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東京グランドスラム2012・第2日各階級ひとこと展望

(2012年12月1日)


※eJudo携帯版「e柔道」12月1日掲載記事より転載・編集しています。

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東京グランドスラム2012・第2日各階級ひとこと展望


→各階級組み合わせ

トーナメントは二極分解、中矢-大野の対決実現に注目集まる
73kg級


【日本人出場選手】

中矢力(ALSOK・WR2位)
粟野靖浩(了徳寺学園職・WR36位)
西山雄希(筑波大3年・WR12位)
大野将平(天理大3年・WR28位)

webエントリーの段階で、07年リオ、08ロッテルダム世界選手権王者ワン・キチュン(韓国)、パリ世界選手権王者中矢力、66kg級ロッテルダム世界選手権のツァガンバータル・ハッシュバータル(モンゴル)と世界王者3人が名を連ねたこの階級。ワンは欠けたが、欧州の実力派ファンティシェル(ベルギー・WR7位)、ロンドン五輪王者イサエフを輩出したロシアからコトゾコフ(WR10位)、シャリポフ(ウズベキスタン・WR9位)と揃い、海外勢に関しては周辺層は薄いが強者が点在という二極分解のトーナメント。勝負どころのハッキリした階級だ。

日本勢はロンドン五輪銀メダリストの中矢に、東京世界選手権銅メダリストの粟野、西山雄希と大野将平の両世界ジュニア王者と充実した布陣。中矢はもちろん、講道館杯を圧勝で制して乗っている大野の出来に注目。大野、西山による中矢への挑戦というテーマもまた非常に興味深いトピックだ。

[Aブロック]

第1シード、中矢の山。中矢以外の6人の選手でランキング最上位はウラニ(フランス・WR41位)で勝ち上がりはまったく問題ないはず。負傷明けの中矢は自分との向き合い方だけがテーマだ。

[Bブロック]

コトゾコフの山。西山が配され初戦でザリプカノフ(カザフスタン・WR65位)とリ・ヨンジュン(韓国)の商社と戦い準々決勝でコトゾコフと戦う。
西山は09年-10年シーズンあたりの勢いがなくなってきているが技の切れと潜在能力は折り紙つき。そろそろブレイクポイントを迎えたいところ。

[Cブロック]

ファンティシェルの山で、ここは激戦区。逆側の山に粟野とツァガンバータルが詰め込まれた。両者は2回戦で対戦予定。66kg級でのツァガンバータルのアイデンティティは体幹の強さとスタミナ、際の強さ。ツァガンバータルはこれまでも調整期に度々グランプリレベルの大会に73kg級にエントリーし、そこそこ結果を出してきているが、粟野らトップレベルの選手にどれほどこれが通用するかが見もの。

[Dブロック]

シャリポフの山。大野が逆側に配され、香港選手と1回戦、2回戦でブリアンド(カナダ・WR50位)と戦い、準々決勝はシャリポフ。
比較的しっかり組んでくるはずのシャリポフは戦いにくい相手ではない。本命の中矢と逆の山ということも含め、講道館杯に引き続き大野には順風が吹いている印象。結果、内容と揃った勝ち上がりに期待したい。

[決勝ラウンド]

Aブロックの中矢の勝ちあがりは堅く、Dブロックの大野もほぼ間違いなく勝ち上がってくるだろう。ベスト4を日本勢が独占という可能性も高いが、B、Cの勝ち上がりの如何に関わらず、実績と現在の調子からして決勝は中矢と大野の対戦となる可能性が高いと見る。

組み力の強さに鉈を振り回すような一発の威力、そして寝技という大野の武器のベースはなんと言ってもそのパワー。しかし中矢の売りもまた体幹の強さと寝技。
ここまでシニアの国際大会では勝ったり負けたりの大野だが、国内で実績が残り始めた現時点で世界のトップと戦える力があるかどうか、銀メダリストの中矢を相手にこれを測る絶好のチャンスと言えるだろう。中矢のコンディションが絶好、という可能性は少ないが間違いなく好取り組み、今後数年のベンチマークとなり得る注目の一戦だ。


