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加藤博剛が全試合一本勝ちで2連覇、決勝は大物新人ベイカー茉秋をみたび翻弄・講道館杯90kg級レポート

(2013年12月16日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月4日掲載記事より転載・編集しています。
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加藤博剛が全試合一本勝ちで2連覇、決勝は大物新人ベイカー茉秋をみたび翻弄
講道館杯90kg級レポート
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(写真:1回戦、下和田翔平がもとジュニア王者長倉友樹を攻める)

第3シードに配されて打倒加藤博剛(千葉県警)の1番手と目されていた吉田優也(旭化成)は負傷のため直前で欠場。選抜体重別で抜群の勝ち上がりを見せながら決勝で不運な「足取り」反則のため敗退、今大会での捲土重来を期していたがこの欠場でおそらく冬季国際大会の派遣はおそらくなし。あの反則は同大会のみに留まらず、何度も浮揚のきっかけを掴みながらそれを逃してきた吉田のキャリアの分岐点になる可能性が出てきた。

第2シードの下和田翔平(京葉ガス)は2回戦で菅原健志(パーク24)に敗退。好調の菅原に小外刈で2つの「有効」、一本背負投「技有」を奪われ、「指導3」まで取り返したものの一歩及ばず。入賞に手が届かなかった。

全日本選手権3位で今期は実業個人も制した垣田恭平(旭化成)は1回戦で法兼真(ALSOK)に敗退。2分11秒までに「指導2」を奪ってまずまず順調だったが、3分57秒に仕掛けた背負投を待ち構えられ、隅落で抜き返され「技有」失陥。そのまま袈裟固に抑え込まれて合技の一本負け。次戦で予想されたベイカー茉秋(東海大1年)との対決は実現ならなかった。

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(写真:1回戦、長澤憲大が大町隆雄を大内刈で転がし「有効」)

1回戦、高校選手権とインターハイを制した前田宗哉(東海大浦安高3年)が山本宣秀(日本中央競馬会)に挑んだ一戦は1分31秒で山本が内股を豪快に決めて一本勝ち。
学生王者長澤憲大(東海大2年)と昨年の全日本ジュニア王者大町隆雄(山梨学院大1年)マッチアップした1回戦は「指導2」を取り合った末に長澤が大内刈「有効」で勝ち抜け、昨年の実業王者池田賢生(日本中央競馬会)と長尾翔太(兵庫県警)が戦ったDブロックの1回戦は長尾が池田の背負投をめくり返し隅落「有効」を奪って勝利。

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(写真:準決勝、加藤博剛が釘丸太一の左腕を抱えて引込返)

激戦の結果、準決勝に進出したのは、加藤博剛、釘丸太一(国士舘大4年)、ベイカー茉秋、西山大希(新日鐵住金)の4人。

第1試合では加藤に学生2位の釘丸が挑戦。

加藤は1回戦で安井司(豊栄高3年)を横四方固「一本」(1:30)、2回戦で手塚龍大(京葉ガス)を小内刈「一本」(1:08)、準々決勝は前戦で近藤拓也(筑波大4年)を大腰「一本」で下した若林大祐(東海大3年)を崩上四方固「一本」(1:01)と3試合連続一本勝ち、圧倒的な強さでのベスト4入り。

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(写真:準決勝、加藤が腕緘で一本勝ち)

一方の釘丸は1回戦で村上亮(天理大3年)を小外刈「技有」、2回戦は全日本ジュニア王者小林悠輔(筑波大2年)を「指導3」対「指導2」の反則累積差で退け、準々決勝は前戦で山本宣秀を「指導4」で下した地﨑亮祐(國學院大3年)を「指導2」対「指導1」のこれも反則累積で凌ぎ、持ち前のしぶとさを生かしての準決勝進出。

この試合も加藤が圧倒的な強さを示してあっという間に決着。加藤が左内股、釘丸が崩れると今度は右腕を極めて引込返、この腕を確保したまま固技の手順を粛々と進めて腕緘「一本」。

