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ヌンイラ華蓮が新井千鶴に一本勝ち、選抜に続く国内シニア2連勝飾る・講道館杯70kg級レポート

(2013年12月1日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月21日掲載記事より転載・編集しています。
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ヌンイラ華蓮が新井千鶴に一本勝ち、選抜に続く国内シニア2連勝飾る
講道館杯70kg級レポート
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(写真:準々決勝、上野巴恵が大野陽子から右小外刈で「有効」を奪う)

シード選手はヌンイラ華蓮(環太平洋大4年)、新井千鶴(三井住友海上)、大野陽子(コマツ)、今井優子(了徳寺学園職)の4人。

このうち世界選手権代表の田知本遥(ALSOK)を追う2トップと目されるヌンイラと新井はそれぞれ第1、第2シード。比較的戦い易い山に置かれて順当に勝ち上がる。

一方、大野が置かれたBブロックには強化選手復帰を目指す上野巴恵(自衛隊体育学校)、今井のCブロックには階級を上げた安松春香(環太平洋大4年)が配されて激戦が演出された。この2ブロックの勝ち上がり者が誰になるかが予選ラウンドの大きな注目ポイント。

大野は小島祐香(JR東日本)に「指導2」、濱砂香澄(環太平洋大3年)に大内刈「有効」で勝ち上がり、上野は永瀬貴子(沖学園高2年)を小外刈「一本」(1:14)、前田奈恵子(帝京大4年)を大外返「一本」(2:50)と高校・大学カテゴリの強豪を一蹴してベスト8入り。両者は準々決勝で合間見えた。

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(写真:大野が圧力で圧倒、右内股を仕掛けて上野巴恵を攻める)

この試合は互いに「指導」を取り合った1分44秒に上野が左小外刈で大野の動きを止める。上野はすかさず体を密着させると回しながら叩き落とし「有効」奪取。巧さと強引さが同居するいかにも上野らしいこの一撃で上野の勝利が濃厚と思われたが、ここから試合の様相は一変。持ち前の膂力を生かして前進、圧力に徹した大野の迫力の前に上野の頭が下がり、2分38秒「指導2」、3分19秒「指導3」と次々に反則ポイントが積み重なる。

最後は3分55秒、4つ目の「指導」が上野に宣告されて試合は決着。「指導4」による反則で大野が準決勝進出決定、上野は敗者復活戦に回ることになった。

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(写真:準々決勝、今井優子が松延祐里から右払巻込で「技有」を奪う)

今井がシードされたDブロックではもとインターハイ王者松延祐里(筑波大3年)が初戦で全日本カデ王者森田智子(帝京高3年)を崩上四方固「一本」(2:43)、2回戦で安松春香を内股透「一本」(3:16)と存在感を発揮。今井は1回戦で吉岡優里(旭川大2年)を小内刈「有効」、2回戦では階級アップしたばかりの63kg級高校選手権王者池絵梨奈(東大阪大敬愛高2年)を一本背負投「有効」奪取の末のダイレクト反則(2:57)で下してベスト8入り。準々決勝の今井と松延の対戦は、今井が一本背負投「有効」、払巻込「有効」、後袈裟固「技有」と圧倒。残り1分半を過ぎてから2つの「指導」を失ったものの大過なく試合を終え、このブロックからは今井の勝ち上がりが決まった。

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(写真:準決勝、ヌンイラ華蓮が大野陽子を攻める)

この2人を抑えて決勝進出を果たしたのはヌンイラ華蓮と新井千鶴。

今期の選抜体重別王者のヌンイラは2回戦で石井優花(三井住友海上)を大内刈「一本」(2:10)で下し、準々決勝は古屋梓(筑波大1年)から払腰「技有」と崩袈裟固「有効」の2つのポイントを奪って勝利。大野陽子との準決勝は「指導1」を先行されたが後半盛り返し残り52秒で「指導1」、残り7秒で「指導2」と立て続けに奪って逆転に成功。見事決勝への勝ち上がりを決めた。

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(写真:準々決勝、新井千鶴が高橋ルイから袈裟固で一本勝ち)

グランドスラムモスクワで2位、国際大会で存在感を発揮し相対的に国内での地位も上げている新井は第2シード評価。この日は2回戦で昨年の高校選手権王者村山のどか(筑波大1年)を内股(2:16)、準々決勝ではヌンイラの同門同期のライバル高橋ルイ(環太平洋大4年)を袈裟固(2:18)に仕留めて連続一本勝ちのスタート。準決勝は10月の国体で一本負けを喫したばかりの今井優子との再戦となったが得意の出足払を中心に粘り強く試合を進め、中盤には縦四方固で抑え込む(9秒)場面も作るなど百戦錬磨の今井を相手に主導権を渡さない。

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(写真:準決勝、GS延長戦で新井が今井優子から左小外刈「有効」を奪う)

この丁寧な試合運びが実を結んだのがGS延長戦51秒。新井の左内股を今井が腰を抱いて止めて一瞬両者の動きが止まる。接近戦は今井の得手、今井が返すのか、体勢を崩しつつある新井が投げ切るのかそれとも潰れて展開を切るのか。場内息を詰めて見守る中新井は身を翻して左小外掛に変化。反時計周りに両手を操作しつつ体を浴びせると今井は後方ののけぞり落ちて主審は「有効」次いで「それまで」を宣告。新井大きな山場を乗り越えて見事決勝へと進むこととなった。

