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ワールドマスターズ2013・男子各階級概況×詳細

(2013年6月27日)


※eJudo携帯版「e柔道」5月30日掲載記事より転載・編集しています。

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ワールドマスターズ2013・男子各階級概況×詳細

第1シードの高藤、課題露呈も持ち前の爆発力見せつけ見事優勝
60kg級

13WM_60.jpg
写真:グランドスラム3連勝、
ワールドマスターズも制した高藤
※写真は12年グランドスラム東京時
【入賞者】
1.TAKATO, Naohisa(JPN)
2.GANBAT, Boldbaatar(MGL)
3.KITADAI, Felipe(BRA)
3.PAPINASHVILI, Amiran(GEO)
5.MUDRANOV, Beslan(RUS)
5.SMETOV, Yeldos(KAZ)
7.DASHDAVAA, Amartuvshin(MGL)
7.TELMANOV, Askhat(KAZ)

ランキング1位の高藤、2位パピナシビリ(グルジア)、3位ダシュダバー(モンゴル)、5位キタダイ(ブラジル)ら高ランキング選手が軒並み参加。五輪王者のガルスチャン(ロシア・WR4位)はエントリーを回避したが、北京-ロンドン期の「ソビロフ-ザンタライア-平岡」時代の終わりを受けて、ロンドン-リオ期の60kg級勢力図再編が始まる今大会にふさわしい強者が参集した。

そんな中優勝を飾ったのはランキング1位の高藤直寿(東海大2年)。

2回戦の相手はテルマノフ(カザフスタン・WR14位)。左相四つで肩越しに釣り手を叩き込んでくる高藤のもっとも嫌うタイプだ。
右構え、左構えとスタンスを変えながら背中を抱えてくるこの相手に高藤は両腕その操作で巧みに距離を作り出しながら右背負投を打ち返して試合を進め、1分13秒には相手の背中に食いついて持ち上げ、組み手とは逆の右方向への移腰で「有効」奪取。さらに2分22秒には相手が釣り手を入れてくるところに左小内刈を差し込んで「有効」を追加。以後は息切れし「指導2」まで受けたがまずまずの出来で初戦を突破。

準決勝は前戦でキタダイを左一本背負投「一本」で破ったムドラノフ(ロシア)が相手。ムドラノフが巴投で潰れた後の寝技の展開、伏せた相手の左腕を極めながらめくり返し、左から左脚を抱える変則の後袈裟固で一本勝ち。

決勝にあがってきたのはガンバット(モンゴル)。この試合の高藤はケンカ四つでパワー自慢のガンバットに「指導」を先行されて苦しい展開、さらに1分56秒には背中を抱えて左小内刈、左内股と攻め込んだところを右内股で切り返されて「有効」を失ってしまう。

以後は試合を緩やかに進めることに腐心して引き手を切ることを続けるガンバットに「指導2」「指導3」、追い詰め切れない高藤にも「指導2」が累積した3分20秒過ぎ、打開を狙ったガンバットが左方向への横落。これを見極めた高藤、瞬間時計回りにこれを潰し制すと、崩れたガンバットの上に体を乗せて決めきる。主審迷わず右手を真上に挙げ、逆転の「一本」、3分25秒。

ガンバットは直前の展開で同じ技を見せており、一度見た高藤は明らかにこの技を狙っていた。高藤の勝負勘と反射神経の良さ、身体能力の高さを象徴するような素晴らしい一撃だった。

リードしながらスタミナ切れを起こして「指導」を立て続けに失った初戦。不用意に背中を抱えて失点した決勝で見せた、意外なまでの受けの軽さ。懸案の変形の長身選手、パワーファイター相手の課題を露呈しながらも、一瞬の技の鋭さ、速さ、勘の良さという長所でこの「穴」を塞いで高藤が見事優勝、というのが今大会の総括。

