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講道館杯女子マッチレポート 63、70、78、78㎏超級

(2012年12月23日)


※eJudo携帯版「e柔道」11月27日掲載記事より転載・編集しています。

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講道館杯女子マッチレポート 63、70、78、78㎏超級 1/4

阿部香菜が復活V、若手台頭の中2位入賞の片桐夏海が存在感見せる
63㎏級

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写真:1回戦、大川愛が
嶺井美穂を大内刈で攻め込む
田中美衣(了徳寺学園職)、阿部香菜(三井住友海上)という2人の世界選手権経験者に加え、田代未来(淑徳高3年)、佐野賀世子(山梨学院大1年)、津金恵(松商学園高2年)という3人のジュニア王者、学生王者太田晴奈(淑徳大2年)、カデ王者の中学生・嶺井美穂(大成中3年)とこの階級は若手に人材が揃った。学生連覇者の安松春香(環太平洋大3年)こそ負傷欠場したものの、五輪代表上野順恵(三井住友海上)の去就定まらぬ中にあって、国内オールスター戦とでもいうべき充実のメンバー。

このうち序盤で陥落したのは太田。1回戦で藤川美沙(大阪府警)を相手に僅か16秒の大外刈「一本」で全く意外な敗退。何もできないまま大会を終えた。

中学生の嶺井は学生2位の強豪・大川愛(天理大4年)と1回戦で対戦。大学カテゴリきっての強者の前にさすがの嶺井も力を発揮しきれず、「指導2」を奪われての優勢負けで初の行動患者意を終えた。 1回戦で警察王者の山本美樹(兵庫県警)と対戦した津金は大勝。しぶとさが身上の山本を「有効」、「技有」、「一本」(3:07)と全て大外刈で3度投げつけるという物凄い強さを見せ、2回戦への勝ち上がりを決めている。

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写真:準決勝、片桐夏海が
田中美衣を攻め込む
そんな中決勝に進出したのは片桐夏海(コマツ)と阿部香菜(三井住友海上)の2人。

片桐は1回戦で若林果那(帝京大2年)から大内刈「一本」(2:24)で勝利し会心のスタート。2回戦は藤川美沙を横四方固(1:18)に仕留め、迎えた準々決勝の佐野賀世子戦は激戦の末、GS延長戦1分9秒に小内刈を叩き込んで「技有」奪取で勝利。第1シードの田中美衣と戦った準決勝は体の力を生かして田中を引きずるようにして攻め込み続け、残り時間38秒で「指導1」奪取。結局延長戦まで含めた8分間を戦い切り、GS僅差3-0で初の決勝進出を決めた。

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写真:準決勝、阿部香菜が田代未来を
腕挫十字固「一本」に仕留める
一方の阿部は全試合「一本」という圧倒的な内容での決勝浸出。1回戦は伊藤楓(旭川大2年)を払腰(1:08)、2回戦は大学カテゴリの強者黒木和世(環太平洋大2年)に序盤の背負投で「有効」をリードされたが落ち着いて戦い横四方固(4:01)で勝利。もと世界ジュニア王者田代未来との準決勝は左払腰で崩して横三角、さらにそこから連絡して腕挫十字固(2:05)で勝利。強さと巧さを見せ付ける充実の戦いぶりでこちらも初の決勝進出を決めた。

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写真:決勝、奥襟を叩いた片桐が
足を差し入れての右大内刈に内股で攻める
決勝は阿部が左、片桐が右組みのケンカ四つ。阿部は身長160cm、対する片桐は166cmの長身。片桐は上から、阿部は下から釣り手を持ち、阿部はステップを切っての左足で相手の左足を内側から払い叩き、片桐は釣り手を奥襟に持ち替えるなり足を先に差し入れての大内刈を狙う。阿部はこれを受け止めて両者一瞬拮抗。

片桐さらに左内股、さらに探りの大内刈でコツコツと阿部の脚を叩き、阿部は左小外刈を打ち返して対抗。経過時間は33秒。

片桐が奥襟を持って圧力を掛けると阿部は横巴投、片桐は場外に回り伏せてこれを回避。

40秒を過ぎ、片桐は釣り手で横襟、引き手で袖を得る絶好の組み手。襟をさらに一握り上に握りなおして高さをキープすると、出てこない阿部を上下にあおり、一間置いて思い切りの良い右内股。タイミング良くかつ打点が高く、得点の予感に会場は大いに沸くが阿部は一瞬浮いてクルリと反転、身を逃がす。片桐の圧を阿部がやや捌きあぐね始めた印象で、試合の流れはやや片桐。

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写真:阿部の座り込みの左小外掛が
決まり「有効」
再開後、片桐再び高い位置で横襟を得て圧を掛ける。圧を受けた阿部はやや苦しい体勢。しかし片桐がこの釣り手を奥襟に持ち替えた刹那、阿部は体勢を低く、左の小外掛に座り込む。背筋を伸ばしたまま両腕を縮めて懐に吸い付いたこの技に片桐は抗えず大きく崩れる。阿部は転がった片桐に乗りまわりめくってフィニッシュ、これは「有効」。経過時間は1分20秒。

ビハインドの片桐は前へ、阿部は両袖を志向してこれをいなす。
2分、一方的に釣り手を得た片桐が右大内刈、さらに右内股、振り返しての右大内刈と技を繋ぐ良い攻撃。阿部は小外刈を合わせたままつぶれ「待て」。

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写真:阿部が巴投から引き込んで
寝技に誘う
過程を飛ばして奥襟を叩き始めた片桐を阿部はもてあまし始め、身を反転させて脱出。2分20秒には腕挫十字固を狙った巴投を仕掛けて片桐の腕を抱えるがこれは片桐が慌てて立ち上がり「待て」。