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(写真:ヌンイラと新井の決勝戦)

決勝はヌンイラ右、新井は左組みのケンカ四つ。選抜体重別では互いに「技有」を取り合った末に「指導」1個の差でヌンイラが勝利するという少差の激戦を繰り広げた好カード。

新井は出足払を放ちながら慎重に一手目を開始、ヌンイラが接近すると半身の近接戦闘に応じてヌンイラは下から、新井は上から釣り手を持って攻防開始。新井は左内股に左大外刈、ヌンイラは出足払で攻め合う。

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(写真:ヌンイラの右内股が「有効」となる)

出来れば過程を飛ばして早く力が伝わる形を作ってしまいたいヌンイラ、40秒過ぎに機を得て首を抱え、やや強引な右大内刈。次いで右内股に連絡すると両者崩れながら場外に倒れこむ形になったが初動の勢いが強く新井は転がり落ちて「有効」、42秒。技自体は粗かったが、そのことで却って現時点でのヌンイラのパワーがパワーそれ自体で新井の巧さを凌駕し得ることが判明したという体の攻防。

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(写真:新井が前に出て、ヌンイラには2つの「指導」が累積)

しかしリードしたヌンイラは新井に一手目の襟を与えることをやや警戒しすぎ、釣り手を持ち合った後の引き手争いも袖を持ち合うことを嫌気する感あり。主審はこれを察して1分20秒「取り組まない」判断でヌンイラに「指導1」を宣告。

新井は釣り手で背中を抱える近距離攻防を試み、片手の支釣込足でヌンイラを崩しながら引き手を求める。この引き手争いが長く続き、2分5秒に主審は双方に「取り組まない」判断の「指導」を宣告する。指導の累積はヌンイラが2つ、新井が1つ。

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写真:ヌンイラの右小内刈が決まって「一本」)

直後、腰の差し合いからヌンイラが右大内刈、一瞬新井の左足に触るとすぐさま刈り足を切り返して右小内刈。大内刈ファイターのヌンイラの意外な組み立てに新井対応出来ず背中から真裏に落ちて「一本」、2分17秒。

ヌンイラ、選抜体重別に続いて見事この講道館杯にも優勝。今期国内シニア大会2冠を達成した。

ヌンイラは試合直後のインタビューで「小内刈は練習でもしたことのない技。勝ちたくて勝ちたくて、思わず足が出て『一本』が取れました」と涙。勝利への執念がもたらした見事な一撃だった。

この階級は国内第一人者であるはずの田知本遥が世界大会で3大会連続で代表を務めてかつ一度もメダルを獲得していないという、日本女子柔道史上でも特筆されるべき厳しい戦いが続いている。一段その迫力を増したヌンイラのパワー柔道が国際大会でも通用するのか、今期グランドスラムモスクワ2位ともっとも海外選手相手の適性を示している新井の国際大会における上昇傾向は今後も続くのか。グランドスラム東京から待ち受ける序列の再編成から目が離せない。

3位には、今井優子を払腰「一本」で退けた上野とまたもや圧力にモノを言わせて松延を小外刈「技有」に「指導4」と圧倒した大野が入賞。

グランドスラム東京には田知本、ヌンイラ、新井、それにこの日の準々決勝での直接対決の結果を尊重して、3位入賞者2人の中から大野が選出された。

◇      ◇      ◇
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(写真:優勝のヌンイラ華蓮選手)

【入賞者】

優勝:ヌンイラ華蓮(環太平洋大4年)
準優勝:新井千鶴(三井住友海上)
第三位:上野巴恵(自衛隊体育学校)、大野陽子(コマツ)

ヌンイラ華蓮選手のコメント
「去年準決勝で負けて、今年やっと優勝することが出来ました。今まで支えてくれた人たちに感謝で一杯です。小内刈は練習でも掛けたことのない技。勝ちたくて勝ちたくて思わず足が出ました。先週、先々週と続けて試合があって緊張を切らずに今日まで来れたことが勝因かなと思います。なかなか『一本』が取れないので、これからは取れる技があるとアピールできる柔道をやりたいです。国内と同じ自分らしい柔道で海外でも勝てるように頑張ります」

【準々決勝】

ヌンイラ華蓮(環太平洋大4年)○優勢[技有・払腰]△古屋梓(筑波大2年)
大野陽子(コマツ)○反則[指導4]△上野巴恵(自衛隊体育学校)
新井千鶴(三井住友海上)○袈裟固(2:18)△高橋ルイ(環太平洋大4年)
今井優子(了徳寺学園職)○優勢[技有・後袈裟固]△松延祐里(筑波大3年)

【敗者復活戦】

上野巴恵○払腰(4:52)△古屋梓
松延祐里○内股透(0:17)△高橋ルイ

【準決勝】

ヌンイラ華蓮○優勢[指導2]△大野陽子
新井千鶴○GS有効・小外刈(GS0:51)△今井優子

【3位決定戦】

大野陽子○反則[指導4](4:26)△松延祐里
上野巴恵○払腰(1:24)△今井優子

【決勝】

ヌンイラ華蓮○小内刈(2:17)△新井千鶴


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