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講道館杯全日本体重別選手権男子展望②90kg級、100kg級、100kg超級

(2013年11月10日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月7日掲載記事より転載・編集しています。
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講道館杯全日本体重別選手権男子展望
90kg級、100kg級、100kg超級
■ 90kg級 第1シードは加藤博剛、好取り組み揃った注目階級
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(写真:連覇を狙う加藤博剛)

【概況】

優勝候補筆頭は連覇を狙う加藤博剛(千葉県警)。7月のグランドスラムモスクワでは低ランク選手のドニヨロフ(ウズベキスタン)に一本負けして3位に終わるなど相変わらず国際大会では低空飛行が続くが、10月の東アジア大会では優勝を飾り、再びの国際舞台へと体勢を整えつつある。海外で結果が出るまでは「勝ち続ける」ことが至上命題の加藤、実力的には一段抜けたところにおり連覇達成の可能性は高い。

追う勢力は吉田優也(旭化成)、下和田翔平(京葉ガス)、全日本選手権3位の垣田恭平(旭化成)、そして復帰2戦目となる世界選手権銀メダリスト西山大希(新日鐵住金)。注目の若手も大学生になったベイカー茉秋(東海大)を筆頭に小林悠輔(筑波大)、長澤憲大(東海大)、大町隆雄(山梨学院大)、前田宗哉(東海大浦安高)と個性派揃い。第2グループにも池田賢生(日本中央競馬会)、近藤拓也(筑波大)、菅原健志(パーク24)など実力者がぎっしり、序盤から好取り組みが連続する。初日の66kg級同様目が離せない充実階級だ。

【組み合わせ】

[Aブロック]

第1シード、加藤の山。初戦は全日本ジュニア3位の安井司(豊栄高)、2戦目が手塚龍大(京葉ガス)と勝ち上がりは問題なさそう。

準々決勝は全日本学生体重別団体で100kg級カテゴリに出場して大活躍した近藤拓也(筑波大)がマッチアップする可能性大。近藤は相手を嵌める試合の巧さと一発の威力を併せ持つ好選手だが、試合運びというステージで精神的優位に立つことで良さを発揮するタイプ。この点では加藤に一日の長がある。ベスト4入りは加藤と見て間違いないだろう。

[Bブロック]

吉田優也の山。初戦から学生の強豪地﨑亮祐(國學院大)、2戦目が山本宣秀(日本中央競馬会)-前田宗哉戦の勝者というなかなかに歯ごたえのある組み合わせ。準々決勝では小林悠輔の挑戦を受ける。

前田はいきなり厳しい組み合わせだが、それでも持ち前の「上から目線」の組み立て以外に活路はない。高校生らしい思い切った試合を期待したい、

吉田の勝ちあがり自体は確実と見て良いだろうが、山本、小林、そして高校生の前田まで入れてこのブロックは力関係を覆す一発を持つ選手が多い。出来不出来の波の大きい吉田、油断は禁物。

[Cブロック]

下和田の山。初戦はもと全日本ジュニア王者長倉友樹(筑波大)、2回戦では菅原健志(パーク24)との対戦が濃厚。

注目したいのは菅原。パーク24入社以降その柔道は久々の上昇カーブを描いており、全日本実業個人ではなんと吉田優也と西山大希に連勝して会場を沸かせている。果たしてフロックか、中学時代の天才復活というシナリオがありうるのか、初戦の横田雄斗(国士舘大)戦から注視したい。

逆側の山にはベイカーがおり、こちらは2回戦で垣田と対戦という非常に厳しいカード。ベイカーは今期負傷で実質個人戦に出ておらず(選抜体重別は加藤博剛に一本負け)、かつ団体戦は差のある相手に手堅い戦いで圧勝という試合が続いており実力の伸びが測りかねるところ。垣田は高い地力を、腰を寄せた状態からの駆け引きに注ぎ込んで来る曲者タイプで、ベイカーにとってはやり易いタイプではない、というよりもおそらくもっともやりにくいいタイプ。双方の今年度の実績に鑑み、事前予想では垣田勝利としておくのが妥当だろう。

