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インターハイ柔道競技男子団体戦展望

(2013年8月7日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月6日掲載記事より転載・編集しています。
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インターハイ柔道競技男子団体戦展望

-連覇狙う東海大浦安がV候補筆頭、
牙城に迫る東海大相模と国士舘は大将予想のウルフをどう扱うかが勝負の分かれ目-

■概況
インターハイ柔道競技は8月7日開幕。高校柔道界の最高権威タイトルである男子団体戦は7日、8日の2日間に渡って5人戦点取り方式、51チームによるトーナメント戦で行われる。

優勝候補筆頭は2連覇、そして2年連続三冠を狙う東海大浦安高(千葉)。
これに挑むのが高校選手権2位の国士舘高(東京)、東海大相模高(神奈川)。でここまでが今大会の「3強」で頭一つ抜けた実力を誇っている。

今年度はこれを追う中堅の強豪が大混戦。崇徳高(広島)を筆頭に第2グループは最高到達点の高いチームがひしめいてお、状況が整えば3強を刺し得る可能背も十分。

大会の興味は東海大浦安の連覇なるか、国士舘、東海大相模のいずれかがこれを止めて久々の全国制覇を成し遂げるか、というのが第1トピック。第2トピックはこの3強を、勝ち上がりの段階で倒しうるチームが現れるかどうか。そして第3トピックは、3強以外の配置に相当な偏りのある今回のトーナメントの中で、栄光のベスト8、そしてベスト4を勝ち得るチームはどこかということになる。


組み合わせの概況と各ブロック勝ち上がり有力校を簡単に俯瞰し、準決勝以降は「オーダーを読む」ことを主眼に展望を試みたい。

■組み合わせ
前述の通り、3強は分散配置。本命の東海大浦安がBブロック、東海大相模がAブロック、国士舘はDブロックに配された。

【Aブロック】

東海大仰星(大阪) [2回戦]
崇徳(広島) - 福井工大福井[1回戦]
佐賀商業(佐賀) - 東海大相模(神奈川)[1回戦]

埼玉栄(埼玉)[2回戦]
高松商業(香川) - 青森山田(青森)[1回戦]
平田(島根) - 箕島(和歌山)[1回戦]
大牟田(福岡) - 四日市中央工(三重)[1回戦]

上側の山は2回戦で東海大仰星高(大阪)と崇徳高(広島)が激突する。勝者が3回戦で東海大相模とぶつかり、この3校のうちベスト8に進めるのは1チームだけという過酷な山。

東海大仰星-崇徳は前半戦きっての好カード。高校選手権ベスト8の前者には村井慎太郎と小寺達という2枚看板がおり、金鷲旗ベスト8でプレシーズン期の若潮杯では3位に入賞している崇徳は三村暁之、香川大吾、野々内悠真、貫目純矢と上位対戦でも得点し得る駒を4枚揃えて戦力が分厚い。オーダー順開示前であり具体的な星勘定に踏み込むことは難しいがここは駒数と双方の守備力を掛け算して崇徳を推しておきたい。

崇徳-東海大相模も注目対決。第2グループとされる強豪高のうち「3強」を倒す可能性がもっとも高いのはおそらくこの崇徳で、東海大相模にとっては準決勝到達以前の最大の山場。若潮杯での対戦時には尾方寿應が谷口太三から、香川大吾が長谷川優からそれぞれ一本勝ちして1-1の引き分けという戦績が残っている。
オーダー順によってはどう転ぶか全くわからないカードだが、勝利へのシナリオ、勝ち得る「並び」のパターンがより多いのは東海大相模。金鷲旗で見せた戦闘力の上積みも勘案して、ここは東海大相模の勝ち上がりを推しておきたい。

