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講道館杯女子マッチレポート 48、52、57㎏級

(2012年12月22日)


※eJudo携帯版「e柔道」11月27日掲載記事より転載・編集しています。

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講道館杯女子マッチレポート 48、52、57㎏級 1/3

浅海八瑠奈が総合力の高さ見せて優勝、2位は出色のパフォーマンス見せた十田美里
48㎏級

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写真:準々決勝、山崎珠美が遠藤宏美から
右一本背負投で決勝点となる「有効」奪取
準々決勝に注目対決が集中。
まず昨年の全日本ジュニア決勝の再現となる遠藤宏美(筑波大2年)と山崎珠美(山梨学院大1年)がマッチアップした一戦。
この試合は遠藤が51秒に背負投「有効」で先制。必死で追いかけ続けた山崎が残り23秒に内股「有効」で追い付き、試合はGS延長戦へ。遠藤の先制ポイント、タイスコアに持ち込んだ山崎の内股とともに「有効」相当のポイントとしては評価が微妙なところだったが、利を得たのは長い時間追いかける構図を強いられることで逆に勢いづいた山崎。攻め続けた本戦終盤の攻勢を持ち込んでGS延長戦1分58秒に一本背負投で「有効」を奪って勝利を決めた。

今期高校選手権、インターハイ、全日本ジュニアと3つのタイトルを制し乗っている岡本理帆(藤枝順心高3年)は伊部尚子(ぎふ柔道クラブ24)と対戦。1分24秒、3分45秒と2つの「指導」を奪って優勢勝ち、準決勝進出を決めた。長年シニア強化を張って一線で戦ってきた実力者伊部を地力でねじ伏せた高校生の岡本、マークを受けながらの勝利ということもあり、世代交代の予感をヒシヒシと感じさせる結果だった。

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写真:準々決勝を戦う
山岸絵美(右)と十田美里
そしてアップセットは山岸絵美(三井住友海上)と十田美里(近畿大4年)が戦った第1試合場の試合。1分38秒に双方に「指導1」が与えられたまま試合は動かずGS延長戦へ。延長1分56秒に十田が大外刈で「有効」を奪って勝利、準決勝進出を決めた。第2シードの山岸は決勝でライバル浅見八瑠奈(コマツ)との再戦が期待されていたが果たせず、この時点で本戦トーナメントからは陥落、敗者復活戦に回ることとなった。

決勝に進出したのは浅見と十田の2人。

第1シードの浅見は2回戦で田村明日美(帝京大4年)から背負投と上四方固の合技「一本」(3:28)で勝利。準々決勝は実業個人の決勝で対戦した笠原歩美(日体大柔友会)を相手に1分59秒背負投「技有」奪取、さらに2つの「指導」を奪って完勝。注目を集めた山崎珠美との準決勝は2つの「指導」を奪った末の4分12秒、山崎の大内刈を足先で捉え大内返「一本」(4:12)で貫禄の勝利。しっかり決勝進出を決めた。

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写真:十田が序盤はラッシュ、
左大外刈で攻める
一方の十田は1回戦で山見ちひろから「指導2」優勢で勝利、2回戦は渡名喜風南(修徳高2年)から3つの「指導」を奪ってこの試合も優勢勝ち、準々決勝は山岸絵美からGS延長戦に大外刈で「有効」を奪って勝利、岡本理帆との準決勝は「指導」ビハインドで迎えた残り5秒、大外刈で「技有」を奪って優勢勝ち。見事決勝の畳まで勝ち残った。

決勝は浅見が右、十田が左組みのケンカ四つ。

浅見回り込んで左引き手から持ち、右袖釣込腰。しかしこれは浅く、十田は迫力十分の左大外刈を叩き込んで切り返す。浅見は腰を切って伏せ「待て」。十田は再開直後に左大外刈、さらに座り込みながらの左大内刈に飛び込んでやる気十分。十田はさらに両襟を掴んでの左大内刈を見せ、浅見は反時計回りの右小外刈で十田を場外にはたき出して展開を切る。経過時間は1分12秒。序盤は気合の入った攻めを見せた十田がやや攻勢。

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写真:浅見の袖釣込腰
1分半を過ぎ、展開を立て直したい浅見が反撃開始。引き手から得ると右大内刈、右小外刈、さらに踵返に繋ぐ連続技で十田を伏せさせる。さらに組み際に高い右袖釣込腰に深く入り込み、十田はぶらさがるように耐え、なんとかこれをつぶす。経過時間は2分16秒。

十田はステップを切っての左大外刈、しかし体を捌いた浅見は右小外刈を抜き上げて十田をグラリと崩す。十田さらにケンケンの右小外刈に座り込みの右袖釣込腰と攻撃継続。十田は釣り手で奥襟を叩き、引き手をクロスに右袖を握ったまま左大外刈で浅見を場外にはたきだすが、その直後、浅見の右体落で十田が崩れ伏せ、寝技の展開が終わったところで十田に「指導」が宣告される。経過時間は3分28秒。

