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全国高校柔道選手権大会男子団体戦マッチレポート・準決勝~決勝

(2013年4月17日)


※eJudo携帯版「e柔道」3月29日掲載記事より転載・編集しています。

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全国高校柔道選手権大会男子団体戦マッチレポート
準決勝~決勝 1/3


準決勝

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写真:尾方寿應と山寺裕斗の先鋒戦
東海大浦安高 - 東海大相模高
(先)山寺裕斗 - 尾方寿應(先)
(次)村田大祐 - 長谷川優(次)
(中)前田宗哉 - 浅野未来(中)
(副)折原虹之介 - 春日良太(副)
(大)ウルフアロン - 眞砂谷幸弥(大)

東海大浦安はオーダー順を、後衛にポイントゲッター3枚を置き続けてきたこれまでの3戦から大きく変更。最大の大駒であるウルフアロンを大将に据えるところは変わらないが、村田大祐を次鋒に突っ込み、中堅の前田宗哉と合わせて中盤に一つ山を設けた。爆発力のある尾方に前戦で疲労した軽量の折原をぶつけることを避けて重量のある山寺で凌がせ、次鋒以降で得点を重ねる作戦か。いずれ、良くも悪くも勢いに乗り易い東海大相模に先行させたまま試合を進めさせることを避け、リードを持って、最悪でも攻撃カードを打ち消し合わせてタイスコアで終盤を戦いたいという意図の見える布陣。

一方の東海大相模は取り味のある尾方を先鋒に起用、エース格の春日と眞砂谷の2枚を後衛に据えた手堅いオーダー。次鋒には安定感のある藤田を下げて攻撃カードである長谷川優を起用、中堅にも大型本格派で受けも強い浅野未来を配置して相当に分厚い布陣だ。

東海大相模は、ウルフに対して1枚の手当てで済むとは想定していないはず。春日、眞砂谷の2枚でウルフを落城させるべく、少しでもリードを得、1枚でも多くウルフに当てようと前半からラッシュを掛けて来るはずだ。

両者の前衛、中盤の戦力は凹凸はあるが総合的には拮抗。双方が手堅く試合を進めれば差はつきにくいはずだが、ソリッドな展開が続けば続くほどウルフが控える東海大浦安が優位。東海大相模は試合を動かしにいかなければいけない立場だ。

前半戦から中盤戦のみどころはまず第1試合で攻撃力が高く技も切れる尾方の得点なるか、そして山寺が凌ぎきれるかどうか。次に村田、前田の東海大浦安の攻撃カード2枚が長谷川、そして浅野という受けも強い2人を突破することができるのか。そしてこのところ圧力を掛けられて劣勢を強いられる場面が多い軽量の折原が浅野や春日といったサイズと攻撃力を備える強豪選手をしっかり止めることが出来るのかどうか。そして終盤のみどころはウルフアロンと相模の後衛2人の対決、これに尽きる。

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写真:尾方寿應が山寺裕斗から
内股「一本」、東海大相模が先制
先鋒戦は東海大浦安の山寺裕斗、東海大相模の尾方寿應ともに左組みの相四つ。左右両方に技のある山寺はスタンスを変えながら奥襟にアプローチ、左の内股巻込を放つがこれは尾方が釣り手側に返し掛かり「待て」。
続く展開、場外際で山寺再びやや潰れ急いだ左内股巻込。きちんと見極めた尾方、抱き止めて釣り手側に浴びせ返して「有効」奪取、28秒。

尾方は左内股、しかしなんとかこのポイントのみで凌ぎたい山寺は攻防のタイミングをはっきりさせてしぶとく試合を進め、この内股も体をうまくずらして対応。

なかなか力を発揮する間合いになれない尾方、発想を変えて組み際に釣り手を奥襟に叩き入れながら左大外刈。逃がさない、とばかりに山寺の首を捕まえ、刈り込みながら捻り回せば山寺たまらず一回転、文句なしの「一本」。経過時間は1分21秒。
過程をしっかり踏んで間合いを作ることで凌ぎきろうとした山寺に大使、その過程を踏むこと自体を許さぬ、有無を言わさぬ一撃だった。尾方、見事に使命を果たして東海大相模がまず一人差のリードを得る。

