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世界柔道選手権73kg級プレビュー×組み合わせ展望

(2013年8月28日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月28日掲載記事より転載・編集しています。
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世界柔道選手権73kg級プレビュー×組み合わせ展望
役者の揃った激戦階級、カギ握るのは日本人2人
初戦のワン-大野、準々決勝の中矢-サインジャルガルを見逃すな
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(写真:中矢力と大野将平。今大会も決勝対決なるか)

【日本代表選手】

中矢力
年齢:24歳
所属:ALSOK

大野将平
年齢:21歳
所属:天理大4年

この階級でもっか世界選手権2連覇中の日本が送り込むのは、タイプの異なる2本の矢。寝技の中矢力と投技の大野将平だ。

中矢は11年パリ世界選手権王者。抜群の固技技術と、その体幹の強さを生かした独特の投技を生かして勝ち抜く泥臭さが持ち味。ロンドン五輪では右肘負傷のアクシデントに見舞われながらもイサエフ(ロシア)と壮絶な寝技勝負を展開。敗れはしたが見事銀メダルを獲得している。

ロンドン後、圧倒的な「投げ一発」の魅力でのしあがったのが大野将平。グランドスラム東京では鉈を振るうような大技を連発し、決勝でも中矢力を大外落に捕まえて一本勝ち、見事優勝を果たしている。グランドスラムパリ大会では東京で勝利しているツァガンバータル・ハッシュバータル(モンゴル)に苦杯を喫したが持ち味発揮の「一本」を連発、3位に入賞した。

「組み合う」「寝技を長く見る」新ルール下にもっとも向く選手として投技の大野、固技の中矢と新ルールの性格に嵌る選手2人を送り込んだ日本。この「二本の矢」にモンゴルスタイルで新ルール下勝ちまくっているサインジャルガルとツァガンバータルのパワーファイター2人が立ちはだかるのがこの階級の様相。
2010年東京大会(秋本啓之)以来連勝中のこの階級で日本が3連覇を果たすことが出来るのか、注目である。

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(写真:モンゴルの英雄、ツァガンバータル・ハッシュバータル)

■有力選手

五輪王者のイサエフ(ロシア)は出場回避。同国の2番手モグシコフもエントリーを行っていない。

ワールドマスターズとグランプリ・ウランバートルに優勝したランキング1位選手、サインジャルガル・ニャムオチイ(モンゴル)が優勝候補筆頭だ。脇差し、背中持ちと典型的なモンゴル柔道スタイル。今期は正面から腹を合わせて相手を持ち上げて左右、あるいは真下に叩き落す「やぐら投げ」もどきの技を勝負どころで度々決め、技名称決定係や試合記録員を悩ませている「力持ち」(この人はパワーファイターというよりもこの名称がふさわしい)だ。

このサインジャルガルに同国の66kg級世界王者ハッシュバータル・ツァガンバータル、中矢、大野、もと世界王者ワン・キチュン(韓国)を入れたところまでが優勝争いの第1グループ。ワンは一時に比べ柔道の線が細くなった印象だが、ここぞというところでの爆発力は健在。

第2グループはエルモント(オランダ)ファンティシェル(ベルギー)のヨーロッパ勢2人。常に上位に絡み続ける強者だが反面頂点を極める爆発力に欠けるところがあり、この点ではデュプラ(フランス)コドゾコフ(ロシア)レクアシビリ(グルジア)ジュラコビロフ(ウズベキスタン)など両者に平均到達点では劣るが意外性もあるという選手のほうが直接対決では怖いという印象。と事前予想の段階では優勝者は第1グループのいずれかから出る、と断じておいて、ほぼ間違いないかと思われる。

■組み合わせ

今大会最大、実に79名によるトーナメント。プールAとプールDが大会全体を揺らす山場でいずれも日本人が絡んでいる。プールB、Cは選手の密度が薄い印象。

→73kg級組み合わせ

【プールA】

第1シードのサインジャルガルの山で、準々決勝までは無風。
逆側の山のシードは中矢。3回戦でソロカ(ウクライナ)との対戦があるが、まずここでこの日の出来が計られる。4回戦はおそらくスクボトフ(UAE)が相手。モルドバからの今年度移籍組の1人で、環境を得たか成績を残し始めている選手だが、良くも悪くもグランプリ上位レベル。準々決勝はサインジャルガルと中矢の戦いと見て間違いない。

この対戦は面白い。サインジャルガルは奥襟を叩いて圧を掛け、機と見てさらに一段深く背中、脇に持ち変えて一発を狙ってくるはず。一方の中矢はリスク管理に長け、自身も体幹の強さを生かすべく一発で相手の裏に抜け出るような技と、そしてなにより絶対の自信を持つ寝技がある。

