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平成25年全日本選抜柔道体重別選手権大会男子レポート・81㎏級~100kg超級

(2013年6月26日)


※eJudo携帯版「e柔道」6月21日掲載記事より転載・編集しています。

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選抜体重別男子レポート
81㎏級~100kg超級 1/2


天理大勢がトーナメント席巻、丸山剛毅が「一本」連発で初優勝
81kg級

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写真:1回戦、安田知史が
中井貴裕から一本背負投「技有」を奪う
ロンドン五輪代表の中井貴裕(パーク24)と第1シードの長島啓太(日本中央競馬会)がともに初戦で敗退。

中井は安田知史(天理大4年)と対戦。相四つの安田に左小外掛で攻め込み「指導1」を先行したが、1分56秒に抱きつきの小外刈に出たところに高い打点の左一本背負投を決められて「技有」失陥。立ち背負いの得意な安田の柔道を見極めて以後は2分32秒に「指導2」奪取、3分に「指導3」追加、さらに3分8秒には左一本背負投をいなして小外刈に捉えて転がし(「有効」宣告も取り消し)、3分49秒には右袖釣込腰を潰して落とす(「有効」宣告も取り消し)など中井らしく攻め続けるがどうしても攻撃ポイントが確保できない。

ならばあと1つの「指導」で反則勝ちを収めるしかないと中井が前に出た4分12秒、安田が左背負投。これまで同様あくまで立って仕掛ける、ほとんど釣込腰と言って良いほど深く強い一撃に中井たまらず一回転「一本」。

安田の豪快な投げに場内はどよめき。世界選手権、五輪と3回連続で世界大会代表を務めてきた第一人者の敗退で世界選手権代表選考は一気に混沌としてきた。

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写真:1回戦、丸山剛毅が
長島啓太の左大内刈を左内股に切り返し
「技有」奪取
講道館杯優勝、グランドスラムパリ3位で世界選手権代表レースの先頭を走る長島の初戦の相手は11年世界ジュニア王者丸山剛毅(天理大3年)。長島は余裕を持って試合を展開、左相四つの丸山を前にあおりだしながら左内股、左大外刈、左大内刈と落ち着いて攻め続ける。丸山の柔らかい受けの前になかなかポイントには繋がらなかったが、49秒に「指導1」、1分49秒に「指導2」を獲得して戦況はまことに順調。しかし2分半を過ぎたあたりから丸山が思い切りの良い左内股を放ち始め、長島しっかり受け止めるものの以後はポイントを積み重ねられず。
残り40秒、あくまで攻撃ポイントを狙う長島が得意の左大内刈。丸山背筋を伸ばして受け止めたが、入りの深さに感触を得た長島はあくまでケンケンで投げ切ろうと追いかける。この深追いが命取り、丸山は驚異的なバランスでこの突進を捌き切り、得意の左内股に切り返すと長島は一回転、畳に転がり落ちて「技有」。

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写真:丸山が長島の大外刈を
捕まえ、大外返「技有」奪取
優位が一気に暗転、スクランブルを掛けざるを得ない長島は激しく追いかけ、残り18秒で「指導3」を獲得。
あと1個の「指導」で逆転となる長島は残り1秒で遠間から強引な左大外刈。しかし体の伸びたこの技を丸山思い切り返して大外返「技有」奪取。合技の一本勝ちで勝利を決めた。

手堅さが売りで、深追いせずに技を積み重ねていた長島の「どうしても取らなければ」という欲を引っ張り出したのは丸山の思い切りの良い一発一発。不利な展開にもあくまで一本を狙い続けた丸山の技と度胸がもたらして見事な逆転勝ちであった。

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写真:準決勝、安田が小原拳哉を
一本背負投「一本」に仕留める
いかにも天理らしい技一撃の強さを見せつけた安田、丸山の活躍で81kg級は大荒れの展開。

