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トーナメント最年少の朝比奈沙羅、ベテランばりの"勝負力"発揮で初優勝達成・講道館杯78kg超級レポート

(2013年12月1日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月24日掲載記事より転載・編集しています。
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トーナメント最年少の朝比奈沙羅、ベテランばりの"勝負力"発揮で初優勝達成・講道館杯78kg超級レポート
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(写真:準決勝、朝比奈沙羅が烏帽子美久の内股を振り返して「技有」)

決勝に進んだのは第2シードの朝比奈沙羅(渋谷教育学園渋谷高2年)と第3シードの市橋寿々華(大阪府警)の2人。

朝比奈は2回戦で山本志乃(広島県警)を内股「一本」、最大の勝負どころと目された準々決勝は世界ジュニア選手権で優勝したばかりのライバル稲森奈見(三井住友海上)を相手にきっちり山場を作り「指導2」対「指導1」の反則ポイントの差で勝ち抜け、準決勝は激戦ブロックを勝ちあがってきた烏帽子美久(東海大4年)から3つの「指導」を奪った末に、烏帽子が起死回生を狙った右内股を小外掛で振り返して「技有」奪取。このポイントを持ってしっかり試合を終え、優勢勝ちで決勝進出決定。

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(写真:準決勝、市橋寿々華が山部佳苗を抑え込み逆転の「一本」)

一方の市橋は2回戦で高校カテゴリのテクニシャン岡史生(敬愛高3年)を相手に小外刈「有効」から崩袈裟固「一本」(1:00)と繋いで完勝。準々決勝は1回戦で井上愛美(山梨学院大3年)を破った後藤美和(創価大4年)を大内返「有効」からの上四方固に仕留めてこれも早い時間で一本勝ち(1:32)、注目を浴びた第1シード者山部佳苗(ミキハウス)との準決勝は開始早々に山部の大内刈で「技有」を失ったが、粘り強く技を積み重ねて攻勢を確保、1分8秒に展開を押し戻そうとした山部の右内股を透かして「有効」奪取、さらにこのシークエンスが止まった1分14秒に「指導1」を得る。試合の潮目に乗った市橋は淡々と前進継続、1分半過ぎには寝技への移行で一歩抜け出し、上四方固に抑え込んで1分52秒逆転の「一本」獲得。持ち前の安定感を発揮して見事昨年に続く決勝の畳へと駒を進めることとなった。

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(写真:市橋と朝比奈の決勝戦)

決勝は朝比奈、市橋ともに右組みの相四つ。

市橋引き手で袖を掴んで手堅く組み手を開始するが、朝比奈がまず両襟を握って組み合いを挑むと、応じて前進。互いにガップリ持ち合った形から支釣込足を仕掛けあう。

50秒に朝比奈が両襟の支釣込足で市橋のバランスを崩し、対抗した市橋は1分10秒に右大外刈を仕掛けるが体勢に危機を感じたか自ら離れて技を中断。なかなか展開に差がつかず、試合は互いが間合いを探り合ったまま比較的静かに進む。

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(写真:朝比奈が内股で膠着をブレイク)

市橋は相手の釣り手を落としながら前進、思い切り良く腹を突き出した支釣込足をたびたび放ち、朝比奈も細かく足技を出しながら市橋の技をガッチリ受け止めて対応。2分を過ぎても展開は動かず。

2分20秒に朝比奈が思い切った右内股でこの膠着をブレイク。市橋崩れ掛かるがバランスを崩した朝比奈の手が離れてしまい「待て」。

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(写真:朝比奈が大外刈、市橋は捌くが展開で後手を踏む)

朝比奈が半歩抜け出し掛けたこのタイミング、市橋は展開を譲るまいと釣り手で奥襟を掴んで両襟の圧力。双方支釣込足の撃ち合いとなるが、先手を取るのは一貫して朝比奈。市橋は朝比奈が右足を狙って支釣込足を蹴り入れてくるところを燕返の形で切り返すなど巧さを見せて展開を保とうとするがが、ここが勝負どころと見た朝比奈の前進は止まらず。朝比奈、2分55秒には継ぎ足で接近しての右大外刈。市橋は受け止め、突き飛ばしてこの技を回避するものの直後の3分3秒、ついに市橋に「指導1」が宣告される。

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(写真:残り時間僅か、市橋の背負投は両手が離れ、これで試合終了)

その後も試合は差のつきにくい支釣込足の撃ち合いというステージに固定される。市橋は3分30秒に右大外巻込、1分10秒には右払巻込を放つがいずれも手が離れ、かつ直後に朝比奈がすかさず右大外刈に入り込んで一発打ち返すために展開に差をつけることが出来ない。

最後は市橋が右背負投、またも手が離れて潰れたところで試合終了。的確に山場を作った朝比奈が「指導1」の優勢で勝利、講道館杯初優勝を飾った。

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(写真:国内シニア大会初優勝を飾った朝比奈)

朝比奈はまだ高校2年生、普段クローズアップされるのはその思い切りの良さや技の威力だが、この日際立ったのはその「勝負する力」の強さ。
10月の国体後に再び負傷し完調からはほど遠い状態だったが、この日は気持ちの強さと試合運びを見極める巧さを見せ付けての戴冠だった。