下和田-垣田は様相読み難いが、国際大会で腰を抱いてくる難剣タイプを突破してきた下和田が癖のある垣田の組み立てを突破できるかどうかがカギ。地力と対戦適性は垣田、しかし国際舞台を経た下和田の伸びがこれを凌駕する、とここは仮定しておきたい。勝ち上がり候補は下和田だが、誰が勝ちあがってもおかしくない激戦ブロック。

[Dブロック]

池田賢生の山。初戦からいきなり長尾翔太という難剣タイプとの対戦となる。池田は泥臭い相手との消耗戦ももちろん得手で、この試合は通好みの好取り組み。個人戦の実績からここは池田の勝ちあがりを推す。

逆側の山は西山大希、長澤、大町と揃った激戦区。長澤-大町の勝者と西山が戦い、準々決勝で池田と激突する。

西山が本来の力を発揮できるコンディションにあればもちろん勝ち上がりの第一候補だが、相手の良いところを消しながら一発を狙える学生王者長澤、昨年高校生ながら低い担ぎ技の威力でベスト8まで進んだ大町は少々厄介な相手。苦戦するようだと以後の勝ち上がりにも影響必至。

ここからの勝ち上がり候補はもちろん西山だが、道程では簡単ではない。勝ち上がりの内容、コンディションのほどに注目。

[準決勝-決勝]

加藤 - 吉田
下和田(垣田、ベイカー) - 西山

という顔合わせが濃厚。
優勝候補の加藤を凌ぐ可能性があるのは誰か、という観点からすると、今年の出来からは吉田優也、そして垣田という順番になるのではないだろうか。

吉田は相変わらず意外なところでの取りこぼしはあるものの、昨年以来攻撃力の上積みが著しく、一撃の最高到達点というところではこのメンバー中現時点ではナンバーワン。素晴らしい出来だった選抜体重別、決勝で加藤とほとんど戦わずに終わった(足取りで反則負け)無念をここで晴らすことが出来るか。最大注目は準決勝だ。

下和田が決勝進出の場合は加藤有利、昨年の戦いを見る限りよほど明確な打開策がないと加藤との戦いは厳しいはず。西山が決勝に進むコンディションにあれば面白いが、これは蓋を開けてみるまでわからない。垣田の場合はお互い腰を抱いての振り崩しからの寝技という泥沼の消耗戦が期待されこれもなかなか面白いカード。ベイカーは選抜体重別を見る限り実力、相性よりも苦手意識や恐怖感がそのパフォーマンスを妨げており、これを払拭しないと再び一方的な試合になる可能性も高い。

■ 100kg級 久々「名前」揃って仕切りなおし、勢力再編に向けて問われる各人のコンディション
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(写真:久々個人戦に参加する羽賀。まだ本調子ではないが待望の復帰だ)

【概況】

第一人者穴井隆将(天理大)が抜けた昨年のタイミングで、10年世界選手権代表高木海帆(日本中央競馬会)と世界ジュニア王者羽賀龍之介(東海大)の両巨頭が負傷で揃って長期離脱。浅沼拓海(国士舘大)ら他選手も不調でこの階級は人材難に陥っていた。世界選手権を超ベテラン小野卓志の奮闘でなんとか乗り切った今秋、いよいよ高木と羽賀が復帰。1年遅れてしまったが、ここからが五輪後の勢力再編のスタートと言える。

優勝候補は第1シードの熊代祐輔(ALSOK)と第2シードの小林大輔(ALSOK)。これにコンディション次第という条件節はつくが羽賀と高木が絡み、ベテラン増渕樹(旭化成)、浅沼、90kg級から転向した穴井亮平(了徳寺学園職)、今井敏博(新潟綜合警備保障)らがそれを追うというのが階級全体の構図。期待の若手はウルフアロン(東海大浦安高)、飯田健伍(山梨学院大)、高橋良介(明治大)。

【組み合わせ】

[Aブロック]

熊代の山。2試合目(3回戦)で寺島克興(京葉ガス)、準々決勝で今井敏博との対戦があるが実績からここは熊代を推しておくのが妥当と思われる。

若手では今井の初戦に後藤隆太郎(慶應義塾大)がマッチアップしているが本格派かつ上背とパワーに勝る今井に抗するのは柔道の相性的に少々厳しい。思い切った試合を期待したい。

