PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

岡村智美が若手退け貫禄の初優勝、高校1年生の浜未悠が決勝進出の快挙・講道館杯78kg級レポート

(2013年12月1日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月22日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード
岡村智美が若手退け貫禄の初優勝、高校1年生の浜未悠が決勝進出の快挙
講道館杯78kg級レポート
eJudo Photo
(写真:準決勝、岡村智美が高松彩香から袈裟固で一本勝ち)

ここのところ連続で岡村智美(コマツ)と実業個人決勝を争っている実力者渡邊美奈(了徳寺学園職)が初戦敗退。菅原歩巴(筑波大4年)に内股と小外刈で2つの「有効」を失い、強化側が次戦に演出を企図していたはずの第4シード高松彩香(山梨学院大2年)との2回戦に辿り着くことすら出来ず早々にトーナメントから姿を消した。もともとメンタル、フィジカルともにコンディション調整に波のある選手だが、国際大会進出の登竜門であるはずの講道館杯でまたもや存在感を発揮出来ず、この評価を払拭するには至らず。

第2シードという高い評価を受けた日高美沙希(大阪体育大3年)は高校1年生の浜未悠(淑徳高1年)に4つの「指導」を奪われるというやや残念な内容で準々決勝でトーナメントから脱落。続く敗者復活戦も吉村静織(三井住友海上)に「指導2」で敗れ、入賞には手が届かなかった。
今大会の日高は2回戦で「指導2」勝ち、前述の浜戦で「指導4」負け(「指導3」獲得)、吉村戦で「指導2」負け(「指導1」獲得)と投技によるポイントがひとつもなく、得点も失点も全て「指導」による反則ポイント。相手のプレッシャーに恐怖して突如立て続けに「指導」を失って敗退したグランプリ・ウランバートル決勝の延長線にあると解釈されても仕方がない内容で、当然のようにグランドスラム東京代表選考の俎上にも上がることはなかった。

決勝に進出したのは岡村智美と浜未悠、今大会組み合わせ的はノーシード評価の2人。

岡村は1回戦でインターハイ王者堀歩未(敬愛高3年)と対戦、払巻込で「有効」を失うアクシデントはあったが払巻込と袈裟固の合技「一本」(4:07)でここを勝ち抜けると、2回戦は濱田尚里(自衛隊体育学校)から内股と小外刈で2つの「有効」を奪う優勢勝ち。最大の勝負どころと目された第1シード梅木真美(環太平洋大1年)との準々決勝は3分43秒に小外掛を引っ掛けて叩き落す見事な「一本」を獲得して切り抜け、波に乗って迎えた準決勝は第4シードの高松彩香を袈裟固「一本」(2:23)に仕留めて決勝進出決定。講道館杯初優勝を狙う。

eJudo Photo
(写真:準決勝、西田香穂を相手に小外刈で攻め込む浜未悠)

高校1年生の浜はダークホース。1回戦で三戸彩渚(神奈川県警)を浮落と横四方固の合技「一本」(2:34)で下すと、2回戦でおそらくは意図的に組まれた山内真子(國學院大栃木高1年)との「アップセット要素がある高校生」枠対決に内股透「一本」(0:31)で勝利、準々決勝は前述の通り日高美沙希を相手にGS延長戦の末「指導4」(GS1:13)を奪っての反則で勝利、準決勝は前戦で世界ジュニア王者の吉村静織(三井住友海上)を内股「一本」で破った西田香穂(山梨学院大2年)から2つの「指導」を奪っての優勢勝ち。弱冠15歳にして見事講道館杯決勝の畳へと辿り着いた。

eJudo Photo
(写真:岡村開始3秒で左大外刈を放つが刈り足が抜けてしまい自ら倒れる)

決勝は岡村、浜ともに左組みの相四つ。

岡村開始と同時に相手に駆け寄り、組み付くなり左大外刈。しかし上半身が決まる前に岡村が体を前に捨ててしまい、この隙間を利して浜がギリギリで足を抜き、双方崩れて「待て」。駆け引きなしにいきなり「殺しに来た」岡村の迫力に浜はやや気圧される感あり、以後も試合は岡村ペース。

eJudo Photo
(写真:岡村2度目の大外刈。入りは完璧と思われたがやはり刈り足が抜けて崩れ「待て」)

岡村、左内股の一撃を挟んで再び足を先に差し入れての左大外刈、これは入った瞬間得点が想起されるものだったが、決めの段階でまたもや刈り足が抜けてしまいブレイク、岡村の体が先行して畳に落ちる形になり「待て」となる。直後の50秒、浜に「指導1」。