下側の山は大牟田(福岡)-四日市中央工(三重)による1回戦が最大の山場。金鷲旗では「根性」とでも評すべき執念を発揮してベスト8入りした九州王者・大牟田は今回も地元開催で気合十分のはず。四中工は高校選手権、金鷲旗といま一つ力を発揮できておらず、明確な上積みがないとここを突破するのは厳しい。大牟田が小差で優位、勝者が埼玉栄(埼玉)との3回戦を経て東海大相模に挑み、そしてブロック勝ち上がりはやはり東海大相模と見る。


【Bブロック】

修徳(東京) [2回戦]
小杉(富山) - 京都共栄学園(京都)[1回戦]
高川学園(山口) [2回戦]
水戸啓明(茨城) - 沖縄尚学(沖縄)[1回戦]

大垣日大(岐阜) [2回戦]
新田(愛媛) - 北海(北海道) [1回戦]
明桜館(鹿児島) - 佐久長聖(長野) [1回戦]
仙台育英(宮城) - 東海大浦安(千葉) [1回戦]

上側の山は修徳(東京)に加え、小杉(富山)に高川学園(山口)と高校選手権ベスト8チームが2校詰め込まれた。穴のない修徳と小杉に爆発力のある高川学園という構図だが、ここは5人の平均値の高さに加え小川雄勢ら全国レベルでのポイントゲッター役を複数枚獲得しつつある修徳が勝ち上がると見る。

下側の山は東海大浦安が独走状態。影浦心を擁する新田が戦力的には次点と思われるが、枚数、ポイントゲッターの最高到達点ともに浦安とは相当の差がある。

準々決勝は東海大浦安-修徳。修徳は好チームだが、現時点でウルフアロンを止め得る駒はなく、となると浦安から2点以上を獲得しなければ勝利はない。この点考えてここも東海大浦安の勝ち上がりを推しておきたい。


【Cブロック】

作陽(岡山) [2回戦]
豊栄(新潟) - 盛大附属(岩手) [1回戦]
白鴎大足利(栃木) [2回戦]
九州学院(熊本) - 報徳学園(兵庫) [1回戦]

高知(高知) [2回戦]
前橋育英(群馬) - 嘉穂(福岡)[1回戦]
八頭(鳥取) - 長崎南山(長崎)[1回戦]
大成(愛知) - 天理(奈良)[1回戦]

唯一「3強」がいない大混戦ブロック。勝ち上がり候補は天理、作陽、豊栄、それに金鷲旗で存在感を見せた九州学院。

上側の山では作陽と豊栄が2回戦で対戦。豊栄は穴のない好チームであるが新チーム結成時からの課題である線の細さと勝負に対するナイーブさがいまだ払拭できておらず、パワーをベースに手堅く優位を積み重ねてくる作陽には相性が良くないと見る。作陽は3回戦で、九州学院もしくは全日本カデ超級王者の1年生・太田彪雅を擁する白鴎大足利との対戦が見込まれる。ここはどう転がるかわからないが、作陽優位と見ておきたい。

下側の山は天理と大成がなんと1回戦で激突。天理は西尾徹、大成は名垣浦佑太郎という大駒1枚を保有し、1、2年生が複数以上レギュラーに入るという構成上は相似のチーム。おそらく両者ともエースを大将、もしくは前に置くだけの戦力の厚みはなく、可能性が最も高いのは副将配置。下手をするとかち合う可能性も非常に大きいのではないか。その場合は名垣浦の良くも悪くも伸びやかな柔道に対して荒々しさと勝負に対する緻密さを併せ持つ西尾がやや優位で、イコールそれがチームの勝ちにつながると見る。両者が引き分け、もしくは位置がズレて1点ずつを獲得して周辺戦力比べになった場合は大成優位と見るが、ここは西尾の戦闘力の高さを買って天理の勝ち上がりを推しておきたい。

ベスト4の行方は混沌。ここに名前を挙げた全てのチームにチャンスがある。目の前、十分手の届く位置に掛けられた「全国大会ベスト4入り」という勲章にチーム全員がどこまで貪欲になれるかが一つのポイントだろう。


