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全日本実業団体対抗大会マッチレポート・女子第1部

2012年6月21日


※eJudo携帯版「e柔道」6月9日掲載記事より転載・編集しています。

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全日本実業団体対抗大会マッチレポート
女子第1部 (上)


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写真:開会式。今年度大会は
「復興祈念大会」として行われた
団体戦で社会人の柔道日本一を争う全日本実業団体対抗大会は6月2日に北上総合体育館(岩手県・北上市)で開幕。

初日に行われた女子第1部は今年も自衛隊体育学校、コマツ、三井住友海上という強豪3チームによるリーグ戦で行われた。

五人制団体で争われるこのカテゴリは先鋒と次鋒が57kg以下、中堅と副将が70kg以下、大将が無差別というレギュレーション。各ポジションに嵌る選手をしっかり揃えられるかどうかがカギとなる大会だ。

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写真:昨年度の雪辱に燃えるコマツ
まず第1試合は昨年優勝の自衛隊体育学校と、昨年は優勝目前にして大将杉本美香が池田ひとみに破れたどころか、腕挫十字固で腕を破壊されてしまうという屈辱を舐めたコマツが早くも対戦。

発表されたオーダーは下記。

コマツ - 自衛隊体育学校
(先)石川慈 - 藤田康恵
(次)宇高菜絵 - 平井希
(中)谷本育実 - 國原頼子
(副)大野陽子 - 定形美希
(大)岡村智美 - 池田ひとみ

コマツは78kg超級でロンドン五輪出場を決定している杉本美香が欠場、大将には岡村智美が座った。
この大将戦、ともに78kg級で世界選手権代表歴のある岡村と池田ひとみは双方比較的勝ち負けのはっきりしている選手だが、ともに階級を代表するトップ選手ということもあり勝敗を確実に計算することは難しい。「どちらかが取る」ことが濃厚なこの試合ではあるが、戦前の星勘定としてはここは引き分けと考えるべきだろう。
70kg級のトップレベルで鎬を削る2人、宇高菜絵と平井希が対戦する次鋒戦も同様で、戦前に勝利を織り込んでプランを立てることは難しい。

コマツの取りどころはまず副将戦、新卒の70kg級学生王者大野陽子が定形美希とマッチアップする試合。そして先鋒戦で講道館杯王者の石川慈が難敵藤田康恵からきちんとポイントが挙げられるかどうか。ここで確実に2点を挙げることが勝利への最短行程だ。

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写真:2連覇を狙う自衛隊体育学校
一方の自衛隊体育学校は70kg級の世界選手権銅メダリスト國原頼子が63kg級の谷本育実とマッチアップする中堅戦がもっとも計算できる試合。ともに強豪だが従来谷本がパワーファイターには意外な脆さを見せて来たこともあり、國原が体重差を利した試合運びでポイントを挙げるというシナリオは比較的想像しやすい。

人材的にポイントゲッターと成り得る平井希、池田ひとみはいずれも厳しい相手との試合でここを計算に入れることは難しいが、、藤田と定形が最少得点で凌ぎ、平井、國原、池田の3人でなんとか2点以上を確保したいというのが自衛隊体育学校のゲームプランになるだろう。

盤面配置はややコマツ有利も、次鋒戦、大将戦と試合の揺れる要素の多いタイの対戦が2試合あり勝敗は予断を許さない。

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写真:石川慈が右大内刈「一本」、
コマツが先制
先鋒戦はコマツ・石川が右、自衛隊体育学校・藤田ともに右組みの相四つ。
この試合は石川がまず引き手で襟、次いで釣り手で奥襟を得る丁寧な組み手で試合を引っ張る。藤田は下がりながらの背負投に体落で対抗するが石川優位の流れは変わらず。2分、石川が引き手で相手の右袖を得て押し込み出ると、これを嫌った藤田が場外際まで下がる。石川ここで展開を切らせず、場外を背に一瞬後退を躊躇した藤田に右大内刈を押し込んで「一本」。
コマツは最高の形で試合を滑り出す。