試合時間僅か2分5秒、加藤オール一本勝ちで決勝進出決定。

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(写真:2回戦、ベイカー茉秋が法兼真から大内刈「技有」でビハインドを逆転)

第2試合はベイカー茉秋と2010年、2011年世界選手権銀メダリストの西山大希が対戦。

ベイカーは1回戦で荒巻隆太郎(鹿屋体育大1年)から大内刈と背負投で2つの「技有」を奪って合技の一本勝ち(3:32)、2回戦は法兼真に内股「有効」を奪われるが小外掛「技有」、裏投「有効」と2回投げつけて勝利し、菅原健志との準々決勝は右払腰で「技有」を奪ってベスト4入り。

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(写真:準々決勝、西山大希が中西努を小外刈で崩す)

一方の西山は1回戦で鈴木慎平(日体大4年)を「指導3」対「指導2」、2回戦は学生王者長沢憲大にこれも「指導3」対「指導2」の反則累積差で勝利。準々決勝は前戦で長尾翔太を下した中西努(神奈川県警)にGS延長戦の末の小外刈「一本」(GS0:29)で勝利しての準決勝進出。

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(写真:準決勝、ベイカーが大内刈、伏せた西山を押し込んでめくり返し「有効」奪取)

この試合はベイカーが右、西山は左組みのケンカ四つ。

互いに慎重に引き手争いを続け、45秒双方に「取り組まない」判断での「指導1」。以後試合は緩やかに加速、ベイカーは外巻込に片襟の右大内刈、西山は得意の左内股で攻め合う。

3分半を過ぎたところでベイカーが右大内刈を押し込む。感触を得たベイカー思い切り前に出るが距離を詰めきれず西山は下がりながら半ば伏せて着地、しかし引き手をしっかり握ったベイカーは勢いを殺さず前に走ってめくりかえす。技は一度止まったが勢いを採ったか主審は「有効」を宣告。ベイカーが動きを止めずに西山の体を超えて着地しそのまま横四方固に抑え込むと、西山動けず「一本」。試合時間4分0秒、大学1年生のベイカー堂々の勝ち上がりで講道館杯決勝進出決定。

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(写真:決勝、加藤が送足払でまず「有効」奪取)

決勝は加藤が左、ベイカーが右組みのケンカ四つ。

昨年の講道館杯、今年の選抜体重別とベイカーに連勝中の加藤は開始するなりスタスタと無造作に歩み寄り、釣り手を深く掴んでベイカーを固定。相手を自身の右側に誘い出しながら得意の巴投を放つ。これはさすがに警戒したベイカーしっかり潰して「待て」。

引き手争いが続く中、加藤が巴投を織り交ぜながら前進、ベイカーが潰すという比較的静かな展開が2度、3度と続き、1分8秒ベイカーに「取り組まない」判断の「指導1」。

加藤はあくまで慌てず、しかし着実にプレッシャーのレベルを上げ続ける。釣り手を肩越しに入れるとベイカーは払いのけるようにして回避。今度は引き手を嫌うベイカーに対しあくまで前進する加藤は釣り手一本を深く握ることで距離を詰め、腰の差し合いを強いる。

この展開を打開せんとベイカーが右大内刈を試みようとした刹那、加藤の左送足払が炸裂。奥足の膝裏までインパクトを食らったベイカーは加藤に引き手をグイと上げられ真裏にのけぞるように転がる。引き手が切れ、ベイカーなんとか身を捻って倒れ「有効」、1分54秒。

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(写真:加藤の大内返が「技有」)

加藤はなおも両足の巴投で攻めて緩やかに攻勢継続。ベイカーなんとか自分の距離を作って反攻したいところだが、2分42秒には片襟の判断で2つ目の「指導」を貰ってしまい、試合展開を作り直すことが出来ない。

ベイカーは袖を手繰り、あるいは思い切って奥襟を叩いてと手立てを変えながら機を伺うが、加藤は落ち着いて対処、冷静に大枠の優位を保ち続ける。

3分28秒、ベイカーが探るように右大内刈を差し入れると、加藤いきなりスピードを上げて大内返で切り返しこれは「技有」。

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(写真:加藤の巴投「有効」、これでこの試合3つ目のポイント)