サインジャルガルが背中を見せて掛け潰れる展開があればそれを逃してはいけないが、待つってしまうと展開を失う。袖を送り込む、奥を叩くといういなし、崩しから寝技を狙い続けて「指導」を奪い、焦って一発を狙うサインジャルガルを潰して寝技で取りきるというのが現実的なシナリオか。サインジャルガルは際に強く、相手が度胸一発で飛び込んでくるのを待っている感もある。この試合に関しては体を捨てての覚悟の一撃、というようなシナリオは禁物、組み手と足技、担ぎ技で手堅く試合を進めたい。

間違いなくこの一戦がトーナメントの山場。ライバル選手達を見回すと、現在のサインジャルガルの勢いを止めるということでは、タイプ的にもっとも適性があるのはおそらく中矢。サインジャルガル勝てば優勝濃厚、中矢が勝てばトーナメントは混戦というのがこの一番の持つ意味だ。

【プールB】

ハッシュバータル・ツァガンバータルの山。
同じ山に2回戦でルグラン(フランス)、3回戦でシャリポフ(ウズベキスタン)、準々決勝はアッチラ・ウングバリ(ハンガリー)-タタラシビリ(グルジア)-デルポポロ(アメリカ)のいずれかという選手配置だが、これは他シード選手に比べると大分恵まれている印象だ。ここのところ国際大会では終盤戦の息切れが目立つ(そのうち2度が同国の体力ファイターサインジャルガル戦ということを考慮する必要はあるが)ツァガンバータル、準決勝に向けて少しでも体力を蓄えておきたい。

【プールC】

第2シード、ランキング2位のファンティシェルの山。準々決勝までは無風。
逆側の山で潰しあうのはレクビアシビリ、コドゾコフ、今期欧州王者ドラクシック(スロベニア)の中堅選手3人。ファンティシェルは柔道に繊細なところがあり、パワーファイターの前者2人が上がってきた場合は勝敗はどちらに転がるかわからない。そもそもファンティシェルが第3シードを確保したのは今期このクラスの選手としてはちょっと水準を超えるほどに沢山の試合に出てきたからで、明らかに世界選手権でこの位置を得るための意図的なもの。そもそもグランプリ・デュッセルドルフではドラクシックに負けているという直接的なデータもある。

事前予想はファンティシェルとしておくがレクビアシビリ、コドゾコフ、ドラクシックが来る可能性も十分。

【プールD】

上側はエルモントの山。無風区。

そして下側がワン・キチュンの山。初戦(2回戦)でなんとワン・キチュン戦が組まれている。決勝で対決してもおかしくないこの2人の対戦は第3日序盤戦の最大のみどころ。

ガッチリ持ち合って内股、大外刈という投げの威力で勝負する大野、奥襟で圧はかけるが勝負どころは前襟、横襟の担ぎ技と足技というのがワン。キチュンのスタイル。大野が力で制しきるか、ワンが凌ぎながらスピードのある一撃で勝負を決めるかというのがその戦いの様相だ。大外刈系の大野、担ぎと小内刈のワンというタイプの組み合わせも含め、好勝負になる可能性十分。ファンは絶対に見逃してはいけない一戦。

そしてこの両者が勝ち上がったところで待ち受けるのがダークホースのデュプラ(フランス)。グランプリ・デュッセルドルフでは長い手足を生かしてワンを抱分「技有」、さらに内股「一本」で破り、さらに決勝でエルモントをも破って優勝を飾っている。以後あの日を越える輝きは放っていないが、大穴的な存在だ。大野はデュプラを問題にしないかと思われるが、パワーがあって担ぎ技に対する抱分や横車というカウンターがあるこのタイプはワンにとっては鬼門。

逆側の山にジュラコビロフとミクロス・ウングバリ(ハンガリー)が配されているが、ここは勝ち上がりという観点からは考えなくて良いだろう。勝ち上がりの第一候補は大野、第二候補はワン、大穴はデュプラだ。

【準決勝-決勝】

中矢(サインジャルガル) - ツァガンバータル
ファンティシェル(レクビアシビリ、コドゾコフ) - 大野(ワン)

というのが予想されるべきカードだが、優勝者は東アジア勢から出る可能性が高いと見る。
パワーのサインジャルガルにツァガンバータル、投技の大野、寝技の中矢に戦闘力の高いワンと誰が来ても見逃せない対決の連発。

中矢-大野の再戦、もしくはサインジャルガル-大野のパワー対決となれば好勝負は必至だ。第3日は勝ち負け以上にその内容が堪能できる1日となりそうだ。


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