キム・ジェブン参戦!挑戦権掛けて中井、川上、長島が潰しあい
81kg級


【日本人出場選手】

中井貴裕(流通経済大4年・WR6位)
川上智弘(國學院大職・WR26位)
長島啓太(日本中央競馬会・WR12位)
春山友樹(国士舘大4年)

世界選手権2連覇者にしてロンドン五輪金メダリストのキム・ジェブン(韓国・WR1位)の参戦が階級最大のトピック。圧倒的な体幹とパワーを利しての圧殺、振り回しがベースだがこれを下支えするのが組み手の手順の巧みさと引き出しの多さ、オートマティズム。技以前にその持てるパワー全てを組み手に使ってくるすぐれて現代的な選手、厄介な相手だ。
最近は国際大会の出場自体を絞ってきており、グランドスラム出場は2011年パリ以来ほぼ2年ぶり。調整期のキムが見れるのは非常に貴重な機会。昨年のワールドカップ済州で国内選手に敗れているが、体力がベースのキムがハイコンディションでない時にどのような試合を見せるか、来年の世界選手権に向け隙を探るには絶好の機会だ。

このキムとマゴメドフ(ロシア・WR5位)が海外勢の二強で、ほかにマークすべき選手はほとんど存在しない。
できればキムに日本勢が次々当たる展開が望ましかったが、中井、川上、長島のトップ3は全て逆の山で潰しあい。試合技術が命の春山が同じ山に配され、準々決勝でまず挑戦する。

[Aブロック]

第1シード、キムの山。逆側の山に春山が配された。
春山の相手はランキング23位のボティエアウ(ベルギー)とイマモフ(ウズベキスタン・WR17位)。いかに中堅層が強い81kg級であってもここは勝たねばならない相手。

奥襟奪取に至る組み手技術の高さとパワーがキムの生命線だが、春山も相手にやりたいことをさせずに試合を進める技術は抜群。個人戦で勝つための手段は全て駆使する、というタイプの春山が、ハイコンディション期でないキムと「やれる」のであれば非常に面白い。組み手に関するルールの大幅変更が示唆される時期ではあるが、来期のキム対策に向け大きなヒントとなる試合のはずだ。

[Bブロック]

第4シード、ギヘイロ(ブラジル)の控えであるペナルバー(WR8位)の山。
対面の山の勝ち上がり候補はシュミット(フランス・WR11位)でありペナルバーの勝ち上がりは濃厚だが、2回戦は73kg級から階級を上げたロンドン五輪銅メダリストのセインジャルガル(モンゴル)がいる。軽中量級から中量級への転向は簡単ではないが、ある程度アジャストが進んでいるようであればこの選手が勝ち上がる可能性もある。セインジャルガルの柔道もまたパワー勝ちが組み立ての前提であり、その試合振りに注目。

[Cブロック]

マゴメドフの山。川上が逆側の山に配され、準々決勝での対戦がまず確実。
一時はロンドン五輪候補最右翼と言われた川上だが、選抜体重別決勝では中井に大外刈「一本」で完敗、講道館杯では高校生の小原拳哉に一発放られてしまっており階級内での立ち位置が揺らぎ始めている。欧州国際大会の派遣、ひいては世界選手権の出場には今大会の上位入賞が必須であり、このマゴメドフ戦は選手キャリアを左右する大一番。注目だ。

[Dブロック]

ロンドン五輪5位の中井の山。プール内唯一最大の注目は長島啓太との準々決勝だ。
技の長島、展開力の中井というのが昨年の構図だったが、あれから一年経ち長島はストロングポイントではなくむしろ総合力という点で力を増している。五輪時には相当の完成度に到達していた中井だがコンディションは夏ほど高くはないはずで、このあたりがクロスする事情がどう試合に影響するか。ここがポイントだ

[決勝ラウンド]