相変わらず漂う不安定さと、それを補って余りある爆発力。よって世界選手権は「優勝に十分手が届くが、確実ではない」という事前予想が妥当だろう。

いずれ、グランドスラム3大会連続制覇にワールドマスターズ優勝の高藤が優勝候補の一番手であることが間違いない。
おそらく唯一の敵は五輪王者ガルスチャン。現在ランキング4位(ワールドマスターズ開始前時点)、このままなら高藤の山に配される可能性の高いガルスチャンがシード権を取るべく地元開催のグランドスラム・モスクワに出てくるのかどうか、これが非常に注目されるところ。

トーナメント全体では第2シードのパピナシビリ、続いてキタダイ、ダシュダバーといずれもが2回戦で敗退してやや荒れた形となったが、これはアップセットというよりは、勢力図再編成のただ中にあるこの階級の、各選手の実力の接近ぶりを現すものと捉えるべきだろう。結果的にはキタダイとパピナシビリは3位に収まり、順当と言えるトーナメントだった。

【日本人選手勝ちあがり】
高藤直寿(東海大2年)
成績:優勝

[2回戦]
高藤直寿○優勢[有効・移腰]△テルマノフ(カザフスタン)
[準決勝]
高藤直寿○後袈裟固(1:43)△ムドラノフ(ロシア)
[決勝]
高藤直寿○浮落(3:25)△ガンバット(モンゴル)


高上大魚を逸す、優勝はダークホースのリム
66kg級

13WM_66.jpg
写真:ノーシードから優勝を飾ったリム
※写真は11年グランドスラム東京時
【入賞者】
1.LIM, Sergey(KAZ)
2.TAKAJO, Tomofumi(JPN)
3.LAROSE, David(FRA)
3.POLLACK, Golan(ISR)
5.DAVAADORJ, Tumurkhuleg(MGL)
5.SANJAASUREN, Miyaragchaa(MGL)
7.DRAGIN, Dimitri(FRA)
7.GADANOV, Alim(RUS)

第1シードのダバドルジ(モンゴル・WR1位)と第3シードのシカリザダ(アゼルバイジャン・WR6位)、第4シードのカンマゴメドフ(ロシア・WR7位)が初戦敗退、第2シードでグランドスラムパリ王者のラローズ(フランス)が2回戦敗退とトーナメントは荒れた。

優勝を飾ったのはダークホースのリム(カザフスタン)。
リムのランキングは21位。五輪王者シャブダツアシビリ(ロシア・WR2位)、海老沼匡(WR4位)、チョジュンホ(韓国・WR5位)、森下純平(WR10位)らの強豪選手の欠場を受けての繰り上がり出場だったが、思わぬビッグタイトルの獲得となった。

この日は1回戦でシカリザダから「指導」2つを奪っての優勢勝ち、2回戦はガダノフ(ロシア)からGS延長戦の末に鋭い左大内刈で「技有」を奪って勝利、準決勝はラローズに相手に「指導」3つを失って敗退濃厚だったがもろ差しからの左小内刈で「有効」を奪い逆転勝ちで決勝進出決定。

決勝はここまで落ち着いた戦いぶりで勝ちあがってきた日本の高上智史(日体大4年)と対戦。

高上右、リムが左組みのケンカ四つ。高上が片手ながらも右背負投を積極的に仕掛けて29秒リムに「指導」。以後は引き手争いが続いて1分48秒に双方に「指導」が与えられ戦況は高上有利。

しかし2分30秒過ぎ、リムの左内股を高上が透かした展開から、リムが腕挫十字固。高上これを外せず「一本」で試合は決着。リムの優勝が決まった。

高上はこの日比較的組み合わせに恵まれ、かつ落ち着いた態度で勝ちを重ねて優勝の可能性十分であった。リオ世界選手権代表こそ逃したが、強化陣の評価は高く、秋以降に向けてここで一段存在感を上げておきたかっただったところだけにまことに残念な結果。

リムは2011年のグランドスラム東京で森下純平に一本背負投で勝利するなどもともと爆発力のあった選手。この日は地力の高さよりも勝負の波を巧く捕まえたという印象のほうが強いが、一線級と戦い続けてコンスタントに成績を残せるようなら勿論脅威になってくる。今後を注視したい。

