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グランドスラム東京最終日男子各階級展望

(2013年12月1日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月1日掲載記事より転載・編集しています。
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グランドスラム東京最終日男子各階級展望
■ 90kg級
-優勝候補はリパルテリアニとイ、日本勢は加藤とベイカーの「国際適性」発揮に期待-

【日本代表選手】

下和田翔平(京葉ガス)
加藤博剛(千葉県警察)
ベイカー茉秋(東海大1年)
西山大希(新日鐵住金)

【概況・有力選手】

リオ世界選手権2位のヴァーラム・リパルテリアニ(グルジア)が頭ふたつほど抜き出た優勝候補筆頭で、もちろん第1シード。ランキング上四つ角シードからは漏れたがイ・ギュウオン(韓国)がこれを追うというところ。第3グループを形成するのはグレゴリ・スレミン(ロシア)、キリル・ヴォプロソフ(ロシア)、アレクサンドラ・ユレッカ(チェコ)らで、日本勢は復活の途上にある西山大希も含めて全員をこの第3グループ評価で見積もっておくのが妥当だろう。地元の有利さ、日本勢ならではの爆発力も勘案して、爪先立てば頂点まで届くだけの成績的な伸びしろがあるというところ。

【組み合わせ】

[Aブロック]

リパルテリアニの山。直下に加藤博剛が配された。
加藤の初戦はランキング34位のヨアキム・ドゥファービ(オランダ)で、リオ世界選手権では5位に入っているが出場試合数の割には成績を残せていない選手。ここをまず勝ってリパルテリアニに挑戦ということになる。

今トーナメントでもっとも高い壁とこの早い段階で戦うというのは不運ではあるが、海外勢に弱いという悪評を払拭するには絶好の相手でもある。今大会グルジア勢のパフォーマンスは決して良くはなく、リパルテリアニ自身も試合に出るのは世界選手権以来でその出来は未知数、アップセットに期待したい。勝てば前週のアビダビで2位に躍進したノエル・ファンテンド(オランダ)が相手だが、線の細い担ぎ技ファイターのこの選手はそのアブダビがIJF大会唯一の表彰台で実力的には十分攻略可能。山は2回戦だ。

[Bブロック]

ユレッカの山。逆側にヴォプロソフと、いよいよシニア国際大会登場のベイカーが配された。
ベイカーは2回戦でヴォプロソフと対戦する。ヴォプロソフは27歳、今期はグランプリ青島で3位入賞、ユニバーシアードでも3位に入っている選手だが決して高すぎる壁ではなく、グランドスラムという舞台での入賞ライン(ベスト8)を掛けて戦う選手としては妥当なところ。ユレッカは試合に出てはいるがIJF大会では組み合わせに恵まれた時の最高到達点が3位というレベルの選手で世界選手権も2回戦敗退、10位というランキング程の強者ではない。2回戦に勝てばベイカーのベスト4入りは現実的だ。まずはベイカーの「距離を詰めて腰を入れながら戦う」というパワーをベースにしたスタイルがこの2人に通用するか、ここに注目したい。

[Cブロック]

ランキング5位のスレミンの山で、逆側に西山が配された。
西山の2回戦は韓国のガク・ドンファンが相手で西山が本来の出来であれば敵ではない。スレミンも前週のアビダビでは格下選手の担ぎ技を浴びてあっさり初戦敗退とその不安定さを露呈しており、組み合わせ的には非常に恵まれたブロックと言える。西山の回復度合い、コンディションのほどが勝ちあがりの大きなカギ。

[Dブロック]

下和田の山。逆サイドに元祖韓国背負いファイターのイ・ギュウオンが配され準々決勝での激突が確実。
長身で刈り技と跳ね技で上から戦う下和田と、下から凌ぎながらどの形からでも担ぐというイ。この構図でどちらが有利かは地力という項に大きく左右されるが、実績と昨年のこの時期のパフォーマンスの良さから補助線を引いてイが優位と考えておきたい。

[準決勝-決勝]

客観的には、AブロックのリパルテリアニとDブロックのイが、混戦を勝ち上がってきたBブロックとCブロックの勝者を凌いで決勝で戦うと観測するのが妥当なところ。実績的には世界選手権銀メダリストの西山が優勝候補になるはずだが、講道館杯のパフォーマンスを見る限りグランドスラムで力を発揮できるほど急激にコンディションが戻せている可能性は低い。日本勢にとっては試練の階級。

