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ロンドン五輪60kg級プレビュー×組み合わせ展望

(2012年7月28日)


※eJudo携帯版「e柔道」7月27日掲載記事より転載・編集しています。

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平岡はメダル圏内、打倒ソビロフで悲願の「金」なるか
ロンドン五輪60kg級プレビュー×組み合わせ展望


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男子の初陣を担う平岡卓晃
■日本代表選手

平岡拓晃
年齢:27歳
所属:了徳寺学園職


五輪3連覇中の国民的ヒーロー野村忠宏を押しのけて平岡がオリンピック代表に選出されたのは北京五輪を控えた08年春。嘉納杯、フランス国際、そして全日本選抜体重別とハイレベル大会を立て続けに制して絶好調の平岡のチョイスは誰もが納得の人選、ファンもメディアもニューヒーロー誕生と大いに平岡を持ち上げた。しかし金メダル候補として乗り込んだ北京では無名選手ウイリアムズマレー(アメリカ)に初戦敗退という惨敗を喫してしまった。後手後手に回って「指導1」を失ったままの敗退という内容にファンはもちろん大バッシング、指導陣も「気迫が感じられない」「何もできなかったのではなく、しなかった」と辛辣なコメントで平岡を責めた。

以降これまでの4年間は平岡にとってまさしく茨の道。天性のスピードと身体能力ゆえに常につきまとうケガ、「若手と代えるぞ」と浴びせかけられる世代交代への圧力、ランキング制採用による過酷な試合日程と、合宿、試合に皆勤を求め続ける首脳陣の余裕のなさ。しかしその厳しい環境下で平岡は09年ロッテルダム世界選手権「銀」、10年東京「銅」、11年パリ「銀」と結果を残し続け、ついにロンドン五輪へと辿りついたのだ。

長く過酷な4年間。果たして北京で平岡に足りなかったものはなにか、そして平岡がその後積み上げたものはなにか。増えた技数や組み手のバリエーション、そして鋭さを増した足技はもちろんだが、この過酷な環境を生き残ったしぶとさ、忍耐の中で磨かれた自身を俯瞰する心の強さこそが間違いなく平岡が得た最大の武器、そして北京に足りなかったものだ。

今年に入ってから平岡が出た試合は1月のワールドマスターズ(3位)と5月の全日本選抜体重別(優勝)だけ。この間の平岡の試合振りをトリッキーなスタイルからオーソドックススタイルに変化して成績を残していると評する向きもあるが、平岡のこの2大会は明らかにケガを避けた順行運転。無理をせず、かつ手の内をみせず、そして結果を残すという困難なミッションを成し遂げた平岡、すべてはこの五輪のためだ。

実力を発揮すればメダルまでは確実、苦手のザンタライア、そして絶対王者ソビロフ超えで金メダルを目指す。

■有力選手

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世界選手権2連覇中のソビロフ。
09年-10年に急成長、あっという間に
歴史的な選手となりつつある
10年東京、11年パリと世界選手権2連覇中のソビロフ(ウズベキスタン)が最有力。組み手とパワーでドッシリ構えて相手を追い詰め、狼狽したところを隙のできた方向に自在に放り投げていく様を見る限り、単に強いだけでなく軽量級の伝説的な王者、歴史的な選手になりうる選手だ。

実績でこれに対抗するのが09年ロッテルダム世界選手権王者にして東京世界選手権2位のザンタライア(ウクライナ)。長身から組み手で相手を嵌めての小外掛が得意で、近年は外巻込に裏投、浮技なども目立つ。ただしザンタライアが勝ちまくったのは09年-10年冬期までで、11年春季以降は成績は伸び悩み、あの爆発力を見せるにはいたっていない。ザンタライアの志向する柔道をやりきるだけのパワーとスピードが失われてきている印象だ。平岡がザンタライアを苦手としていることでもわかる通り、ザンタライアに関しては実力の絶対値よりも対戦相性が順位に影響する可能性が高いと見る。

これに平岡を加えた3人が金メダル候補。ソビロフが優勝候補筆頭のAクラス、平岡とザンタライアがBクラスという評価で間違いないところ。

ところがこれに続くCクラスの選手がどれも粒ぞろいで伸び盛り。「上がり目」の選手が非常に多い。代表格は1月のマスターズをトントン拍子に制したガルスチャン(ロシア)。先ごろまでは典型的なベスト8クラスの選手であったが、意外な爆発力を見せ始めており、ここ1年とみに好調のロシア勢のの中核。若さもあり、この五輪に選手としてのピーク到達が間に合う可能性もある。