【Dブロック】

柳ヶ浦(大分) [2回戦]
東海大甲府(山梨) - 阿波(徳島) [1回戦]
津幡(石川) [2回戦]
田村(福島) - 上宮(大阪) [1回戦]

秋田(秋田) [2回戦]
国士舘(東京) - 静岡学園(静岡) [1回戦]
近江(滋賀) [2回戦]
宮崎日大(宮崎) - 旭川龍谷(北海道) [1回戦]

柳ヶ浦に東海大甲府、田村、静岡学園、近江と有力校数あれど、5人制点取りとなると国士館の勝ちあがり自体は動かないと見る。

上側の山はともに金鷲旗ベスト16入りを果たした柳ヶ浦と東海大甲府が2回戦で激突。勝者が田村と3回戦を戦いベスト8を争うという混戦ブロックだ。60kg級小倉拓実、81kg級金山天地、100kg級松谷鯉太郎と3人の九州王者を並べる柳ヶ浦が優位と見るが、東海大甲府と田村も選手の粒は揃っており勝負の上手いチーム。面白いブロックだ。

下側の山、国士舘は1回戦で佐藤和哉を擁する静岡学園と対戦。静岡学園が「上位食い」を画策してオーダー順を決めてきているのであればおそらく佐藤は大将ではなく副将か中堅。佐藤で決めてしまうか、もしくは佐藤で取った点を晒しながら粘る試合を志向するかで置き所は異なるが、国士舘としては以降の戦いに精神的なダメージの残らない、手堅い試合でここを切り抜けておきたいところ。

国士舘の3回戦の相手は金鷲旗6回戦で5勝3敗という泥沼の戦いを演じたばかりの近江。3敗のうち2敗は山田稔喜、片山大旗というレギュラー以外が喫したものだが、ここで慌てる試合を演じるようだと後が苦しい。Dブロックは国士舘の勝ち上がり自体は動かず、しかし金鷲旗を江畑、田崎が失点するという悪い形で落としたばかりの国士舘がどれだけポジティブな内容、精神的に乗っていけるような勝ち方を出来るかどうかが課題だ。


【準決勝-決勝】

高校選手権、金鷲旗という抜き試合レギュレーションで行われたこれまでの2大会は東海大浦安のウルフアロンという大駒1枚が大活躍、勝ち上がりの過程でもその出場の有無に関わらず盤面全体に非常に効いていた。

しかし攻撃力抜群だがギャンブル性の高い前田宗哉、サイズがあるわけでなく決して追いかけて取るタイプではない村田大祐というポイントゲッターのタイプに加え、メンタルの表裏が激しい折原虹之助、上位対戦でやっていける力をつけてまだ間もない粟野孝平と昨年に比べるとその戦力は凹凸が激しく、他校にとっては決して攻略不可能な面子ではない。客観的に見て「オーダー順次第ではどう転がるかわからない」戦力差だと見ていいだろう。

よって単純な戦力比較ではなく、東海大浦安がどう選手を配置するか、東海大相模と国士舘がこれをどう読んでどう選手を送り込むかを考えるのが展望としては正当だ。

東海大浦安のオーダーだが、しかし実は奇策を弄せる戦力構成ではない。ウルフを大将から外せるだけの戦力の安定感はなく、前で点差をつけられてから追いかける事態となった場合はタイプ的に攻撃枚数が1枚足りなくなってしまうために、金鷲旗のように後ろ3枚をポイントゲッターで固めることも難しい。普通であれば戦力分散はタブーだが、一気に点差をつけるというよりはブロックごとに我慢のしどころと取りどころを並列配置してジリジリリードを広げ、終わってみれば大差で勝利という考え方で来るのではないか。
思案のしどころは、まず1試合限定であれば我慢が効く粟野を前で使うのか、サイズのある選手に頑張りきれない試合が続いている折原をどこで使うのか、そして村田の処遇である。