ただしBブロックのベイカーがベスト4まで勝ち上がる「対海外選手適性」を見せているようであればリパルテリアニを食う可能性も皆無ではない。加藤もベスト4に残るようであれば決勝進出までは間違いなし。

最終日の3階級は苦戦が予想される日本勢だが、ここまで4階級制覇の勢いを持ち込んで、ぜひ健闘を期待したい。

■ 100kg級
-クリパレク、イリアディスらスター集結、日本勢にとっては試練の階級-

【日本代表選手】

小野卓志(了徳寺学園職)
増渕樹(旭化成)
羽賀龍之介(東海大4年)
熊代佑輔(ALSOK)

【概況・有力選手】

今期ユニバーシアードで2階級制覇、世界選手権3位のルーカス・クリパレク(チェコ)に、北京五輪王者にしてロンドン五輪銀メダリストのナイダン・ツブシンバヤル(モンゴル)、11年大会王者のサモイロビッチ(ロシア)、ロッテルダム世界選手権王者ラコフ(カザフスタン)、ジョーカー枠としてはなぜか昨年に続いて1階級上の100kg級でエントリーしたイリアス・イリアディス(ギリシャ)、若手枠では世界ジュニア王者の日本大のエース格・レイズカヨル(カナダ)と非常に役者が揃った。

迎え撃つ日本勢はこの階級が目下の弱点。世界選手権で健闘して日本を救った大ベテランの小野、講道館杯を圧勝で制したベテラン増渕、もっともこの階級が苦しかった2012年後期から2013年春季の100kg級を引っ張った熊代佑輔、負傷から復活の途上にあるスター候補羽賀という布陣で、海外勢に食らいつく。

【組み合わせ】

[Aブロック]

クリパレクの山。直下にイリアディス、逆サイドに増渕とツブシンバヤルが配された超激戦ブロック。
通常であればクリパレク勝ち上がりと読むところであるが、100kg級でもイリアディスは昨年決勝まで勝ち上がっており、ここはイリアディスと予想しても良いのではないか。いずれこのカードは非常に面白い、「ゼニの取れる」対戦であることは間違いない。

増渕はツブシンバヤルを倒して準々決勝でイリアディスとの対決を目指す。かつてこの大会がまだ嘉納杯であったころ、増渕はイリアディスと腰の差し合いからの壮絶な投げの打ち合いを披露、「技有」を取って「一本」取られる大激戦を演じている。あの好試合の再現なるか。

[Bブロック]

マーティン・パチェック(スウェーデン)の山。パチェックは前週のアビダビで2位に入賞しているがこれが最高成績、巴投中心の線の細い選手でグランドスラムで表彰台に上がるレベルにはまだないと見る。

がこのブロックは同時に人材も薄く、逆側の山のサモイロビッチ-小野の2回戦がブロック唯一最大の山場。サモイロビッチは前週のアビダビでは早期敗退、そのパフォーマンスは本来のものではなく、小野が平均点以上のコンディションにあるならば勝ち残る可能性も十分。最近の小野らしい「引きの強さ」を見せた組み合わせであると言えよう。勝ち上がり候補はサモイロビッチ、対抗馬は小野。

[Cブロック]

ランキング5位のシリル・マレ(フランス)の山。直下にルチン(ウクライナ)とドイツの3番手プフェイファーがいるが、逆側の山でのレイズカヨルと羽賀の2回戦がブロック勝ちあがりの天王山になるのではと思われる。マレはグランドスラムパリで3位、グランプリデュセルドルフで優勝しているが世界選手権では7位でランキングほどのインパクトがある選手ではない。勝ち上がりはレイズか羽賀としておきたい。
この2人の直近の様相は上り調子のレイズ、一方復帰以降もいまひとつ調子があがらず力の出し方がわからないといった体の羽賀、というところ。羽賀のメンタル面での立て直しなったかどうかがブロック勝ち上がりの行方を揺らす最大の要素。

[Dブロック]

ラコフの山。逆サイドに今年のパンナム選手権王者ヌネスと熊代がおり、この3人の中から勝ちあがり者が出るところまではまず確実。組み合わせに比較的恵まれた熊代は、敗者復活戦に回ってしまうようだと逆に強敵が落ちてくる可能性大で、表彰台を狙うなら決勝進出がもっとも現実的なルート。ヌネス、ラコフと段階的に強豪と戦うことになるが、ここは引くわけにはいかない。

[準決勝-決勝]

Aブロックの勝ち上がり者の優勝の可能性が非常に高い。特に相手とある程度「会話」をしてくれるタイプのイリアディスでなく、体の力を生かしてとにかく攻め続けるクリパレクが勝ち残った場合には決勝ラウンドは一方的展開になることすら考えられる。

