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全日本学生体重別女子レポート

(2012年11月4日)


※eJudo携帯版「e柔道」10月20日掲載記事より転載・編集しています。

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全日本学生体重別女子レポート 1/3

1年生の山崎珠美がパワーで圧倒、オール一本で学生王座獲得
48㎏級

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写真:決勝に進んだ塚原唯有
エントリーは21名。決勝に進出したのは第1シードの塚原唯有(環太平洋大)と、優勝候補筆頭の1年生・山崎珠美(山梨学院大)の2人。ほぼ予想通りの顔合わせとなった。

塚原は2回戦で高橋育(国際武道大)から背負投で2つの「有効」を奪って優勢勝ち、3回戦は10年44kg級全日本ジュニア王者の深谷美紀(仙台大)から小内巻込で「有効」を奪うと横四方固に繋いで一本勝ち(3:05)、最大の勝負どころとなった10年世界ジュニア王者の十田美里(近畿大)との準決勝は3分53秒に小内刈で「技有」を奪って勝利。強敵を立て続けに倒して見事決勝進出を決めた。

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写真:3回戦、山崎珠美が
山見ちひろから裏投で「一本」
一方、昨年のジュニア王者で講道館杯でも2位入賞している山崎の勝ちあがりは圧倒的。2回戦は藤本麻美(日本大)を相手に1分46秒の間に払腰「技有」、袖釣込腰「有効」、大内刈「一本」を奪う圧勝。3回戦は山見ちひろ(環太平洋大)を僅か37秒の裏投「一本」に沈め、準決勝は森崎由理江(鹿屋体育大)を小外掛「一本」(0:50)に仕留める。前評判通り圧倒的な強さを見せての決勝進出だ。

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写真:塚原が横三角を試みる
決勝は塚原が右、山崎が左組みのケンカ四つ。
山崎は釣り手で背中を叩き、引き手は左襟を握る強気の組み手。始まるなりその圧力で塚原は伏せてしまい、以後も左小外掛をズシリと打ち込んで来る山崎の前に後退を余儀なくされる。

30秒を過ぎ、山崎は釣り手で肩裏を握り塚原を寄せる。塚原は柔道衣をずらして力を逃がそうとするが山崎は間合いを詰めて左小外掛で追い込み、十分餌を撒いたところで得意の右一本背負投に飛び込む。これは入りが深すぎて体が抜けてしまい、塚原が潰して三角を試み「待て」。経過時間は1分15秒。

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写真:山崎の大内返が豪快に決まり
「一本」
山崎再び釣り手で肩裏を掴み、右引き手で左襟を握っての左大内刈。これはなんとか耐えた塚原だが、山崎の突進の前に徐々に手が詰まっていく。

1分42秒、窮した塚原が右内股から座り込みの右大内刈。山崎待ってましたとばかりに小外掛の形で足を絡めさせたまま思い切り大内返。塚原の両足が完全に宙に浮き、体が高く上がる豪快な一撃は文句なしの「一本」。

1年生の山崎、全4試合に一本勝ち、それも全く相手を寄せ付けない完璧な試合で見事学生体重別制覇を成し遂げた。

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写真:昨年の全日本ジュニアでの
全国デビュー以来破竹の勢い、
1年生ながら見事優勝を決めた山崎
山崎は一学年下のジュニア王者岡本理帆(藤枝順心高)とともに48kg級では珍しい奥襟ファイター。パワーを全面に押し出したそのファイトスタイルで、前襟を持って小内刈に低い担ぎ技という典型的軽量級選手を次々に餌食にしてきた経歴の持ち主だ。今大会の参加選手はこのスピードと担ぎを武器に戦うタイプの選手であり、質的にも山崎と拮抗しうる強豪はおらず。優勝は必然の結果であったと言える。

スピードを生かした手先の組み手争いとそれを縫っての担ぎ技、その中でのディティール比べという試合傾向の強い最軽量級の選手たちの中にあって、質的にもパワー的にも全く異なる山崎や岡村のスタイルはいわば「肉食系」、それも草食動物の中に紛れ込んだ肉食恐竜という趣がある。

岡本と山崎が今後シニアでどこまでの成績を残すか、そして何より国際大会でどのような戦いを見せるかは非常に興味深い。2人がともに世界で戦えるということになれば、このスタイルは48kg級の新潮流に成り得る可能性があるのではないだろうか。今後に注目である。

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写真:優勝の山崎珠美
【入賞者】
優勝:山崎珠美(山梨学院大)
準優勝:塚原唯有(環太平洋大)
第三位:十田美里(近畿大)
第三位:森崎由理江(鹿屋体育大)

