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全日本実業柔道団体対抗大会男子第3部レポート

(2013年8月1日)

※ eJudo携帯版「e柔道」6月24日掲載記事より転載・編集しています。
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全日本実業柔道団体対抗大会
男子第3部レポート
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(写真:11年ぶりの試合に臨む吉田秀彦、1回戦開始直前の表情)
団体戦で実業柔道日本一を競う第63回全日本実業柔道団体対抗大会は6月15日、岡山県総合グラウンド体育館で開幕。

男子第3部、女子第1部の競技が行われた初日は、実業団体としては異例とも言える数の報道陣が会場に集結。取材対象はもちろん今大会での「現役復帰」を表明し、第3部団体戦での出場を確約していたバルセロナ五輪金メダリスト吉田秀彦だ。

今年43歳となる吉田は自身が監督を務めるパーク24の補欠としてエントリー。第2戦から出場との事前情報に反して、1回戦から副将として畳に姿を現すこととなった。

今年度の第3部は吉田に明け、吉田に暮れたトーナメント。本稿ではこの状況を正確に反映させるため、第3部マッチレポートとして吉田の全戦紹介を試みたい。

■1回戦
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(写真:吉田内股を試みるが決めきれず)
パーク24 5-0 ナチュラル
(先)月波貴広○横四方固△山内孝英
(次)海老沼聖○大内刈△高須秀也
(中)青木勇介○背負投△平田侑城
(副)吉田秀彦○大外刈△石川良如
(大)矢野大地○優勢[技有・体落]△長谷川賢二

吉田、初戦の相手は石川良如。174cm、68kg日体大出身の26歳。対する吉田の登録サイズは181cm、105kg。
テレビカメラがズラリと試合場を囲み、満場息を呑む中で試合は開始。

吉田は左、石川は右組みのケンカ四つ。吉田は釣り手で奥襟を叩き、背筋を伸ばして位押しに相手を追い込む。往年のスタイル通り、左足の爪先を振り上げて内股を晒す牽制に場内大いに沸く。
相手の右背負投に合わせて得意の左内股を引っ掛けてあわやという場面があったが、相手が畳に手をついて耐えると決めの段階で軸足が崩れてしまい「待て」。吉田苦笑いを浮かべながら開始線へ。

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(写真:吉田の初戦は左大外刈で一本勝ち)
1分13秒、場外際で両襟を握った吉田が左大外刈。相手は外側に一歩逃げるが吉田に上体を捻られて崩れてひざを着く。吉田もう一回入りなおして深く相手の左膝を捕まえると首を抱えるように体を捨て、左前隅に捻り落して「一本」。

会場大歓声。吉田、見事復帰戦を「一本」で飾った。常に大技のプレッシャーを晒しながら攻撃一辺倒。手数こそ少ないが、「いつ投げるか」のみが焦点と言って良い完全な上から目線の試合振り、往年のヒットマンスタイルを彷彿とさせる貫禄十分の一番であった。

■2回戦
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(写真:2回戦、吉田は得意の左内股を決める)
パーク24 5-0 大阪ガス
(先)月波貴広○合技△伊場友哉
(次)海老沼聖○小外刈△浅田健志
(中)青木勇介○背負投△菅田勝太
(副)吉田秀彦○内股△磯川章磨
(大)矢野大地○背負投△脇田大樹

この試合もチームメイトの全勝を受けて登場した吉田の相手は磯川章磨。179cm、95kg、岐阜高専出身の26歳。

左組みの相四つ。吉田に釣り手を持たせたくない磯川は先に袖を抑えて両袖を志向。しばし持たせた吉田、両袖のまま背負投を仕掛け、相手が切ろうとしたところで釣り手を奥襟に持ち直す。

吉田左足を振り上げて牽制しながら内股フェイントの左小外掛を見せ、位押しに押して投げのタイミングを伺う。1分13秒、組み手を嫌う磯川に「指導1」。

展開の圧力が相手に染み込み始めた1分48秒、吉田の左内股が炸裂。まず左大外刈に足を振り上げ、腰を引いた相手の残った足に左足を突っ込むとケンケンで270度回転、相手が片手を畳に着いて耐えるとジャンプするように体を捨てて決めきり「一本」。

往年がカミソリの切れ味ならばこれは鉈、というところ。ついに飛び出した吉田の代名詞である内股での勝利に場内はまたもやどよめき。吉田は2連勝、パーク24も2試合連続の5-0ゲームで3回戦進出。