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写真:尾方と村田大祐が戦う第2試合
東海大浦安は続いて次鋒の村田大祐が登場。
村田は右、尾方は左のケンカ四つ。開始するなり村田は突進、電車道で尾方を場外に押し出すところまで進む。一点先行して意気揚がる東海大相模に流れがある時間を少しでも減殺しようと出だしから気合十分。
双方釣り手を持ち合っての引き手争い。が、村田は釣り手一本でも小外刈、右内股と仕掛けて前進を止めない。
流れを変えたい尾方がこれに対抗して強気に釣り手で背中を掴んだ瞬間、捕まえ返した村田が裏投に食いついて放り投げる。まともに食った尾方はこれを残せず畳に転がり、主審は「技有」を宣告。48秒。

リードを得た村田は左引き手で左袖、釣り手で左襟を握るケンカ四つのクロス組み手、釣り手で右片襟を差して展開を止める行動を交えながら、深入りし過ぎず、しかし着実に攻め続ける。引き手を伸ばして取りにいくリスクは冒さず、釣り手一本で押し込んで前に出ることを繰り返し、この戦術を崩せない尾方は中盤やや手詰まり。終盤、尾方は引き手を晒して激しく振り立てて村田を誘い、出足払を放つが村田はペースを狂わすことなくクロージング。試合はそのままポイントの積み上げなく終了、村田の優勢勝ちで東海大浦安が試合をタイに戻した。

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写真:疲労困憊の村田大祐が
長谷川優から外巻込で
「有効」を奪う
続く試合、畳に残った村田と東海大相模の次鋒長谷川優の試合は双方右組みの相四つ。
体格に勝る長谷川は気合十分、開始早々から奥襟を掴んで村田を引きずり回し、主審は村田に「指導1」を宣告。

長谷川は奥襟を掴んで圧を掛け続け、相四つで正面からこれを受ける村田にとっては非常に苦しい展開。両袖の組み手に支釣込足と手立てを変えながらいなし続けるが、疲労も激しく展開は不利。残り1分を過ぎると、いつ2つ目の「指導」が宣告されてもおかしくない状況となる。村田は奥襟を叩いて小外刈を放つ強気の攻めを見せて一旦展開を立て直すが、長谷川の前進の前に消耗の激しさは隠せない。
失点は時間の問題、と思われた残り12秒、長谷川が釣り手で肩越しに背中を掴んで右大外刈。しかし村田は耐え切り、長谷川の戻り際に腕を抱き込んで右外巻込で転がし「有効」奪取。まさかの一撃に場内は大歓声。

長谷川は走りよって支釣込足、さらに大外刈を放つ。伏せた村田はフラフラだが、なんとか耐え切ってタイムアップ。村田、執念の「有効」優勢で2人抜き、ここで東海大浦安がこの試合初めて1人差のリードを得た。

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写真:浅野未来が村田大祐を攻める
疲労困憊の次鋒村田が畳に残り、東海大相模は中堅浅野未来が登場。
村田は右、浅野は左組みのケンカ四つ。状況を弁えた浅野は開始早々から前に出て左大外刈を連発。早い段階で1つ目の「指導」が村田に与えられる。
村田は浅野の前進を凌ごうと先に袖を捕まえるが、浅野は両袖のまま村田を引きずり回して「待て」。疲労した村田はなかなか立ち上がれない。

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写真:浅野の払腰が決まって「一本」
浅野は左払腰、左大外刈、左小外刈と連発。村田腰を引いて守ってしまい、1分0秒、村田に2つ目の「指導」が宣告される。

再開直後、浅野が左払腰。村田は膝をついて返そうと踏みとどまるが、浅野良く見極めて入り直し、綺麗に回して「一本」、1分22秒。

浅野の豪快な一本勝ちで再びスコアはタイ、次戦は中堅同士の対決となった。

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写真:浅野と前田宗哉の対戦
畳に残った浅野は左、東海大浦安の前田宗哉は右組みの相四つ。前日の個人戦90kg級王者で攻撃力抜群の前田の大外刈が183cm、120kgの浅野に通用するか、はたまたこの日いまひとつ元気のない前田に浅野が圧力を掛け切って大外刈を受け止め返すという攻防が生まれ得るのか。注目の一番。

