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皇后盃全日本女子柔道選手権マッチレポート・1回戦~3回戦

(2013年5月28日)


※eJudo携帯版「e柔道」5月1日掲載記事より転載・編集しています。

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皇后盃全日本女子柔道選手権マッチレポート
1回戦~3回戦 1/3


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写真:田知本愛による
選手宣誓
体重無差別で女子柔道日本一を争う皇后盃全日本女子柔道選手権は21日、横浜文化体育館(横浜市)で36名が参加して行われた。

今大会最大の焦点は、ロンドン五輪で代表を務めた杉本美香が引退して以降、自他共に認める日本女子重量級の第一人者となった田知本愛(ALSOK)の初優勝なるか、そしてその内容は如何というところ。

五輪代表を逃した昨夏以降、田知本の柔道の成績と内容は出色。かつての消極的圧殺スタイルを峻拒、巧みな釣り手操作で相手を揺さぶり動かし左、右と投技を繰り出す攻撃的スタイルを選択して、世界団体選手権優勝、グランドスラム東京優勝、グランドスラムパリ優勝と素晴らしい内容で勝ちを重ねている。同じ「指導」勝ちでもこれまでとは全く内容が違う。圧倒的なポテンシャルは勿論、いよいよ女王にふさわしい「質」をも手に入れかけている田知本、いよいよ大本命として初の皇后盃獲得という頂点に挑む。

対抗馬は昨年の覇者山部佳苗(ミキハウス)。昨秋から元気のない柔道が続き成績はいま一つだが、大学を卒業、初の社会人として臨む今大会に復活を期す。田知本との対戦相性は悪くなく、そこまでをキッチリ勝ち上がることが連覇の第一条件。

山部による皇后盃の返還、田知本による選手宣誓と役者の揃った開会式を経て、熱戦の火蓋がいよいよ切って落とされる。

まず序盤戦から、トーナメントをAからDの4つのブロックに割ってレポートを試みたい。

1回戦

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写真:月波真貴穂が日高美沙希を
再三崩して「指導」2つを獲得
1回戦で組まれたのは4カードだが、A~Cブロックの3試合がいずれも非常な好カード。

Aブロック、高校選手権無差別2位の月波真貴穂(新田高3年)が78kg級B強化選手の日高美沙希(大阪体育大3年)に挑んだ一戦は月波の「指導2」による優勢勝ち。月波はケンカ四つの日高を相手に終始前に出続け、出し投げよろしく振り回しては場外に日高をはじき出す。1分40秒に「場外」の判断で、4分31秒に月波が両襟を握ってハンドル操作で日高を振り回した直後には消極的との判断で立て続けに日高に「指導」が与えられた。皇后盃初出場の月波、デビュー戦を勝利で飾って2回戦進出。

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写真:稲森奈見が高橋を
腹上に抱え上げる。
高橋ルイは
右大外刈への連絡を狙い、
降りどころを探る
Bブロックは全日本学生体重別70kg級で2年連続2位の高橋ルイ(環太平洋大4年)と11年度インターハイ78kg超級王者の稲森奈見(三井住友海上)がマッチアップ。パワー自慢の高橋は右相四つの稲森に対して奥を叩いて強気の組み手、稲森はあるいは両襟の圧力、あるいは腰を横から抱いてこちらも一歩も引かず。稲森が袖釣込腰の形で高橋の右袖をいなし入れると、高橋は前に伏せて「待て」。

1分過ぎ、稲森が釣り手を上から叩きいれると高橋は応じて右大内刈。稲森が抱き返そうとすると、一旦持ち上げられた高橋は稲森の動きに合わせて降り、半ば持ち上げられたまま右大外刈。しかし稲森は全く怖じず回旋を呉れると再び高橋を腹上に乗せて振り投げるように裏投、投げられ掛けた高橋は回転の角度を増して腹ばいに逃れる。両者パワーを楯に一発を狙い合う好試合。

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写真:稲森が高橋を場外際で
投げつけて内股「一本」
稲森が両襟、高橋が奥襟を上から叩いた1分40秒過ぎからの攻防で試合は決着。高橋が右大外刈、稲森はこれを抱き上げて裏投を試みるが高橋を宙に抱いたまま一瞬体勢拮抗。高橋が早い判断で着地点を探して畳に降りると、しかし稲森はその先にさらに右内股を重ねる。

思考速度で先を行かれた高橋、これを防げず豪快に宙を舞い「一本」、1分48秒。パワー自慢の高橋に全く引かない稲森の強気と、技に技を重ねる攻撃意欲の高さが印象的な一番だった。

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写真:濱田尚里が川島巴瑠菜の頭を
下げさせると、次いで腕を抱えて引込返の構え
Cブロックでは09年、10年と学生体重別78kg級を連覇した川島巴瑠菜(北海道警)と、以後の学生柔道界で同階級きっての強者として活躍、11年の柔道に続いてサンボでも今夏のユニバーシアート代表に決まっている濱田尚里(自衛隊体育学校)が対戦。
この試合は早々に決着。濱田が釣り手を肩越しに背中に入れると圧力を感じた川島の頭が下がり、濱田が左引き手で脇を差して腕を抱えると川島は引込返の危機を感じて膝を屈する。素早く寝技に移行した濱田は抱えた右腕を橋頭堡に引込返、耐えた川島を横に落として腕緘に繋ぎ、川島の腕を極めたままめくり返して縦四方固に移行。そのまま「一本」、1分1秒。サンボ代表を務めるために寝技を強化している、濱田らしい試合内容であった。