片桐は前へ、阿部は両手を相手の掌に絡ませて突進を減殺。
3分30秒、片桐がガップリと奥襟を持って阿部の頭が下がる。片桐は奥襟から帯に釣り手を持ち替えて鋭い引込返。阿部は抜け出して横四方固の体勢で被さるが、片桐は足を絡んで耐え切り「待て」。経過時間は3分48秒。

片桐は前に出て大内刈、形勢不利の阿部は右内股を打ち返すが技が軽く、片桐は背筋を伸ばしたまま崩れず「待て」。

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写真:残り時間僅か、
片桐のラッシュは届かず
4分13秒、片桐が引き手で袖、釣り手で帯と絶好の組み手を得るが阿部はいち早く半回転して相手から離れる。片桐は奥襟を叩き右体落で阿部を振り回して伏せさせて三角を狙うが果たせず「待て」。残り時間は18秒。

一方的に攻める片桐、奥襟を叩くと残り時間を計算した阿部はあっさり崩れ伏せて「待て」。残り時間は6秒。
片桐は前へ、阿部は距離を確保しようと試み、ここで終了ブザー。副審2人のアピールで阿部に「指導1」が宣告されるが試合の勝敗には影響なし。「有効」による優勢で阿部が嬉しい講道館杯初優勝を決めた。

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写真:優勝の阿部香菜
11年夏、世界選手権での負傷以来冴えた試合のなかった阿部だが今大会は復調気配。4戦4勝ち、3つの一本勝ちに加えて決勝は圧力に勝る相手を投げ勘抜群の一発で引き離しての勝利と、久々に阿部らしさの片鱗を見せての優勝だった。

そして際立ったのは片桐の強さ。抜群のパワーと圧力はそのままに、粗削りだった組み手が整理されて攻撃のスケール感が増した。調整がうまくいったのか体の切れも良く、この日の出来がコンスタントに発揮できるならば、今後は非常に楽しみな選手だ。

この階級は3位決定戦も豪華な顔合わせ。

まず津金恵が第1シードの田中美衣を開始僅か15秒の内股「一本」で粉砕。トーナメント敗退のショックか元気のなかった田中に、取り味抜群の津金の技が嵌った会心の一撃だった。津金、全日本ジュニア制覇に続き高校2年生での講道館杯入賞は見事の一言。

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写真:3位決定戦、田代未来が
佐野賀世子から大外刈で「技有」を奪う
そして田代未来と佐野賀世子による新旧ジュニア女王対決。
この試合は田代、佐野ともに左組みの相四つ。1分46秒に田代が「指導1」奪取、直後に佐野が長いリーチを伸ばして奥襟を巻きつけた刹那、田代は攻防一致の動きでこれを呼び込み回して左大外刈。膝を突いた佐野を真裏に叩き落として「技有」を奪い、このポイントを持ったまま試合を終えて優勢勝ち。
田代は昨年夏の膝の大怪我以降いまだベストパフォーマンスを発揮できていないが、センス抜群のこの一撃はかつての天才・田代の派手な試合振りを思い出させるものだった。今後の復調にさらに期待したい。

一方の佐野は10月の学生体重別に続き、この日も大会を通して煮え切らないパフォーマンス。高校時代に見せた異次元とも言える連続攻撃はターン数が明らかに減り、発想も相手の予想の範疇に収まるものにスケールダウンした印象。ボディバランスに自信を失ったのか、息が続かないのか、コンディションが悪いのか。良い体勢で待ち構える相手に単発の技を仕掛け、ゆえにバランス負けして自滅する、そしてバランス負けするがゆえに序々に連続技が減るという佐野らしくない悪循環に嵌りこんでいるように思われた。

山梨学院大勢は52kg級の加賀谷、63kg級の佐野、そして超級の山部と期待された選手がことごとく敗退。まさかの敗退を喫した体重別団体に続き失意の大会となった。

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写真:63kg級入賞者。
左から片桐、阿部、田代、津金
【入賞者】
優勝:阿部香菜(三井住友海上)
準優勝:片桐夏海(コマツ)
第三位:津金恵(松商学園高2年)
第三位:田代未来(淑徳高3年)

阿部香菜選手のコメント
「昨年の世界選手権で痛めた肘の経過が悪かったんですが、今日は調整がうまく行って結果につながったので嬉しいです。世界選手権では1回戦敗退という結果で悔しく、情けない思いをしましたが、来年の大会でのリベンジを目指すつもりです。そのために国内も、国際大会も、出れる試合ではしっかりと勝ちあがっていきたいです。1年1年悔いのないようにやっていきます」

【準々決勝】
田中美衣(了徳寺学園職)○優勢[技有・払巻込]△大川愛(天理大4年)
片桐夏海(コマツ)○GS技有・小内刈(GS1:09)△佐野賀世子(山梨学院大1年)
阿部香菜(三井住友海上)○小内刈(0:25)△津金恵(松商学園高2年)
田代未来(淑徳高3年)○優勢[指導2]△小林桃子(日本大4年)

【敗者復活戦】
佐野賀世子○大外刈(3:05)△大川愛
津金愛○優勢[有効・内股透]△小林桃子

【準決勝】
片桐夏海○GS僅差3-0△田中美衣
阿部香菜○腕挫十字固△田代未来

【3位決定戦】
田代未来○優勢[技有・大外刈]△佐野賀世子(山梨学院大1年)
津金恵○内股(0:15)△田中美衣(了徳寺学園職)

【決勝】
阿部香菜○優勢[有効・小外掛]△片桐夏海


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