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写真:宇高菜絵が
平井希の朽木倒しを捌く
次鋒戦はコマツ・宇高に自衛隊体育学校・平井がマッチアップ。ともに組み手へのこだわりが強く試合は一貫して膠着気配。平井は左右両方の巻き込みに朽木倒と泥臭く乱戦を挑むが先鋒戦のリードを背景にした宇高はこれにつきあいすぎず冷静に5分を戦い抜き、この試合は引き分け。

中堅戦はコマツ・谷本、自衛隊体育学校・國原ともに右組みの相四つ。自衛隊体育学校にとってはなんとしても得点したい最大の勝負どころだ。

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写真:國原頼子の
右一本背負投は「有効」
國原は組み際の右大内刈に右一本背負投で攻めるがこの日非常に動きの良い谷本は左袖釣込腰を鋭く合わせて応戦。押し込まれながらも技を打ち返して冷静に展開を保ち続ける。
しかし1分27秒、國原が右一本背負投の形に腕を抱えた右大内刈、これで腰を入れておいて右一本背負投に変化すると一旦は横についてこれを抱え止めた谷本、國原の強引なフィニッシュに抗い切れずゴロリと転がって「有効」。

以後も前に出てくる國原を谷本が凌ぎ続ける展開が続き、1分58秒には谷本に片襟の「指導1」。谷本は苦しい状況に追い込まれたが、右片襟背負投に片襟の大内刈と粘り強く攻め続けるうちにジワジワと流れをつかみ、残り51秒には國原にも片襟の「指導」が与えられる。

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写真:谷本育実、
残り4秒で執念の「技有」奪取
あと一つ「指導」を失うと追いつかれるというプレッシャーもあってかこのあたりから國原の動きが固くなる。ここに付け込んだ谷本はこの試合初めて有利に組み手を展開、釣り手で背中を叩いて國原が伏せる場面も作ったが、この時点で残り時間は15秒。試合はこのまま終了するかに思われた。

しかし終了直前の残り4秒、谷本が釣り手一本のみの右体落。引き手を持たない崩し技であったが國原がこれに大きく崩れて膝をつくと、谷本はその立ち上がり際を狙い一歩前へ。ふらつく國原に鋭く食いついて胸を合わせると予想外に距離を詰められた國原はバランスを保てず転がってしまう。谷本しっかりこれに被って執念の「技有」奪取。

残り時間は全くなく試合はそのまま終了。國原は呆然。
谷本の劇的な逆転勝ちでスコアは2-0、コマツが自衛隊体育学校を大きくリード。

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写真:大勢は決し、
コマツは大野陽子の袈裟固「一本」で追加点
この時点でほぼ勝負は決した。最大の取りどころを逃すどころか失点という予想外の結果で終えてしまった自衛隊体育学校に盤面をひっくり返す力は残っておらず、次戦はコマツの副将大野が定形を左内股で崩して伏せさせ、逃れる定形の肩を無理やり引きずり出し、左の袈裟固に極めて「一本」。3点を積み上げたコマツが大将戦を待たずに勝利を決めた。

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写真:岡村が大外刈
「有効」でスコアをタイに戻す
大将戦は自衛隊体育学校の池田が右一本背負投の形に腕を抱えた小内刈「有効」でリードしたが、粘り強く組み勝ち続けた岡村の圧力に耐え切れず、試合の流れは中盤以降完全に岡村。
残り50秒で岡村の大外刈が炸裂し「有効」となりスコアはタイ。さらに岡村は池田の右大内刈を小外掛ではじき返して「有効」を奪って逆転勝利。

結果、この試合はコマツが4-0という大差で勝利を決めた。

谷本の最後まで勝利をあきらめない粘りが光る一方、自衛隊体育学校の世界選手権経験者2人の踏ん張りのきかなさ、メンタルのもろさは全く意外。好対照の試合であった。

コマツ 4-0 自衛隊体育学校
(先)石川慈○大内刈(2:00)△藤田康恵
(次)宇高菜絵×引分×平井希
(中)谷本育実○優勢[技有・谷落]△國原頼子
(副)大野陽子○袈裟固△定形美希
(大)岡村智美○優勢[有効・小外掛]△池田ひとみ

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