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講道館杯男子マッチレポート 60、66、73㎏級

(2012年12月1日)


※eJudo携帯版「e柔道」11月13日掲載記事より転載・編集しています。

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講道館杯男子マッチレポート 60、66、73㎏級 1/3

山本、高藤意外な敗退、木戸慎二が志々目徹との同門対決を制す
60㎏級

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写真:山本浩史は煮え切らない試合で
初戦敗退
昨年グランドスラム東京で大活躍した山本浩史(ALSOK)と高藤直寿(東海大1年)がそれぞれ第1シード、第2シード配置となったが両者は序盤戦で敗退。

まず山本はなんと初戦を勝ち抜けず。2回戦で強敵・西尾享祐(天理大4年)の前に泥沼の消耗戦に陥り、片襟を差して担ぎを狙う西尾の組み手を突破できない。煮え切らない内容のままあっという間に8分間が過ぎ去り僅差判定の結果は0-3。早々に畳を去ることとなった。
「緊張でガチガチだった」という関係者の証言通り、久々の試合に体の動きが硬く本来の力にはほど遠い出来。早期敗退ゆえに敗者復活戦にも回れず当然入賞は叶わず。、昨年優勝したグランドスラム東京の代表権すら逃すこととなってしまった。
今年1月の時点ではロンドン五輪代表の一番手とも噂された山本。久々の試合だったが、春先の低落傾向に延長線を引っ張る形となってしまい名誉挽回はお預け。現在ワールドランキングは4位に留まっており、例年1月に行われるワールドマスターズの出場資格は留保、同大会に希望を掛ける。

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写真:2回戦、河野亮哉が
高藤直寿から右内股で「一本」を奪う。
場内騒然
続いて高藤も敗退。2回戦は澤田涼(国士舘大3年)を相手に8分フルに戦い僅差3-0でなんとか退けたが、続く準々決勝はダークホースの河野亮哉(日体大2年)の両襟の右内股を思い切り食って1回転。浮いた勢いで引き手が切れ、完璧な投げではなかったが、河野がマウントの形で上体に乗って技の評価は上乗せ。顔をあげる高藤に主審の「一本」の宣告が無常に響く。
「なんとかなるという気持ちで試合をしてしまった。『フワフワしていた』と皆に言われた」と自身が語った通り、試合振りは煮えきらず心と体がバラバラの印象。食った技自体はアクシデントの感が強かったが、かつての掬投一辺倒スタイルから転身、二本持ってどの方向にも技を仕掛けられるオールラウンダーに進化を遂げたはずの高藤が今大会ではいささか散発の奇襲技に頼り過ぎる感で、昨年見せた取り味がほとんど感じられなかった。

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写真:高藤は柴田悠輔を
「一本」に仕留めて3位確保
天才肌で、若さというポテンシャル、そして相手が誰でも「一本」取るのではないかと予感させる抜群の取り味を見せ続けたがゆえに、階級の序列とは別枠でその実力を買われていた感のある昨年の高藤だが、今大会で「勝ったり負けたり」という階級内の序列にその存在がひとまず吸収された印象。
高藤は敗者復活戦を不戦勝ちで勝ち抜け、3位決定戦で柴田悠輔(国士舘大3年)を掬投「一本」に仕留めて辛くも入賞は確保。グランドスラム東京で捲土重来を期す。

今期全日本ジュニア王者大島優磨(国士舘高3年)は初戦で山中大熙(鹿屋体育大2年)にGS延長戦「指導2」で敗退、インターハイ王者田中崇晃(白鴎大足利高3年)は初戦で小林優武(天理大4年)に「指導2」で勝利したものの2回戦で河野に小外刈で「有効」を失って敗退、もと55kg級世界ジュニア王者永山竜樹(大成高1年)は初戦で柴田悠輔(国士舘大3年)にGS延長戦で「有効」を奪われて敗退、今期全日本ジュニア55kg級王者の宮川太暉(安田学園高2年)は初戦で宮本拓実(国士舘大3年)に体落「技有」で敗退、09年世界カデ55kg級王者の藤澤征憲(国士舘大1年)は初戦で矢野大地に一本負けと、ジュニア世代にとっては非常に厳しい大会となった。

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写真:準々決勝、
木戸慎二が昨年王者の
川端龍から小内刈を
巻きつけて「一本」
決勝は10月の学生体重別選手権と同じ顔合わせ。学生体重別2連覇者の木戸慎二(日体大4年)と志々目徹(日体大3年)による再度の同門対決となった。