ザンタライア(ウクライナ)
ロッテルダム世界選手権王者の
ザンタライア
ほかはこれも力の強いチョ・ガンヘン(韓国)、ダフチャン(アルメニア)、ダバドルジ(モンゴル)などが急成長中で油断ならない。

■組み合わせ

平岡は準決勝でザンタライア、決勝でソビロフと対戦という予想通りの配置。

→60kg級組み合わせ

【プールA】

第1シードのソビロフが配されて勝ち上がり確実。ダバドルジが配されているが柔道の質的にパワーに劣る対戦で勝ちあがれるタイプではなく、ソビロフに嵌められて終わる可能性が高い。

【プールB】

第4シードのガルスチャン(ロシア)の山。準々決勝のチョ・ガンヘン戦が大山場。
ガルスチャンは1月のワールドマスターズでソビロフを食った前歴があり、この人が勝ち上がれば、準決勝でソビロフを倒してくれる可能性もなきにしもあらず。チョでは少々厳しい。

ガルスチャン(ロシア)
ワールドマスターズに優勝、
急成長中のガルスチャン
【プールC】

平岡の山。初戦は地元選手で、大声援が予想されるがまずここをしっかり戦いたい。2戦目は実力者ムーレン(オランダ)が相手、最近は下り坂だが、時間いっぱい使って「指導」積み上げを志向してくる選手で少々厄介。準々決勝はシュクヴァニ(グルジア)の予定だが、いずれ平岡が実力通り、またはそれに近いパフォーマンスが出来れば勝ち上がりの可能性はほぼ確実というブロックだ。

【プールD】

ザンタライアの山。ベルデ(イタリア)、ダフチャン(アルメニア)と名前は揃うが、さすがにここはザンタライアが勝ち上がるのではないか。番狂わせ要素があるのはダフチャンだが、互いがまっとうに力を出したと仮定すればザンタライアの勝ち上がりは堅い。

【準決勝-決勝】

ソビロフ-ガルスチャンは前述の通り直近の対戦でガルスチャンが番狂わせを演じておりなかなか面白い。平岡はかつてガルスチャンに強引過ぎる技を仕掛けて返された前歴があるが、戦いやすさという点では圧倒的にガルスチャンの方がやりやすい。前回対戦での敗戦を踏まえてソビロフの精神がパニックを起こすような、泥沼の消耗戦になればこの準決勝は面白いのではないか。

第2試合の平岡-ザンタライア。平岡は変則で懐が深いザンタライアをハッキリ苦手にしている。が、対策を公言してからここまでの2年間にわたって直接対決はなし。この間実力の絶対値としては平岡がその地位を確保し続け、ザンタライアが落ちてきたという構図、そしておそらくは平岡が練りに練っているであろうザンタライア対策を掛け算すれば平岡にも分がある。ここはなんとか勝ち上がってもらいたいところ。

日本の若手高藤直寿が昨年ザンタライアを掬投に屠り去っておりこの試合は大いに参考になると言いたいところだが、ザンライアは次戦以降この泥沼の掬投勝負に立ち向かい、過程を飛ばした外巻込で高藤にも勝利している。あれだけ弱点を見せたからには戦術的な手当てをしていないわけもなく、ここに逃げ込むのは少々危ない。
ザンタライアが見せているもう一つの弱点は、2分を過ぎると急にパフォーマンスが落ちるそのスタミナのなさ。技を仕掛ける際の「決め」の強さ、密着の確かさが武器のザンタライアの腕が試合終盤にはどんどんズレてくる。かつては早い時間帯での決着が多かったが、近年のパワーダウンによる技の決めの緩みが試合を長引かせてスタミナのなさを呼び込むという悪循環に陥るケースも多い。平岡としてはここまで粘って、勝負に出たい。

決勝のソビロフ戦、平岡の戦いのポイントは「我慢」とチャンスの見極め。圧殺して相手を嫌がらせ、出来上がった弱点方向に投げを打つのがソビロフのやり口。パリで見せたとおり、悪い組み手を我慢して状況を少しづつ直しながら一発狙っていくことが肝要。軽挙妄動・思考停止の大技は排除し、状況を積み上げてソビロフの隙を探したい。



※eJudo携帯版「e柔道」7月27日掲載記事より転載・編集しています。

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