PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

グランプリ・アブダビ男子各階級概況

(2013年12月1日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月26日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード
グランプリ・アブダビ男子各階級概況
■ 60kg級
復帰のガルスチャンはエンジン掛かり切らず3位、優勝はロシア2番手のムドラノフ

【入賞者】 エントリー19名
1.MUDRANOV, Beslan(RUS)
2.LUTFILLAEV, Sharafuddin(UZB)
3.GALSTYAN, Arsen(RUS)
3.SAFAROV, Orkhan(AZE)
5.ENGLMAIER, Tobias(GER)
5.SANTOS, Diego(BRA)
7.MOOREN, Jeroen(NED)
7.MUSHKIYEV, Ilgar(AZE)

階級最大の話題はロンドン五輪王者ガルスチャン(ロシア)の参戦。今年は7月のユニバーシアードにのみ出場し(決勝で木戸慎二に敗退で2位)ており、これがIJF国際大会シリーズへの復帰戦。

そのガルスチャンは2回戦でロタ(スイス)を高々と足を抜き上げる裏投で一本勝ち(1:05)、さすがの強さを見せたが続く準々決勝で思わぬ敗退。ランキング30位のルトフィラエフ(ウスベキスタン)を相手に左大腰を仕掛けた際に脇を差した釣り手が残ってしまいめくり返されて「有効」失陥、そのまま崩袈裟固で抑え込まれて一本負けを喫した。
失意のガルスチャンは敗者復活戦を相手の棄権で勝ち抜けると、3位決定戦はランキング19位で今期から海外遠征に帯同しているブラジルの若手ディエゴ・サントスを相手に中盤左体落を決めて「技有」奪取。そのまま優勢勝ちで3位を確保した。

一瞬の技の切れ味はさすがだが、動きは本来のものとは言えずまだまだ調整は途上の感。冬季の欧州遠征を見据えたスポット参戦なのか、グランドスラム東京への布石なのか、次週のエントリー開示を楽しみに待ちたい。

優勝したのはランキング7位、ガルスチャン不在の1年間ロシアを引っ張り続けてきた27歳ベスラン・ムドラノフ。2回戦でバーダニ(イラン)を裏投(1:38)、準々決勝でムーレン(オランダ)を「指導4」(2:11)、準決勝はディエゴ・サントスを小外掛「技有」から腕挫十字固(2:26)と一本勝ちを重ねて決勝進出。決勝はガルスチャンを破ったルトフィラィエフの隅返を待ち構えて透かし落として「有効」奪取、そのまま横四方固に抑え込んで「一本」(1:10)で勝負を決めた。4戦して3つの「一本」、1つの「指導4」反則と圧倒的な勝ち上がりだった。

ムドラノフは2010年、2012年に続くアブダビ大会3大会目の優勝。リオ世界選手権では初戦敗退に終わった自身の、そしてこの日強豪を大量投入したロシアの面目を保つ優勝だった。

■ 66kg級
ロシア勢が2階級目の優勝、ガダノフ敗退もプルヤエフがシカリザダを破る

【入賞者】 エントリー21名
1.PULYAEV, Mikhail(RUS)
2.SHIKHALIZADA, Nijat(AZE)
3.GADANOV, Alim(RUS)
3.URIARTE, Sugoi(ESP)
5.DOVDON, Altansukh(MGL)
5.FARMONOV, Mirzahid(UZB)
7.BURNS, Nathon(GBR)
7.MOHAMMEDI, Ahmed(ALG)

60kg級にガルスチャンとムドラノフ、73kg級にイサエフと軽量級の主力を大量投入してきたロシア、66kg級にはガダノフを投入。

しかし第2シードに置かれたガダノフは準々決勝でベテラン・ウリアルテ(スペイン)の背負投に股中に潜られてしまい「技有」を失って敗戦。敗者復活戦でネイソン(イギリス)に内股「技有」で勝利、第1シードのファルモノフ(ウズベキスタン)との3位決定戦では右小内刈、右大内刈と繋ぎ相手が裏投で返そうとしたところに腹を合わせて被さり両足を刈って「技有」を奪って勝利。なんとか3位を確保して試合を終えた。

決勝はもう1人のロシア選手、今期は世界選手権代表も務めた(5位)プルヤエフと、2005年カイロ世界選手権時に17歳で3位入賞の中堅選手ニジェット・シカリザダ(アゼルバイジャン)が対戦。「指導2」と「指導1」の反則ポイントの差でプルヤエフが勝利し、ロシア勢今大会2階級目の優勝を決めた。