エース格以外の「取れるところで拾う」戦いをしているだけではおそらく浦安は倒せない。取って取られての乱戦は昨年以来東海大浦安が得手としているところで、このチームに勝利するにはそれに加えてもう1つ上積みが必要だ。単なる1勝ではなくチーム全体のメンタルを揺らすような、心に刺さるような一撃が要るのではないか。
この観点からの狙いどころは村田。サイズはないが、自己評価の高さを結果に繋げるタイプでチームメイトもおそらくその、プライドと精神力の高さゆえエース級の仕事を果たしている、そして星勘定的には試合を決めるべき「3点目」を担う村田の役割と位置づけを良く理解しているはずだ。この村田がプライドを折られるような敗北を喫するというシナリオが、図太い浦安の面々のメンタルに「刺さる」にはもっとも手の届く位置にある絵ではないか。浦安の強さを支える「3枚目」は、メンタルの強さで持っている選手。ここを崩すのが浦安打倒のカギだ。

おそらく、浦安サイドもこれは理解しているはず。事故が起こったときの手当てを考えると、村田は極端な後ろでは使えない。
となると例えばオーダーは「折原、村田、前田、粟野、ウルフ」。もしくは結局後ろ3枚を固定することになるが、村田の前出しというセンは守って「折原、粟野、村田、前田、ウルフ」。少なくともウルフの大将配置は間違いない。

これに対抗する相模、国士舘がどういうポリシーで作戦を組み立てるかが最大のみどころ。具体的にはウルフ戦を敢えて捨てて他で2点取るという考え方でいくのか、それともウルフを止めに行くのか。

東海大相模は眞砂谷幸弥、尾方寿應、春日良太と上位対戦で得点が見込める駒が3枚あるが、いずれもウルフに勝利、もしくは僅少差の対戦を演じたことはない。3枚の攻撃力の高さとこの実績を勘案すると、3枚のうち2枚を東海大浦安のポイントゲッター3枚から外して確実に得点、前田と村田いずれかに1枚を当てて得点もしくは分けさせることで勝ちを狙ってくるのではないか。
キーマンは金鷲旗大会の最後の最後で持ち味を発揮できなかった尾方。尾方がこの3枚のうち1枚を倒すような活躍を見せれば相模勝利の可能性も十分。

ただし、尾方の「中量以下×攻撃型」選手への圧倒的な取り味とその性格を考えるとこの選手は先鋒に起用される可能性も大。例年の登録の仕方を考えると春日、眞砂谷のいずれかを補欠に入れて偵察、「ずらして投入」という作戦を実現に掛かってくる可能性もまた高い。
いずれ相模が勝つにはロースコアゲームではない。攻撃という持ち味を最大限発揮する、かつ浦安の得意なはずの「取りあい」がこのチームの勝利のシナリオ。

一方の国士舘。これも枚数を考えるとウルフの位置からエース格を外しておくのが賢明だが、こちらは高校選手権決勝で江畑、田崎がほとんど引き分け(田崎が指導2負け、江畑が引き分け、田崎が残り数秒で一本負け)に近い試合を演じており、「エース格でウルフを潰す」という策を採る可能性がある。4枚目の磯田がサイズ、5枚目の森が取り味でポイントゲッター3人と差のある「3:2」という自軍の戦力構成を考えると、結局はエースでエースを潰すことは勝利への近道という発想をする可能性も高いのではないか。

江畑、田崎を「ずらす」ことが星勘定的には有効と思われるが、もしこの作戦を採って両者のいずれかを大将(この場合は田崎であろうが)に置くのであれば、勝負のポイントは後半ではなく、森翔平や磯田範仁、そして3枚目の吉良儀城らが相手のエース格以外とカチあう前半戦。ここでなんとかリードを得て、相手が良く見える状況で江畑、田崎に試合をさせたい。

戦力差は僅少。配列、そして順行運転に留まらない「何か」が勝負の行方を揺らす。まずは6日、監督会議でのオーダー順開示に注目したい。


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