60kg級ロッテルダム世界王者のザンタライア(ウクライナ)は初戦でラローズにいずれも内股で「有効」「技有」と失って敗退。

第1シードのダバドルジはポラック(イスラエル)に大内返で一本負け、2回戦敗退だった。

もとワールドマスターズ王者のミラグチャ・サンジャスレン(モンゴル)は2回戦でラローズに得意の小内刈を食って一本負け。これまで2トップを張っていた国内のライバル・ツァガンバータルの73kg級転向で世界選手権に向けて注目されていたが結果はダバドルジと共に5位。軽中量級の強国モンゴルから66kg級は誰が代表で出てくるのか、まだ読み切れない情勢だ。

【日本人選手勝ちあがり】
高上智史(日体大4年)
成績:2位

[2回戦]
高上智史○崩上四方固△カルダヴァ(グルジア)
[2回戦]
高上智史○優勢[指導2]△ドラジャン(フランス)
[準決勝]
高上智史○優勢[有効・小内刈]△ポラック(イスラエル)
[決勝]
高上智史△腕挫十字固○リム(カザフスタン)

サインジャルガル順当に優勝、ツァガンバータルも3位入賞でモンゴル勢の躍進続く
73kg級

【入賞者】
1.SAINJARGAL, Nyam-Ochir(MGL)
2.ELMONT, Dex(NED)
3.KHASHBAATAR, Tsagaanbaatar(MGL)
3.SHARIPOV, Mirali(UZB)
5.JURAKOBILOV, Navruz(UZB)
5.MENDONCA, Bruno(BRA)
7.GANBAATAR, Odbayar(MGL)
7.VAN TICHELT, Dirk(BEL)

第1シードのサインジャルガル(モンゴル・WR1位)と第2シードのエルモント(オランダ)が順当に決勝進出。力勝負の近接戦闘の中からサインジャルガルが片襟の右大外刈に右背負投、左小外掛と仕掛け続けて「指導」2つを獲得、優勝を決めた。

この日の大きな見どころは準決勝、サインジャルガルが同国の英雄、もと66kg級世界王者ハッシュバータル・ツァガンバータルと戦った一番。試合は中盤にサインジャルガルが相手の体を完全に腹上まで持ち上げた裏投で「有効」奪取。最後は両者フラフラだったがそのままサインジャルガルが逃げ切った。
両者は試合が終わるとガッチリ握手。今夏の世界選手権、人材豊富なモンゴルの「2枠目×2階級」がどこになるかは世界の注目の的だが、1階級は73kg級、そしてこの2人を投入してくる可能性が大だ。

北京-ロンドン期の上位常連であるファンティシエル(ベルギー)は2回戦でツァガンバータルに敗退。

2位のエルモントは組み合わせに恵まれ、最初の勝負どころとなった準決勝ではジュラコビロフ(ウズベキスタン)に崩袈裟固で抑え込まれながらも抜け出し、すかさず崩上四方固で抑え返しての逆転勝利を収めての決勝進出。安定した力を見せ付けた。

日本の西山雄希(筑波大4年)はファンティシェルを相手に淡々と試合を進めてしまい、「指導」2つを失って1回戦敗退だった。

【日本人選手勝ちあがり】
西山雄希(筑波大4年)
成績:1回戦敗退

[1回戦]
西山雄希△優勢[指導2]○ファンティシェル(ベルギー)


地元ニフォントフ久々存在感示す優勝、長島啓太は惜しくも2位
81kg級

【入賞者】
1.NIFONTOV, Ivan(RUS)
2.NAGASHIMA, Keita(JPN)
3.PENALBER, Victor(BRA)
3.TCHRIKISHVILI, Avtandil(GEO)
5.KHABACHIROV, Murat(RUS)
5.VALOIS-FORTIER, Antoine(CAN)
7.IMAMOV, Yakhyo(UZB)
7.MAGOMEDOV, Sirazhudin(RUS)