■ 73kg級
スクボトフがイサエフ破る金星挙げて優勝、真打トマの登場前にUAE史上初の地元優勝決める

【入賞者】 エントリー22名
1.SCVORTOV, Victor(UAE)
2.ISAEV, Mansur(RUS)
3.SHARIPOV, Mirali(UZB)
3.UNGVARI, Miklos(HUN)
5.IARTCEV, Denis(RUS)
5.VOELK, Christopher(GER)
7.DAWSON, Patrick(GBR)
7.WANDTKE, Igor(GER)

ロンドン五輪王者マンスール・イサエフ(ロシア)が、五輪後初となる国際大会参加。その出来が大きな注目を浴びた。

1年3ヶ月に渡る不在でランキングは18位まで下降、ベスト8シード位置からのスタートだったが2回戦でマッダリーニ(イタリア)を強引に持ち上げて裏投「一本」(1:14)、準々決勝ではイゴール・ヴァンドケー(ドイツ)に内股透で「技有」、準決勝では同国の後輩ヤルツェフ(ロシア)を僅か28秒で大腰「一本」に仕留めて順当に決勝進出。

逆側の山からは、今期UAEに移籍したモルドバ五人衆の中から、実力2番手のヴィクター・スクボトフが第2シードの好位置を利して見事決勝進出。準々決勝ではミクロス・ウングバリ(ハンガリー)に「指導3」、準決勝はフォエルク(ドイツ)を小内刈「一本」(3:39)と中堅選手2人をしっかり下しての勝ちあがり。

決勝はイサエフが右、地元優勝の期待を担うスクボトフが左組みのケンカ四つ。気合十分のスクボトフは序盤から思い切り内股を仕掛けてイサエフを崩し、前に出続ける。
スクボトフの気合をややもてあましたイサエフが身を切って前技に入り込もうとした刹那、釣り手で背中を持ったスクボトフの左送足払が炸裂。奥足までもろとも払った一撃に両足が完全に浮いたイサエフは背中から着地。主審は一旦「技有」、次いでこれを訂正して「一本」を宣告、試合時間3分39秒、スクボトフの優勝が決まった。

翌日に控える移籍組のリーダー格トマ・セルジュの登場を待たずしてUAEは地元優勝を達成。アブダビ大会誘致4年目にして初めての快挙だった。

モルドバ時代のスクボトフはグランプリ以上の大会で表彰台に上がったことがないジャスト「ワールドカップ(旧)クラス」の選手だった。しかし移籍以来5月のグランドスラム・バクー2位、7月のグランプリ・ウランバートル3位、10月グランプリ・タシケント3位、同じく10月のグランプリ・青島3位と入賞を続けて地力を磨き、準備に準備を重ねて臨んだ今大会でついに初優勝を飾った。決勝で見せた異常な集中力の高さは、「買ってもらった」UAEでの勝利に掛ける思いの強さゆえ。両手を突き上げたスクボトフの姿に会場は大拍手に包まれていた。

■ 81kg級
-使命感溢れる柔道でトマが優勝、UAEは地元で2階級制覇達成-

【入賞者】 エントリー23名
1.TOMA, Sergiu(UAE)
2.MARESCH, Sven(GER)
3.IMAMOV, Yakhyo(UZB)
3.MAGOMEDOV, Sirazhudin(RUS)
5.GHASEMI NEJAD, Amir(IRI)
5.REED, Tom(GBR)
7.SEMENOV, Stanislav(RUS)
7.STEVENS, Travis(USA)

モルドバからUAEに移籍した五人の選手のリーダー格、2011年パリ世界選手権3位のセルジュ・トマがプレッシャーを跳ね除けて見事優勝。会場の観衆、そして詰め掛けた王族の喝采を浴びた。

この日のトマは動きが硬く決して本来の出来ではなかったが、場外際での判断の巧さを生かして勝ち抜き続ける。2回戦のヴークツェルツァク(ドイツ)戦はGS延長戦の末に相手ともろとも場外に滑り出るタイミングに合わせて隅返で転がし「有効」を奪って勝利(GS0:55)。シラズディン・マゴメドフ(ロシア)と対戦した準々決勝は場外際で放った左払巻込を潰して「有効」奪取、そのまま抑え込んで崩上四方固で一本勝ち(5:00)。準決勝は前戦でステーィブンス(アメリカ)に一本勝ちしてきたガセミネジャット(イラン)にまたしても場外に向かっての隅返で「有効」、そのまま攻防を継続して2人ながら場外に身を置いたまま横四方固で一本勝ち。

