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【eJudo's EYE】世界選手権日本女子代表発表・評

(2013年5月18日)


※eJudo携帯版「e柔道」5月15日掲載記事より転載・編集しています。

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【eJudo's EYE】世界選手権日本女子代表発表・評

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写真:就任後初の代表発表会見に
臨む南條充寿女子監督
代表選出にまつわる評、制度設計についての評は男子と同様。発表会見での南條監督もそのポリシーを「男子と同じ」と説明する場面が幾度もあったので、ここでは簡単な選考評と戦力評価にそのボリュームを留めたい。

国際大会での実績重視、選抜体重別の初戦敗退者から代表2名とその方針、人選の事情ともに非常に男子と似通った選考となった。

「戦える人材」の選出ということへの強い思いが感じられたのは57kg級。選抜体重別で初戦敗退に終わった山本杏の選出に関して、山本自身の国際大会の成績の良さはもちろんのこと、新ルール施行後グランドスラムパリ、グランプリデュッセルドルフ、欧州選手権と勝ちまくっているパヴィアとの力関係をその因に挙げたのである。松本が出場しない次回の世界選手権、優勝候補の最右翼は間違いなくパヴィア。そのパヴィアに山本が「グランドスラム東京で勝っている」「パリでの敗退時も直前までリードしていた」というのがその内容。選出に関してより具体的に「戦える」判断に至った根拠をきちんと示したという形だ。

同じく選抜体重別で1回戦敗退を喫した70kg級の田知本遥は五輪後低調な試合が続いていたが、グランドスラム東京で2位という成績と五輪の経験が根拠として挙げられて選出に至った。国際大会での実績を第一に考えるという方針からすればこれも筋が通っている。ただしこの階級に関してはまとめとして語られた「現時点で海外で戦えるのは1人のみ」という説明が本音だろう。典型的な消去法選考だ。

国際大会で勝ちまくっている78kg超級の田知本愛も「国際大会での成績重視」という説明で、異論の挟みようがない。

ただし63kg級への「2枠目」行使についてはおそらく相当な議論があったのではないだろうか。最重要視する「1年間の国際大会の成績」に拠ったということで筋は通るが、52kg級の西田の世界選手権王者という過去の実績と今大会決勝までの抜群の出来を、田中のグランドスラムパリ3位、ヨーロッパオープンオーバーヴァルト優勝、選抜体重別2位という成績が凌駕するものであったかどうかについては、異論を唱えるものが出てきてもおかしくない。

今回の是非はともかく、明確な、そして感覚的にも妥当なものとして受け入れられる比較基準の設置はやはり急務。確約されている来年以降の制度改革に向けて、ここはひとつ大きな課題だ。

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写真:世界選手権三連覇に
挑む浅見八瑠奈
[48kg級]
浅見八瑠奈(コマツ)

昨夏以降国内、国際大会とも皆勤かつすべての大会で優勝した浅見が円満選出。
選抜体重別で決勝まで抜群の勝ち上がりを見せた山崎珠美は国際大会で圧倒的な成績が残せていれば第二代表の目もあるというところだったが、グランドスラム東京の代表に漏れたことでハイレベル大会への派遣はなし。他階級の第二候補を脅かすにはいたらなかった。

浅見はリオ大会で世界選手権3連覇に挑む。優勝候補のまさしく筆頭、ぜひとも金メダルがほしい階級だ。

[52kg級]
橋本優貴(コマツ)

グランドスラム2大会連続優勝、選抜体重別も制した橋本が円満選出。悩ましいのが決勝まで抜群のパフォーマンスを見せた西田優香の処遇だが、昨年の選抜体重別以降の大会参加は2月末のグランプリ・デュセルドルフのみで、負傷棄権で入賞なし。1年間国際大会の実績がないという状況を、今大会の優勝プラス過去の実績という2項目を満たすことでクリアしたかったところだったが一歩及ばず。63kg級で細かく実績を積み上げた田中美衣の投入が優先され、3度目の世界選手権代表選出はならなかった。