優勝はノーシードから勝ち上がったニフォントフ(ロシア・WR16位)。1回戦はピエトリ(フランス・WR5位)を大内刈(4:49)、2回戦は優勝候補筆頭、売り出し中のペナウベル(ブラジル・WR1位)を小外刈(1:21)、準決勝はバロアフォルティエ(カナダ・WR13位)を片襟の左背負投(2:58)とすべて一本勝ちで決勝進出。決勝は長島啓太(日本中央競馬会)と対戦、互いに「指導1」累積で迎えた中盤、長島の左体落に反応して横掛に体を捨てる。捌いた長島が体を浴びせてくるところを迎え撃って下から腕挫十字固を敢行、相手が持ち上げようとするところをそのまま極めて「一本」、3分35秒。全試合一本勝ちという抜群の成績でワールドマスターズ優勝を決めた。

09年ロッテルダム世界選手権王者のニフォントフは久々のビッグタイトル獲得。ロンドン五輪では銅メダルを獲得したが中途の3年間はタイトルがなく、存在感が薄れていた矢先のロンドン3位、そして今大会の優勝。ロンドン後もっとも成績を残しているペナルベルを相手に冷静に戦い続けてワンチャンスで「一本」を決めて見せた2回戦、同じくロンドン後上位の常連となった五輪3位のヴァロアフルティアを畳に埋める勢いで投げつけた準決勝など今大会は凄みの戦う戦いぶりだった。人材豊富なこの階級であるが、ニフォントフは間違いなく優勝候補の一角と考えて良いだろう。

日本の長島は惜しくも2位。世界選手権代表が決まって腹が据わったか、この日は非常に落ち着いた戦いぶりで、1回戦は相四つ横変形の強豪チキラウリ(グルジア)とあくまで組み合ったまま冷静に技を入れ続けて「指導2」の優勢勝ち、2回戦はこれもパワーファイターのマゴメドフ(ロシア)と対戦、相手が捨身技に来るところを良く見極めて左体落を被せて乗りまわり「有効」奪取の優勢勝ち。準決勝は前戦で欧州王者のチリキシビリから「有効」「技有」に大内刈「一本」を奪う圧勝で勝ち上がってきたカバチロフ(ロシア)を相手に粘り強く試合を進め、相手が消耗した最終盤に横三角から相手の右腕を括って崩上四方固で一本勝ち(5:00)という好内容の勝ち上がり。

決勝の敗戦だが、完璧な組み手を作りながら仕掛けが遅くなった1分50秒過ぎから2分30秒の展開が悔やまれる。一本負けした場面は相手の捨身技に対して反応が良すぎたことで却って深く捕まることになったことと、持ち上げることで肘が極まり易くなってしまった。不運と一瞬の判断ミスの乗算で失った「一本」だった。

ただし、それでも長島のこの日の試合振りは出色。強豪との連続対戦を落ち着いた試合態度と冷静な判断の連続で勝ち抜いたその戦い方は、長島が一段階段を上ったと評して差し支えないものであった。決勝の「参った」すらほとんど表情を動かすことはなく、極まりの深さと世界選手権を3ヶ月後に控えるというタイミングを考慮しての冷静な判断、と評したくなる落ち着きっぷりであった。

今大会の長島の戦い方は、自身の特徴である二本持った状態での技の切れ、そしてパワーファイターが揃う81kg級というバックグランドを考えた上での、おそらくは世界選手権に向けた「戦闘スタイル」の試運転であったのではないだろうか。チキラウリ、マゴメドフ、カバチロフというパワーファイターを相手に主導権を握り、そして勝利した今大会に関してはそれは正しい選択であったとポジティブに評したい。

ただし世界選手権は周囲のモチベーションがまったく違う。互いがある程度順行運転で試合を進めることを前提としたこのスタイル、良くも悪くも試合を壊しにいくことのない今回の組み立てだけで世界選手権を勝ち抜くことが出来るかどうかとなると少々疑問だ。ある程度勝負出来ることはわかった。この先に長島らしい爆発力を盛ることができるのかどうか、良い意味でのスタイルの「破綻」を期待したい。

