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全日本選抜柔道体重別選手権男子マッチレポート 81㎏級、90㎏級、100㎏級、100㎏超級

2012年5月31日


※eJudo携帯版「e柔道」5月18日掲載記事より転載・編集しています。

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全日本選抜柔道体重別選手権男子マッチレポート
81㎏級、90㎏級、100㎏級、100㎏超級 1/4


81kg級
個性派ファイター中井貴裕、「一本」決着で代表の座勝ち取る


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写真:準決勝、
中井貴裕が海老泰博を攻める
五輪代表争いの一番手は中井貴裕(流通経済大4年)、これを追う有力候補と目された長島啓太(日本中央競馬会)と川上智弘(國學院大職)がともに欧州国際大会シリーズで勝ちきれなかったことで、この最終予選は中井が大きくリードして迎えることとなった。

その中井は順当に決勝進出。1回戦はしぶとい春山友紀(国士舘大4年)を相手に「指導1」奪取を経て迎えたGS延長戦の開始早々に左大内刈で崩すと間髪入れずに胸を合わせて「有効」奪取で勝ち抜け。
準決勝は海老泰博(旭化成)を2分30秒の小内刈「技有」、さらに2分47秒に「指導2」と奪って圧倒。3分37秒に小内刈「有効」を失ったものの直後に小外刈で「有効」を追加して突き放し、「技有」による優勢勝ちで決勝進出を決めた。
組み手の角度を変えながら、浅い技、深い技に掛け潰れを織り交ぜ、海老が付き合えば付き合うほど試合は中井のペース。角度のないところから浅い撃ちを繰り出し続け、ここぞと見るや真剣の一撃を混ぜ込んでくる戦いぶりはまさに難剣、さすが中井という2試合だった。

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写真:準決勝の大一番は川上が
長島を小外掛「一本」に仕留める
一方、長島は1回戦で丸山剛毅(天理大2年)に内股「有効」を先制されたものの落ち着いて戦い残り50秒で「指導3」まで得て逆転勝利。
川上も昨季のインターハイ王者永瀬貴規(筑波大1年)を2分掛からずに得意の小外刈「一本」に仕留めて勝利して準決勝進出。中井への挑戦権を掛けた準決勝は長島啓太と川上智弘、予想通りの主役級2人によって争われることとなった。

この試合は2分34秒、見事な「一本」で決着。川上の激しく前に出ながらの小外掛を長島は捌き切れず、後ろに反り返るように倒れて「一本」。爆発的に距離を詰めること、前に出ること自体で相手が崩れる川上得意の「小外掛ダッシュ」とでもいうべきこの技は点火させてしまうと止めようがない。川上、久々に持ち味発揮の見事な一本勝ちで見事決勝進出を決めた。

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写真:決勝、序盤は両者いなしあいに
終始して技は散発の連続
決勝は中井、川上ともに左組みの相四つ。

中井開始と同時に左体落に飛び込むがこれは潰れる。
以後50秒近くに渡って両者は組み手のやりなおし、いなしあい、掛け潰れに後の先狙いの掬投と動的な膠着を続ける。大外刈、小内巻込、払巻込とお互い思い切って技を仕掛けはするのもの相手の後の先を警戒して粘りすぎることはせず、結果組むなりどちらかが掛け潰れることをひたすら続ける印象。

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写真:長島が左内股で
攻勢の時間帯を作る
1分過ぎから川上が小外刈に左内股、対抗した中井の支釣込足をさらに左内股に切り返し、主審が試合に差をつけたくなるこの時間帯に技を集中。1分46秒、中井に「指導1」が与えられる。

再開直後、川上は抱きついて奥襟を叩きながら左内股を狙うが、中井出し投げるように前に振り落として突き離し「待て」。以後も両者引き手からいなしあい、奥襟を叩きあってはお互いに離れることの連続。

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写真:川上が支釣込足から
中井をコントロールして「有効」
1分半を過ぎ川上が小内刈の位置に支釣込足を入れて中井を崩すと、崩れた中井が膝を着いたところに体を回し合わせて「有効」。試合は大きく動く。中井は今大会初のビハインド。経過時間は1分34秒、残り時間は3分26秒。

「指導1」に「有効」をリードされ攻めるしかない中井だが、川上は左背負投で中井を崩して寝技に持ち込むと裾に手を回して中井の腹を包む。危機を感じた中井が身を起こしたところに川上被って抑え込みを狙うが中井は足を絡んで「待て」。この展開で30秒近くを消費し、残り時間は2分27秒。

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写真:川上の猛ダッシュを、
中井は縺れながら左大外刈
に捕まえる
川上この再開後に勝負に出る。畳を蹴って一気に距離を詰めると中井の背中を抱いて左小外掛。開始線から一呼吸で中井の裏を捉える爆発的な「ダッシュ小外」だ。
しかし絶体絶命と思われた中井、驚異的なバランスで身を翻し、左大外刈でこれを切り返す。自身の前進を利用された川上に体を残す材料はなく、観客が息を呑む暇もなく激しく1回転、畳に落ちて「一本」。経過時間は2分47秒。

飄々とした試合態度が売りの中井も思わず拳を突き上げてガッツポーズ。中井、見事な「一本」で選抜体重別連覇決定、同時にロンドン五輪代表の座を手中に収めた。

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写真:見事な一本で
代表の座を手中に収めた
日本の弱点と言われたこの階級。2009-2010シーズンから国際大会に起用され続けた中井は「皆勤」と言って良いほどの連戦を積み重ね、地道に力をたくわえてきた。 変則スタイルの中井にはお手本となる選手はいない。この3年間、中井は自身の努力と研鑽で攻撃と守備、そして組み手のバリエーションを増やし続けてきた。「変則」という一語で括られがちな中井の柔道だが、その中身の濃さはもはや3年前とは別物だ。本人と所属、そして強化陣の忍耐と努力が、変則ファイターと評され続けた中井のこの日の見事な「一本」に結実したと評したい。

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写真:中井、
珍しく感情を露に拳を突き上げる
キム・ジェブン(韓国)、ギヘイロ(ブラジル)の2人が最有力のこの階級だが、パワーと体格、スピードのバランスが揃いやすいこの階級は第2グループの選手層が厚く、出場選手は強豪しかいないと言って良い状態。しかし手本のない中井のスタイルは彼らにとっても厄介なはず。五輪で繰り広げられるであろう「中井ワールド」の中身の濃さと結果に、大いに期待したい。

中井貴裕選手のコメント
「(ガッツポーズは)嬉しくて思わず出てしまいました。すみません。今日は気持ちだけで戦いました。まさか一本を決められると思っていなかったので、優勝できて本当に嬉しい。去年はなかなか結果が出なかったので、失うものは何もない、後悔をしないように試合をしようと考えていました。本当にありがとうございました。」

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写真:優勝の中井貴裕
【入賞者】
優勝:中井貴裕(流通経済大4年)
準優勝:川上智弘(國學院大職)

【1回戦】
中井貴裕(流通経済大4年)○GS有効・大内刈(GS0:18)△春山友紀(国士舘大4年)
長島啓太(日本中央競馬会)○優勢[指導3]△丸山剛毅(天理大2年)
川上智弘(國學院大職)○小外刈(1:44)△永瀬貴規(筑波大1年)
海老泰博(旭化成)○優勢[有効・背負投]△高松正裕(桐蔭学園高教)

【準決勝】
川上智弘○小外掛(2:34)△長島啓太
中井貴裕○優勢[技有・小内刈]△海老泰博

【決勝】
中井貴裕◯大外刈(2:47)△川上智弘

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