山崎珠美選手のコメント
「自分の柔道をするだけだと思っていました。今日はこれが出来たと思います。全日本ジュニアは追い込みが足りなかった、反省を生かせました。山梨学院大は高校の時の柔道を生かす指導をしてくれるのでありがたい。自分の力が出せていると思います。前襟を掴んでの練習もやってはいるけれど、今日は奥襟を掴んで自分の柔道に徹しました。講道館杯は優勝、グランドスラム東京での上位入賞を目指します。体重別団体は4年生のためにもがんばります」

【準々決勝】
塚原唯有(環太平洋大)○横四方固(3:05)△深谷実紀(仙台大)
十田美里(近畿大)○小外刈(3:31)△小原優紀(淑徳大)
森崎由理江(鹿屋体育大)○抑込△藤井紘恵(仙台大)
山崎珠美(山梨学院大)○裏投(0:37)△山見ちひろ(環太平洋大)

【準決勝】
塚原唯有○優勢[技有・小内刈]△十田美里
山崎珠美○小外刈(0:50)△森崎由理江(鹿屋体育大)

【決勝】
山崎珠美○大内返(1:42)△十田美里

※公式記録ママ


女子最大の激戦階級は加賀谷千保が2度目の優勝
52㎏級

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写真:1回戦、谷本和が田中千尋を
相手に「有効」で逆転勝利を決める
この階級は有力選手がギッシリ。女子全体の中でも1、2を争う密度の濃いトーナメントだ。

序盤戦も有力選手同士の対決が続き、1回戦第1試合から昨年王者の谷本和(環太平洋大)と田中千尋(帝京大)が激突するという好取り組み。この試合は田中が3分56秒に小外刈で「有効」をリードしたが、エマージェンシー体制にシフトして片手技を連発した谷本の前に残り12秒で「指導2」失陥、試合はGS延長戦に縺れ込む。
この激戦はGS1分48秒、谷本が田中の小外刈を透かし返して「有効」を奪取して決着。第1シードの谷本がなんとか2回戦進出を決めた。

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写真:3回戦、勝負どころの
渡邉美樹戦を戦う加賀谷千保
決勝に進出したのは加賀谷千保(山梨学院大)と黒木美晴(環太平洋大)の2人。

もと世界ジュニア王者、昨年は講道館杯を制している加賀谷は1回戦で八田和奏(北海道大)に内股で一本勝ち、2回戦は金田結花(帝京大)から内股透「技有」を奪って勝利、注目を集めた渡邉美樹(東海大)との3回戦は試合終了間際に大外刈で「技有」を奪って勝ち抜け、昨年王者の谷本和との準決勝を迎えた。

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写真:加賀谷が昨年王者の谷本和か
ら豪快な大外返「一本」
ともに左組みの相四つ。厳しい絞り合いから加賀谷は前に出、パワーが売りのはずの谷本と真っ向勝負を試みる。試合は奥襟を叩いての小内刈に大内刈と仕掛ける谷本がやや優勢で推移し、加賀谷は足技は出るが得意の内股に繋げず。2分28秒に加賀谷が放った座り込みの右背負投も谷本は潰して三角を試みて「待て」。

しかしこの再開直後、奥襟を叩いた谷本が左大外刈。やや強引に遠間から放たれたこの技を加賀谷が捕まえ、刈り足を高く挙げての大外返。膝裏を固定された谷本は高々と宙を舞い「一本」、2分38秒。加賀谷、豪快な一本勝ちで決勝進出を決めた。

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写真:準決勝、黒木見晴が五味奈津美から
大外刈「有効」を奪う
一方の黒木は1回戦で角田夏実(東京学芸大)から大内刈で「有効」を奪い勝利、2回戦は伊藤美麗(仙台大)から大内刈で2つの「技有」を奪って一本勝ち、3回戦は昨年3位の高松静香(九州看護福祉大)から小外刈「有効」で勝利、準決勝ではこれも昨年3位の五味奈津美(仙台大)と戦い、1分4秒に大外刈で「有効」、1分25秒には肩越しに背中を持って来たところに掬投に飛び込んで「一本」奪取。順当に決勝進出を決めた。

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写真:加賀谷(左)-黒木の決勝戦
決勝は加賀谷が左、黒木が右のケンカ四つ。
加賀谷が上、黒木が下から釣り手を得ての引き手争いが続き、黒木は釣り手を高く上げて加賀谷を誘う。
50秒、黒木は右内股を軽く当てて、戻りの勢いで座り込みの左一本背負投。これは進入角が確保出来ず、加賀谷が潰して腰絞めを試み「待て」。

