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講道館杯男子マッチレポート 81、90、100、100㎏超級

(2012年12月1日)


※eJudo携帯版「e柔道」11月27日掲載記事より転載・編集しています。

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講道館杯男子マッチレポート 81、90、100、100㎏超級
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長島啓太が安定感見せ2連覇、高校生の小原は大物食い連発で3位入賞果たす
81㎏級

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写真:2回戦、高校生の小原拳哉が
実業王者の平尾譲一を肩固「一本」に
仕留める
優勝争いも勿論だが、この階級で戦前から注目を集めたのは高校個人戦2冠の小原拳哉(東海大相模高3年)と全日本ジュニア王者永瀬貴規(筑波大1年)という若手の大物2人の戦いぶり。

まずは高校生の小原。初戦から学生カテゴリの強豪・中川裕喜(日本大4年)と対戦する厳しい組み合わせだったが、組み勝って優位に試合を進めると、肩越しに背中を持ってきた中川に食いつき、掬投を合わせて一本勝ち。2回戦は4月に全日本選手権出場、8月には全日本実業個人を制して乗っている平尾譲一(パーク24)のしぶとい組み手を掻い潜りながら技を仕掛け続け、GS延長戦に一本背負投の形に腕を抱えた左大外刈に飛び込む。平尾がこれを返そうと体を前に倒して逃れたところを小外掛に連絡して裏に抜けて崩し、肩固に決めて一本勝ち(GS2:42)。準々決勝ではなんと第1シードの11年グランドスラム東京王者川上智弘(國學院大職)を僅か36秒で掬投「一本」に仕留める完勝。中川、平尾、川上という強者3人を立て続けに下し、驚嘆の声の中ベスト4進出を決めた。

準決勝は春山友紀(国士舘大4年)の厳しい組み手と試合運びの前に完封され、出足払で「有効」失陥。残念ながら敗退したものの、3位決定戦では安田知史(天理大3年)を、「有効」ビハインドの状況から組み際の大外刈一閃「一本」(3:13)で逆転勝利。人材ひしめくこの階級で3位入賞の快挙を成し遂げ、関係者に大きなインパクトを残した。

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写真:1回戦、
永瀬貴規が大辻康太を内股で攻める
一方の永瀬も初戦から学生王者の大辻康太(埼玉大4年)という強豪とのマッチアップ。ケンカ四つのこの試合は大辻得意の高い左背負投に何度も入られて掛け数を稼がれたが、片手ながらも内股を仕掛け続けて主導権を渡さず僅差3-0の判定勝ち。2回戦は内門卓也(大阪府警)を大内刈「有効」、大外刈「一本」(2:14)と立て続けに投げて快勝、準々決勝進出を決めた。

ところがここでもとシニア強化選手の海老泰博(旭化成)が立ちはだかる。開始僅か39秒の背負投「一本」、何もできないままに一発を食ってトーナメント敗退決定。これで気落ちしたか、敗者復活戦は安田知史に内股「有効」、小外刈「一本」と投技を2発立て続けに食ってあっさり終戦(2:24)。入賞は果たせなかった。

全日本ジュニアの好試合、そして10月末の全日本学生体重別優勝大会における圧倒的なパフォーマンスを考えるにやや拍子抜けの内容と結果。全戦通じて油気の抜けた試合振りで、永瀬らしい気迫、ギラギラした「一本」奪取への意欲がいまひとつ感じられない一日だった。
とはいえ永瀬はまだジュニア世代の大学一年生。関係者全てがその可能性に太鼓判を押す、希代の大物の次なる活躍に大いに期待したい。

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写真:準決勝、春山友紀が小原に
足を抱えさせたまま出足払「有効」を奪う
決勝に進出したのは春山友紀(国士舘大4年)と昨年王者の長島啓太(日本中央競馬会)の2人。昨年この大会の準決勝で対戦、長島が「指導2」を奪った末に内股から繋いだ小内刈「有効」で勝利しているカードだ。