リオ世界選手権、橋本は間違いなく金メダルを狙える位置にいる。寝技を長く見る新ルールは橋本には追い風、今大会は大チャンスだ。

[57kg級]
山本杏(国士舘大1年)

五輪金メダリスト松本薫不在の中でグランドスラム東京優勝、グランドスラムパリ2位の山本杏が順当に選出。選抜体重別は今年も1回戦敗退、「狙った大会」でのパフォーマンスのありかたにいまひとつ不安が残るが、宇高菜絵が選抜体重別で決勝進出を逃したこの階級、他に選ばれるべき選手はいない。

山本は金メダルに手の届く位置につけてはいる。ただし、組み手、投技、寝技と総合力の高さを誇る一方、57kg級で戦うにはフィジカル的に難がある印象で、絶対の優勝候補と呼ぶにはまだまだ未完成であることは間違いない。
線の細さを、足技と「際」の強さという瞬間芸でリセットするという現時点での特徴を生かすにはメンタル、フィジカルともにコンディション調整が命。
前述の通り、選抜体重別に「フォーカスして勝つ」ことが今年も出来なかった山本、今大会敗退の原因はイコール世界選手権の課題でもある。どう乗り越えるのかに期待したい。

[63kg級]
阿部香菜(三井住友海上)
田中美衣(了徳寺学園職)

優勝の阿部、2位の田中が選出。ジュニア以下の人材が豊かなこの階級だが、欧州シリーズで実績を残したのはこの2人のみ。グランドスラム東京優勝の高校2年生津金恵は欧州シリーズでの失速とこの日直接対決で阿部に敗れて3位に終わったことの掛け算で、代表には届かなかった。

世界選手権は、エマヌ、アグベニューを筆頭に欧州勢にパワーファイターがぎっしり。非常に世界のレベルが高い階級で、11年以降最前線での戦闘を上野順恵に任せ切りであった感のある日本勢にとっては厳しい。10年世界選手権で田中が銀メダルを獲得したときと階級の様相はかなり異なっており、いずれか一方がメダル獲得というのが現実的な目標。阿部の爆発力に期待が掛かる。

[70kg級]
田知本遥(ALSOK)

前述の通り階級全体で国際大会での実績が得られず、ロンドン五輪代表でグランドスラム東京2位の田知本遥が選出。この人しか選べない階級であった。
世界的に階級の序列は再編成中という感があるが、今年は新ルール下でポリングらパワーファイターが一時代を築こうとする、その端緒になりそうな予感。相当に厳しい戦いが予想される。入賞、そして最高到達点としての表彰台獲得が現実的な目標になるだろう。

[78kg級]
緒方亜香里(了徳寺学園職)
佐藤瑠香(コマツ)

実績、実力ともに現在日本が「二枚看板」と言って良い大駒を揃えているのはこの78kg級のみ。選抜体重別では佐藤が、より実績を残している緒方を抑えて優勝することになったということでここへの2枠投入は文句なく決定したと思われる。

緒方、佐藤ともに十分金メダルに狙えるレベルにある。平均点の出来でも表彰台、最高到達点は金メダルと断じて良いだろう。弱点であった組み手と試合の構成力に顕著な成長を見せ、メンタルの強さも獲得した緒方には特に期待して良いだろう。

[78kg超級]
田知本愛(ALSOK)

国際大会での実績は圧倒的で、選抜体重別の敗退が選考自体に及ぼした影響は最小限。文句なしの選出となった。
世界選手権は勿論優勝候補の一番手。ただし優勝が確実視された皇后盃の敗退を受けてどう立て直すかが注目された選抜体重別のパフォーマンスは低調。なにより五輪後の田知本が見せ続けた強気と元気の良さが失われていたことには少々驚かされた。このまま五輪前の田知本に戻ってしまうのか、明らかに一段階段を上ったと評された快進撃が続くのか。注目である。


文責:古田英毅





※eJudo携帯版「e柔道」5月15日掲載記事より転載・編集しています。

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