[Bブロック]

小川竜昂の山。小川は2回戦で高橋良介と対戦、どちらも今期良いパフォーマンスと思わぬ失点という脆さの両面を見せている選手で勝敗読み難いが、ここは今期一段上がった高橋の破壊力を推しておきたい。

逆側の山には高木。こちらは初戦(2回戦)で七戸虎(九州電力)、3回戦はウルフアロンと飯田というジュニア世代の強者2人いずれかとの対戦が濃厚。

高木は6月の実業団体で復帰もパフォーマンスはまだ「リハビリ」といった印象で、10月初旬のグランプリ・タシケント大会でも初戦で「指導」の取り合いに嵌って反則負け。あれから1ヶ月という期間はあったものの決定的な上がり目を想像するのは難しい状態だ。来年の世界選手権出場を目指すならば負けることは許されない大会だが、少々スケジュールが間に合っていない感あり。その中でも強化に残るためにどんな試合を志向するのか。高木の強さ、復調度合いだけでなく「できること」の判断という勝負師的な資質までが問われる大会になりそうだ。

勝ち上がり候補は高木としておくが、試合の判断が巧い七戸虎、パワーファイトの末に「際」を生かすという目上にも通じる戦術が採れるウルフとアップセット要素は十分。目が離せない。

[Cブロック]

小林大輔と増渕樹が初戦で対戦するという、本人にとっては酷な、ファンにとっては堪えられないカードが組まれた。ここを突破したほうがベスト4進出と見てほぼ間違いないだろう。準々決勝での対戦候補は谷井大輝(東海大)-制野孝二郎(日本大)の勝者。

[Dブロック]

上側が浅沼-穴井。
下側に羽賀が配され、2試合目(3回戦)で斉藤俊(新日鐵住金)-稲田基(日本大)-インターハイ王者渡辺大樹(埼玉栄高)の勝者と対戦する。

準々決勝で対戦濃厚な浅沼と羽賀の試合は、12年選抜体重別で浅沼が一本勝ちしている因縁のカード。当時羽賀は負傷を抱え浅沼は絶好調だったが、以後羽賀が休養、浅沼は調子を崩してと双方順風満帆には遠いルートを歩んで1年半ぶりの再戦。

3日の学生体重別団体での羽賀はまだ本調子ではなく、後半3戦は力を余らせたまま、走らせてもらえないまま引き分けられるという試合が続いた。代名詞の一発がなくても展開を積み重ねて勝利するだけのスケールがある羽賀が、因縁の相手にどう戦うか注目したい一番。

[準決勝-決勝]

熊代の準決勝進出は順当に決まると思われるが、Bブロック(高橋、高木、小川)、Cブロック(小林、増渕)、Dブロック(浅沼、羽賀)の勝者は読み難い。

高木と羽賀がここまで勝ち上がるコンデイションにあれば両者のいずれか、そうでなければコンスタントに高い力を発揮する熊代の優勝と読んでおきたい。

■ 100kg超級 原沢と百瀬がV争いの軸、若手の台頭に期待
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(写真:連覇を狙う原沢)

【概況】

七戸龍が出場免除、石井竜太が7月のグランドスラムモスクワで膝に重傷を負って離脱しこの階級は最強2選手が欠けた状態。

4つ角シードは順当に百瀬優(旭化成)、原沢久喜(日本大)、上川大樹(京葉ガス)、王子谷剛志(東海大)というメンバーになった。連覇を狙う原沢は肘を負傷した5月の選抜体重別以来の個人戦。国際大会本格参戦に向けて今回はとにかく結果を残しておきたいところ。


[Aブロック]

百瀬の山。
逆サイドが非常に面白い。粗削りなままトップレベルに迫る勢いで実力を伸ばしている大学2年生の黒岩貴信(筑波大)、粗削り×伸び盛りということではその先を行く新卒社会人の渡辺智斗(パーク24)、もとジュニア強化選手藤井岳(慶応義塾大)と役者が揃った。