春山は2回戦で山田泰裕(筑波大3年)から「指導2」と背負投「有効」を奪って勝利。2回戦は上田達彦(東海大1年)を三角絞(1:32)に切って落とし、準々決勝は前戦で丸山剛毅(天理大2年)を背負投「有効」で下した垣田恭平(旭化成)から内股「一本」で快勝。準決勝は前述の通り高校生の小原を完封、出足払で足を抜き上げ、小原が足を抱えてきたところをそのまま体を捨てて転がし「有効」奪取。このポイントで勝利して決勝進出を決めた。

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写真:準決勝、長島啓太が海老泰博を攻め込む
一方の長島は初戦(2回戦)が花本隆司(京葉ガス)といういきなりの大山場。この試合は地力を生かして組み手で主導権を握り、いなしながら戦ってくる花本をジワジワと追い詰めながら「指導1」を得て本戦5分終了、迎えたGS延長戦30秒に小内刈で「技有」を奪って勝利。

続く2回戦は学生2位の片岡仁(日本大3年)を払腰「一本」(2:57)で退け快勝、準々決勝は安田知史に大内返「有効」をリードされたが落ち着いて優位を作り続け「指導3」を奪っての優勢勝ち。準決勝は海老泰博を相手に組み手で優位を作って引きずり出すように一方的に攻め続け、1分51秒、3分17秒と2つの「指導」を奪って危なげなく勝利。今年も決勝の畳に上がる権利を得た。

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写真:長島が左内股で春山を前のめりに崩す
決勝は春山が右、長島が左組みのケンカ四つ。
開始早々春山奥襟を叩いて右内股、さらに繋いで右大内刈と先制攻撃。
長島は釣り手を弾いて前に出るが春山は引き手でこれを切り離して対応、きっかけをつかませない。

30秒過ぎ、春山が右小外刈から右内股と鋭い連続技。凌いだ長島、奥襟を掴んでの左内股で春山をはたき込むように崩す。序盤戦は両者展開を譲らず、経過時間は54秒。

再開後、春山が釣り手で奥襟を叩き、長島の引き手を抱き込むが長島は手をハンドル操作しながら腰を切り、引き手を振り戻して脱出。再び両者は引き手争い。

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写真:長島の左内股、
再び春山は腹から落ちて耐え切る
春山が釣り手で背中を掴むと、応じた長島は引き手を得ながら春山を前に送り出すように左内股。勢い自体に押しこまれるように春山は外側にドウと崩れて伏せ、しかしこれはノーポイント。長島は背中について寝技を選択するが位置が場外に近すぎ、自らあきらめて「待て」。経過時間は1分46秒。

続く展開、奥襟を得た春山が右大内刈から右体落とまたもや鋭い連続技、長島は引き手を切って手堅く対応。春山は右足のつま先を持ち上げて晒す足技のフェイントで長島をけん制しながら片手の右内股に大内刈、小外刈で攻め、長島は出し投げの形で春山を送り出す崩し技で対抗。

2分30秒を過ぎるが試合展開はいずれにも振れず、拮抗。長島は両襟を掴んで探るように左内股を差し込むが春山は前に振り潰して「待て」。
しかしこれで感触を得たか長島は釣り手で奥、引き手で左襟という両襟の戦いを続行。小外刈を抜き上げ、前に出ながら攻勢を取り始める。

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写真:長島が左大内刈を押し込んで
「技有」を奪う
3分を過ぎ、春山はまたもや爪先を持ち上げて膝から先を動かし、小外刈のフェイントで長島を牽制。応じた長島がここに踏み込むと、反応した春山は右小外刈を放つが片足のまま押し込まれてた格好となりバランスを崩す。機と見た長島はさらに左大内刈で押し込み、反転して逃れようとした春山の一歩先に向かって飛んで体を捨て、「技有」を奪う。経過時間は3分18秒。