引き手を争いつつ前田が片手のまま前進を続けると浅野はジリジリと下がる。前田が引き手を取りながら右大内刈を仕掛けるが、浅野逆らわずにそのまま場外に出て「待て」。

浅野、気合十分に左内股を放つが前田を前に崩せず、距離が噛み合わない。前田はまたいで浅野の上に乗り「待て」。

1分20秒、浅野が内股で前田を今度は腰に乗せ、前田は畳に伏せる。
続く展開、逆襲を狙った前田が右大内刈、小内刈と足技を繋ぐと浅野バランスを崩すが、立って耐え切って「待て」。

その後試合は膠着し、2分4秒、前田に「指導1」。

前田奮起して右大外刈で前に出るが、浅野は左内股に吸収。
このあたりから浅野に疲労が目立ち始め、万が一にも後の先の技を食って試合を壊したくない前田の攻めの矛先も次第に鈍り始める。双方の事情が展開を慎重な方向に傾け、この試合はそのまま引き分け。タイスコアのまま試合は終盤、副将同士の対決へ。

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写真:春日良太が圧力、
折原虹之介は強気に背中を持って応戦
東海大浦安は折原虹之介、東海大相模はポイントゲッターの春日良太が登場。
盤面を睨むと、東海大相模としてはここで1人を抜くことが必須。浦安としては守りきれれば合格点、無理な攻めをしてくるであろう隙を突いて得点出来ればボーナスポイントというところ。

かつての同僚の対決、折原は右、春日は左組みのケンカ四つ。
引き手争いから、折原は体格差をものともせずに横から背中を掴んで突進、しかし春日が振り回し崩すと折原はつんのめって伏せてしまい「待て」。
春日迫力十分に前進、折原は片手の右内股に右体落でなんとか展開を切るが劣勢は否めない。1分25秒、折原に「指導1」が与えられる。

再開後も折原は両袖の右体落を仕掛けて伏せてしまい、一方の春日は奥襟を叩いて前へ出続けて優位に試合を進める。折原背中を握って前に出、場外に向かって右体落を仕掛けるが春日はこれも左内股に切り返す。折原、攻撃の手数こそ繰り出しているが春日の圧力の前に組み合っていられず、その手数でなんとか決壊を防ぎ続けているという印象。

しかし主審はこの攻防で春日が自ら場外に出たと判断、春日に場外の「指導1」を宣告する。経過時間は1分50秒。

勢いを得た折原、果敢に奥襟を叩く。しかし春日が奥襟を叩き返して振り回すと、対抗して反時計回りにこれを振り投げようとした折原はまたしてもつんのめり、自ら伏せてしまう。ここに至って主審はついに折原に対して偽装攻撃の「指導2」を宣告。

春日はなおも片手の左内股で攻め、折原は奥襟を叩き返して前に出るが取り味のある攻撃が出来ない。
残り17秒、折原が奥襟を叩いて接近すると春日は隅返に切り返し、横三角に繋いで時間を消費。最後は折原が膝をついての右大内刈を放ったところでタイムアップ。

春日が「指導2」による優勢で勝利。1人差のリードを持って、ついに東海大浦安の本丸、ウルフアロンを畳に引きずり出した。

敵は名門・東海大相模のエース級、それも2枚。今期最大の大駒と目されるウルフがこの状況でどんな試合を見せるのか。折りしも男女の準決勝は他の全試合が終了、会場中の視線がこの試合に注がれた。

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写真:ウルフアロンが春日良太を攻める
ウルフ、春日ともに左組みの相四つ。
ウルフ突進して釣り手で左奥襟を握るが、心得た春日は顎で噛み殺して切り離す。ウルフは切られたアクションに合わせて前に出て左大内刈、春日は畳に伏せて耐える。16秒、春日に「指導1」。

2つ以上の「指導」を獲得して勝ちの状況を作ってから攻め込むのがウルフの常套手段。続く展開も釣り手で奥襟を叩いて圧力を掛けることに腐心するが、圧倒的優位を作ることに集中しすぎたか、引き手で袖口を絞ってしまい、27秒にはウルフに「指導」が宣告される。

春日、果敢に奥襟を叩くがウルフは冷静に切り離す。再び春日が奥襟を叩くがウルフが首を抜きざまに左大内刈で攻め込むと春日は下がって場外に逃れてしまい、主審は春日に場外の「指導1」を宣告、54秒。