丸山は準決勝で前戦で永瀬貴規(筑波大2年)を下した海老泰博をこれも見事な内股「一本」で下し決勝進出決定。

一方の安田も小原拳哉(東海大1年)を残り38秒の一本背負投「有効」、さらに残り16秒の一本背負投「一本」と持ち味を発揮、決勝の畳へと辿り着いた。

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写真:丸山と安田の決勝戦
天理大勢同士による決勝は丸山、安田ともに左組みの相四つ。
丸山は左構え、安田は右構えから激しい組み手争い。中央の柔道界に名が売れているのは世界ジュニア王者の丸山だが、その慎重さで逆に安田の強さが周囲に伝わるという息詰まる展開。

互いに持っては離れあう展開が続き、1分24秒「取り組まない」判断で安田に「指導」が与えられる。
丸山は左釣り手を持つと左内股、さらに戻って左背負投に潰れる。なかなか得意の一本背負投が放てない安田に対して主審は1分51秒「指導2」を宣告。

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写真:丸山が先んじて左内股を仕掛ける
奮起した安田は両襟を掴んで間合いを詰めに掛かるが、安田の爆発力を知る丸山はすかさず左内股で展開を切り、中盤を過ぎたこの段階に至っても安田が仕掛けた一本背負投は一度のみ。

丸山は片手の内股に背負投を仕掛けて徹底した先手志向。
残り1分を切ったところで安田が両襟を掴んで前へ。丸山は嫌って切り離し、安田は右一本背負投を仕掛ける。この技は自ら戻ってしまい効かなかったが、4分11秒丸山に「指導1」。

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写真:安田が一本背負投を
放つが時すでに遅し
あと一つ「指導」を失うと追いつかれる丸山は前にあおっての左内股、安田はその戻りに合わせて力任せに抱きつき返すが、丸山なんとか回避して「待て」。

残り21秒、安田の左一本背負投は丸山が逆側にぶらさがり耐えて「待て」。
丸山は左内股、安田は右袖釣込腰を放つが双方疲労が激しく決めきれず。

結局このまま試合は終了。「指導2」による優勢で丸山が勝利、選抜体重別初制覇を決めた。

シニアの国際大会で実績のない丸山は世界選手権の代表には漏れたが、その投げの威力は魅力十分。井上康生男子監督も選考に際して本来資格がないはずの丸山の名前が挙がったことを認め、「五輪に向けて、出せる大会をしっかり選んで強化していきたい」と今後の強化リストの上位に丸山を載せることを確約していた。

準優勝の安田も、体幹の力を生かし、密着した位置からあくまで立ったまま担ぎ切る古風な柔道で「一本」を連発。丸山とともに天理大旋風を巻き起こしたと言って良い大活躍だった。比較的読み易い柔道ゆえ、シニアの上位で継続して活躍するためにはもう一段の進化が必要と思われるが、今後が非常に楽しみだ。

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写真:優勝の丸山剛毅選手
【入賞者】
優勝:丸山剛毅(天理大3年)
準優勝:安田知史(天理大4年)

丸山剛毅選手のコメント
「世界ジュニア、ベルギー国際に出て優勝しましたが、そこから国内で勝てなくなりました。今年は何が何でもという気持ちでした。練習で熱くなって自分を忘れてしまうことがあるので、自分の柔道をすることの一点に絞って試合に臨みました。親父(丸山顕志氏)がバルセロナ五輪で7位だったのですが、その分も頑張って、親孝行出来る成績を残せるようになりたいです」

【1回戦】
丸山剛毅(天理大3年)○合技[内股・大外返](4:59)△長島啓太(日本中央競馬会)
海老泰博(旭化成)○優勢[技有・背負投]△永瀬貴規(筑波大2年)
小原拳哉(東海大1年)○反則[指導4](4:03)△大辻康太(日本エースサポート)
安田知史(天理大4年)○背負投(4:12)△中井貴裕(パーク24)

