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ロンドン五輪52kg級プレビュー×組み合わせ展望

(2012年7月29日)


※eJudo携帯版「e柔道」7月28日掲載記事より転載・編集しています。

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波乱要素持つアンとベルモイが強敵、
最大の山場は予選ラウンド
ロンドン五輪52kg級プレビュー×組み合わせ展望


中村美里.jpg
優勝候補筆頭、頭一つ抜けた力
を持つ中村美里
■日本代表選手

中村美里
年齢:23歳
所属:三井住友海上火災

19歳で迎えた08年の北京五輪で銅メダルを獲得、「平成生まれのメダリスト誕生」ともてはやされたが本人は笑顔を見せることすらなく「金メダル以外は同じ」と悔しさを露にしていた。
以降3度の世界選手権で2度金メダルを獲得。同じく世界選手権で金メダルを獲得し追いすがる西田優香(了徳寺学園職)との激しい代表争いを制して今大会は2度目の出場となる。「五輪で金メダルを獲るまで笑顔は見せない」と語っていた中村、満願成就の笑顔をファンに見せることが出来るか。

中村の柔道の強みは、その「シナリオの確かさ」にある。組み手で有利を作り、足技で崩し、寝技で獲り切る。礼の終わった瞬間から試合終了まで常に自身を優位に置きながら「一本」を狙いに行ける、他選手にとってはまことに研究しにくい強さと手堅さを兼ね備えたチャンピオンだ。線の細かった北京五輪時に比べて大幅に増した体幹の力がこれを下支えし、現在の中村に死角はほとんどない。粘られる展開、先手で掛けつぶれ続けられる展開となったときに、集中を切らさず、ジックリ相手を詰めて行け続けるかどうかが焦点だ。

■有力選手

ベルモイ(キューバ) />
ムラ気だが存在感のあるベルモイ
48kg級同様、高ランキング選手を羅列していくことはいくらでも可能だが、中村が強すぎるこの階級にこの手の評価は意味をなさない。中村のライバルは、その実力の絶対値の高さでなく、波乱要素があるか、番狂わせを演じる曲者要素があるかというその選手の「質」の部分に絞られる。

この観点から挙げられるライバルとしては、アン・クンメ(北朝鮮)とベルモイ(キューバ)が2強。ともに低ランキング選手だが、僅かでも中村を阻む可能性があるとしたらこの2名だろう。

アンは北京五輪銀メダリストで、体幹の強さは階級随一。国際大会にほとんど出場しておらず、情報自体が少ないのが不気味、何をやってくるかわからない怖さがある。腕力が強いというよりはグラップラーとしての地力が強い選手で、バランスも良くなかなか転ばない。

ベルモイはもと48kg級世界王者のベテラン。互いに肩で息をする消耗戦、掛け潰れあいの泥沼に相手を引きずりこみ、担ぎ技と捨て身技、組み際の奇襲技で相手を転がす。欧州の直線的なパワーファイターに簡単に投げられてしまうかと思えば、中村のような実力者を自分の位相に引き摺り下ろして、脂の巻いた刀で斬りあうような田臭漂う肉弾戦に持ち込むことも出来る。ムラ気の選手だが、その分トップコンディションを志向してくるこういう大舞台では非常に怖い。

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ダークホースに挙がるネト。中村と
対戦の可能性があるのは2戦目
次点のダークホースとしては、ネト(フランス)とハダッド(アルジェリア)を挙げておきたい。ネトは典型的なフランス型パワーファイターで、腰の入れあいから首を抱えての内股、腰車、大腰と鉈を振るうように大技を仕掛けてくる。大味な選手で、昨年までは爆発的な成績は残していないがポテンシャルは持っている。パワーがある水準点に達したとき、52kg級の選手が捌きがたい位相に辿りついた場合はいきなりブレイクする可能性も十分あり、油断のならない相手。

ハダッドも実力的な絶対値は高くないが、かつて国際合宿で中村が苦手にしていたという一点だけが注目点。パワーで相手を封殺し、長い手足を利してくる非常にやりにくい柔道。北京五輪で3位入賞、今期のワールドマスターズでも3位に食い込んでいる。

ランキング1位のムンクフバータル(モンゴル)、チツ(ルーマニア)はパワーのある好選手だが柔道が比較的まともで中村には好餌。カラスコサ(スペイン)、クズティナ(ロシア)、タラングル(ドイツ)らは出場大会が多く「名前」で勝負できる選手だが力、技ともに到達点は低く、若いクズティナも合わせて旬は終わっている印象だ。

■組み合わせ

アンドレア・チツ(ルーマニア)
アンドレア・チツ。
欧州の試合では爆発力を見せている
女子は出場選手の少なさゆえ、逆にその質も高い。52kg級も密度が薄い山とはなく、どのブロックも激戦だ。

→52kg級組み合わせ

【プールA】

ムンクフバータルの山。初戦を抜けるとベルモイ、プールファイナルはカラスコサということになる。
勝ち上がり最有力はやはりムンクフバータル。ベルモイを潰してくれれば中村にはいうことなしだ。カラスコサが上がってくるのがもっとも組みし易い展開で、よってもっとも良いシナリオは、ベルモイがムンクフバータルに勝利し、比較的分の悪い欧州型の柔道をするカラスコサに負けること。

【プールB】

中村が苦手とするハダッドの山。1回戦でチツ、2回戦でヘイレン(ベルギー)、プールファイナルでケルメンディ(アルバニア)とここも密度は低くなく、ハダッドが勝ち上がり最有力ながら誰が出てくるかわからない。チツであれば中村は戦い易く、その可能性も低くない。

【プールC】

第2シードの中村の山。2回戦が初戦となるが相手はおそらく最大の強敵アン・クンメである。国際大会に出てこれない低ランキング選手ゆえこのような当たりが現出、全く迷惑な国というほかはないが、中村は「(パワーのある)アンとやるなら(力の残っている)早い段階が良い」旨言明しているとの情報があり、中村の目標が金メダル獲得以外にないことを考えるとこれは悪い配置では決して、ない。

勝利するとヘ・ホンメイ(中国)とネトの勝者との対戦が待っている。ネトがどれほど力を上げて臨んでくるか、おそらくはこの試合を見ればハッキリするだろう。ヘに捌かれる場面が多いようであれば全く問題なしだ。

【プールD】

ミランダ・エリカ(ブラジル)の山。クズティナ、タラングル、フォシンティ(イタリア)と一応面子はそろっているがこの欧州勢3人は終わっている選手の観あり。初戦で戦うミランダとキム・キョンオク(韓国)の勝者が勝ちあがってくる可能性が高いと思われる。

【準決勝-決勝】

中村の大山場はアン、ネトと連戦する予選ラウンドであり、もはや慌てる要素はほとんどない。もっとも気のぬけないシナリオは準決勝がキム、決勝がベルモイという形になったときだが、それすら、中村が普通に力を発揮すれば敵ではないはずだ。

勝っても負けても仏頂面でインタビューに応えてきた中村は、かつて「スーパー女子高生」ともてはやされた時代に比べて一般社会に与えるインパクトがやや小さくなっている。今大会で金メダルを獲得して最高の笑顔を見せてくれれば、久々柔道界発の国民的ヒロイン誕生ということになるかもしれない。

金メダル獲得、そしてテレビカメラの前で発する中村の第一声と表情に注目である。



※eJudo携帯版「e柔道」7月28日掲載記事より転載・編集しています。

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