木戸は1回戦で野村翔太(都城駐屯地)を相手に「指導3」まで奪った末の払腰「一本」(3:06)で快勝。2回戦は強敵・矢野大地(パーク24)を内股「一本」(2:36)に仕留め、準々決勝では昨年王者の川端龍(了徳寺学園職)と対戦、延長戦で一時は「有効」を失いかけたが(取り消し)、最後は小内刈を巻きつけて畳に叩きつけ「一本」(GS2:06)を奪うと、準決勝では前戦のジャイアントキリングで勢いに乗る河野亮哉を払巻込で潰し落として一本勝ち(1:40)。4試合オール一本勝ちという素晴らしい成績で決勝の畳へと乗り込んできた。

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写真:準々決勝、志々目徹が実業王者の
石川裕紀を内股「一本」に仕留める
対する志々目は1回戦で藤賀健司(帝京科学大2年)を内股「一本」(2:28)、2回戦はインターハイ2位の林浩平(北海高3年)に粘られたがGS僅差3-0で勝ち抜け、準々決勝は実業個人王者の石川裕紀(了徳寺学園職)に内股「一本」(3:05)で快勝。準決勝は柴田悠輔にGS僅差3-0で勝ち抜き、初の決勝の畳へと駒を進めた。

決勝は志々目、木戸ともに左組みの相四つ。
互いに一手目を引き手から欲しがり、序盤はお互いになかなか持てず離れたままの攻防が続く。
30秒過ぎ、木戸が組み際に釣り手を奥襟に叩き入れながら鋭い左大内刈を入れ、志々目は抜き捌いて場外に逃れる。

前回対戦では木戸の前に手数で後手を踏んだ志々目、奮起して奥襟を叩きながらの左内股。木戸は掬投で受け止め、志々目が止まらずに前に出てくると見るや左払巻込に切り替えて志々目を場外にはたき出す。

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写真:木戸の左内股巻込、
志々目は足を上げて力を逃す
1分過ぎ、引き手を得た木戸が釣り手を争いながら左内股巻込。掛け足が高く揚がるが志々目も股中でこれを捌いて高く脚を上げ力を逃がして耐え切り「待て」。

続く展開、木戸が釣り手から奥襟を叩くと志々目が切り離し、双方場外へ。再び試合は一手目の取り合いと切り合いにステージを戻し、膠着。

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写真:木戸の巻き込み、
志々目は返す体勢のまま畳に転がる
2分を過ぎ、審判が展開に差をつけたくなるこの間合いで木戸は仕掛ける。志々目が釣手を畳んで前に出、片手で大内刈に足を差込んだところに奥襟を持ちながら左内股。志々目が掬投で食いつくと巻込に切り換えて体を捨て、志々目は返そうとした態勢のまま場外で勢いよく転がる。これは場外でノーカウントだったが、直後の2分22秒、主審は志々目に「指導1」を宣告。

組み手にこだわりすぎると試合を失うと見たか、ここから志々目は一手目を釣り手から持ち始める。よって容易に引き手から得た木戸が奥襟を叩くと志々目は巻き込み伏せて展開を切り、再び釣り手から持つと左内股から朽木倒、しかし力が届ききらず、木戸がかわして「待て」。

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写真:残り時間僅か、
木戸が大内刈、小内刈から掬投に繋ぐ
木戸が引き手で襟をつかむと、志々目が片手の左背負投で掛け潰れること2回。手順の打開を狙った志々目は釣り手で左片襟、引き手で裾を掴んで攻撃を試みるが、木戸すかさず巴投で展開を切り「待て」。経過時間は3分57秒。

志々目今度は釣り手で横から背中を差すが、木戸は釣手を縦に回して奥襟を叩き、志々目の頭を下げる。大外刈のフェイントで膝から先を持ち上げて志々目を牽制し、流れは木戸。

残り30秒を過ぎ、再び木戸は引き手から、志々目は釣り手から一手目を開始。木戸が左払巻込を仕掛けると志々目は掬投、しかし木戸は技を継続して前に潰れ、志々目に展開を渡さないまま「待て」。

残り時間僅か、木戸は釣り手で一旦志々目の襟に触っておき、すかさず背中に深く差し替えて組み際の左大内刈。これは深く入るが、志々目は体を前に倒してケンケンで耐える。木戸は頭を脇から志々目の裏に抜き、相手を抱きかかえたまま左小内巻込に切り替える。距離が遠く固定できないと見た瞬間、さらに一歩前に出て掬投。持ち上げられた志々目一旦両足が完全に畳を離れて宙に浮くが、自ら前に飛んで手を突いて逃れ「待て」。迫力満点の三段攻撃。木戸、優勢。

残り5秒を切り、木戸が巴投で展開を終えたところでタイムアップ。木戸が優勢に試合を進めてはいたものの双方ポイントなし、勝敗の行方はGS延長戦へと縺れこむこととなった。

