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全国中学校大会男子個人戦レポート

(2012年9月30日)


※eJudo携帯版「e柔道」9月2日掲載記事より転載・編集しています。

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全国中学校大会男子個人戦レポート 1/3

山本里音、豊かな才能見せて最軽量級制覇
50㎏級

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写真:準決勝「有効」を奪う山本。
投げの鋭さは会場内でもひときわ目立っていた
決勝に進出したのは古賀玄暉(大成中・愛知)と山本里音(鏡中・熊本)の2名。

今大会の開催地である川崎市出身の古賀は地元の大声援をバックに2年生ながら快勝を続ける。2回戦は本田開(鶴来中・石川)を内巻込(1:19)、3回戦は関勝利(足利第一中・栃木)を大外巻込(1:18)に仕留め、準々決勝は黒田拳伍(土浦二中・茨城)から背負投「有効」と横落「技有」を奪ってベスト4進出。準決勝は納庄兵芽(魚住中・兵庫)から送足払で一本勝ち(0:55)して堂々の決勝進出。

一方の山本里音(鏡中・熊本)は2回戦で東亮輝(崇徳中・広島)から横四方固(1:00)、3回戦は山崎鉄也(三芳藤久保中・埼玉)に内股(1:39)、準々決勝は細谷廉太郎(天道三中・山形)に僅か13秒で内股透と初戦から3連続一本勝ち。準決勝は馬場元気(神明中・開催地)から大外刈で「有効」を奪って決勝へと駒を進めた。

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写真:古賀が肩越しに背中を握り、
山本は対抗して掬投を狙う
決勝は古賀、山本ともに右組みの相四つ。
古賀は引き手から先に得ての右背負投、山本は組み付きながらの内股で古賀を崩し、三角で攻めて対抗。

40秒過ぎ、古賀が引き手で襟、次いで釣り手で肩越しに背中を叩くと山本は弾かれたように掬投。古賀大きく崩れるが腹ばいに倒れて「待て」。

ここから両者やや慎重になり両袖を絞りあっての攻防。互いに技の起こりを察知してはこれを封じる膠着が続く。その中で山本が左袖釣込越しを仕掛け、前に出続けてやや優勢に試合を運ぶが、1分45秒に両者に「指導1」。

奮起した古賀再び肩越しに背中を叩くと圧力を感じた山本ひざを突いて崩れ、古賀は首に襟を引っ掛けて絞めを狙うが果たせず「待て」。

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写真:山本の掬投。古賀は
体側から強く畳に落ちるが主審はスルー
残り20秒、山本が片襟を差して右大内刈、古賀は掬投を狙ったまま倒れ、これはポイントかと思われたが審判団はスルー。
古賀の片襟の右背負投を山本が掬投で切り返し、高い位置まで持ち上げた展開で本戦はタイムアップ。試合は1分半のGS延長戦へと突入した。

延長は古賀が組み付きながらの大内刈、山本も大内刈で攻め返す。古賀は再三釣り手で肩越しに背中を叩き、展開の優位を狙う。
残り40秒、古賀が釣り手を肩越しに叩いた瞬間に山本鋭い掬投。古賀の回避行動に先んじて体を捨てて決めにかかれば古賀は伏せきれず体側から畳に落ちる。
これで試合終了かと思われたが主審は無表情にこれをスルー、副審1人が「有効」のゼスチャーを示すがもう1名はノーゼスチャーでポイントは入らず。観客席の大応援団は安堵のため息。

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写真:最終盤、
古賀の猛攻を山本が再び掬投に切り返す
残り5秒、再び山本が掬投で古賀を持ち上げる攻防があり試合は終了。
判定は2本が山本、1本が古賀を支持。僅差2-1で山本が全国中学大会初制覇を決めた。

山本は物怖じせずに次々投技を繰り出すファイタータイプ。どうしても上の階級との練習が多くなり慎重派が増えがちな最軽量級にあって特異な投げの才能を垣間見せ、全階級通じてトーナメントの早い段階からひときわ目立つ選手だった。まだ体の線が細く、かつ出身者がなかなかシニアカテゴリの上位に残っていけない新設最軽量階級の王者であるが今後大いに注目したい選手だ。

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写真:優勝の山本里音
【入賞者】
優勝:山本里音(鏡中・熊本)
準優勝:古賀玄暉(大成中・愛知)
第三位:納庄兵芽(魚住中・兵庫)、馬場元気(神明中・開催地)
敢闘賞:佐藤史都(宇佐西部中・大分)、黒田拳伍(土浦二中・茨城)、細谷廉太郎(天道三中・山形)、丸山剛(四倉中・福島)