【日本人選手勝ちあがり】
長島啓太(日本中央競馬会)
成績:2位

[1回戦]
長島啓太○優勢[指導2]△チクラウリ(グルジア)
[2回戦]
長島啓太○優勢[有効・体落]△マゴメドフ(グルジア)
[準決勝]
長島啓太○崩上四方固(5:00)△カバチロフ(ロシア)
[決勝]
長島啓太△腕挫十字固○ニフォントフ(ロシア)


イリアディスあっさり優勝、世界選手権3連覇に向けて視界良好
90kg級

13WM_90.jpg
写真:あっさり優勝を飾ったイリアディス
※写真は12年グランドスラム東京時
【入賞者】
1.ILIADIS, Ilias(GRE)
2.DENISOV, Kirill(RUS)
3.GONZALEZ, Asley(CUB)
3.LIPARTELIANI, Varlam(GEO)
5.ABD EL AKHER, Hatem(EGY)
5.SHIMOWADA, Shohei(JPN)
7.CAMILO, Tiago(BRA)
7.GREKOV, Valentyn(UKR)

世界選手権2連覇中のイリアス・イリアディス(ギリシャ・WR4位)があっさり優勝。1回戦はユレッカ(チェコ)に内股「技有」を奪って優勢勝ち、2回戦は前戦でチョリエフ(ウズベキスタン)を一本背負投「技有」で勝利したグレコフ(ウクライナ)を背負投「一本」に仕留め、準決勝は五輪2位で第2シードのゴンザレス(キューバ・WR2位)が組み合うことを怖がり、あっというまに「指導」4つが累積しての反則勝ち。

決勝は相手のデニソフ(ロシア・WR4位)が準決勝のリパルテリアニ(グルジア・WR1位)戦で手首を負傷、棄権勝ちでイリアディスの優勝が決まった。

イリアディスは平均点の調整と出来で、それでもあっさり勝利したという印象。世界選手権はやはり優勝候補の筆頭と考えて間違いないだろう。

第1シードの今期欧州王者リパルテリアニ(グルジア・WR1位)は準決勝でデニソフに「指導1」で敗退。もと世界王者で今期のグランプリデュッセルドルフで2位に入ったカミロ(ブラジル)は2回戦でデニソフを相手に背負投「技有」を奪いながら、支釣込足からの腕挫手固で逆転を許し、7位に留まった。

下和田翔平(京葉ガス)は1回戦でガラマノフ(アゼルバイジャン)に勝ち、2回戦でリパルテリアニ、3位決定戦でゴンザレスに敗退。ある意味ランキング通りの結果に終わった。

【日本人選手勝ちあがり】
下和田翔平(京葉ガス)
成績:5位

[1回戦]
下和田翔平○横四方固(5:00)△ガラマノフ(アゼルバイジャン)
[2回戦]
下和田翔平△合技(1:26)○リパルテルアニ(グルジア)
[敗者復活最終戦]
下和田翔平○不戦勝△カミロ(ブラジル)
[3位決定戦]
下和田翔平△優勢[指導3]○ゴンザレス(キューバ)


ママドフ優勝、グロルはまたしても2位でタイトルに手が届かず
100kg級

【入賞者】
1.MAMMADOV, Elkhan(AZE)
2.GROL, Henk(NED)
3.GASIMOV, Elmar(AZE)
3.MARET, Cyrille(FRA)
5.SAMOILOVICH, Sergei(RUS)
5.SAYIDOV, Ramziddin(UZB)
7.BATTULGA, Temuulen(MGL)
7.DARWISH, Ramadan(EGY)

第1シードのグロル(オランダ・WR2位)とママドフ(アゼルバイジャン・WR11位)が決勝を争い、ママドフが優勢勝ちで優勝を決めた。

ママドフは1回戦でヌネス(ブラジル)に浮技で「技有」を奪われながら、そのまま逆に横四方固で抑え込んで一本勝ち(3:17)。これがこの日最大のピンチで、2回戦はサイドフ(ウズベキスタン)から「技有」優勢勝ち、準決勝は地元の期待を背負ったサモイロビッチ(ロシア)から3つの「指導」を奪った末に引き出しの右小内刈で一本勝ち(3:22)と順調な勝ち上がり。決勝は2分37秒に支釣込足で「有効」を奪うと、右相四つのグロルの釣り手を絞って安全な試合運び。そのまま試合を終えて見事ワールドマスターズ制覇を決めた。