圧巻は準々決勝の稲森奈見戦。皇后盃予選では判定で破れ、選抜体重別では「指導1」の小差で勝ちぬけている相手だが、負傷下での直接稽古の様相を聞く限り、世界ジュニアで優勝したばかりで爆発力のある稲森優位は否めない状況だった。しかし試合では両手を巧みに操作して相手をコントロール、一発投げたい稲森が朝比奈の圧を逃がしつつ「狙い過ぎる」中で的確に技を入れ続けて、中盤に自身は反則を受けないまま「指導」2つを累積させ、以後の試合を有利に運んだ。試合では互角、稽古では稲森優位すら伝えられていたこのカードだが、大会を終えた結果は朝比奈が優勝で、稲森が5位。試合力、勝負力の強さに唸らざるを得ない。

決勝の相手は腰が重く、相手の技へのリアクションで勝ち抜くタイプの市橋。相手のミスを待ち構える市橋に対して仕掛けすぎず、市橋が狙う互いが片足になるような「際」を最小限に留めながら、かつ勝負どころを的確に見極め、連続で攻めて突き放す山場をひとつ作って試合を終えた。若い朝比奈の出来すぎた試合に賛否はあろうが、自身のコンディションと現時点の力関係を見極めた作戦の採用、そして実行はやはり見事。試合後の落ち着いたコメントも含めて、まるで大ベテランのような朝比奈の、弱冠17歳での講道館杯初制覇だった。

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(写真:表彰台にあがったのは市橋、朝比奈、烏帽子、山部)

優勝候補筆頭の山部は前述の通り準決勝で市橋に敗退。2回戦で実業の強豪新田沙也加(日本エースサポート)に内股「一本」(0:09)、準々決勝でインターハイ王者月波真貴穂(新田高3年)に内股「一本」(0:13)、3位決定戦で稲森を支釣込足からの横四方固の合技「一本」と市橋戦以外は圧倒的な内容と結果、やはり今大会の実力ナンバーワンはこの人と思わせる強さを発揮したが、またしても勝負どころでの詰めを欠いた形で3位に甘んじることとなった。

もう1人の3位入賞者は烏帽子。1回戦で谷村美咲(帝京科学大2年)に後袈裟固(5:00)、2回戦で橋本朱未(淑徳大1年)に内股(4:06)、準々決勝で石川笑美子(日本エースサポート)に大内刈(4:25)、3位決定戦で月波光貴穂をダイレクト反則とジュニア世代の強豪3人に実業の大物をいずれも圧勝で下しての表彰台。現時点の実力的にこの位置は妥当、ジュニア時代に見せていた爆発力をどう発揮して、いかに上位グループに食い込んでいくかが今後の課題だ。

昨年王者で今期の選抜体重別王者の白石のどかは初戦敗退。2回戦で長年苦手にしている石川笑美子と「指導2」を取り合った末、残り49秒に小外掛で一本負け。入賞に絡めず、昨年来足場を築きつつあった超級の第1グループからもいったん脱落、グランドスラム東京代表からも漏れることとなった。

グランドスラム東京代表には田知本愛(ALSOK)、朝比奈、山部、稲森が選出された。2位の市橋はグランプリ・チェジュへの派遣が決まった。

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(写真:勝利者インタビューに応える朝比奈。コメントも高校生離れした落ち着きだった)

■78kg超級

【入賞者】

優勝:朝比奈沙羅(渋谷教育学園渋谷高2年)
準優勝:市橋寿々華(大阪府警)
第三位:烏帽子美久(東海大4年)、山部佳苗(ミキハウス)

朝比奈沙羅選手のコメント
「一昨年、昨年といつもいい線まで来てはコロっと負けていましたので、結果がついてきて嬉しいです。今日も一番年下なので全力を出してやろうと思っていました。インターハイで負けたりジュニアに出れたかったりで悩んだ時期もありましたが、『何も失うものはない』と逆に吹っ切って試合が出来たと思います。グランドスラム東京では、期待されていることに誇りを持って頑張りたいと思います」

【準々決勝】

山部佳苗(ミキハウス)○内股(0:13)△月波真貴穂(新田高3年)
市橋寿々華(大阪府警)○上四方固)1:32)△後藤美和(創価大4年)
朝比奈沙羅(渋谷教育学園渋谷高2年)○優勢[指導2]△稲森奈見(三井住友海上)
烏帽子美久(東海大4年)大内刈(4:25)△石川笑美子(日本エースサポート)

【敗者復活戦】

月波真貴穂○優勢[指導3]△後藤美和
稲森奈見○横四方固(4:15)△石川笑美子

【準決勝】

市橋寿々華○上四方固(1:52)△山部佳苗(ミキハウス)
朝比奈沙羅○優勢[技有・小外刈]△烏帽子美久
【3位決定戦】

山部佳苗○横四方固(2:52)△稲森奈見
烏帽子美久○反則(0:24)△月波光貴穂
※足取りによる

【決勝】

朝比奈沙羅○優勢[指導1]△市橋寿々華


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