覆す爆発力がありそうなのはレイズだが、羽賀、熊代と国内の序列を持ち込んでくる強敵を突破して決勝ラウンドに残ることが出来るかどうかがひとつの見どころ。

■ 100kg超級
-シウバと韓国のツインタワー参加で大会レベルは適正、来期へのきっかけ掴みたい日本勢は初出場の原沢に期待-

【日本代表選手】

七戸龍(九州電力)
上川大樹(京葉ガス)
百瀬優(旭化成)
原沢久喜(日本大3年)

【概況・有力選手】

世界的に人材が薄く、僅かしかいないトップ選手が欠場するといきなりトーナメントのレベルがガタ落ちとなるこの100kg超級だが、今大会はシウバとモウラのブラジルコンビ、久々同時出場のキム・スンミンとキム・ソーワンの韓国ツインタワーの参戦でどうやらグランドスラムにふさわしいレベルがギリギリ確保できた。

上記の4名はそのまま4つ角のシードを占め、分散配置された日本代表がそれぞれの「刺客」として上位進出を狙うことになる。

世界選手権の失意からさらなるステップアップを誓う七戸、「万年エース」(おかしな言葉だが)とでもいうべき定位置から脱却を図る上川、国際大会での好成績をテコに国内での相対的位置を保ちアイデンティティの確保が掛かる百瀬、とそれぞれに抱えるテーマはあるが、日本勢で注目すべきはいよいよシニア国際大会に本格参戦する原沢の出来だろう。今期は負傷でやや停滞した感はあるもののマクロには「短い期間での異常な躍進」という文脈のさなかにある原沢が国際大会に適性を見せるかどうかはロンドン-リオ期を戦う日本の強化戦略を左右しかねない重要要素。大いに注目したい。

【組み合わせ】

前述の通り、韓国とブラジルの2トップがシードを占め、そこに日本代表1人ずつが配置されるという構図。

[Aブロック]

優勝候補筆頭のシウバの山。直下のロイ・メイヤー(オランダ)とボンダレンコ(ウクライナ)は勿論問題なし。
逆側の山には原沢が配され、準々決勝ではトーナメントでもっとも高い山であるシウバと対戦することになる。

シウバは上にも横にも大きい「おっさん体型」の選手だが、パワーだけでなく組み手の手順や技種を試合中に変えて優位を取りにくるクレバーさがある。歴代の代表である上川と七戸が「指導」の取り合いに持ち込まれて苦戦してきた相手であるが、ここで原沢がどのような戦いを見せるかは非常に興味深い。戦術眼と地力を見せ付けて、シウバが狙う「まず優位を確保して、しかるのちに攻める」展開をこちらが確保するのか、それともこの位相の争いは超えているとでもばかりに一発投げつけてモノの大きさを見せ付けるのか。
実績から客観的にはシウバ勝利を予想しておかざるを得ないところではあるが、勝ち負け以上にどうしても見たい一番である。

[Bブロック]

キム・ソーワンの山。今期は復調して世界選手権前にはツアーで連続優勝を飾るなど好調。ここに百瀬が配された。
百瀬は昨年のワールドカップ済州で勝利してはいるが、今年の成績と内容を見る限り油断はならない。百瀬の圧が掛かる力関係ではあるはずなので、積極的に前に出てくる今年のキムのペースに乗らず、まず主導権を握ってしまいたい。

[Cブロック]

モウラの山。シード順は2番目だが力的には4人の中で一番劣ると思われる。
逆側に配された七戸はまずマテアシビリ(グルジア)と戦い、モウラと準々決勝を戦うことになる。勝ちあがり候補は七戸。

[Dブロック]

キム・スンミンの山。配されたのは上川で、2回戦で早くも対決することになる。
キムと上川はここまで勝ったり負けたりで、キムが2勝1敗とやや優位。競る力関係で前に出るかどうかは上川のメンタルの状態を示すベンチマークで、昨年国際大会派遣を外された上川の覚悟、決意のほどが測られる一番だ。

[準決勝-決勝]

客観的にはシウバとキム・スンミンが決勝を争うというのが妥当な観測だろうが、日本の4選手いずれも手が届かないほどの実力差はない。戦い方と決意次第で覆せるこの力関係の中で、いったいにおとなしいと言われる超級選手がどのような試合を見せるか。内容、結果、ともに来期の世界選手権に直結するはずの今大会、日本勢の躍進に期待したい。


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