しかしその攻防に手ごたえを得たか春日は果敢に奥襟を叩き、ウルフは首を抜き、抜きざまの左大内刈で応戦。1分30秒過ぎに再びウルフが首を抜くと観客席からは「首抜き(の反則)だ!」の声が飛ぶが審判団はスルー、奥襟を叩いた春日の袖をウルフが袖釣込腰の形でいなし崩すと、春日は崩れ伏せて「待て」。

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写真:ウルフの支釣込足が決まり「一本」
続く展開はお互いが釣り手で奥襟を握り合うガップリ四つ。互いに釣り手を噛み殺し合いながらウルフが前進、これを受けて春日が不用意に外へ出ようとしたところを、ウルフはその動きに合わせて前に出ながら、出ようとするその外側の足に向かって支釣込足。
首をガッチリ握られて頭を落とされた春日、まともに食うと意外なもろさで宙を1回転、背中から畳に落ちて「一本」、2分5秒。

ウルフ、「指導」2つのリードを背に投技の「一本」奪取と完璧な試合。まず春日を抜いて、大将同士の対決の畳に眞砂谷幸弥を引っ張り出した。

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写真:ウルフと眞砂谷幸弥の大将対決
ウルフ、眞砂谷ともに左組みの相四つ。ウルフは身長180cm、体重120kgの重量選手、対する眞砂谷は182cm、90kg、手足の長い長身選手だ。

ウルフは先んじて右引き手で左袖を得、腹側に送り込んでいなすが、眞砂谷は一旦引き手をウルフの右腕上に載せて切り離すと、その右手でウルフの右袖を握って距離を取る。ウルフは構わずそのまま引き寄せて釣り手で奥襟を叩くと眞砂谷が応じ、両者奥襟を叩きあう形が完成。

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写真:ウルフの朽木倒
眞砂谷の釣り手が肩越しとなった瞬間、ウルフ判断良く奥襟を握ったまま頭を下げ、右引き手で眞砂谷の左脚を深く抱えて朽木倒。体を捨てて決めに掛かるが、眞砂谷は左手を大きく後方に振って畳に突きながら体を捻り、すんでのところで伏せてポイントを回避。経過時間は20秒。このウルフの技の「足取り」反則の可能性を巡って長い合議があったが、結果反則裁定は下されず、試合は再開。

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写真:ウルフの左大内刈。
眞砂谷は前傾しながら尻餅でノーポイント
直後ウルフは左釣り手で肩越しに帯を掴み、眞砂谷は右構えで右手を横から差して帯を持ち返して応じる。眞砂谷が右大腰の形で腰を切った、その戻ったところにウルフが釣り手側に引っ張り出しながらの左大内刈。眞砂谷ズルリと足を開いて崩れる。ウルフは浴びせ、眞砂谷は前屈しながら尻餅をつく。勢いは十分だったが、主審はポイントを認めず「待て」。経過時間は24秒。

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写真:ウルフの左小外刈を
受け止めた眞砂谷が体を反らして
持ち上げ、反時計回りに投げを打つ
眞砂谷組み際に左手で脇を差して左小外掛に突進、しかし脚は届かず、迎え撃ったウルフは右腕で上から眞砂谷の左腕をロックしたまま左で脇を差し返し、左小外掛。右腕で肩越しに帯を掴んだ眞砂谷は一歩も引かず体を反らしてウルフを腹上に載せ、相手の股中に入れた右ひざを上げてウルフの体を持ち上げて、捻り投げる。これは危機を感じた両者とも空中で手を放し、ほぼ同体で畳に伏せ落ち「待て」。荒削りだが見ごたえ十分の攻防、一手先の展開が読めない。

眞砂谷は肩越しに帯を掴んで左大外刈、巻き込もうとしたところをウルフが股中に手を入れて止めて掬投を狙う。眞砂谷は足を抜いて左内股巻込に連絡、ウルフは左釣り手を利かせて首を極めながら潰して「待て」。経過時間は56秒。