再開後、長島は下から、春山は上から釣り手を持って引き手争い。長島は釣り手を引き上げながら、春山は上から圧をかけたまま足を差し入れ合っての互いに内股で攻めあう。 追いかける春山は激しく前に出るが長島落ち着いて左内股を合わせ、自身の攻勢の形で展開を切る。残り時間は1分1秒。

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写真:春山、逆転を狙っての
右一本背負投も長島が
抜け捌いて潰し「待て」
ペースを上げたい春山はステップを切っての支釣込足に小外刈、両足で内、外と長島の左足を払っておいての右内股と激しく攻めるが、長島は引き手を切って捌くと出足払を放って展開を終え、主導権を渡さない。

やや技を受けすぎた長島に「指導1」が与えられるが、この時点で残り時間は僅か22秒。春山は絶体絶命。

追い詰められた春山は奥襟を叩き、長島はこれをいなす。春山がもう一度奥襟を叩くと長島は頭を下げられてしまい、腰を切って距離をとる。いま一息でもうひとつの「指導」が宣告されそうな気配となったが、春山がここに右小外掛、続いて変形の右一本背負投に座り込んだところでタイムアップ。

長島の「技有」による優勢勝ちでこの試合は決着。長島、見事昨年に続く講道館杯2連覇を達成した。

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写真:優勝の長島啓太
昨年は技の威力と勢いを利して講道館杯優勝、グランドスラム東京3位と躍進した長島だが、今大会では勢いよりもその安定感が光った。手堅い組み手と、勝負どころで繰り出される威力抜群の投技。良い意味でも悪い意味でも「危うさ」が同居した昨年の戦いぶりとは打って変わった大人の柔道、各種国際大会での経験を経て、選手としてのステージが一段上がった印象だ。

敗れた春山も「キレキレ」と評されて然るべきハイパフォーマンスを見せた。各種団体戦での低調が嘘のように、持ち前の試合技術の高さにスピードと度胸、技の威力も盛ってこれならばグランドスラム東京への選出も当然と周囲を唸らせるだけのものがあった。国際大会で成績が残らない傾向にあるが、いましばらくその成長を見守り続けるべき選手であろう。

グランドスラム東京にはロンドン五輪代表の中井貴裕、さらに川上、長島、春山が選ばれた。恒例の「ジュニア枠」は敢えて行使されず、高校生の小原のシニア国際大会デビューは次回以降に持ち越しとなった。

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写真:81kg級入賞者。
左から春山、長島、小原、川上
【入賞者】
優勝:長島啓太(日本中央競馬会)
準優勝:春山友紀(国士舘大4年)
第三位:小原拳哉(東海大相模高3年)
第三位:川上智弘(國學院大職)

長島啓太選手のコメント
「まだ実感はありませんが、やっぱりうれしいですね。決勝は接戦になると思っていましたがポイントを奪って勝つことが出来てよかった。世界団体選手権から帰国してあまり時間がなかったのですが、逆にそれで開きなおって出来たことが良かったですね。去年はこの大会で優勝したんですが、その後の国際大会は内容にとらわれ過ぎました。勝つこと、結果を出すことをまずしっかりやっていきたいです。グランドスラム東京に選んで頂けたら一戦必勝、上をみないで目の前の試合をしっかり戦います」

【準々決勝】
小原拳哉(東海大相模高3年)○掬投(0:36)△川上智弘(國學院大職)
春山友紀(国士舘大4年)○内股(4:24)△垣田恭平(旭化成)
長島啓太(日本中央競馬会)○優勢[指導3]△安田知史(天理大3年)
海老泰博(旭化成)○背負投(0:39)△永瀬貴規(筑波大1年)

【敗者復活戦】
川上智弘○優勢[有効・小外刈]△垣田恭平
安田知史○小外刈(2:29)△永瀬貴規


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