【準決勝】
丸山剛毅○内股(4:38)△海老泰博
安田知史○一本背負投(4:44)△小原拳哉

【決勝】
丸山剛毅○優勢[指導2]△安田知史


加藤博剛あっさり連覇、世界選手権代表は西山将士
90kg級

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写真:1回戦、加藤博剛が
ベイカー茉秋から巴投で一本勝ち
講道館杯の再戦となる加藤博剛(千葉県警)とベイカー茉秋(東海大1年)の1回戦に注目が集まったが、この試合はあっさり決着。肋骨に負傷を抱えるベイカーは終始腰を引いて受けの体勢、加藤が釣り手で背中を抱えながら仕掛ける独特の巴投に入るとベイカーは捌けず、1分21秒「一本」で試合終了となった。

第1シードの西山将士(新日鐵住金)は1回戦で陥落。近藤拓也(筑波大4年)に強引な左払腰を仕掛けたところを体を預けて返されて2分42秒小外刈「技有」失陥。「指導3」まで追いかけたが攻撃ポイントを得ることが出来ず早々に畳を後にすることとなった。

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写真:1回戦、吉田優也が
池田賢生を豪快な内股「一本」に仕留める
決勝は加藤博剛と吉田優也(旭化成)という顔合わせ。

全日本選手権で入賞を逃し捲土重来を期す加藤、1回戦は前述の通りベイカー茉秋に一本勝ち。準決勝は下和田翔平(京葉ガス)を横三角から移行しての横四方固「一本」(2:51)に仕留めてここまでは順当な勝ち上がり。

一方の吉田は絶好調。1回戦は実業王者の池田賢生(日本中央競馬会)をまず袖釣込腰「有効」、さらに内股で畳に突き刺して一本勝ち(3:43)。準決勝は前戦で西山を下した近藤拓也を腰車気味の右体落で畳に叩き落して僅か54秒での一本勝ち。久々爆発力を見せ付ける形で決勝の畳に勝ち残ってきた。

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写真:決勝、吉田が右小外刈で攻め込む
決勝は吉田が右、加藤が左組みのケンカ四つ。
吉田積極的に前に出て試合を引っ張り、加藤は巴投を交えつつこれに応戦。
吉田、引き手を得ると1分32秒には綺麗に腰を切って支釣込足気味の右小外刈。加藤大きく足を上げてバランスを崩し「待て」。経過時間は32秒。

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写真:加藤の背負投を潰した吉田、
下半身に触れてしまいダイレクト反則負け
ところがこの後、試合は意外な形で決着。
吉田が組み手を完成させると加藤はいったん切り離して右方向への「韓国背負い」に座り込む。
吉田は片ひざを突き、体を外に捌きながら手を股中に入れる定石通りのディフェンスで潰し「待て」。

ところがこれは、明確な「下半身に触れる」反則。手は股中に入りきっておらず接触は軽微だったが、「帯から下に手を当てて担ぎ技を潰す行為」はIJFが反則の例として具体的に挙げているケースであり、この攻防の評価に逃げ道はなし。43秒、吉田のダイレクト反則負けで加藤の優勝が決まった。

絶好調だった吉田は勿論、世界選手権代表選出に向けて最後のアピールの場を奪われた加藤にとってもなんともやりきれない結果。

加藤は連覇決定、しかし国際大会での実績のなさと内容の悪さが仇となり、世界選手権代表には西山将士が順当に選出された。

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写真:優勝の加藤博剛選手
【入賞者】
優勝:加藤博剛(千葉県警)
準優勝:吉田優也(旭化成)

加藤博剛選手のコメント
「今年で28歳ですが若手には負けてられないなと頑張りました。世界でチャンスをもらえたら勿論頑張りたいと思います」

【1回戦】
近藤拓也(筑波大4年)○優勢[技有・隅落]△西山将士(新日鐵住金)
吉田優也(旭化成)○内股(3:43)△池田賢生(日本中央競馬会)
加藤博剛(千葉県警)○巴投(1:21)△ベイカー茉秋(東海大1年)
下和田翔平(京葉ガス)○優勢[指導2]△北野裕一(パーク24)

【準決勝】
吉田優也○体落(0:54)△近藤拓也
加藤博剛○横四方固(2:51)△下和田翔平

【決勝】
加藤博剛○反則(0:43)△吉田優也
※足取りによる


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