山本里音選手のコメント
「全中優勝は3年生になってから意識し始めました。目標を達成できて良かったです。小さいので、先に組んで動く自分の柔道を心がけました。準決勝と決勝以外は出来たと思います。でも、どの試合もきつかったです。(決勝の「指導」は?)自分も逃げていたと思うので、仕方ないです。(延長の掬投は?)あれはポイントを獲ったと思いました(笑)。判定になったら0-3で負けるなと思っていたので、勝った瞬間は驚いたし、嬉しかったです。インターハイで優勝することが次の目標です」

【準々決勝】
納庄兵芽○内巻込(2:58)△佐藤史都
古賀玄暉○優勢[技有]△黒田拳伍
山本里音○内股透(0:13)△細谷廉太郎
馬場元気○優勢[有効]△丸山剛

【準決勝】
古賀玄暉○送足払(0:55)△納庄兵芽
山本里音○優勢[有効]△馬場元気

【決勝】
山本里音○GS僅差△古賀玄暉

山本達彦が決勝で樋口裕大破り優勝
55㎏級

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写真:準決勝、
山本達彦が袖釣込腰で「有効」を奪う
決勝に進出したのは山本達彦(東海大相模中・神奈川)と樋口裕大(興本扇学園中・東京)の関東勢2名。

山本は2回戦で上野裕次郎(松倉中・岐阜)から「有効」を奪っての優勢勝ちという立ち上がり。3回戦は植田悠斗(天理中・奈良)から肩車「一本」(1:55)、準々決勝は須藤純平(水上中・群馬)から横落で「技有」を奪っての優勢勝ち、準決勝は鈴木貴也(越谷富士中・埼玉)から袖釣込腰「有効」を奪って決勝進出を決めた。

一方の樋口は2回戦で羽田野航(大安中・三重)から「指導2」を奪っての優勢勝ち。3回戦は古屋翔(崇徳中・広島)から合技で「一本」、準々決勝では森下勇斗(相原中・開催地)を試合終盤の大内返「一本」でしとめ、準決勝は石郷岡秀征(明野中・茨城)をGS延長戦の末に僅差の旗判定で破り、見事決勝の畳へと辿りついた。

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写真:樋口は右内股、
山本は掬投に切り返す
決勝は山本、樋口ともに右組みの相四つ。
20秒、樋口が膝をついて低い左一本背負投。山本は耐え、後ろについて寝技に持ち込むが果たせず「待て」。
樋口なおも左の一本背負投に左の背負投で攻め、都度山本は引き手を切って対応。樋口のこの連続攻撃が評価され、1分8秒、山本に「指導1」。

直後樋口左の背負投で山本を崩すがノーポイント。
奮起した山本は1分40秒を過ぎたあたりから反撃に出る。引込返から寝技で攻め、右小内刈から右内股と連続攻撃を見せた残り28秒にはついに樋口に「指導1」が与えられ、スコアはタイとなる。

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写真:山本の巴投が「有効」
このまま延長戦突入濃厚かと思われた残り20秒、樋口が激しく前に出たところに山本が巴投に飛び込む。滞空時間が長く、空中でバランスを立て直そうとする樋口、両手で相手をコントロールしようと図る山本と一瞬動きが止まるが、これに勝利したのは山本。横に抜け落とすように相手を落とすと樋口は勢いを殺せず横転、「有効」。
残り時間は18秒。これまでの拮抗を考えるとこのポイントは決定的。山本、残り時間を大過なく戦いきり優勢勝ち、見事全国中学大会優勝の栄冠を勝ち取った。

3位までは全員、ベスト8までの8人で関東勢が実に7人入賞。地元関東勢がそのレベルの高さを見せ付けた階級となった。

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写真:優勝の山本達彦
【入賞者】
優勝:山本達彦(東海大相模中・神奈川)
準優勝:樋口裕大(興本扇学園中・東京)
第三位:鈴木貴也(越谷富士中・埼玉)、石郷岡秀征(明野中・茨城)
敢闘賞:飯島敦也(国分寺中・栃木)、須藤純平(水上中・群馬)、森下勇斗(相原中・開催地)、須藤一積(郡山中・宮城)

山本達彦選手のコメント
「先に『指導』を取られてヤバイと思いました。必ず取り返してやろうと攻め続けました。残り20秒でポイントを取れて、あきらめずに前に出てよかったと思います。巴投は狙ったわけではなく体が勝手に動いた。延長戦は覚悟していましたが、スタミナがないので本戦で決めなければという気持ちがありました。高藤(直寿=東海大)先輩を尊敬しています。自分の柔道をもっと完成させて、世界に通用する選手になりたいです」