再開後、引き手を確保した岡村これまでの奥襟から釣り手の位置を変えて上から深く背中を持つ。逃げ場がなくなり丸まった浜に対して左、右と歩んで距離を詰めると思い切り大外刈。

eJudo Photo
(写真:岡村3度目の正直、左大外車を決めて一本勝ち)

これまで2度決め損なった経験を生かし、上半身は肩越しに背中を掴んでガッチリ固定、そして刈り足は浜の両足をもろとも刈り、この技は大外車となる。受けの柔らかい浜も上半身は隙間を作れず、下半身はバランスを取るべき右足まで刈られて回避の要素はなし。岡村の釣り手は軌道を先行したが、浜はそのまま後方に引っ張られるように叩き落され「一本」、1分3秒。

岡村、豪快な一本勝ちで講道館杯制覇を決めた。

eJudo Photo
(写真:初優勝の岡村は畳上で涙、迎えたコーチ席の杉本美香と抱き合って優勝を喜ぶ)

意外にも岡村はこれが初優勝。最大のチャンスだった昨年大会の決勝は佐藤瑠香に腕挫十字固をガッチリ極めながら、あくまで「参った」を拒否する後輩の腕を破壊することを躊躇する情けを掛けてしまいその後逆転負け。佐藤と緒方亜香里の若手2人の台頭の前にどうしても超えられなかった壁を24歳にしてついに破っての今大会での戴冠だった。

岡村は良くも悪くも勝ち負けのハッキリした選手。勝てる相手には圧勝するが力関係が迫った選手にはいきなりその持ち味が発揮できなくなってしまうタイプだが、その岡村の今大会の圧勝は梅木、日高、西田といった学生の強豪、そしてそれに続くジュニア世代の台頭の中にあってシニアの壁の高さ、佐藤・緒方という世界選手権出場組を追う「第2グループ」の強さを改めて示したものと評することが出来るだろう。決勝での対応の見事さは岡村の柔道頭の良さを示すものというよりは、その地力の圧倒的な差を見せ付けるものと解釈するのが現時点では妥当なところだろう。

スタイルを変えずに地力を上げ続ける岡村の競技力、そして課題のメンタルがハイレベル国際大会を勝ち抜く平面まで達したかどうか、改めてグランドスラム東京に注目したいところだ。

一方の浜は高校1年生にして講道館杯2位の快挙。小学生時代からその強さは勿論、その胆力が生み出す独特の「噛み合わなさ」で相手のペースを失わせる面白い選手であったが、今大会は淑徳高入学以来いや増し続ける地力に加え、特に後者が存分に発揮された大会だったと評したい。一変した会場の雰囲気に戸惑ったか正面突破を図ってしまった決勝の内容は悔やまれるところだが、全ての選手から狙われることになる今大会以降もこの上昇カーブが続くようであれば間違いなくスター候補。注目したい。

3位には梅木と吉村の阿蘇中央高出身コンビ、ともに世界ジュニア王者に輝いている2人が揃って入賞。グランドスラム東京代表には佐藤、岡村、梅木、吉村が選出された。

◇      ◇      ◇
eJudo Photo
(写真:優勝の岡村智美選手)

【入賞者】

優勝:岡村智美(コマツ)
準優勝:浜未悠(淑徳高)
第三位:梅木真美(環太平洋大1年)、吉村静織(三井住友海上)

岡村智美選手のコメント
「ここで勝たないと後がなかったので絶対優勝するつもりでした。ホッとしました。やっと一番高いところに立ててうれしいです。アジア選手権(計量失格)では多くの方に迷惑を掛けてしまい、その後コマツの方々に支えて頂いてここまでこれました。世界でも戦える選手になれるように、一からがんばりたいです」

【準々決勝】

岡村智美(コマツ)○小外掛(3:43)△梅木真美(環太平洋大1年)
高松彩香(山梨学院大2年)○優勢[技有・大内刈]△高山莉加(三井住友海上)
浜未悠(淑徳高1年)○GS反則[指導4](GS1:13)△日高美沙希(大阪体育大3年)
西田香穂(山梨学院大2年)○内股(0:48)△吉村静織(三井住友海上)

【敗者復活戦】

梅木真美○優勢[指導2]△高山莉加
吉村静織○優勢[指導2]△日高美沙希

【3位決定戦】

梅木真美○三角絞(4:17)△西田香穂
吉村静織○肩固(3:29)△高松彩香

【準決勝】

岡村智美○袈裟固(2:23)△高松彩香
浜未悠○優勢[指導2]△西田香穂

【決勝】

岡村智美○大外車(1:03)△浜未悠


※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月22日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る



supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.