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写真:ウルフが左小外刈から
巧く押し込んで「技有」奪取
眞砂谷、右引き手で脇を差して帯、左釣り手で奥襟を叩く超強気の組み手。ウルフは奥襟を叩き返すが眞砂谷はこの釣り手を顎で噛み殺したまま左大外刈。この技を機にウルフは首を抜き、眞砂谷の技の戻りを待って左小外刈。眞砂谷がバランスを崩して両膝をつくと、引き手を上げて眞砂谷の体を制しながら、またぐように前進して体を浴びせる。眞砂谷は脇を差した右腕が残ったままロックされてしまい、体を残せずに転がり「技有」、1分26秒。

もはや攻めるしかない眞砂谷、脇を差し、あるいは肩越しに背中を持って左大外刈を連発。やや受けに回ったウルフは1分45秒に送足払で眞砂谷を伏せさせるが、2分4秒には肩越しの組み手を嫌って回り込んで場外へ出てしまう。眞砂谷がさらに肩越しの左大外刈、引込返と繋いだ残り50秒、ウルフに「指導1」。

ウルフ、眞砂谷をこれ以上加速させてはならじと釣り手で奥襟を握って前へ。眞砂谷に圧を掛けて潰すと、残り23秒に極端な防御姿勢の判断で眞砂谷にも「指導1」。

スクランブル体制の眞砂谷はもろ差しでウルフの懐に飛び込むが、ウルフ落ち着いて奥襟を掴んで上下にあおると眞砂谷は再び伏せてしまう。ウルフがその背中についたところで終了ブザー。

ウルフが「技有」による優勢勝ちを収めてこの試合は終戦。ウルフ、春日と眞砂谷のの両エースを1人で抜き去り、東海大浦安が1人残しで2年連続の決勝進出を決めた。

東海大浦安高○1人残し△東海大相模高
(先)山寺裕斗△大外巻込(1:39)○尾方寿應(先)
(次)村田大祐○優勢[技有]△尾方寿應(先)
(次)村田大祐○優勢[有効]△長谷川優(次)
(次)村田大祐△払腰(1:22)○浅野未来(中)
(中)前田宗哉×引分×浅野未来(中)
(副)折原虹之介△優勢[指導2]○春日良太(副)
(大)ウルフアロン○支釣込足(2:05)△春日良太(副)
(大)ウルフアロン○優勢[技有]△眞砂谷幸弥(大)

中堅の前田が持ち前の爆発力を発揮できなかった印象はあるが、総じて両軍の選手が自分の力をしっかり出した試合であったと言える。
その中で勝敗を分けたのはやはりウルフという大駒の存在。新チーム結成以来超高校級と騒がれ続けたウルフであるが、相模のエース2枚を、それも投げて抜き去ったこの日のこの試合がその怪物ぶり、周囲から頭ひとつ抜けた実力を初めて示した試合であったと言えるかもしれない。

東海大相模は久々にその持ち味を発揮。大将眞砂谷をはじめどの選手も相模らしい迫力ある攻めを繰り広げてこの準決勝はまことに好試合であった。ウルフという大駒一枚の差が最後は勝敗を分けた形だが、今期の相模は怖い、周囲にそう印象づける一番であった。

国士舘高 - 桐蔭学園高
(先)磯田範仁 - 大塚翔悟(先)
(次)森翔平 - 小原正大(次)
(中)吉良儀城 - 藤井靖剛(中)
(副)田崎健祐 - 荒巻泰蔵(副)
(大)江畑丈夫 - 根津信太(大)

国士舘は後衛にジョーカーの吉良、そして田崎、江畑の両エースと3枚を並べる後ろ重心の布陣を継続。先鋒に試合巧者の磯田、次鋒に好調の森を入れてこれが今期のベストオーダー。

一方の桐蔭学園は中堅に藤井、大将に根津と両エースを分散配置。3番手の小原を国士館の防衛ポジションである次鋒に突っ込んできた。予選とここまでの勝ち上がりを見る限り今大会の国士舘のオーダーは比較的読みやすく、これは盤面にオーダーを晒した国士舘に対して「後手」の桐蔭学園が狙い撃ちで駒を当てたという構図だと見るべきだろう。