勢いを得た浅見、試合を決めんと右小外刈、さらに右大内刈から右小内刈と鋭い足技を連発するが十田はバランス良く場外まで逃れて「待て」。
一方的に足技を繰り出す浅見だが、十田は展開に引きずられず技を打ち返して拮抗を保つ。浅見が小外刈、さらに探りの大内刈を入れたところを十田が引き出しの左小内刈で切り返し、浅見は横倒し。しかしこれは場外の「待て」の後でノーカウント。残り時間は46秒。

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写真:浅見が両袖を掴んで右大内刈
両袖を掴んだ浅見は出足払に小外刈と足技が止まらない。浅見は足技に右袖釣込腰を織り交ぜ、逆転を狙った十田の左大外刈にも左一本背負投を打ち返して展開を吸収。このまま本戦5分は終了となり、試合の行方はGS延長戦へ。

延長も足技で浅見が攻め続け、十田が散発ながらも威力のある技を打ち返して決壊を防ぐという本戦の展開が継続。残り時間僅か、お互いが最後の印象点を狙う時間帯で十田が左小外刈、ここに浅見が燕返を絡み合わせて十田が伏せたところでタイムアップ。旗は3本が浅見に揃い、僅差3-0で浅見の優勝が決まった。

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写真:優勝の浅見八瑠奈
スピードファイターが揃う最軽量級のトップレベルは展開に差がつきにくく、特に追われる側にとってはまことに戦いにくい階級。技の威力やパワーといった地力はもちろん、組み手に足技、寝技への繋ぎといった戦術面の成熟なしには続けて勝ち抜くことが難しい階級だが、ここで浅見が見せ付けたのはまさにその、他選手とは一段も二段も違う総合力の高さ。十田との決勝は結果こそ僅差の旗判定だったが、巧みな組み手に止まらない足技、相手の威力ある技にも常に自分の技を打ち返して展開を終える戦術眼に寝技での優位と相手に展開を渡すことはほとんどなく、危なげのない試合ぶりだった。初の決勝進出でモチベーションの高い十田の序盤のラッシュを押し留め、ジワリと自分の展開に持ち込む戦術眼の高さはさすが。

一方の十田も実力十分。百戦錬磨の浅見のやり口に流されることなく威力のある技を打ち返す強気の試合ぶりには会場のそこかしこから「強い」との嘆息が漏れていた。強い体幹と技の威力、そしてボディバランスの良さとこの選手も総合力の高さが売り。ジュニア時代から強化対象の序列を上下し続けながらしぶとく生き残ってきた選手だが、その厳しい環境の中で着実に地力を養っていたということだろう。長身の岡本にパワーの山崎と良くも悪くも特徴際立つジュニア世代が台頭する中、常に一定の完成度を見せ続けながら成長してきた十田。どうやらその到達点がトップレベルに近づきつつある気配だ。

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写真:48kg級入賞者。
左から十田、浅見、岡本、山岸
この階級は3位争いも熾烈。
山岸絵美は伊部尚子を僅差3-0で破り、迎えた3位決定戦では山崎珠美に内股で「有効」を先制されたが、山崎の内股を受け止めて掬投で「有効」を取り返す。強気の山崎はあくまで足を差し入れて右内股、山岸が食いついて受け止めて掬投を狙い互いが拮抗という意地の勝負が続いたが、この構図はGS延長戦、山岸の掬投「有効」で収束、山岸が3位を確保した。岡本理帆は実業2位の笠原を内股「一本」で下して3位入賞、グランドスラム東京の出場権を確保した。

【入賞者】
優勝:浅見八瑠奈(コマツ)
準優勝:十田美里(近畿大4年)
第三位:岡本理帆(藤枝順心高3年)
第三位:山岸絵美(三井住友海上)

浅見八瑠奈選手のコメント
「色々なことを乗り越えての優勝。お世話になった方、支えてくれた人たちに恩返ししたかったので良かったです。五輪には出場できませんでしたが、8月の実業個人で優勝して、ようやく吹っ切って、気持ちを切り替えることが出来たかなと思います。この大会ではいままさに勢いがある学生と戦って優勝でき、次に向けて新しいスタートが切れた気がしています。リオ五輪は4年後ですし、まだそこまで先は見えていませんが、自分に後悔しないためにも今を精一杯やりたいと思います」

【準々決勝】
浅見八瑠奈(コマツ)○優勢[技有・背負投]△笠原歩美(日体大柔友会)
山崎珠美(山梨学院大1年)○GS有効・一本背負投(GS1:58)△遠藤宏美(筑波大2年)
十田美里(近畿大4年)○GS有効・大外刈(GS1:56)△山岸絵美(三井住友海上)
岡本理帆(藤枝順心高3年)○優勢[指導2]△伊部尚子(ぎふ柔道クラブ24)

【敗者復活戦】
笠原歩美○GS有効・小外刈(GS1:44)△遠藤宏美
山岸絵美○GS僅差3-0△伊部尚子

【準決勝】
浅見八瑠奈○大内返(4:12)△山崎珠美
十田美里○優勢[技有・大外刈]△岡本理帆

【3位決定戦】
岡本理帆○内股(3:06)△笠原歩美(日体大柔友会)
山岸絵美○GS有効・掬投(GS1:35)△山崎珠美(山梨学院大1年)
【決勝】
浅見八瑠奈○GS僅差3-0△十田美里


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