引き手争いが継続、黒木は引き手を高く上げて自分のエリアに加賀谷を誘うが、加賀谷は深追いせず黒木の袖をはたくように瞬間的に出しては引き、ヒットアンドアウェイで狙い続ける。1分12秒、「取り組まない」判断で黒木に「指導1」。

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写真:黒木の背負投は深く入ったが空転、
加賀谷がそのまま捕まえて上四方固を狙う
再開後、浅いながらも引き手で黒木の左袖をグリップした加賀谷、機と見て左内股を放つ。しかし黒木は力の壁を作ってこれを寄せず、戻りに合わせて座り込みの右背負投に飛び込む。加賀谷はこれを跨いでしまい絶体絶命。体を捨てた黒木は背中で相手を制せんとブリッジで畳に着地するところまで投げの動作を決めきるが、加賀谷は落ち際に自ら回って腹ばいに膝から落ち、空転した形の黒木を上四方固で抑え込む。しかしこの攻防は既に両者場外位置で「待て」、経過時間は1分32秒。

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写真:加賀谷が左内股で場外まで追いかける
再開後、加賀谷は二段の左小外刈で前に出るが、黒木はまたしても座り込みの右背負投。これも深く入ったが加賀谷辛うじて逃れ「待て」。経過時間は2分5秒。

ここから再び長い引き手争い。黒木は左手を大きく挙げた位置で駆け引きを挑み、加賀谷は前に出ながらこれを狙いはたく。

2分42秒、腰の切りあいから加賀谷が左内股。黒木が腹を出してこれを切ると再度入り直し、黒木は大きく浮いて腹ばいに場外に落ちる。

続く展開の引き手争い。黒木が片手の右内股、その戻ったところで引き手で袖を得た加賀谷、ステップを切って飛び込みの左内股。まともに侵入を許した黒木は吹っ飛ぶ勢いで中空に上がり、加賀谷は腰を切ってこれを決めに掛かる。浮いた瞬間は「一本」と思われたが黒木は加賀谷の腕の中で体を捻り、畳に落ちると主審は「有効」を宣告。副審1人は「技有」を支持、体勢は横倒しだがそれだけの破壊力のある一撃だった。

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写真:加賀谷の左内股が「有効」
以降、引き手争いから黒木は座り込みの韓国背負いに右背負投と放つが、この一撃でやや毒気を抜かれたか、前半の迫力はなし。そのままポイントなく試合終了となり、加賀谷の学生体重別初優勝が決定した。

加賀谷のこの日のパフォーマンスは出色。1年生で09年の全日本ジュニア連覇、全日本学生体重別も制した加賀谷だが以降はやや低迷、昨年講道館杯優勝で復活も国際大会では勝ちきれず完全復活とはならなかったが、今大会では強敵を相手にしても前に出て力勝負を仕掛けるだけの地力を見せ、なによりかつてのような思い切りの良さがあった。自信の裏づけがあってのものだろう。
ここ数年、「復活」と囁かれるきっかけが何度かあり、しかしことごとくブレイクするには至らなかったここ数年の加賀谷。が、この日の内容の良さと質の高さはこれまでとは明らかに違う。
まずは継続してこの高パフォーマンスが発揮できるかどうか。体重別団体と講道館杯、そしておそらくは権利を勝ち得るであろうグランドスラム東京での活躍に注目したい。

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写真:優勝の加賀谷千保
【入賞者】
優勝:加賀谷千保(山梨学院大)
準優勝:黒木美晴(環太平洋大)
第三位:谷本和(環太平洋大)
第三位:五味奈津美(仙台大)

加賀谷千保選手のコメント
「準々決勝の渡邉選手には今まで勝ったことがなかった。準決勝の谷本選手にも団体戦で負けて研究をして勝つことが出来て、少しは進歩したかなと思います。左組みの相手が苦手なんですが、左の後輩がたくさん入ってきてくれて良い練習が出来ました。1年生で優勝して、その後下がって、4年生で優勝できてよかったです。次は体重別団体、6月の優勝大会ではチームに迷惑を掛けてしまったのでリベンジしたいですね。今後は安定した戦いの出来る選手を目指します」

【準々決勝】
谷本和(環太平洋大)○GS有効・小外刈(GS0:42)△鈴木真佑(仙台大)
加賀谷千保(山梨学院大)○優勢[技有・大外刈]△渡邉美樹(東海大)
五味奈津美(仙台大)○大外刈(3:00)△玉木聖子(帝京大)
黒木美晴(環太平洋大)○優勢[有効・小外刈]△高松静香(九州看護福祉大)

【準決勝】
加賀谷千保○大外刈△谷本和
黒木美晴○掬投(1:25)△五味奈津美

【決勝】
加賀谷千保○優勢[有効・内股]△黒木美晴


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