日本人に限らず、キムに対してC-Dブロックの勝者がどう戦うかが最大の見どころ。技か、展開か、キムが勝っても負けても興味深い対決であることに変わりはない。日本人選手がキムの首を狩った場合、世界選手権に向けてこの上ないアドバンテージとなるだろう。


アグベニューに挑む日本勢は好メンバー、本命阿部と若手3人の活躍に注目
63kg級


【日本人出場選手】

阿部香菜(三井住友海上・WR25位)
片桐夏海(コマツ)
田代未来(淑徳高3年)
津金恵(松商学園高2年)

日本勢のメンバーがとにかく面白い。来夏の世界選手権で金メダルを狙う阿部、講道館杯で問答無用の「強さ」を見せ付けて一段ステージを上った片桐、もと世界ジュニア王者でいよいよ11年夏の大怪我から立ち直りつつある天才田代、大物食い連発でとうとうシニアの国際大会出場まで上り詰めた全日本ジュニア王者津金と多士済々。世界選手権から逆算して勝利が「仕事」である阿部はテーマが一段上の位相にあるが、片桐以下は「挑戦」がテーマのはず。伸びやか、そしてエキサイティングな試合を期待したい。片桐はここでパフォーマンスできるかどうかが、今後強化選手として残っていけるか、選手としてのキャリアプランに大きく関わる分岐点。

海外勢、第1シードはジョンダウン(韓国・WR1位)だが、最大の敵は五輪王者デコスの後継者であるパワーファイターのアグベニュー(フランス・WR10位)、そしてシュレシンジャーと同国の2強を形成するゲルビ(イスラエル・WR9位)だ。

優勝候補は阿部とアグベニュー。次いでゲルビだがまずこの2人のいずれか優勝と見るのが妥当なところだ。

[Aブロック]

ジョンの山。初(2回戦)で57kg級の強者シルバ・ラファエラ(ブラジル)との対戦がありこれは見逃せないカード。
逆の山に片桐。1回戦のスロベニア選手、2回戦の中堅選手ボンホーム(スウェーデン・WR35位)まではおそらく問題なく、準々決勝のジョン、もしくはシルバ戦からが片桐の「挑戦」となる。
片桐の売りは馬力、そしてコマツ入社後獲得したそのパワーを生かす確かな攻めの手順。ジョンはパワーファイターが揃う韓国選手だが、その中にあっては線の細さも併せ持つタイプで、片桐にもチャンス十分。ジョンを粉砕できるようなら今後の国際大会では十分コンスタントに上位を狙っていけるだろう。

[Bブロック]

トラジドス(ドイツ・WR13位)の山。
逆側に津金が配された。いよいよシニア国際大会デビューとなる津金の主汚染は中堅選手で経験豊富なドレクサー(オーストリア・WR18位)。海外選手との対戦という状況自体が注目の津金だが、超強豪のいないこのブロックで組み合わせには恵まれている。ベスト4入りは十分ありうる。津金らしい、観衆をワクワクさせるような試合に期待したい。

[Cブロック]

ゲルビの山。準々決勝は阿部との対戦で、これはグランプリ大会なら決勝レベル、代表2人制の世界選手権ならベスト8クラスレベルの好カード。強さとうまさを併せ持つゲルビだが、最高到達点は阿部の方が明らかに上。比較的組んでくる選手のはずで、ここで技を受けずに先に攻撃したいところだ。

[Dブロック]

優勝候補アグベニューの山。

そして田代が初戦でこのアグベニューと対戦する。
フランスの「ブラックパワー」の担い手の1人であるアグベニューは典型的パワーファイター。もともとパワーと巧さの二乗で戦ってきた田代であるが負傷からの復帰途上にある今は巧さとセンスを上手に駆使して戦っている印象で、あまり相性が噛み合わない予感が漂う。関係者にとっては少々無茶な技を仕掛けてくるアグベニューとのマッチアップは再度の負傷がなにより心配。おそらくその恐怖感は田代にもあるはずで、田代は自分との戦いも強いられる。田代の勇気、そして田代を支える観衆の大きな声援に期待したい。