これまで失点しながらも落ち着きを保ってなんとか展開を留保してきたベイカーだが、決定的なポイント失陥にもはや試合を動かすしかない状況。

以後試合は一気に加速。慌てたベイカーを冷静に見つめる加藤は直後の3分48秒に巴投で「有効」奪取。ベイカーが繰り出した「韓国背負い」に押し込まれて「指導1」を失ったものの落ち着き払って試合を展開。引き手から先に得てベイカーに釣り手を与えないまま内股巻込を放つなど、試合の組み立てはもはやクロージングの段階。

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(写真:試合が荒れると力関係が加速、加藤の送足払「一本」で試合終了)

後のないベイカー、釣り手で深く背中を抱えて突進。おそらくは右大内刈を狙ってもう一歩のステップを踏み出したその刹那、加藤がその動きを捉えて引き出しながらの送足払。着地位置をずらされたベイカーは引きずり込まれるように宙を舞い文句なしの「一本」、4分36秒。

まるで稽古をつけるかのような圧倒的強さ。加藤、完勝で2連覇達成。

加藤の今大会での強さは他を圧していた。これまで実績を残せなかった国際大会にもこれで再挑戦の権利を確保、「常に研究している」という海外選手対策をテコに、来年の世界選手権出場に向けて捲土重来を期す。

一方のベイカー。大学1年生にして、そして「立っているだけで痛い」という右足首の負傷を抱えての決勝進出はこちらも見事。苦手の加藤に対してはまたしても手も足も出ずにひねられてしまった形だが、加藤に対して剥き出しの恐怖感をみせていたこれまでの対戦と比べると、少なくとも今回はこの恐怖を抑えよう、表出させまい、そして試合を壊すまいという強いセルフコントロールの意思が見られた。それが一気に崩壊してしまったのが3分28秒の「技有」失陥であったわけだが、これを「力関係が上の選手にメンタルがパニックを起こした」と見るのか、それとも利かん坊のベイカーが格上の相手にも自らの心をコントロールして戦おうとしたという成長過程と見るか。この時点では若手の新星としての期待を込めて、後者を採りたい。ミクロには今冬の国際大会シーズンが終わった後に、マクロには数年スパンでファンが適正な評価を下すことになるだろう。

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(写真:2連覇達成の加藤博剛)

■90kg級

【入賞者】

優勝:加藤博剛(千葉県警)
準優勝:ベイカー茉秋(東海大1年)
第三位:西山大希(新日鐵住金)、菅原健志(パーク24)

加藤博剛選手のコメント
「連覇は気にせず、一戦一戦必死でした。終わってようやく優勝を実感しているところです。自分は強くはなくて相手の柔道や自分の技を研究するのが大好きで、その成果が出たということだと思います。もう28歳ですし、若いものには負けないという気持ちでがんばりました。まだ国際大会で結果を出していないので一つ一つ考えて、研究していきたい。世界で通じるには?今、探しています(笑)」

【準々決勝】

加藤博剛(千葉県警)○崩上四方固(1:01)△若林大祐(東海大3年)
釘丸太一(国士舘大4年)○優勢[指導2]△地﨑亮祐(國學院大3年)
ベイカー茉秋(東海大1年)○優勢[技有・払腰]△菅原健志(パーク24)
西山大希(新日鐵住金)○GS小外刈(GS0:29)△中西努(神奈川県警)

【敗者復活戦】

地﨑亮祐○合技[大外刈・後袈裟固]△若林大祐
菅原健志○裏投(2:02)△中西努

【準決勝】

ベイカー茉秋○横四方固(4:00)△西山大希
加藤博剛○腕緘(2:04)△釘丸太一

【3位決定戦】

菅原健志○優勢[有効・一本背負投]△釘丸太一
西山大希○合技[支釣込足・支釣込足]△地﨑亮祐

【決勝】

加藤博剛○送足払(4:36)△ベイカー茉秋


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