第3シードのスヴェン・マレシュ(ドイツ)と対戦した決勝は開始15秒でまたしても場外に出ながらの隅返で「技有」奪取。以後は肩車を中心に攻め続けて展開を譲らず、優勢勝ちで優勝を決めた。

トマは移籍した今期、5月のグランドスラム・バクー3位、7月のグランプリ・ウランバートル1位、10月のグランプリ・タシケント1位、同じく10月のグランプリ・青島1位と大会皆勤で好成績連発。満を持して地元で迎えた今大会、そして前日に僚友スクボトフが優勝を達成というプレッシャーの掛かる状況で見事勝利を飾った。調子上がりきらぬ中、大会連続参加で培った試合運びの上手さで成し遂げた「ミッション達成」劇だった。

第2シードは今期グランドスラムパリ1位、ユニバーシアードでは永瀬貴規と決勝を争ったヤキョー・イマモフ(ウズベキスタン)。こちらは準々決勝で伏兵トム・リード(イギリス)に内股「技有」をリードしながら隅返「有効」、横四方固「一本」を失い逆転負け。レペチャージを勝ち上がって3位を確保したものの不完全燃焼に終わった。トマに準決勝で敗れたシラズディン・マゴメドフはトム・リードに一本勝ちで3位に入賞を果たしている。

■ 90kg級
-無印のファチェンテが腕力の強さみせつけGP初優勝、準決勝はデニソフに一本勝ち-

【入賞者】 エントリー22名
1.FACENTE, Walter(ITA)
2.VAN T END, Noel(NED)
3.DENISOV, Kirill(RUS)
3.GURBANOV, Ramin(AZE)
5.GAHRAMANOV, Shahin(AZE)
5.JAMALI, Mohammad(IRI)
7.REMARENCO, Ivan(UAE)
7.SINGH, Avtar(IND)


第1シードのデニソフ(ロシア)が唯一絶対の優勝候補、第2シードのスレミン(ロシア)と合わせてこの階級はロシア勢のワンツーフィニッシュが十分予想されるところだったが、優勝を浚ったのはノーシードのファチェンテ(イタリア)。

圧巻は準決勝のデニソフ戦。左大内刈からデニソフが抱きつき返そうとしたところを首を抱えて上体を極め、そのまま乗り落として「一本」獲得(2:45)、予想以上の上体のパワーがデニソフの判断を狂わせた一番だった。

決勝ではこれもノーシードから一本背負投、袖釣込腰、背負投と担ぎ技を決めまくって勝ち上がってきたノエル・ファンテンド(オランダ)と対戦。まず1分55秒に左体落を叩き入れて「技有」獲得。さらに残り17秒で相手の浮技に左小外掛を合わせて「技有」を奪って勝利確定。全4試合すべて一本勝ちの素晴らしい内容で優勝を決めた。

ファチェンテは26歳。これまでの最高成績はコンチネンタルオープン(ワールドカップ)3位を3回獲得というもので、もちろんこれがグランプリ大会初制覇。出来過ぎの感はあるが上半身の力が強く勝負度胸も十分、今後継続して活躍するのか注目しておきたい選手だ。

2位のファンテンドも今年2月のグランプリ・デュッセルドルフ5位が最高成績、かつ唯一のIJF主催大会入賞で今大会がキャリア最高成績。この人は22歳、柔道は単調だがまだ若く、今後の活躍を注視しておきたいところ。

リオ世界選手権で3位になったばかりのデニソフは、2回戦でマーチタン(UAE)に内股「一本」、シン(インド)に内股「技有」と内股「一本」、3位決定戦では開始7秒で大内刈「一本」と、ファチェンテ戦以外は圧勝続きで3位は確保。

スレミンは初戦でモハメド・ジャマリ(イラン)に一本負けで入賞に絡むことすら出来なかった。

■ 100kg級
-後輩フレイを子供扱い、ピータース貫禄の優勝-

【入賞者】 エントリー17名
1.PETERS, Dimitri(GER)
2.PACEK, Martin(SWE)
3.FREY, Karl-Richard(GER)
3.KURBONOV, Soyib(UZB)
5.ORLIK, Flavio(SUI)
5.SAMOILOVICH, Sergei(RUS)
7.MARET, Cyrille(FRA)
7.SAYIDOV, Ramziddin(UZB)

第1シードのラムズディン・サイドフ(ウズベキスタン)、ノーシードながら優勝候補筆頭と目されたサモイロビッチ(ロシア)、ここ2ヶ月で2度グランプリ大会を制している22歳の注目選手カールリヒャード・フレイ(ドイツ)などの注目選手を抑えて優勝を飾ったのはドイツの第一人者、この日は第4シードのディミトリ・ピータース(ドイツ)。

