PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

ロンドン五輪73kg級プレビュー×組み合わせ展望

(2012年7月30日)


※eJudo携帯版「e柔道」7月30日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


ライバルはワンキチュン、
中矢は寝技重視の審判傾向生かせるか
ロンドン五輪73kg級プレビュー×組み合わせ展望


24LDNPV_73_NAKAYA.jpg
昨年世界選手権を制した
ばかりの中矢力
日本代表選手:中矢力
年齢:年齢:23歳
所属:ALSOK

中矢の凄みはその成長の過程に明らかだ。寝技の強さを武器に頭角を現しあっという間に全日本ジュニアチャンピオンにまで上り詰めた中矢だが、意気揚々と臨んだ08年世界ジュニアで優勝を逃すと「これからは立ち技を磨く」と宣言。柔道の世界では最初に立ち技、次に寝技と獲得の順番は相場が決まっており、よって中矢の宣言はトップ選手としては型破りなものだった。投げの才能を磨きうるのは少年期まで、ここで得意技を作り上げないまま羽化した選手が以後本格派選手に変体することはありえないというのが常識であり、巴投に隅返と、立ち技を完全に寝技への移行ツールとして使っていた中矢が、いまさら本格派選手に脱皮できると思ったものはほとんどいなかったのではないか。

しかし中矢は自身の寝技の強さと体幹の強さを生かすことを前提に独自の技を磨き上げ、若手有力選手の1人でしかなかった2010年12月のグランドスラム東京で優勝すると出世街道を驀進。国際大会で勝ちまくって出場した11年パリ世界選手権では立ち技の天才・秋本啓之を投げて優勝、見事世界一の座を射止めたのだ。ノーステップでまず相手の裏に出、密着することで体幹の力を生かす独自の大外刈などは、なるほど中矢に揃っている「材料」と一本取らなければいけない「目的」の両方を満たす、クレバーな技であった。自身に必要なものを妥協なく割り出し、現状に即した方法を考えてそれを積み上げる。中矢の強さの所以はここだ。

4年に1度しか行われない五輪では、選手の競技者としての「旬」がオリンピックイヤーに噛み合うかどうかが大きく勝敗を左右する。23歳の中矢はまさしく旬、上り坂で五輪を迎えることを許された幸運なアスリートの1人だ。自身の「旬」まで織り込んで柔道を組み立てている感のある中矢、ヨーロッパ勢がBクラスでの大混戦状態、王者ワン・キチュン(韓国)もピークを過ぎた感のあるこの五輪は千載一遇の大チャンスといえるだろう。

不安材料は春先の右肩負傷に続き、5月の選抜体重別で負ったの肘の負傷からの回復の遅れ。この回復具合が大きく結果を分ける可能性も排除できない。

24LDNPV_73_WAN.jpg
最大のライバル
ワン・キチュン
■有力選手

ライバルは09年ロッテルダム世界選手権王者のワン・キチュン(韓国)。背負投と袖釣込腰を中心に多彩な技を持ち、スピード、パワーともに抜群。直近の対戦である1月のワールドマスターズではGS延長戦の末僅差2-1で中矢を下している。今大会はこのワンと中矢が2強、他選手がこれを追いかけるということになるだろう。

第2グループは欧州勢が中心の大混戦。柔道がオーソドックスで地力があるファンティシェル(ベルギー)、パワー柔道のエルモント(オランダ)の2人は国際大会上位常連。グランドスラム東京2位のイサエフ(ロシア)は爆発力があり、ジュラコビロフ(ウズベキスタン)も混戦を勝ち上がるしぶとさがある。イサエフは肩越しの組み手からの内股が得意で、相手に自分を合わせさせる強引さがあり要注意。このグループではセインジャルガル(モンゴル)も力を持っている。

いずれ66kg級と同じくこの階級は混戦。中矢とワンが頭一つ抜け、他が虎視眈々とトップ2狩りをもくろむ階級と総括して良いだろう。

24LDNPV_73_ISAEV.jpg
第4シードのイサエフ。
写真はファンティシエルに一本勝ちのシーン
■組み合わせ

中矢の肘の回復具合は大きな不安材料。
一方、初日から続く「寝技をじっくり見る」審判傾向は中矢を利すること間違いなし。過去、審判の「流れ」ができてしまった後は審判理事がそれをただそうとしても大枠変えきれないという傾向があり、中矢は腰を据えて寝技で勝負できるのではないだろうか。

→73kg級組み合わせ

【プールA】

第1シードのワンの山。2回戦イブラギモフ(カザフスタン)、準々決勝はファンティシエルと強豪が続く。昨今線の細くなったワンの印象、両対戦者がパワーファイターであること、そして初日からの大荒れを考えるとワンの勝ち上がりは絶対ではないが、事前予想としてはここはワンしかないだろう。

【プールB】

イサエフの山。しかしここは準々決勝での対戦予定者がセインジャルガル、フォエルク(ドイツ)、ソロカ(ウクライナ)と粒ぞろい。初戦の超ベテラン・ウエマツはともかくとしてここは誰が勝ちあがってくるかわからない山だ。

24LDNPV_73_VAN.jpg
ファンティシエル。今大会は
ワンキチュンの山に同居
【プールC】

中矢の山だが、正直組み合わせには恵まれた。準々決勝はジュラコビロフとトリトン(カナダ)の勝者でおそらく前者との対戦になるが、全体を見回すと悪い相手ではない。パワーにつきあい過ぎず、勝負どころをしっかり見極めて試合をしてもらいたいところ。

【プールD】

エルモントの山。長身選手のルグラン(フランス)との争いになるだろうがここはエルモントを予想したい。

【準決勝-決勝】

中矢とワンの決勝。まったくの私見だが、ワンは中矢の奥襟をぶったたくようなパワー勝負を忌避して、中矢の袖を殺しながらしぶとく足技と担ぎを狙う展開にくるのではないだろうか。おそらく衰えを自覚しているであろうワンが、パワー抜群の中矢といちかバチかの勝負を挑んでくるとは考えがたい。一方のワンは前に出て、ワンの反転を許さない間合いでどんどん勝負を仕掛けたいところ。ワンが潰れたときに中矢が前に出ているゆえに良い体勢で寝技を始められる、このシナリオか、ワンが切り合いを挑んでくる中から一気に距離を詰めてワンに密着、ここから投げを打つという展開だろう。中間距離ならワン、密着もしくは遠間からの飛び込みあいなら中矢に分があると見る。



※eJudo携帯版「e柔道」7月30日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る


supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.