すでに全日本選手権を経験している渡辺が勝ちあがって百瀬との準々決勝に臨むというのが順当なシナリオだが、黒岩の地力の程を測る対戦として渡辺との2回戦は注視しておきたい。藤井は大艦巨砲タイプの2人に囲まれたが、技術の高さでこれを凌ぎたいところ。

いずれベスト4には百瀬が進むと見てまず間違いないだろう。

[Bブロック]

王子谷の山。初戦(2回戦)が遠藤翼(国士舘大)、2戦目が辻玄太(旭化成)。遠藤は少々元気がなく、辻は王子谷が得意とする典型的な超級タイプ。ベスト8までは問題なさそう。

逆側の山で面白いのは1回戦の棟田康幸(警視庁)と世界ジュニア代表佐藤和哉(静岡学園高)の試合。世界ジュニアでは3戦全敗、負傷も伝えられる佐藤だが、ここで再び存在感を示すことが出来るか。棟田は10月の警察団体で警視庁の優勝を決める「一本」を奪ったばかりでコンディションは決して悪くない。棟田有利だが、佐藤には思い切った試合を期待したい。

準々決勝は王子谷と棟田。近い間合いを好む王子谷は棟田と攻撃距離がカチ合ってしまうが、ここは王子谷の突進とパワーがベテラン棟田を凌駕すると読みたい。ベスト4入りは王子谷と仮定する。


[Cブロック]

原沢の山。初戦は、なぜか体重別団体では起用されなかったがいまや国士舘大の実力一番手と目される田中大貴でなかなか厄介な相手。2回戦で大鋸新(旭化成)、準々決勝は高橋和彦(新日鐵住金)と対戦するが、この高橋戦がひとつのポイント。高橋は代表戦線から降りて以降、逆に随所でベテランらしい強さ、巧さを発揮しており侮れない相手。高橋はパワー勝ちしている相手かどうかで相当試合のやり方に差があるので、原沢の現時点の「地力」を測るには格好の試合とも言える。楽しみな一番。勝ち上がり自体は原沢と見る。

[Dブロック]

上川の山。2試合目(3回戦)で実業王者西潟健太(旭化成)、準々決勝は上杉亮太(旭化成)-倉橋功(東海大)ということになる。

相変わらず出来不出来の予測がまったくつかない上川だが、事前予測としてはその勝ち上がりを推すほかないというところ。

注目したいのは上記3人の中でもっとも年若の世界ジュニア代表・倉橋。稽古時の強さなど選手間での評判がなかなか高い。選抜体重別レベル、国際大会派遣レベルに食い込んでくるのか、上杉は強敵だが荒れる可能性もあるブロックの中でどのような試合を見せてくれるのか、気に留めておきたいところ。

[準決勝-決勝]

第1試合の百瀬-王子谷戦はコンスタントに地力を積み上げていてなかなか後退のない王子谷の現時点での到達度が測られる試合。百瀬は相手を強者と規定するか否かで組み手の厳しさ、試合の組み立てが全く変わってくる。勝ちあがり候補は百瀬だが、王子谷の力が水準点に達しており、突進を続けて百瀬がこれを嫌気するような状況があれば番狂わせの可能性も十分。

原沢-上川(おそらくは)。「乱取り」であれば技の切れ味に勝る上川に分があるはずだが、原沢のここ一番での強さと上川の不安定感、原沢が大枠上昇、上川が停滞という長いスパンでの成長ベクトルを考えるとここは原沢の勝ち抜けを予想しておきたい。

決勝は昨年と同カードの可能性濃厚。昨年は百瀬が地力で上を行きながら若い原沢をもてあまし、結果判定で原沢が勝利している。百瀬のプライド、昨季このカードで負傷して国際大会に進めなかった原沢の意地のぶつかりあいに期待。技術的には釣り手、特に原沢の釣り手の奥襟終着から帰納して百瀬がどう組み手パズルの一手目を組み立てるか。ファンとしては超級の閉塞感を打破するためにも、原沢の思い切りの良い試合、こういった百瀬の緻密さをスケール感だけで破壊してしまうような戦いに期待したい。


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