よって桐蔭学園のオーダーには明確な意思があるはずだ。次鋒戦で得点を狙わせ、続く中堅の吉良と分けさせて藤井を田崎に手当てする。あるいはエースの藤井で1年生の吉良を潰して田崎と分けさせる。最悪大将同士の対決になった場合を考えて、江畑が苦手な型のはずのケンカ四つの重量選手であるエース根津を手当てしておく、というのが妥当な考え方。

一方の国士舘は、粗いところもある桐蔭学園に対して緻密な組み手と試合運びが持ち味。駒の質から言っても手堅く、破綻なく試合を進めれば終盤戦でエースの田崎と江畑の2枚が確実に仕事をしてくれるはずだ。

オーダー順は桐蔭学園向き、しかしシナリオの取り合いということでは国士館側のもつ筋書きの実現確率がより高い、という構図と見てよい。桐蔭がこれをひっくり返す目は今期国士舘と初顔合わせとなる藤井、根津の上位対戦における得点能力がどこまでのものか、このポイントに絞られる。

国士舘・磯田と桐蔭学園・大塚翔悟の先鋒戦は磯田が左、大塚が右組みのケンカ四つ。引き手争いが厳しく、磯田は左内股、大塚は右小外刈で攻め合うが決定打なくこの試合は引き分け。

次鋒戦は国士舘・森が奮闘。左相四つの小原に対し、開始から気合十分に前に出て主導権を渡さず、しっかり戦い抜いて引き分け獲得。ここでシナリオは国士舘優位に分岐を始める。

次の勝負どころ、桐蔭学園にとっては得点必須の中堅対決は国士舘・吉良に桐蔭学園・藤井ともに左組みの相四つ。吉良は藤井の釣り手を噛み殺して横変形、いつでも藤井の技を返せるという体勢をキープして試合を展開。1分11秒には藤井の支釣込足を押し込んで返しかかり、藤井は片足を上げるリスクを嫌って次第に攻めの回数が減っていく。
2分を過ぎてからは吉良の強気が加速。奥襟を叩いて主導権を握ると左大内刈で藤井を伏せさせる場面も作って、危なげなく試合を進める。藤井は得点の匂いを漂わせることが出来ぬまま吉良のペースに嵌って試合終了。この試合は引き分けに終わった。

ここまで3戦連続引き分けだが、シナリオを引き寄せたのは間違いなく国士舘。あとは田崎がしっかり仕事を果たせば良い。

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写真:田崎健祐が荒巻泰蔵を攻める
副将対決は国士舘・田崎が左、桐蔭学園の荒巻泰蔵が右組みのケンカ四つ。
荒巻は少しでも長くノーポイントの時間を続けて田崎の焦りを誘いたいところだが、34秒、両者の足が絡んで縺れたところを田崎がカン良く押し込んで「有効」奪取。さらに田崎が攻め続けて1分30秒には荒巻に2つ目の「指導」が与えられる。
2分2秒、田崎がケンケンの左大内刈。荒巻が崩れて一回踏みとどまったところを見極め、鋭く押し込み直して「一本」。田崎、しっかり仕事を果たして国士舘が1人差リード。

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写真:田崎健祐が
根津信太の内股を捌く
田崎は続いて畳に上がった根津に対しても強気に奥襟を叩き、根津得意の左大外刈、左内股もしっかり受け止めて潰す。終盤は完全に田崎ペースで、横変形で奥襟を叩いて出足払、さらに釣り手側に呼び戻しながらの左大内刈と根津を崩し続ける。根津は田崎の間合いで試合を進めることを余儀なくされ、終盤は攻撃距離に立てず。この試合は引き分けに終わり、国士舘が1人残しで決勝進出を決めた。

国士舘高○1人残し△桐蔭学園高
(先)磯田範仁×引分×大塚翔悟(先)
(次)森翔平×引分×小原正大(次)
(中)吉良儀城×引分×藤井靖剛(中)
(副)田崎健祐○大内刈(2:13)△荒巻泰蔵(副)
(副)田崎健祐×引分×根津信太(大)
(大)江畑丈夫

前半は手堅く試合を進めておき、相手のエース藤井は3番手選手の吉良が止める。エースの田崎が1人抜いて、大駒の根津をも止める。国士舘にとってはまさしく理想の試合展開。いかにも国士舘らしい手堅い試合だった。

結果決まった決勝カードは

東海大相模 - 国士舘

となった。


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