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インターハイ柔道競技女子団体戦展望

(2013年8月9日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月7日掲載記事より転載・編集しています。
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インターハイ柔道競技女子団体戦展望
3冠狙う敬愛が質、枚数兼ね備え最有力
東大阪大敬愛、埼玉栄ら4チームがこれを追う

■概況
高校柔道、女子の「三冠」は全ての大会でレギュレーションが異なる。三人制団体かつポジションごとに体重制限があって比較的オーダーが読みやすい全国高校選手権、五人制抜き試合でかつ試合ごとのポジション入れ替えなしという過酷なレギュレーションで層の厚さと絶対のエースという育成の両極を要求される金鷲旗、そして体重無差別の三人制で争われるインターハイとそれぞれ性格が全く異なり、全ての大会で優勝を果たすことは本当に難しい。

この困難なミッション達成にほとんど片手を掛けているのが敬愛高(福岡)だ。

敬愛高(福岡)
(先)堀歩未
(中)山口凌歌
(大)岡史生
(補)梅津志悠

今大会は先鋒に堀歩未、中堅に山口凌歌、大将に岡史生と重量3枚を並べ補欠には金鷲旗高校大会で大活躍した2年生の梅津志悠を置いた。57kg級全日本ジュニア王者芳田司や同級全日本カデ2位の立川莉奈をメンバーに入れずに済むこの分厚い布陣。今大会は優勝候補の大本命、頭ひとつ抜けた存在だ。堀はサイズの生かし方を心得た選手で組み手、圧力、投げと攻守の出し入れが巧く、山口と岡は典型的な重量選手とは少々質が異なり、売りは両者とも足技の切れ味。大きい選手相手とはガップリ四つも凌ぐ中で一発狙う試合も出来、軽量選手には懐に潜らせる前に仕留めるべき足技の弾幕がある。重量3枚を並べただけの単なる大型チームでは全くない。隙を探すのは難しいチームだ。

戦力構成的に敬愛への挑戦権があると目されるのは東大阪大敬愛高(大阪)、埼玉栄高(埼玉)、大成高(愛知)、松商学園高(長野)の4チーム。

東大阪大敬愛高(大阪)
(先)池絵梨菜
(中)斉藤芽衣
(大)米澤夏帆
(補)林美七海

東大阪大敬愛は金鷲旗2位入賞チーム。63kg級高校選手権王者の池絵梨菜、57kg級に階級を上げた米澤夏帆の2年生コンビに加えて今期からは2人の後輩で身長166cm、体重100kgの大型選手斉藤芽衣が加入。11年に中学タイトルを総舐めした香長中レギュラーが再結成される形となり、金鷲旗2位躍進は斉藤の頑張りによるもの。池、米沢を生かす「型」がついに完成した印象だ。今回は先鋒から順に池、斉藤、米澤と配置、まず前で負けをなくして米澤の仕事を明確にした上で大将戦を戦わせようという並びを選択してきた。米澤は金鷲旗準決勝で肘を負傷しておりその出来が気になるところだが、面子を見る限りでは耐えられるシナリオの幅が広く、控えめに見ても上位進出は間違いのないところ。

埼玉栄高(埼玉)
(先)冨田若春
(中)安沙好
(大)桒原佑佳
(補)前嶋愛弓

埼玉栄も新戦力でチームが一段スケールアップした。冨田若春の加入により、中堅の63kg級の強者安沙好を先鋒冨田、大将桒原佑佳という重量2枚で挟む強力布陣が完成。金鷲旗では冨田が軽量選手に凌がれて引き分け、結果チームも敗退することとなった。同大会を見る限りまだ果たすべき仕事と手立ての整理がついていない印象の冨田、その力をどう見積もるかで全く評価が変わる戦力構成だが、ここは小、中学時代の実績とスケール感を買い、埼玉栄をこのグループに挙げておきたい。