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写真:延長、志々目の左体落
延長は双方手を握り合わせては離れる慎重な展開でスタート。
10秒を過ぎたところで志々目が初めて引き手で袖、釣り手で奥襟という完璧な形を作るが、仕掛ける前に木戸が巴投で展開を切って「待て」。

志々目、釣手を小さく畳んでの左体落で木戸を振り崩して伏せさせ「待て」。さらに釣り手で肩越しに背中を叩くと木戸は身を切って脱出、志々目出足払を合わせるがチャンスを逃す。

50秒過ぎ、横変形で力を殺しあったところから志々目が座り込みの左小内刈、さらに朽木倒に連絡するが木戸崩れず。

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写真:志々目の巴投をかわして、
ヒラリと畳に降り立つ木戸
組み手で優位を作り続ける木戸に対し、志々目は大内刈のフェイントで足を振り上げて巴投を試みるが木戸はヒラリとかわして立ったまま捌き「待て」。志々目は打開を狙って小内刈に小内巻込と繰り出すが木戸がほとんどバランスを崩さずに淡々と優位を作り続ける。

残り25秒、木戸が巴投、クルリと回った志々目はバランスを崩して畳に落ちるがノーイント。
残り数秒、木戸が志々目の左袖をいなして裏へ抜ける。志々目は掬投を合わせ、木戸の足を持ち上げながら釣手で木戸の首裏を押して頭を下げさせて投げきろうとするが木戸が伏せてタイムアップ。勝敗は旗判定にゆだねられることとなった。

旗は3本が木戸に揃って決着。苦労人の木戸、昨年の学生初制覇に続きついに悲願の講道館杯初優勝を成し遂げた。

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写真:優勝の木戸慎二
学生体重別決勝では同じ志々目を相手に先、先と掛け続けることで勝利の果実を得た木戸。この時は地力に勝る志々目と結果を得た木戸という構図に見えた2人の力関係であるが、内容を見る限りこの日に際立ったのはむしろ木戸の強さだった。
組み手で妥協せずに優位を取り続け、先に仕掛けるだけでなく逆転の一発を狙う志々目の技をすべてその起こりの段階で潰し、のみならず自分の攻撃に変換して展開を終えることで、志々目が攻撃を決意する回数を減殺していった。僅差3-0とスコアこそ縮まったが、内容的には木戸が差を広げたという格好の決勝だった。

志々目は前回の反省からか、思い切った攻めを見せる場面も作ったがその都度木戸の逆襲に合い、攻撃意欲を削られていった。掬投を払巻込に展開されて転がってしまい、直後、双方攻撃できない状況に焦れたか、ここまで引き手から狙い続けた丁寧な展開を釣り手からに切り替えた中盤戦がこの試合のターニングポイントだったと見る。マクロな展開からミクロな局面に至るまで、木戸の「我慢」が勝ったという試合だったと評したい。この日の木戸は地力、そして同門の後輩に追いかけられる決勝を突き放した精神力とまさしく優勝にふさわしいパフォーマンスを見せていた。

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写真:60kg級入賞者。
左から志々目、木戸、石川、高藤
【入賞者】
優勝:木戸慎二(日体大4年)
準優勝:志々目徹(日体大3年)
第三位:石川裕紀(了徳寺学園職)
第三位:高藤直寿(東海大1年)

木戸慎二選手のコメント
「ずっとこういう大きい大会では大事なところで負けていました。うれしいです。強い後輩で尊敬していますが、年上なんで負けちゃいけないなとがんばりました。一流選手みたいなキレイな技はないですが、持ち味である攻めと力で頑張ろうと思って臨みました。グランプリ・デュッセルドルフに出していただいたんですがそこで負けてしまい、それから海外の大会には出させてもらっていません。ここで勝てば色々な大会に出場できるんじゃないかという思いもあって頑張りました。グランドスラムに出られたら優勝目指して精一杯頑張ります。」

【準々決勝】
柴田悠輔(国士舘大3年)○優勢[有効・払腰]△西尾享祐
志々目徹(日体大3年)○内股(3:05)△石川裕紀(了徳寺学園職)
河野亮哉(日体大2年)○内股(2:56)△高藤直寿(東海大1年)
木戸慎二(日体大4年)○GS小内刈△川端龍(了徳寺学園職)

【敗者復活戦】
石川裕紀○優勢[技有・肩車]△河野亮哉
高藤直寿○不戦勝△川端龍

【準決勝】
志々目徹○GS僅差3-0△柴田悠輔
木戸慎二(○払巻込(1:40)△河野亮哉

【3位決定戦】
石川裕紀○背負投(2:05)△河野亮哉
高藤直寿○掬投(1:52)△柴田悠輔

【決勝】
木戸慎二○GS僅差3-0△志々目徹


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