■3回戦
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(写真:3回戦、吉田が左大外刈を狙う)
パーク24 4-0 ひらた整骨院クラブ
(先)月波貴広×引分×山元淳嗣
(次)海老沼聖○大内刈△上薗義明
(中)青木勇介○体落△平田和義
(副)吉田秀彦○大外刈△瀧澤順
(大)矢野大地○背負投△佐無田亮

吉田の相手は瀧澤順。大阪体育大出身、180cm、85kgの35歳。
左組みの相四つ、きちんと引き手側から持ち、釣り手を切ってくる相手だが、吉田動揺せずに前2戦同様位押しに押し、内股フェイントの左小外掛。磯川は先に左袖を引き手で押さえて押し込み、左小内巻込を見せるが吉田は背筋を伸ばしたまま潰す。

1分59秒、吉田が引き手で袖を相手の右側に押し込む攻防に織り交ぜつつ、渾身の左大外刈。

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(写真:完璧に決まった大外刈「一本」で吉田は4連勝)
再三の内股フェイントに腰が引けてきていた相手は耐え切れない。足一本で中空に完全に持ち上がり、両足を天井に向けて豪快に宙を舞って「「一本」。完全に相手の体を制した完璧な一撃だった。

呼吸を荒げて立ち上がった吉田はさすがにかなり疲労が激しい様子。この状態でも当たり前のように「一本」を挙げてみせる吉田の実力、そして精神力はさすが。

吉田、3試合連続の一本勝ち、チームも無失点を続けたまま準々決勝進出。

■準々決勝
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(写真:準々決勝、吉田の左内股。これで4試合連続の一本勝ち)
パーク24 3-1 十全会回生病院
(先)月波貴広×引分×米田義弘
(次)海老沼聖○合技△鎮守直樹
(中)青木勇介△横四方固○西原克明
(副)吉田秀彦○内股△吉田岳文
(大)矢野大地○優勢[有効]△山崎茂樹

吉田、4戦目の相手は十全会回生病院所属の吉田岳文。身長171cm、体重100kg、東日本国際大出身の30歳。
スコア1-1、いずれも一本勝ちという緊迫した状況で迎えたこの一戦は吉田が左、吉田岳文が右組みのケンカ四つ。

吉田開始早々に左内股、相手はすべるように座り込んで崩れるが投げ切れず。寝技の攻防があるが「待て」。吉田、疲労の色が濃い。

姿勢の良い吉田、組むことだけで相手がバランスを崩す印象。1分51秒、相手に「指導1」。

直後、呼吸を整えた吉田の左内股が炸裂。相手を場外際に追い込み、足を高く上げて相手の足を高く、頭を低くコントロールしつつ倒れ込むように縦回転させて決め切り「一本」。

吉田は4試合連続の一本勝ち。チームも大将矢野大地の「有効」優勢で勝利を確定し、パーク24はベスト4進出。

準決勝のカードは

旭化成 - 関西医療学園
パーク24 - つくばユナイテッド

の2試合となった。

[準々決勝結果]

旭化成 4-1 東レ
関西医療学園 3-1 アイシン精機
つくばユナイテッド 4-1 VILLAGE
パーク24 3-1 十全会回生病院

■準決勝
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(写真:吉田が鈴木壮太の「跳び十字」を立ったまま受け止める)
パーク24 3-1 つくばユナイテッド
(先)月波貴広○優勢[指導2]△藤田湧平
(次)海老沼聖○谷落△中野勝司
(中)青木勇介△送足払○森本翔太
(副)吉田秀彦×引分×鈴木壮太
(大)矢野大地○体落△窪田友樹

先鋒戦で先制したパーク24は次鋒の海老沼聖がケンカ四つの相手が腰を切って見せたところに瞬時に食いつき、裏投気味の豪快な谷落で一本勝ち。
しかし中堅戦は今年度の全日本選手権にも出場したばかりのつくばユナイテッド・森本翔太が貫禄を見せつけ、鋭い送足払で青木勇介を宙に回せて一本勝ち。2-1、パーク24が1点をリードした状態で吉田が畳に登場。

鈴木壮太は身長168cm、体重68kgの小兵。筑波大卒の22歳。
吉田は左、鈴木は右組みのケンカ四つ。鈴木は肩車、さらに「跳び十字」を仕掛けるが吉田立ったまま受け止め切って「待て」。

