巻裕(国士舘大4年)を内股(0:30)、準々決勝は制野孝二郎(日本大2年)を内股(1:33)と連続一本勝ち。準決勝の齋藤俊戦は1分45秒に一本背負投で「技有」奪取の優勢勝ちという見事な内容での決勝進出。

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(写真:決勝に臨む高橋良介)

一方の高橋はダークホース。2回戦で沼田貴廣(センコー)を払腰「一本」(1:24)、2回戦は今期全日本ジュニア王者の小川竜昂(国士舘大2年)を「指導3」の優勢で破り、準々決勝の高木海帆戦は「指導2」で勝ち抜け、表彰台への最後の関門となった寺島克興(京葉ガス)戦は見事な内股「一本」で勝利(1:01)。なかなかブレイクの訪れなかった高橋、4年生にしてついに講道館杯決勝という舞台に辿り着くこととなった。

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(写真:決勝、試合開始早々の増渕樹の内股が決まり「一本」)

決勝は高橋、増渕ともに左組みの相四つ。

高橋、引き手を伸ばして高い位置で増渕の左襟を確保するが、増渕落ち着いて切り離して間合いを作ると釣り手で奥襟を確保。さらに高橋が放った左大内刈をかわすとすかさず左内股。引っ掛け、飛び込み、あっという間に決めたこの一撃を高橋残せず一回転、主審は迷わず「一本」を宣告。

試合時間僅か21秒。増渕、5戦して3つの一本勝ちという抜群の内容で講道館杯優勝を決めた。

31歳となった増渕、持ち味の鉈で断ち割るような技の威力は衰えず。かつての乗るか反るかの大技柔道の魅力はそのままに、勝負の巧さも盛った増渕のベテランらしい強さが際立った一日だった。

と同時に、若手のスター候補が全滅しての大ベテランの優勝はこの階級の混迷を端的に示すものという評価も当然あって然るべき。弱点とされた81kg級に若手の台頭が見られる中、伝統的に日本が代表の「顔」を為すエースを輩出してきたはずのこの階級のこの低調ぶりはまことに深刻だ。各選手の奮起はもちろんのこと、他階級とは違う角度からの強化のアプローチ、具体的なテコ入れが待たれるところだ。

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(写真:優勝の増渕樹)

【入賞者】

優勝:増渕樹(旭化成)
準優勝:高橋良介(明治大4年)
第三位:齋藤俊(新日鐵住金)、乙津瑞希(東芝プラントシステム)

増渕樹選手のコメント
「決勝は体が自然に動きました。今までの積み重ねが出たということだと思います。収穫は『まだまだやれるんだ』と思えたこと。周りはどんどん現役を引退していきますが、今日の試合で自分自身がそれを教えられました。一つ一つ欠点を克服してまだまだ進化したい。国際大会は日本選手と戦うのとは感覚がぜんぜん違うので、良く考えて臨みたいです」

【準々決勝】

寺島克興(京葉ガス)○優勢[指導1]△後藤隆太郎(慶應義塾大1年)
高橋良介(明治大4年)○優勢[指導2]△高木海帆(日本中央競馬会)
増渕樹(旭化成)○内股(1:33)△制野孝二郎(日本大2年)
齋藤俊(新日鐵住金)○送襟絞(4:55)△乙津瑞希(東芝プラントシステム)

【敗者復活戦】

高木海帆○優勢[技有・払腰返]△後藤隆太郎
乙津瑞希○崩袈裟固(2:02)△制野孝二郎

【準決勝】

増渕樹○優勢[技有・一本背負投]△齋藤俊
高橋良介○内股(1:01)△寺島克興

【3位決定戦】

乙津瑞希○優勢[指導3]△寺島克興
齋藤俊○反則[指導4]△高木海帆

【決勝】

増渕樹○内股(0:21)△高橋良介


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