松商学園高(大阪)
(先)原琳々子
(中)小野華菜恵
(大)津金恵
(補)出口クリスタ

松商学園高は63kg級グランドスラム東京王者津金恵に57kg級高校選手権王者で重量級にも一発を狙える出口クリスタと軽量ながら強力な2枚を備えて高校選手権は2位。上位対戦で勝ち抜くにはどうしても駒が1枚足りない印象だが、出口を補欠に置いて戦略選択の余地を作っており、上位グループに挙げるところまでは文句のないところだろう。


大成高(愛知)
(先)鈴木伊織
(中)鍋倉那美
(大)中江美裕
(補)月野珠里

昨年中学柔道界を席巻した大成中の持ちあがりメンバーから鈴木、鍋倉、中江という3枚を起用して布陣。手堅い鈴木、爆発力のある鍋倉、線の太い柔道が出来る中江で高校カテゴリでも1年目から躍進を狙う。

敬愛を軸にトーナメントが進行、そしてこの4校が追いかける構図と見て間違いないところだ。
■組み合わせ
【Aブロック】

富士学苑 [2回戦]
東北 - 京都学園 [1回戦]
沖縄尚学 [2回戦]
大垣日大 - 高岡龍谷 [1回戦]

弘前実業 [2回戦]
八頭 - 小城 [1回戦]
高知 [2回戦]
日本文理 - 埼玉栄 [1回戦]

上側の山には新垣さつき率いる沖縄尚学、大垣日大、東北と中堅の強豪高が配された。大垣日大は山中満紀、東北は岩佐遥とともにエースは中堅配置、沖縄尚学の新垣は補欠登録で投入どころが選べる状態にある。ここの勝ち上がりを読むのは難しいが沖縄尚学が最有力、そしていずれにせよベスト4に勝ち上がるのは下側の山を余裕を持って勝ち上がるであろう埼玉栄と見る。

【Bブロック】

奈良育英 [2回戦]
山形中央 - 阿蘇中央 [1回戦]
國學院大栃木 [2回戦]
広島皆実 - 富士市立[ 1回戦]

出雲西 [2回戦]
沖学園 - 徳島北 [1回戦]
福井工大福井 [2回戦]
前橋育英 - 紀央館 [1回戦]

この展望でAグループに挙げた4チームは配されず。滝川真央という大駒1枚を生かして代表権を獲得した富士市立、今年も土井雅子を中心にしぶとい選手を揃えた阿蘇中央、永瀬貴子を中心に戦闘力のある2年生3枚を揃えた沖学園が有力校。

それぞれのエース格の位置は滝川と永瀬が大将、土井が先鋒。

阿蘇中央と富士市立は3回戦で対戦予定。阿蘇中央は土井で1点を見込み、大将上村綾香で滝川を凌ぐ戦いを志向するだろう。とはいえ滝川を凌ぐのは至難の業、矢吹みずほを置いた中堅戦が勝負の山場だが、ここは経験豊富で勝負どころを弁えた阿蘇中央が勝ち上がるとしておきたい。。

沖学園は富士市立と戦う場合はポジション的にエース同士のつぶし合いで分が悪いが、阿蘇中央とは接戦に持ち込める可能性がある。しかし各ポジションのミッションの明確さ、上村の粘りを見込んでここも阿蘇中央を推しておきたい。

【Cブロック】

金沢学院東 [2回戦]
桐蔭学園 - 高松商 [1回戦]
宮崎日大 [2回戦]
大成 - 夙川学院 [1回戦]
盛岡南 [2回戦]
鹿児島情報 - 西京 [1回戦]
八千代 [2回戦]
敬愛 - 近江 [1回戦]

上側の山は激戦。金沢学院東-桐蔭学園による2回戦の勝者と大成-夙川学院の1回戦の勝者が3回戦を戦う。

前者は桐蔭・嶺井美穂が中堅、金沢学院東・橋高朱里が先鋒とエースの位置がずれている。大将対決は補欠登録の52kg級内尾真子が入ると仮定して、ここは桐蔭が小差で勝ち上がるのではないか。