[決勝ラウンド]

ベスト4は片桐(ジョン)、津金、阿部、アグベニューとなる可能性が大。
最大の山場、そして世界選手権までを睨んだ大きなターニングポイントは阿部-アグベニューの準決勝。互いにベストコンディションではないはずだが、ともに層の厚いフランスと日本の63kg級、そのの今後を占う意味でも結果のみならず内容に注目したい一番だ。


海外勢はテーマ見つけにくい中堅揃い、日本勢のパフォーマンスのみが焦点
70kg級


【日本人出場選手】

田知本遥(東海大4年)
今井優子(了徳寺学園職)
大野陽子(コマツ)
ヌンイラ華蓮(環太平洋大3年)

ポーテラ(ブラジル・WR3位)、コルテス(キューバ・WR11位)、ファンイスル(韓国・WR6位)と中堅の強豪が集まったが海外勢には目玉がおらずトーナメントの水準はグランプリレベル。近年この大会の70kg級は海外参加者が薄い傾向にあったが五輪後の今年もその流れを引き継ぎ、むしろ良くこれだけ来てくれたという印象だ。

ロンドン五輪代表の田知本、講道館杯優勝の大野、選抜体重別と実業個人で良いパフォーマンスを見せながら講道館杯で不振に終わった今井、ワールドカップレベルの大会で腕を磨いてきた学生体重別連覇者ヌンイラそれぞれが現時点でどれだけパフォーマンスできるか、それぞれに抱える事情は異なるがその実力プレゼンの場と表現するしかない。いずれ世界選手権で上位を狙う選手ならば優勝必須というレベルのトーナメントだ。

[Aブロック]

ポーテラの山。2回戦で今井と対戦、勝者がそのままこのブロックを勝ち上がるはずだ。
今年、講道館杯はともかくとして国内での今井は本当に強い。「韓国背負い」も盛ってパワーファイターへの手当ても揃ってきた今井が再び国際の舞台に立ったときに、果たしてどこまでやれるのか、今後代表戦線に立つだけの戦闘力が示せるのか。久々めぐって来た大舞台、今井の活躍に期待したい。

[Bブロック]

コルテスの山。対面にボルダー(オランダ・WR18位)がいるがまずまずコルテスの勝ち上がりと見てよいはず。

[Cブロック]

田知本の山。初戦が大野という、両者にとって非常に過酷な山。
パワーファイターの大野は学生時代に比べて組み手、組み立てが緻密になってきており隙が少なくなってきた。一方の田知本も組み立ての丁寧さ、我慢が出来るようになったことによる最後のひと伸びで五輪代表を獲得した感がある。大物タイプ2人による対戦だが、実は我慢比べ、展開のシナリオ勝負になる可能性が高い対戦ではないだろうか。技や力以上に試合の構成、勝負の機微に注目したい一戦。

[Dブロック]

ファンイスルの山。
逆側の山にヌンイラが配され、初戦はズパンシック、ついで準々決勝でファンということになる。パワーを武器に国内で強さを発揮するヌンイラだが、タイプ的には奥襟のオーソドックスファイター。多くの人が感じるように、そのパワーが、パワーファイターであること自体が選手の条件である欧州勢に通じるかどうかが課題とみどころ。しっかり持てるか、そしてヌンイラの組み立て全ての一手目となる得意の大内刈が出るかどうかが勝負の分かれ目。

[決勝ラウンド]

各種大会の実績を考えればコルテスと田知本の決勝が順当だろうが、ともに比較的波の激しい選手で、特に五輪後初試合となる田知本の仕上がり具合は今のところ未知数。パフォーマンスの安定しているファンが掻っ攫う可能性も高い。 いずれ、前述の通り世界大会で上位を狙う選手であれば勝って然るべき面子。日本勢の意識の高さとハイパフォーマンスに期待したい。


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