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ロンドン五輪100kg級プレビュー×組み合わせ展望



※eJudo携帯版「e柔道」8月2日掲載記事より転載・編集しています。

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穴井出陣、
男子初の「金」獲得に挑む最大の課題はメンタル
ロンドン五輪100kg級プレビュー×組み合わせ展望


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日本の期待を一身
に背負う穴井隆将
日本代表選手:穴井隆将
年齢:27歳
所属:天理大職

まっすぐ組み、足技で崩し、切れ味するどい大技で相手を投げつける。柔道スタイルの正しさ、技の質の高さ、そして何よりもそれを裏付ける強さと日本のファンが納得する条件を備えた「日本のエース」の系譜、今回の五輪代表でこれに連なるのは間違いなく穴井隆将である。井上康生、鈴木桂治と石井慧と日本が強者を輩出し続けたこの階級、2012年ロンドン五輪はいよいよ穴井の出番だ。。今大会の出場選手で全日本選手権制覇経験を持つのは唯一この穴井だけ。その意味でも、日本の柔道を担うべき役割の男だ。

10年東京世界選手権でついに世界王者の座を射止めた穴井だが、圧倒的な強さを見せる一方ポカも多く、強豪ひしめく100kg級での現在の立ち位置は「優勝候補筆頭、しかし絶対ではない」といったところ。最高到達点はもっとも高いが、低パフォーマンスの場合は一気に優勝候補の一角に堕ちる。度々起こしてしまうアクシデント負けがこの評価を後押ししているわけだが、原因の一つはライバル達の徹底研究を浴びたこと。この点、2月以降に国際大会出場を封印し、全日本選手権まで欠場して準備を進めているこの五輪はこれまでと条件が異なる。内股が代名詞だった穴井が全日本を目指す過程で手に入れた背負投、世界選手権以後に獲得した華麗なまでに鋭い送足払と出足払。常に進化し続けてきた穴井が柔道人生の集大成となるこの五輪の舞台で上積んでくるものは何か。楽しみというほかはない。

さて、これまで日本は金メダルをひとつも獲得しておらず、史上初の金メダルゼロが現実的な危機として迫ってきている。穴井は最後の砦と言っていいだろう。
ファンの皆さんも危惧するとおり、穴井のメンタルは繊細である。09年全日本選手権奪取という頂点を極めたのちに「王者にふさわしい柔道をしなければ」の自縄自縛に陥って敗退したロッテルダム世界選手権とグランドスラム東京「勘違いしていた」と宿敵ファンヒーテを放り投げて復活を遂げた2ヶ月後のワールドマスターズ、連覇の圧力で自分を見失った3ヶ月後の2010年全日本選手権、続いて「結果だけが大事」と泥臭く戦ってついに世界一の栄冠を獲得した東京世界選手権とこの人の成績の乱高下には常にメンタルの問題がつきまとう。この「金メダルなし」の状況に日本のエースとして登場するという究極の状況に、ストイックな穴井の精神はどう反応するか。勝ったなら、どんなに賞賛されてもされすぎるということはない。出陣まであと数時間、いまこの瞬間、穴井は世界で類のない孤独とプレッシャーと戦っている。及ばずながら皆で、がんばれ穴井とロンドンに念を送ろうではないか。

ライバルは数多いが、格下ながらファン・ヒーテ(韓国)が怖い。粘着質の柔道は度々正統派の穴井を食ってきた。相手の良いところを殺しながら、掛けつぶれながらワンチャンスを狙い続ける。11年12月のグランドスラム東京では組み手争いにまぜて穴井の顔を殴り(故意とは取られず反則はなし)、次の展開でパンチのフェイントから低い背負投を繰り出して穴井を転がした。強さ云々ではなく、一言で言って面倒くさい奴である。
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技のキレがあるグロル。
最有力候補の1人


■有力選手

第1シードに座ったラコフ(カザフスタン)が力を伸ばしている。ロッテルダム世界選手権王者でその後一時勢いが落ちたが、12年春のワールドマスターズでは穴井を送足払「一本」に仕留めて優勝を飾り、2月のグランプリ・デュッセルフドルフでも優勝した。上り調子だ。
グロル(オランダ)も第1グループ。内股、小内刈、小外刈と出色の技の切れがある。パワーもあり、裏投など後の先の技も水準以上。

ほとんど差なく続くグループは北京五輪王者で近年「足を取らない」新スタイルで成績を残しつつあるツブシンバヤル・ナイダン(モンゴル)、昨年の世界選手権王者カブラエフ(ロシア)、前述のファン・ヒーテ(韓国)、サイドフ(ウズベキスタン)、クリパレク(チェコ)と多士済々。もはや恒例にした方がいいのではと思われる「死んだふり」枠ではバンデギースト(ドイツ)、さらにコヘア(ブラジル)を挙げておきたい。ブレイクの可能性があるのは策士の前者。

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柔道ではなく「勝負」
が上手いファン
■組み合わせ

まさしく多士済々。全戦線に渡って強者が配され、気の抜けるブロックは見当たらない。五輪が厳選された高ランキング選手によるハイレベル大会であることをあらためて思い知らされるトーナメントだ。

【プールA】

ラコフの山。この階級の人材の充実ぶりを表すかのことく、第1シードが入るブロックにも関わらず、ファンヒーテ、ブラタ(ルーマニア)、ゾルゾリアニ(グルジア)、ガシモフ(アゼルバイジャン)とものすごい密度。ラコフはガシモフと戦い、ブラタとゾルゾリアニの勝者と戦い、ファンと戦う。誰があがってもおかしくない。勝ち上がり序列はラコフ、ファン、ゾルゾリアニと見る。

【プールB】

ツブシンバヤル・ナイダンの山。ファブレ(フランス)、ダーウィッシュ(エジプト)、サイドフ(ウズベキスタン)、デスパイン(キューバ)が同居。もと双手刈ファイターのナイダン、裏投師デスパイン、パワー抜群だがスタミナに問題ありのサイドフといわゆる「おっさん柔道」タイプの選手がそろった。ナイダンかサイドフというのが穏健な予想。

【プールC】

グロルの山。コヘアと2回戦、そしてゼービとボロダフコ(ラトビア)の勝者と準々決勝で対戦する。高い確率でグロルの勝ち抜けと見る。

【プールD】

穴井の山。初戦のオースチンは地元選手という属性のみが問題だが、以降は2回戦のクリパレク(チェコ)、準々決勝はカブラエフ(ロシア)とバンデギーストとビアドリン(ベラルーシ)の勝者と見事にパワーファイターばかりが揃った。穴井の勝ち上がりは有力だがこの段からの全力投球は必須。
【準決勝-決勝】

この段になると穴井は自身との戦い。手順をしっかり踏んで組み、崩し、投げる穴井の柔道を貫くということに尽きる。組み手と連動しての足技、引き手を押し込みながらの出足払と、足技の弾幕がしっかり張れるかどうかというのはひとつのカギ。

決勝は、ファンヒーテかだけがどうかだけが焦点と言ってよい。



※eJudo携帯版「e柔道」8月1日掲載記事より転載・編集しています。

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