大成-夙川学院は中堅戦でぶつかる鍋倉と超級選手荒巻有可里の両エース対決が見もの。鍋倉が今後高校カテゴリで重量級選手とどう戦っていくのかが見える一番になるのではないか。先鋒鈴木がマッチアップするであろう補欠登録の中村まゆ、大将中江に対する原田千賀子は2いずれもとにかくしぶとい選手。大成にとっては試されるところの非常に多い試合だ。小差で大成、としておきたいが勝負は予断を許さない。

3回戦で桐蔭学園-大成がぶつかるとなれば嶺井と鍋倉の同学年同階級ライバル対決再びということになるが、これまでの対戦を見る限り明確なポイントでの決着を事前に織り込むのは難しい。周辺戦力比べで大成が勝ち上がると見る。

準々決勝は敬愛に大成がマッチアップすると仮定するが、順行運転なら敬愛が断然優位。堀が圧力で鈴木を潰し、山口が鍋倉を足技で止めながら試合を進め、リードを得たところで岡も中江を足技で追い詰め、そのリアクションを引っ張り出して仕留めに掛かる。大成は金鷲旗では意外なまでのおとなしい試合を見せたばかりだが、ここで中学時代のような相手を呑む試合ぶりが披露できるかどうか、注目である。

【Dブロック】

長崎明誠 [2回戦]
創志学園 - 淑徳 [1回戦]
東大阪大敬愛 [2回戦]
新田 - 日大東北 [1回戦]
名張 [2回戦]
大分西 - 松商学園 [1回戦]
東海大四 [2回戦]
秋田商 - 土浦日大 [1回戦]

上側の山の2回戦に東大阪大敬愛と新田の対戦という山場がある。月波光貴穂が中堅配置で、東大阪大敬愛の中堅斉藤と金鷲旗で引き分けているという実績を考えるとここは東大阪大敬愛の勝利と読んでおいていいだろう。

3回戦は淑徳-東大阪大敬愛と読むが、淑徳は東京予選のレギュラー山田あかりを補欠からも外しメンバー構成に苦慮している印象。ポイントゲッター役を担うべき先鋒浜未悠が池、大将井上舞子が米沢としぶとい相手と対戦、防衛ポイントの中堅戦は高澤眞冴が重量選手の斉藤芽衣と対戦するという当たりの相性もあり、東大阪大敬愛がやや優位と読んでおきたい。

下側の山は松商学園一択。東大阪大敬愛に勝つというところまでを考えて出口の入れどころを考えるとすれば、敢えて斉藤とマッチアップする中堅に投入して得意の「大きい相手にもぐりこむ」試合を演じさせて後ろ2枚で得点、という絵は描けるが、敬愛との対戦を考えると質的に出口の柔道が噛み合うのは先鋒の堀かと思われる。出口先鋒なら池を相手に事前予想の段階で得点を計算するのは難しく、東大阪大敬愛が優位。中堅ならば松商学園勝利の可能性が高まるという展望を提示しておきたい。

【準決勝-決勝】

敬愛の圧倒的優位は変わらず。

ただし敬愛に抗しうるという観点で考えると東大阪大敬愛が来た場合の準決勝、そして埼玉栄が勝ち上がってきた場合の決勝はまさしく難関ではある。

より厳しい戦いになると思われる東大阪大敬愛戦は大将戦が敬愛の得点ポイント。そこまでビハインドを負わず、堀が池の担ぎに、山口が斉藤のペースに嵌らないことが肝要。逆に東大阪大敬愛は先鋒池でポイントを挙げ、地力勝負が掛けられる斉藤までで勝負を決めてしまいたいところ。道幅の狭いシナリオだが、それしか勝利の道程はありえない。

埼玉栄戦は、冒頭に記した通り同校の先鋒冨田若葉がどこまでやれるかがポイント。埼玉栄としてはここでリードしておき、敬愛の中堅山口が多少無理をする状況で安に試合をさせたいはず。先鋒戦で堀が勝利すれば敬愛のワンサイドゲームもありえ、冨田に課せられる任務は重い。

敬愛が3たびその圧倒的な力を見せつけ3冠奪取を果たすのか、それともやはりインターハイには魔物が棲むのか、答えが出るのは大会第3日。楽しみにその試合を待ちたい。


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