【準々決勝】
鈴木貴也○GS僅差△飯島敦也
山本達彦○優勢[技有]△須藤純平
樋口裕大○大内返(2:34)△森下勇斗
石郷岡秀征○優勢[有効]△須藤一積

【準決勝】
山本達彦○優勢[有効]△鈴木貴也
樋口裕大○GS僅差△石郷岡秀征

【決勝】
山本達彦○優勢[有効]△樋口裕大

阿部一二三、オール一本で2年越しの2階級制覇達成
60㎏級

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写真:全試合一本勝ちで
決勝に勝ち進んだ阿部一二三
決勝に進出したのは阿部一二三(神戸生田中・兵庫)と杉本大虎(天明中・熊本)の2人。

昨年2年生で55kg級を制し、今春の全日本カデ選手権60kg級でも準優勝している阿部一二三の勝ちあがりは圧巻。2回戦は開始11秒で加藤大智(下吉田中・山梨)を袖釣込腰(0:11)、3回戦は高江州大輝(西崎中・沖縄)を背負投(1:04)、準々決勝は大石哲平(高田中・大分)を移腰(0:25)、準決勝は大野竜生(八条中・京都)を払腰(0:13)とあっという間の4連続一本勝ち。その投技の切れ味は出色、相手に全く柔道をさせず悠々決勝へと勝ち進んできた。

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写真:杉本大虎が準決勝、
大内刈で「技有」を奪う
一方の杉本もスピードとパワー、強気と手堅さを併せ持つ好選手。1回戦で関真人(大槌中・岩手)から開始34秒の送襟絞「一本」、2回戦も小山泰輔(津幡南中・石川)から合技で一本勝ち(2:11)と好スタートを切ると、3回戦の岡本拓也(口田中・広島)戦は「有効」を奪って優勢勝ち、準々決勝は早川正起(大成中・愛知)を合技「一本」に切って落とし、準決勝は優勝候補の一角、佐藤晃輔(安田学園中・東京)と対戦。互いの武器であるスピードと思い切りの良さでことごとく上を行き、相手が手詰まりを起こしたGS延長戦に大内刈「技有」を奪って勝利。ノーシードから見事決勝へと駒を進めた。

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写真:阿部の袖釣込腰が炸裂「一本」
決勝は阿部、杉本ともに右組みの相四つ。
阿部が釣り手で片襟を差しての右背負投、袖を押さえての右袖釣込腰と2連発、この技は入りが深すぎ、杉本は逆側に抜けて立ったままこれをこらえる。
30秒過ぎから両袖を絞り合う展開、その中から阿部が右袖釣込腰を放ち杉本はこれを振り返してこらえる。

47秒、両袖でお互い牽制しあうこの展開から阿部が思い切った右袖釣込腰。杉本腰を切って対応するが、阿部はおかまいなしに杉本に後ろを向かせたまま高い打点で腰をぶつけて担ぎ上げる。阿部が決めにかかると空中でもはや体を残す術のない杉本、形のように綺麗に宙を舞い、近来稀に見る美しい「一本」。名刀とでも言うべき切れ味鋭い投技を見せ付けた阿部が5試合オール一本、平均試合時間32秒という圧勝で昨年の55kg級に続く2階級制覇を達成した。

全日本カデ決勝では圧倒的に展開を支配しながら一瞬の油断で試合を落とし、王者の座を逃した阿部。その経験が生きたか、この日の試合ぶりは内容、結果とも「強い」の一言だった。高い担ぎ技で一本勝ちを連発するスタイルはまことに魅力的。今後も非常に楽しみな選手だ。

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写真:優勝の阿部一二三
【入賞者】
優勝:阿部一二三(神戸生田中・兵庫)
準優勝:杉本大虎(天明中・熊本)
第三位:大野竜生(八条中・京都)、佐藤晃輔(安田学園中・東京)
敢闘賞:小島隆仁郎(松山西中・愛媛)、大石哲平(高田中・大分)、長倉力斗(田野中・宮崎)、早川正起(大成中・愛知)

阿部一二三選手のコメント
「去年は優勝したけど内容がよくなかった。今年は前に出て一本獲りにいく柔道をやろうと思っていました。オール一本が達成できて良かった。カデで負けて、自分の柔道を見つめなおして修正してきました。修正点?『一本』を獲りに行くことです。次は高校1年生でインターハイを制覇することが目標。勝ち続けてリオ五輪に出たいです。目標は野村忠宏選手です」

【準々決勝】
大野竜生○GS優勢(GS1:00)△小島隆仁郎
阿部一二三○移腰(0:25)△大石哲平
佐藤晃輔○優勢[技有]△長倉力斗
杉本大虎○合技(2:42)△早川正起

【準決勝】
阿部一二三○払腰(0:13)△大野竜生
杉本大虎○GS技有(GS0:15)△佐藤晃輔

【決勝】
阿部一二三○背負投(0:47)△杉本大虎

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※eJudo携帯版「e柔道」9月2日掲載記事より転載・編集しています。

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