ピータースは2回戦でアレネズィ(クウェート)を袈裟固「一本」(0:36)、準々決勝でフレイを内股透「技有」、準決勝でサモイロビッチを縦四方固「一本」(1:29)に仕留めると決勝はマーティン・パチェック(スウェーデン)を相手に右大外刈、右背負投で攻め続け3分5秒に片襟の右大外刈「有効」を奪取。残り50秒でパチェック得意の巴投で「有効」を失ったものの終始試合を支配し続け、残り11秒で右小内刈を差し入れて「技有」奪取。離れた位置から高く足を差し入れてパワーで転がす、地力の差を見せ付けるこの一撃で優勝を決めた。

ピータースはロンドン五輪3位、今年のリオ世界選手権でも3位入賞。長年中位に甘んじていた感があったが第1グループの常連として完全に定着した。一段違う力を改めて見せての優勝だった。

2位のパチェックは第2シードのマレ(フランス)、コヘア(ブラジル)、マージョウブ(イラン)などの強豪が入り乱れ、そして次々潰れる混戦ブロックを勝ち上がっての入賞。今年になってグランプリ、グランドスラムレベルでようやく結果を残し始めていたが、最終盤のアビダビでキャリア最高の成績を残すことに成功した。

2010年の欧州ジュニア王者で昨年からIJF主催大会に参加開始、今年9月のグランプリ・リエカと11月のグランプリ・青島で優勝して注目の的だったフレイはこの日も初戦で強豪ペサーニャ(ブラジル)を裏投「一本」で屠り去るなど元気一杯。しかし準々決勝で同じドイツの先輩ピータースと対戦すると別人のように大人しい柔道になってしまい、組み負け続けて手も足も出ず。腰の差し合いからひとまず打ったという体の左内股を綺麗に透かされ「技有」失陥で敗戦。
ラムズディン・サイドフとの敗者復活戦は縦四方固「一本」で勝ち抜け、フラビオ・オルリク(スイス)との3位決定戦も「技有」「有効」ビハインドを取り返して「技有」と「有効」2つを連取して勝利。大物の片鱗は見せたが、この3位決定戦はビハインドの場面でいかにもフレイらしい素晴らしい連続攻撃を見せた一方、リードするなり露骨に守り「指導」を受ける不安定さも披露。思い切りの良さで技術の粗さをカバーして結果を残し始めていた選手だが、メンタルの弱さ、勢いのある選手にありがちなムラ気がはっきり顔を出した大会であった。

■ 100kg超級
-人材不足でトーナメントは低空飛行、ロシアのカンビエフが混戦拾ってGP初制覇-

【入賞者】 エントリー10名
1.KAMBIEV, Aslan(RUS)
2.MEYER, Roy(NED)
3.BALTAEV, Boltoboy(UZB)
3.BREITBARTH, Andre(GER)
5.KOKAURI, Ushangi(AZE)
5.ZOUANI, Bilal(ALG)
7.BITIEV, Vakhtangi(AZE)
7.NATEA, Daniel(ROU)

参加選手僅か10人。第1シードがワールドランキング31位のアンドレ・ブライドバルト(ドイツ)、四つ角シードのナテア(ルーマニア)、バルタエフ(ウズベキスタン)、メイヤー(オランダ)を加えたランキングの平均順位が43位という、グランプリという名前を冠するには少々厳しいレベルのトーナメント。

優勝を飾ったのはこれまでグランプリ以上の大会で表彰台のなかったロシアの巨漢、28歳のアスラン・カンビエフ。メイヤー(オランダ)との対戦となった決勝は奥襟をガッチリ抱えると左内股から小内刈への連携で崩し、双方バランスを崩しながら一体となって転がる。メイヤーは抱きついたまま返しを試みカンビエフを1回転させることは出来たがその際背中をついてしまいこれはカンビエフの「一本」、1分40秒。

ランキング158位、もちろんノーシードのカンビエフがロシア男子今大会3階級目の優勝を達成した。

第1シードのバルタエフは準決勝でメイヤーに敗れて3位決定戦へ。これまで国際大会の経験がほとんどないウサンジ・コカウリ(アゼルバイジャン)とのまるで旧ルールでの試合を見るような「切り合い」の末に「指導4」の勝利。大味で技術レベルの高くない決勝に、リスク管理と組み手の優位を確保することのみに汲々としたこの2人の3位決定戦と、重量級の低ランキング選手の実力が良くも悪くも正しく反映された試合、そしてトーナメントだった。


※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月26日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る



supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.