鈴木は引き手を嫌って持たせない。吉田早い判断で引き手で鈴木の柔道衣の裾を握って前に引き出し、左内股フェイントの左出足払、さらに足を先に差し入れての左内股。鈴木体を開いたまま高く宙に浮き、投げるには至らず「待て」、経過時間は1分32秒。

鈴木は「韓国背負い」にもぐりこむ。吉田はかわして左大外刈を放つが「待て」。鈴木は袖釣込腰で先んじて攻め「待て」。

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(写真:吉田は左小外刈、しかし決めきれず)
残り28秒、吉田内股のフェイントを入れての左小外刈、鈴木転がり伏せて「待て」。

残り時間わずか、吉田は前に出て鈴木を追い詰め、両襟を握って左小外刈。突進自体に崩された体の鈴木は腹を下にしたまま大きく浮き、転がり伏せて「待て」。出れば引き、待てば先手の技を繰り出す鈴木の典型的な軽量級柔道に吉田なかなか十分で技が出せない。

手数の少ない吉田に「指導」ひとつが宣告されたところで試合終了。吉田、引き分けでこの試合を終えた。

試合終了の声に苦笑い、ここまで実に5試合をこなした吉田はさすがに疲労困憊の様子。

この副将戦の結果2-1でパーク24がリード。パーク24の決勝進出、ひいては吉田のもう一試合追加なるか、注目の大将戦はパーク24の矢野大地とつくばユナイテッド・窪田友樹の対戦。

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(写真:矢野が右体落「一本」でパーク24の勝利決定)
右組みの相四つ。矢野は66kg級、対する窪田は180cm、81kgで体格差は明らか。窪田が試合をコントロールし、矢野が左袖釣込腰に大内刈と要所で技を打ち返しながら展開を留保するという様相。

2分過ぎに、窪田が釣り手で片襟を差して接近。しかし矢野は片襟を持ち返し、片襟の右体落一閃。ほとんど大外刈と呼んで良い深さ、一足で飛び込んだこの技に窪田対応できずクルリと一回転、「一本」。いつ矢野に「指導」が与えられるかという展開の劣勢からの逆転劇にパーク24サイドは大騒ぎ、吉田も手を叩いて矢野を称える豪快かつ劇的な一撃だった。

結果、3-1でパーク24が勝利、見事決勝進出を決めた。

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(写真:旭化成副将の斎藤涼が一本勝ち)
旭化成 3-1 関西医療学園
(先)出口雄樹○肩固△三木秀輝
(次)前野将吾×引分×鳥居智男
(中)大束匡彦△内股○宮下和也
(副)齋藤涼○大外刈△阿部健太
(大)白井勇輝○体落△金城正竜

準決勝もう1試合は旭化成が勝利。次鋒戦は前野将吾がベテラン鳥居智男に引き分け、中堅戦は73kg級の大束匡彦が天理大卒の超級選手宮下和也に一本負けを喫したが、副将齋藤涼、大将白井勇輝の連続一本勝ちで突き放して3-1で勝利。見事決勝進出を決めた。

■決勝
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(写真:第3部決勝戦は紅が旭化成、白がパーク24という顔合わせ)
充実のオーダーを組む旭化成は余裕を持っての決勝進出。この日は2回戦で羽田タートルサービスを5-0、勝負どころの3回戦は新日鐵住金を相手に副将斎藤と大将白井の2連勝で逆転、2-1で勝ち抜けると準々決勝は東レに4-1と圧勝。準決勝は前述のとおり関西医療学園を3-1で下して決勝進出を決めてきた。

一方のパーク24もここまで圧勝続き。1回戦はナチュナルを5-0、2回戦も大阪ガスを5-0、3回戦はひらた整骨院クラブを4-0、準々決勝は十全会回生病院を3-1と極めて順調な勝ち上がり。競り合いとなった準決勝も3-1でつくばユナイテッドを下し、見事決勝へと勝ち上がってきた。

オーダー順は下記。

旭化成 - パーク24
(先)出口雄樹 - 月波貴広
(次)前野将吾 - 海老沼聖
(中)大束匡彦 - 青木勇介
(副)齋藤涼 - 吉田秀彦
(大)白井勇輝 - 矢野大地

盤面は旭化成優位。吉田秀彦の相手は73kg級とはいえ全日本B強化選手を張る齋藤涼でここでパーク24が勝利を計算するのは難しい。パーク24の取りどころにしたい次鋒戦も66kg級B強化選手の前野将吾がマッチアップ、中堅戦も66kg級の青木は強豪だが1階級上のもと世界選手権代表大束匡彦が相手で試合は簡単ではない。