ママドフはもともと90kg級の選手で、2010年東京世界選手権の銅メダリスト。4月には地元のグランドスラム・バクーを制しており、100kg級でもコンスタントに上位戦線に絡んでくることは間違いない情勢。

世界選手権で銀メダル2回のグロルはまたしても決勝で敗れて優勝に手が届かず。絶対の優勝候補がいない今大会は大チャンスと思われたが、またしても「銀」を手に会場を去ることとなった。

日本の小林大輔(ALSOK)は開始早々に谷落で失った「有効」を取り戻せず、ガシモフ(アゼルバイジャン)を相手に1回戦敗退。ガシモフも次戦であっさりグロルに敗れ、評価を下げた大会となった。

【日本人選手勝ちあがり】
小林大輔(ALSOK)
成績:1回戦敗退

[1回戦]
小林大輔△優勢[有効・谷落]○ガシモフ(アゼルバイジャン)


オクルアシビリ、得意の裏投決めまくってビッグタイトル獲得
100kg超級

【入賞者】
1.OKRUASHVILI, Adam(GEO)
2.SILVA, Rafael(BRA)
3.SAIDOV, Renat(RUS)
3.TOELZER, Andreas(GER)
5.MOURA, David(BRA)
5.SANTOS, Walter(BRA)
7.BRAYSON, Oscar(CUB)
7.NAZHMUDINOV, Magomed(RUS)

第2シードのオクリアシビリ(グルジア・WR4位)が優勝。2回戦でブライソン(キューバ・WR12位)を裏投「一本」(3:06)、準決勝もサントス(ブラジル・WR8位)を背後から持ち上げて遠くに放り投げ裏投「一本」(4:38)、そのパワーに会場中があきれ返る中、連続の一本勝ちで決勝進出決定。

決勝は第1シードのシウバ(ブラジル・WR2位)と対戦。シウバが慎重に試合を進める。1分40秒には右内股、オクリアシビリが背後に付こうとすると露骨にしゃがみこんで展開を切り、裏投への警戒が明らか。

2分43秒経過時点で双方に「指導」2つが累積。

3分27秒、我慢できなくなったシウバが右内股巻込。これを待っていたオクルアシビリが体を捨ててめくり返し隅落「有効」。

それでも行くしかないシウバが再び内股巻込。オクリアシビリ思い切り返して「技有」奪取、そのまま抑え込んで合技の一本勝ち、見事ワールドマスターズ制覇を成し遂げた。

決勝は試合巧者のシウバがオクリアシビリの返し技のプレッシャーに屈したという試合だった。シウバは序盤「指導1」をリード、2分18秒には双方に「指導」で累積差のリードを保って優位を取り続けたが、ここで詰めを誤り、消極の「指導」を受けてタイスコアに戻してしまった。
シウバが試合を動かそうとすること自体が既にオクリアシビリの術中だったという印象。よってこのタイスコアに戻された2分43秒の「指導」が明らかな試合の分岐点だった。

オクルアシビリは自身の特徴を良く弁えた試合ぶり。世界選手権に向けてトップファイターに警戒心を抱かせるに十分の内容だった。

一方のシウバは柔道が正統派に過ぎ、形が作れないと攻め手がない。「指導」の早い新ルールでは今後も苦戦が免れないだろう。

テルツァー(ドイツ・WR11位)は2回戦でサントスに不覚、3位決定戦で同じブラジルのモウラ(WR10位)に一本勝ちして表彰台を確保した。

百瀬優(旭化成)はノーシードの地元選手ナズムディノフ(ロシア)に開始50秒の出足払で一本負け。全日本選手権以来続く低パフォーマンスを継続させる形で大舞台を終えた。

【日本人選手勝ちあがり】
百瀬優(旭化成)
成績:1回戦敗退

[1回戦]
百瀬優△出足払(0:50)○ナズムディノフ(ロシア)




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