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写真:藤原恵美が上四方固「一本」
Dブロック、1回戦の最後に組まれた藤原恵美(筑波大1年)と藤原祐美(立命館大2年)の同姓対決は重量級の強者である前者が右一本背負投「有効」から上四方固に繋いで勝利している。

[1回戦結果]
月波光貴穂(新田高3年)○優勢[指導2]△日高美沙希(大阪体育大3年)
稲森奈見(三井住友海上)○大内刈(0:48)△高橋ルイ(環太平洋大4年)
濱田尚里(自衛隊体育学校)○縦四方固(1:01)△川島巴瑠奈(北海道警察)
藤原恵美(筑波大1年)○崩上四方固(4:01)△藤原祐美(立命館大2年)

2回戦

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写真:石井優花が
左一本背負投、山部は外側に
捌いて潰す
【Aブロック】

昨年度王者の山部佳苗(ミキハウス)が登場。相手は70kg級ながら東北予選を1位で通過した石井優花(三井住友海上)。
双方右組みの相四つ。山部開始からガツガツ前に出て激しく釣り手を振りたて、間合いを見計らって右払腰を仕掛ける。しかしこれは自ら潰れてしまい、横についた石井が寝技で攻める。山部しっかり脇を締めて展開を与えずに「待て」。

再開後、山部が奥襟を叩くと石井はきっちり両手で落とすが、山部はいったんリセット、引き手から持って相手を寄せながら再び奥襟を叩く。窮した石井、左一本背負投に座り込むがこれは明らかに展開を切るための技で入りが浅い。山部は立ったまま捌いて「待て」。ここで経過時間は1分ちょうど。

山部奥襟を叩き、石井が再び落とすと見るや目先を変えて釣り手で片襟を差し、ジワリと前へ。石井は思い切って右大外刈、山部大外返を狙うが石井がなんとか耐え切り「待て」。

直後の組み際、山部が奥襟を叩くところに石井がスルリと左一本背負投に座り込む。これは意外なほどに深く入ったが、先ほどの左一本背負投を潰した展開を経て山部に備えがあったか、一瞬止まったものの横について潰し、石井投げきれず「待て」。

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写真:山部の右大内刈が決まって
「一本」
石井がこの大チャンスを逃したことで試合は事実上決着。2分過ぎ、互いに二本持ち合ったところから山部が釣り手を振りたてると、石井も応じて釣り手を振り返す。その動きに合わせて山部が右大内刈に飛び込む。いかにも山部らしい鋭い一撃が決まり「一本」、2分4秒。

比較的組んでくるタイプ、かつ相四つの中量選手、と石井が山部にとって相性の良い相手であったことを割り引く必要はあるが、初戦の山部は意欲的で動きも良し。連覇に向けて快調なスタート。

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写真:烏帽子美久の
左内股が豪快に決まって
「一本」
烏帽子美久(東海大4年)に昨年の学生78kg級王者下田美沙季(朝霞自衛隊)がマッチアップした一戦も非常な好カード。
この試合は烏帽子が左、下田が右組みのケンカ四つ。
下馬評は烏帽子優位。序盤は引き手争いから下田が思い切り良く右内股を仕掛けて意欲的に試合を進めるが、1分過ぎから烏帽子が釣り手を伏せたままの右内股を連発して攻勢。1分15秒にはこの技で下田を腹ばいに伏せさせると、所謂腰絞め、さらに首を固めてめくりかえし崩上四方固に固め、「抑え込み」の声を聞く。これは下田がなんとか逃れて「待て」。

奮起した下田大内刈で前に出るが烏帽子が出足払、大内刈、支釣込足と繋げると高く宙を舞い、転がって伏せる。
2分54秒には烏帽子が両襟から内股フェイントの小外掛、主審は「有効」を宣告するが取り消しという攻防があり、流れは完全に烏帽子。下田は技を打ち返すことでなんとか展開を保つが、ついに3分54秒に下田に「指導1」が与えられる。

直後、下田が鋭い右出足払。しかし烏帽子が左内股でこの技を切り返し豪快な「一本」、4分15秒。我慢を重ねた烏帽子、持ち味である技の切れを見せ付けて試合は決着、烏帽子は3回戦進出決定。

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写真:大住有加が
荒巻有可里を巧みにいなす
月波光貴穂は78kg級の柴田まどか(新潟県警)と対戦。左相四つの柴田を相手にハンドルを回すような左払腰に左内股、釣込腰で良く攻めて2つの「指導」を奪って優勢勝ち。

70kg級で講道館杯2位、B強化選手を張る大住有加(JR東日本女子柔道部)に高校カテゴリ重量級の強者荒巻有可里(夙川学院高3年)が挑んだ一戦は大住の貫禄勝ち。左相四つの荒巻に対して前に出、荒巻の掛け潰れを誘発する形で流れを掴んで1分50秒に「指導1」を奪取。4分7秒に荒巻の手数を評価する形で大住に「指導」が与えられる場面もあったが、5分32秒に大住がハンドル操作で大きく釣り手側に荒巻を崩すと、一発を警戒した荒巻が伏せてしまう。ここで荒巻に2つ目の「指導」が与えられる。これが決勝点となり、「指導2」の優勢勝ちで大住が3回戦進出を果たした。

[Aブロック2回戦結果]
烏帽子美久(東海大4年)○内股(4:15)△下田美沙季(朝霞自衛隊)
月波光貴穂○優勢[指導2]△柴田まどか(新潟県警)
大住有加(JR東日本女子柔道部)○優勢[指導2]△荒巻有可里(夙川学院高3年)
山部佳苗(ミキハウス)○大内刈(2:04)△石井優花(三井住友海上)


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