旭化成はどこからでも点を狙える布陣で我慢のしどころが次鋒戦と副将戦、対するパーク24は次鋒戦で得点し、粘り強く試合を進めながらチャンスを伺いたいというところ。

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(写真:旭化成先鋒の出口雄樹が左一本背負投「有効」を奪う)
先鋒戦は旭化成の出口雄樹と月波貴広がマッチアップ。序盤から出口が体格差をものともせずに前に出続け、相手を場外に押し出した47秒、月波に「指導1」が宣告される。
直後の組み際、出口が左一本背負投、一瞬耐えた月波だがゴロリと転がりこれは「有効」。
以後も出口は前に出て引き出しの右小内刈、片襟を差しての右大外刈、相手を捻り出しての右内股と仕掛け続けて圧倒。2分半過ぎには下げられた月波が場外でアドボードに激突してしまうほどの突進を続けてさらに2つの「指導」を追加。結局、3つの「指導」を奪う圧勝で先鋒戦は旭化成が1点獲得。

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(写真:勝負どころと目された次鋒戦は、前野将吾が見事な内股「一本」で勝利)
双方ポイントゲッターが登場する次鋒戦は旭化成・前野が右、パーク24の海老沼聖が左組みのケンカ四つ。
双方序盤から激しく攻め合って2分を過ぎても試合に差がつかず。前野は左右の一本背負投に片手の内股、海老沼は左小外掛を中心に攻めあう。

激しい攻め合いの結果、残り1分を過ぎて明らかに海老沼が疲労。状況の変化を見て取った前野、まず右大内刈を差し入れて海老沼の腰を浮かすと、次いで腰を切り返して右内股に連絡。

仕掛けた前野もともに宙に両足が浮く豪快な一撃は見事決まって「一本」。
旭化成が強さを見せつけ前衛2人で2点をリード。

大束と青木の中堅戦は3分9秒に青木に与えられた「指導」が唯一のポイントでこの試合は引き分け。

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(写真:吉田と斎藤涼による副将戦)
スコア2-0、2点のビハインドを受けていよいよ吉田秀彦がこの日最後の試合の畳に立つ。疲労困憊のはずだが、開始線に立ち相手を睨みつける様は貫禄十分。柔道担当記者は勿論、一般報道陣からも「凄い目だ」と驚嘆の声があがる。

旭化成・齋藤が右、吉田が左組みのケンカ四つ。
齋藤は釣り手で吉田の左袖を殺し、右へと回り込む。左小外刈で吉田を崩すと横三角を試み「待て」。経過時間は23秒。

組み手争いで指を痛めた吉田、呻き声を上げると片手を上げて試合を止め、しばし指を曲げ伸ばし。

齋藤は離れた位置から膝車、体落と放つ。立ってこれを捌いた吉田、体の利かなさゆえか苦笑いを浮かべて「待て」。経過時間は59秒。

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(写真:吉田は距離を詰め続け、齊藤は後退を余儀無くされる)
直後の展開、吉田は引き手を争いながら一足で左内股。齋藤は場外に出てたたらを踏んで「待て」。
1分30秒を経過したあたりから、吉田が釣り手一本のままジワリと前に。1分57秒、引き手を握り合わせたとの判断で双方に「指導1」。

2分半を過ぎたあたりから明らかに吉田が前に出始める。距離を取って力の圏外で勝負して吉田の内股の威力を減殺したい齋藤に対し、「足さえ突っ込めば一発持っていく」ことを前提にした吉田はこの齋藤のプランを無力化すべく両襟、あるいは引き手を握って前に出て距離を詰め続ける。

安易にこの前進を止めては吉田の力を受ける距離となってしまう齋藤、カン良く逆らわずに場外に出ること二度。3分34秒には外に出た齋藤を吉田が回りこんで誘導、場内に向かって左内股を放つ。

再び吉田がおもむろに前に出て距離を詰めに掛かると、止まるわけにはいかない齋藤は場外へ。ここで齋藤に「場外」との判断で2つ目の「指導」が宣告される。残り時間は21秒。

