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ロンドン五輪70kg級プレビュー×組み合わせ展望

(2012年8月1日)


※eJudo携帯版「e柔道」8月1日掲載記事より転載・編集しています。

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メダル圏内の田知本、
デコス戦は両者の「一手目」に注目
ロンドン五輪70kg級プレビュー×組み合わせ展望


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デコス超えをもくろむ
田知本遥
日本代表選手:田知本遥
年齢:21歳
所属:東海大4年

2011年終了時点で田知本は絶体絶命のピンチに陥っていた。8月のパリ世界選手権に出場したものの表彰台にあがることは出来ず惨敗、11月の講道館杯全日本体重別選手権大会ではライバルの上野巴恵に敗退、さらに12月のグランドスラム東京でも上野に優勢負けを喫してしまい、70kg級の代表レースは一番手が世界選手権連続銅メダリストの國原頼子、直接田知本を叩いた実績と最高到達点の高さでダークホースが上野巴恵という形になってしまい、ただでさえ安定感のなさが指摘されていた田知本はもはや圏外、自ら「もうないと思う」と語った通り、五輪の目はほぼなくなっていた。

ところが2月の欧州国際大会ツアーで状況は逆転。上野と國原がまさかの惨敗を重ねる中、田知本は絶対王者リューシー・デコス(フランス)を破ってグランドスラム・パリという最高峰大会で優勝。いままで束になっても倒せなかった「本気モードのデコス」をそれも完全アウェイのパリで破る快挙で、一気に代表候補一番手に躍り出た。一番強い選手を倒すこと、誰も倒したことがない選手を倒すことで序列をひっくり返すというのは90kg級における西山-イリアディスの関係と同じ、メダル確実な國原でなく田知本に賭けた首脳陣の思いは「金メダル意外要らない」だ。

好不調の波の激しさ、そして相手に粘られると我慢できなくなって不十分な組み手のまま仕掛けてミスを犯すというのが田知本の嵌りパターンだったが、デコス戦では組み手の局地的不利を我慢し続けることで大局をつかむというふてぶてしいほどの冷静さをみせつけてこの評も払拭。今大会は頂点を目指す。

■有力選手

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優勝候補筆頭は
世界選手権連覇中のデコス
最強選手は間違いなくデコス(フランス)。63kg級時代に谷本歩実と繰り広げた激戦で、4年に1度しか柔道を見ないという一般スポーツファンの皆様にもすっかりお馴染みの選手だ。30歳だが、北京五輪以降も1年余の低調を経て、10年東京、11年パリと世界選手権を連覇中、常に「今が全盛期」という強さを見せている。出場試合を絞っており、「使い減り」していないところも買いだ。ケンケンの大内刈、内股、出足払に大外刈と技種と組み立てはオーソドックスだが抜群の体幹の強さと勝負勘がこれをトップにまで引っ張りあげている。

次点の評価は難しいところだがまずメサロシュ(ハンガリー)の名前は挙げておきたい。一時国際大会の出場を止めていたためランキングこそ低いが、長身で懐が深い実力者。まことに自分の距離に立たせてくれない選手
長身選手ということで言えば、ボッシュ(オランダ)も間違いなくAグループに入ってくる。技の組み立てはオーソドックスだが組み際にテンポを変えた一発がありよう警戒。
これにファン・イスル(韓国)、スラカ(スロベニア)を加えたところまでがメダル候補。続くグループにはシエレ(ブラジル)、ブランコ(スペイン)、アルベアル(コロンビア)、コルテス(キューバ)がいる。

■組み合わせ

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長身のメサロシュ。
出場大会を絞ってきたあたりは不気味
【プールA】

デコスの山。初戦はズパンシック(カナダ)、準々決勝はポテラ(ブラジル)とアルベアル(ブラジル)の勝者だが、波乱要素のある選手とは思えない。デコスの勝ち上がりぶり、その出来に注目。

【プールB】

スラカ(スロベニア)の山でここは激戦。初戦でブランコ、準々決勝はファン・イスル。
ファンとスラカ、いずれが勝ち上がっても全くおかしくない。

【プールC】

ここも死の山。シード選手ボッシュは順当に準々決勝に進出するだろうが 、対戦相手はメサロシュとシエレの勝者。予想はここも非常に難しい。メサロシュがもろさを見せたのは、10年世界選手権で超パワーファイターのデコスに懐に入られまくったとき。長く休んでいたメサロシュと、ボッシュ。コンディション調整による彼我のパワー差が勝敗を分けるのではないだろうか。

【プールD】

第3シードの田知本の山。組み合わせには恵まれた。

初戦が国として曲者要素のあるコルテス(キューバ)であることはやや不安だが、他プールに比べると人材は薄い。チェン・フェイ(中国)とクリス(ポーランド)の勝者と戦う準々決勝も巡行運転で勝てる力関係だ。準決勝、決勝に向けて「乗っていける」ような勝ち方を期待したいものだ。

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上位常連のボッシュ
【準決勝-決勝】

メサロシュが来た場合の準決勝は非常に厳しい。ボッシュも同様だが、この長身選手2人に大内刈と大外刈という田知本の組み立てだけでどこまでやれるか。得意の寝技勝負を前提に、崩し技、テイクダウンという意図で技が使えるかどうかがポイントになるのではないか。

デコスとの決勝。
グランドスラム・パリでの田知本は左相四つのデコスに対して、敢えて右構えのスタンスを徹底。デコスの左側に回りこみ、必ず引き手側から袖を織り込みあるいは襟を押さえて突いてデコスの釣り手を潰しながら試合を進めた。デコスに釣り手の袖を握られ、時に右構えどころか完全に「右組み」の形を強いられながらもパニックを起こさず、安易な攻撃に出ることなく、敢えて静かにその展開を受け入れながら「引き手から抑える」という大局を握り続けることに徹し、機を見ての左大外刈で伏せさせて僅差3-0の勝利をモノにした。

さて今回だが、組み手の研究の精度が高く、コーチとマンツーマンで個別対策を練ってくるというフランスが、もう1度これをさせるはずがない。
それも単に止めるのではなく、あくまで私見だが、デコスは敢えて、例えば斜めに構えて田知本に先に左襟を与え、これを切り離して袖を殺してから試合を始めるのではないか。彼我の戦闘力が上のデコスにこう出られると厳しい。いずれグランドスラムパリの様相がこの2人の試合に与える影響は大きいはずで、それが顕著に出てくるのは田知本の一手目、デコスの一手目。最大の注目は「はじめ」直後の両者のスタンス、そして組み手の始め方だ。


※eJudo携帯版「e柔道」8月1日掲載記事より転載・編集しています。

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