齋藤片手の内股を放つが、吉田崩れずそのまま試合は終了。「指導2」による優勢で吉田が勝利、パーク24が1点を返した。

現役強化選手の齋藤を相手に勝利したという事実はもちろんだが、自身を強者として規定したその試合の組み立てにはこれを上回る凄みがあった。距離を取りたい齋藤に対して、引き出さなくても足を差し入れるだけで相手を浮かすことの距離、内股の力が伝わる間合いにさえ入り込めば試合は自分のものとでも言わんばかりに邪気なく距離を詰め続け、そのプレッシャー自体で齋藤を潰した。圧が掛かる後半勝負という組み立ても体格差をしっかり織り込んでのもので、旭化成・中村兼三監督の「齋藤だったから「指導2」で済んだ」との言葉は十分うなずける。吉田はこれで6試合を戦い5勝1分け、4つの一本勝ち。堂々たる成績だった。

大将戦はパーク24の矢野が右袖釣込腰を中心に攻め込み、矢野の早い動きを嫌った白井に「指導」ひとつが与えられるがそのまま引き分け。スコア2-1、旭化成の勝利で決勝は終了した。

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(写真:試合終了後、監督として選手に声を掛ける吉田)
旭化成 2-1 パーク24
(先)出口雄樹○優勢[指導3]△月波貴広
(次)前野将吾○内股△海老沼聖
(中)大束匡彦×引分×青木勇介
(副)齋藤涼△優勢[指導2]○吉田秀彦
(大)白井勇輝×引分×矢野大地

試合のポイントは先鋒戦。旭化成としては強者同士がぶつかる次鋒戦と中堅戦を前に先制し、リードを背景にここを戦えたことが大きかった。パーク24としては唯一の重量選手月波に、いま少し我慢の効く戦いを期待したかったところだろう。

そして冒頭に記した通り、この日の主役は間違いなく吉田秀彦。試合後、大勢の報道陣に囲まれた吉田は「遠い岡山まで大勢来てくださってありがとうございます」と報道陣に一礼し「出ることで皆が集まってくれて、良い話題にしてくれるので本当にありがたい。柔道界に少しは明るい話題を提供できたかと思います」と使命感溢れるコメント。

上層部に続発した不祥事によりネガティブな話題の多い柔道界だが、さまざまなステージの人間が、それぞれの立場で「柔道」の誇りを保つために戦っている。「(不祥事については)管轄外なんで。僕は僕のやり方でやりたい」と語ったこの日の吉田の6戦は、吉田なりのやり方、体を張っての「柔道の良さ」のアピールであったと評し、これを総括としたい。

社会に対する「柔道」からの明るい話題の発信、年配柔道家に与えた勇気、そして若手に見せ付けたスターとしてのあるべき姿。改めて天才・吉田の凄さとスケールの大きさを感じさせた1日であった。

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(写真:優勝の旭化成)
【入賞者】

優勝:旭化成
準優勝:パーク24
第三位:つくばユナイテッド、関西医療学園

優秀選手:
大束匡彦(旭化成)、白井勇輝(旭化成)
矢野大地(パーク24)、吉田秀彦(パーク24)

中村兼三・旭化成監督のコメント
「負傷者も出ましたし、新日鐵さんと早々に当たりましたし、厳しい試合でした。1試合1試合本当に競った試合で、監督として初めての全日本大会で非常に勉強になりました。明日の1部、2部に向けて良い流れができたのではと思います。吉田選手は年齢を考えると本当に頭が下がります。選手も対戦できるのはありがたいことですし、良いところを見習ってがんばってもらいたい。齋藤が負けたというより、あの試合の組み立てと圧力、齋藤がむしろうまく捌いて「指導」で止めたという感じじゃないでしょうか。」

吉田秀彦・パーク24監督のコメント
「いやー、きつかったです(笑)。こんなに柔道で疲れるものかと驚きました。準決勝と決勝は畳に入る前に足が痺れてどうしようかと思いました。次やるとしたらこんな稽古ではだめですし、あらためて柔道の難しさがわかった気がします。全日本の予選に出るとなれば、柔道を変えないとダメでしょうね。肩も痛いし、内股も入り方を変えるところから考え直さないと。準決勝は取れなかったし、決勝は状況からして「一本」を取らなきゃいけない試合でしたが、11年ぶりに試合をして負けなかったのがなにより良かったと思います。柔道界がこれで少しでも盛り上がればありがたいですね。ただ、僕が出ないと盛り上がらないようではいけない。これからしっかり選手を作っていきたいと思います」

【準々決勝】

旭化成 4-1 東レ
関西医療学園 3-1 アイシン精機
つくばユナイテッド 4-1 VILLAGE
パーク24 3-1 十全会回生病院

【準決勝】

パーク24 3-1 つくばユナイテッド
旭化成 3-1 関西医療学園

【決勝】

旭化成 2-1 パーク24


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